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オールオン4とは?一般的なインプラントとの違いやメリットを解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

オールオン4のイメージ画像

「オールオン4とは?」「オールオン4とインプラントの違いは?」などの疑問をお持ちの方はいませんか。

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどを解説します。ぜひこの記事を参考に、オールオン4についての理解を深めてください。

オールオン4とは?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4とは、顎の骨に最小4本のインプラントを埋め込むことで、12本の連結した人工歯を固定する治療方法です。

従来のインプラントは、1本の歯に対して1本のインプラントを埋め込む必要があります。

オールオン4は、通常のインプラントより少ない本数で多くの歯を固定できます。少ないインプラントで治療を行えるので、身体的な負担や費用を抑えることができるでしょう。

オールオン4のメリット・デメリット

Merit とDemeritと書かれたノート

オールオン4のメリット・デメリットをご紹介します。

オールオン4のメリット

オールオン4のメリットは、以下のとおりです。

  • 治療期間が短い
  • 身体への負担を軽減できる
  • 顎の骨の量が不足していても治療できる
  • 治療費を抑えられる

それぞれ詳しく解説します。

治療期間が短い

オールオン4は、インプラントを埋め込む手術当日に上部構造とよばれる人工歯を固定できます。そのため、通常のインプラントより治療期間が短いことがメリットです。

一般的なインプラントでは、以下のプロセスを踏む必要があります。

  1. 顎の骨に穴をあける
  2. 人工歯根を埋め込む
  3. 人工歯根が骨と結合するまで待つ
  4. 人工歯根と人工歯を結合する

インプラントは人工歯を結合するまでに5か月ほどかかります。オールオン4は、1日で人工歯を取り付けることが可能なのです。

身体への負担を軽減できる

オールオン4は、最小4本のインプラントで上部構造を固定できるので、通常のインプラント治療に比べて身体への負担を軽減できます。

インプラントを埋め込むには顎の骨に穴をあける必要があるので、穴をあける本数が多くなれば身体的負担が増大するでしょう。オールオン4は身体への負担が少ないので、高齢者の方でも治療を行うことが可能です。

顎の骨の量が不足していても治療できる

オールオン4は、顎の骨の量が多い部分を選んでインプラントを埋め込むので、顎の骨量が不足していても治療ができます。

通常のインプラント治療を行う際は、顎の骨量が不足している場合に骨の量を増やす骨造成を行う必要があります。

しかし、オールオン4では骨造成を行わずにインプラントができる可能性が高いです。

治療費を抑えられる

オールオン4はインプラントの本数が少ないので、治療費を抑えられます。

症例によって異なりますが、通常のインプラント治療では何十本もインプラントを埋め込むケースも少なくありません。インプラントの本数が増えれば増えるほど、高額な治療費が必要です。

治療費をできるだけ抑えたいと思っている方には、オールオン4が適しているでしょう。

オールオン4のデメリット

オールオン4のデメリットは、以下のとおりです。

  • メンテナンスが必要である
  • 残っている歯の抜歯が必要な場合がある
  • 治療できる歯科医院が限られている

それぞれ詳しく解説します。

メンテナンスが必要である

オールオン4の治療後は、最低でも1年に1~2回のメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、インプラントが破損する可能性があるためです。

しかし、通常のインプラントでもメンテナンスは欠かせません。インプラント治療を受けた場合は、口腔内の健康のためにメンテナンスを受けましょう。

残っている歯の抜歯が必要な場合がある

オールオン4の治療を受ける際に歯が残っている場合は、すべて抜歯する必要があります。残っている歯の状態によりますが、抜歯後に腫れて強い痛みが出ることもあるでしょう。

治療できる歯科医院が限られている

オールオン4を行うには専門的な技術と経験が必要なので、治療できる歯科医院が限られます。経験豊富な歯科医師が在籍していることはもちろん、専用の設備や機器も必要になるでしょう。

オールオン4の治療ができても、治療実績が少ない歯科医院の場合はトラブルへの対処がうまくできない可能性があります。治療が失敗するリスクが高まるので、歯科医院の選び方が重要です。

オールオン4と一般的なインプラントは何が違う?

2つの?を比較する赤い服の女性

オールオン4と一般的なインプラントの違いは、体にかかる負担の大きさでしょう。

一般的なインプラントは、10本以上のインプラントを埋め込む必要があるケースも珍しくありません。手術時間が長くなるのはもちろん、痛みや腫れなど体への負担も増大します。

オールオン4は、上の歯がすべてないケースでも最小4本のインプラントで治療ができます。1本1本埋め込むよりも、体への負担が少ないでしょう。

また、一般的なインプラント治療では長期間にわたって治療を行う必要がありますが、オールオン4では即日仮歯を入れられます。

オールオン4の治療のステップ

STARTからGOALへの階段

オールオン4の治療ステップは、以下のとおりです。

  • カウンセリング
  • 精密検査
  • 治療方針の決定
  • 手術
  • 最終的な人工歯の取り付け

それぞれ解説します。

カウンセリング

カウンセリングでは、オールオン4の治療方法やメリット・デメリットの説明を行います。患者さまの歯の本数や顎の骨の量、骨密度によっても、オールオン4の治療方法が変わるでしょう。

事前に大まかな費用や治療期間を相談します。精密検査後に費用や治療期間が大きく変わる可能性もあるでしょう。

精密検査

歯や骨の状態を正しく把握するために、精密検査を行います。歯科医院によって異なりますが、以下の検査を実施する場合が多いです。

  • 歯周検査
  • 口腔内写真撮影
  • CT撮影
  • パノラマレントゲン撮影

持病がある方には、精密検査のほかに内科主治医への相談が必要な場合があります。

治療方針の決定

オールオン4治療の最終的な費用や治療期間、具体的な治療の進め方の説明を行います。要望や疑問点などがあれば相談できるので、少しでも気になることがあれば質問しましょう。

手術

インプラントの埋入手術を行い、人工歯とインプラントを結合させるアバットメントを装着します。歯茎を切開した部分の縫合も行います。

外科手術終了後は出血が落ち着くまで休憩し、仮の人工歯を装着したら手術完了です。

最終的な人工歯の取り付け

仮の人工歯を装着して噛み合わせの確認などを行い、6か月程度経過したら最終的な人工歯を取り付けます。

人工歯を装着したら終了と思う方もいますが、インプラント治療後は必ず定期メンテナンスを受けましょう。インプラントにトラブルが起きた際、保証を受けるにはメンテナンスを受けていることが条件の場合が多いです。インプラントを長期的に機能させるためにも、メンテナンスに通ってください。

オールオン4の費用

机の上に置かれたノートとペンと電卓

オールオン4の費用相場は、片顎で2,000,000〜3,000,000円です。治療費の相場に大きな幅があるのは、人工歯の素材によって費用が異なるからです。人工歯の素材は、ハイブリットセラミックやセラミックなどから選択できます。

歯科医院によって治療方針や治療技術などが異なることも、治療費に影響するでしょう。費用が安いオールオン4治療は、十分な診断や検査などのプロセスを省いている可能性があるため、費用の安さだけで歯科医院を選ばないように注意してください。

オールオン4はどのような人におすすめ?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 総入れ歯を使用している人
  • 費用を抑えたい人
  • 顎の骨が少ない人
  • 虫歯などで多くの抜歯が必要な人

オールオン4は、総入れ歯よりも顎の骨にしっかりと固定できます。違和感なく装着でき、強く噛むことが可能です。

また、少ないインプラントで治療を行えるため、治療費を抑えたい方にも向いているでしょう。

さらに、顎の骨が少ない人でも治療を受けることができます。虫歯などで残っている歯の本数が少ない人も、オールオン4が適しているといえます。

1〜2本だけインプラントにしたいと考えている人には、オールオン4は向いていないでしょう。

まとめ

歯科医院で鏡を見て笑う男性

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどをご紹介しました。

オールオン4のメリットは、治療期間が短いことや体への負担が少ないこと、治療費を抑えられることなどが挙げられます。デメリットとしては、残っている歯を抜歯する場合があること、治療できる歯科医院が限られていることなどが挙げられるでしょう。

オールオン4は高額ですが、メリットも多い治療です。メリット・デメリットを把握し、自分に適した治療かどうかしっかりと考えて、オールオン4を選択してください。

インプラントやオールオン4でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントを勧めない歯科医師がいるのはなぜ?その理由とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントは審美性が高く、しっかり固定されることによって天然歯のように噛めるなど、メリットが多い治療法です。

しかし、インプラントを勧めない歯科医師もいます。なぜインプラントを勧める歯科医師と勧めない歯科医師がいるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、インプラントのメリットやデメリット、なぜインプラントを勧めない歯科医師がいるのかを解説します。インプラントを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントのメリット・デメリット

インプラント治療のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

インプラントのメリット

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、しっかりと固定されます。不快な感覚や違和感が少なく、天然歯と同じようにしっかりと咀嚼できます。食事を楽しみに思っている方にとっては、大きなメリットでしょう。

インプラントは審美性が高く、ブリッジなどに比べると非常に見映えがよいです。特に、顔の印象を左右する前歯などに使用する方が多いです。

また、インプラントは虫歯にならないため、虫歯で歯を失うことはありません。定期的に歯医者でのメンテナンスを受けて清潔な口内を保つことで、10年以上長持ちさせることも可能といわれています。

インプラントのデメリット

インプラントでは、人工歯根を顎の骨に埋入するための外科手術が必要です。治療にかかる期間は長期に渡り、治療費も高額になるでしょう。

インプラントの手術が無事に終わっても、口内で細菌が繁殖する場合があります。インプラント周囲炎をはじめとする炎症や合併症が起きることがあるのです。

インプラントを埋入するための顎の骨は、前歯に近づくにつれて薄くなります。埋入したい部分や患者さまの骨の状態によって、インプラントの埋入手術とは別で、顎の骨を増やす手術が必要なケースがあります。外科手術を複数回行うことは、患者さまへの身体的負担が大きく感染のリスクも増加するため、デメリットといえるでしょう。

さらに、歯周病などで歯茎や骨の状態が悪化すると、インプラントの土台部分が不安定になり、脱落することもあります。

インプラント手術は、検査や多くの工程を経て手術が完了したあとも、定期的に歯医者でメンテナンスを受ける必要があります。自宅での丁寧なクリーニングも欠かさず行い、常に清潔な口内を維持する必要があるのです。

インプラントを勧めない歯科医師もいる?

インプラント治療にはリスクもあるため、なかには勧めない歯科医師もいます。インプラントを勧めない歯科医師がいる主な理由は、以下の3つです。

インプラント治療に対する十分な知識や技術がない

インプラント治療に対する知識や技術が不十分なケースが挙げられます。

インプラント治療には専門的な知識が必要であり、高度な技術が求められます。十分な知識と手術実績がない医師が行うと、安定性が低くなりすぐに脱落するなど、インプラント治療が失敗する可能性があるのです。

患者さまのリスクが高まるため、歯科医師がインプラント治療を勧めない理由といえるでしょう。

インプラント治療のための設備が整っていない

インプラント治療のための設備が整っていない場合もあります。

インプラントは外科手術を要する治療なので、専門的な設備を必要とします。手術室の衛生管理も徹底しなければなりません。手術を行える設備が整っていない歯医者では、インプラント治療を行うことはできないのです。

起こりうる炎症や合併症を避けたい

インプラント治療は外科手術を行うため、炎症が起きるリスクがあります。

術後の感染や神経損傷などの合併症が起きるリスクもあるため、リスクを避けたいと考える歯科医師もいるでしょう。

歯科医師によって勧める治療法が異なるのはなぜ?

歯科医師によって勧める治療法が異なる場合があります。理由は、以下の3点です。

歯科医師によって考え方が異なる

歯科医師は、自身の信念に基づいて治療方針を決めます。歯科医師それぞれの価値観や思考パターン、専門性の違いが反映されるといえるでしょう。

特に、インプラントは、患者さまの身体的な負担が大きい治療なので、必要性は慎重に検討されます。歯科医師自身の経験や信念、専門知識に基づいて、インプラント治療以外の方法で歯を補うべきだと判断した場合は、ほかの治療法を勧められるでしょう。

歯科医師になるまでの教育内容や経験が異なる

歯科医師がどのような経験や教育を受けてきたのかも、重要なポイントです。

医学は絶えず進化しており、新たな治療法が日々生まれています。古い学説に固執するのではなく、常に新しい知識を吸収し続けることが求められるでしょう。臨床経験やカリキュラムで学んだ病態や治療法は、歯科医師の考え方に大きな影響を与えます。そのため、歯科医師によって治療方針や勧める治療法が異なるのです。

重要視するものが異なる

歯科医師が独立している場合は特に、経営を重視するのか歯科治療を重視するのかによって治療方針が変わります。保険診療を重視している歯医者もあれば、新しい治療をどんどん取り入れた、自由診療が多い歯医者もあるでしょう。

経営者の方針によって大きく異なり、歯医者の特色にもなります。

信頼できる歯医者の選び方

インプラント治療を受ける際に、どのような点に気を付けて歯医者を選ぶとよいのでしょうか。以下の5つのポイントを押さえて歯医者を選べば、自分に合った歯医者を見つけられるでしょう。

丁寧にカウンセリングしてくれる

信頼できる歯医者を選ぶうえで、丁寧にカウンセリングしてくれるかどうかは重要なポイントです。初めて受診した際に、カウンセリングの丁寧さ、口内の状態を詳しく説明してくれるかなどを確認しましょう。

治療方法や治療計画、ほかの選択肢について説明してくれる歯医者や疑問に丁寧に回答してくれる歯医者は、安心して治療を受けられます。特に、治療期間が長いインプラントでは、円滑にコミュニケーションが取れる歯医者がよいでしょう。

同じ歯科医師が診察してくれる

歯科医師が多く在籍している歯医者もありますが、同じ歯科医師が診察してくれると安心できるでしょう。

歯科医師とのコミュニケーションの取りやすさは、治療の質に直結します。同じ歯科医師が診察すれば、患者さまの口腔環境や治療履歴を理解しやすいでしょう。患者さまの特性に合わせた治療を行ってくれます。何度も同じ歯科医師に診てもらうことで信頼関係を築くことができ、安心して治療を受けられるでしょう。

歯科医師やスタッフが丁寧に対応してくれる

歯科医師やスタッフが、患者さまに対して優しく接してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。歯医者が患者さまの不安や痛みに配慮し、安心して治療を受けられる環境を提供していることを確認してください。

歯科治療では麻酔を使用することがありますが、麻酔を使用しても痛みを感じる場合があります。スタッフに優しく接してもらえることで、治療中に過度のストレスや不安を感じることがなくなるでしょう。リラックスした状態で治療を受けられます。

歯医者の雰囲気がよい

インプラント治療は、継続的に歯医者に通院する必要があります。雰囲気のよい歯医者を選ぶことは、非常に重要といえるでしょう。

歯医者の雰囲気は、スタッフのサービス精神やプロ意識の高さ、設備のよさなど、医院の質が反映されます。清潔感があり、最新の設備が整っている歯医者を選びましょう。

衛生管理を徹底している

信頼できる歯医者を選ぶ大切なポイントの一つに、衛生管理を徹底していることが挙げられます。

口腔内は非常に菌が繁殖しやすいです。インプラントで外科手術を受ける場合は、傷口が感染するおそれもあるので、清潔な環境の維持は必須といえるでしょう。歯医者を選ぶ際には、院内が明るく清潔感があり、診療室や器具が常に清掃され、滅菌管理がされているか確認することが大切です。

まとめ

歯科模型を使って説明する歯科医師

多くのメリットがあるインプラントですが、デメリットやリスクもあるため、インプラント治療を勧めない歯科医師もいます。勧めない理由はさまざまですが、患者さまの状況を適切に把握して説明してくれる歯科医師であれば、納得することができるでしょう。

インプラント治療にはリスクもありますが、失った歯を補う治療方法としては非常に優れています。リスクも理解したうえで、しっかりと歯科医師と相談して治療を受けるかどうか決めることが大切です。

患者さま自身が納得のいく治療を受けられる歯科医師を見つけ、最善の方法を選べるように歯医者を選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療で悪い歯並びは治せるの?矯正治療との違いを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

顎に埋め込まれたインプラント

「インプラントで歯並びを治せる?」「インプラントと矯正の違いは?」などの疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、インプラント治療では歯並びを整えることはできません。インプラントは、失った歯の機能を補うための治療なので、歯並びを整える目的では利用されないのです。

今回は、歯並びが悪いことによるリスク、インプラント治療の目的、インプラント治療と矯正治療の違いなどを解説します。この記事を参考に、インプラント治療や矯正治療に関する正しい知識を身につけ、ご自身に適した治療法を選択してください。

歯並びが悪いことによるリスク

RISKと書かれた木のブロックを抜く男性

歯並びが悪いことによって引き起こされるリスクは、以下のとおりです。

  • 虫歯や歯周病になりやすい
  • しっかり噛めない
  • 口臭の原因になる
  • コンプレックスになる
  • 発音が悪くなる

それぞれ解説します。

虫歯や歯周病になりやすい

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯と歯が重なりあって生えている場合は、食べかすが詰まりやすく、歯磨きが不十分になりやすいためです。

歯磨きが不十分で食べかすや歯垢などが口内に残ると、歯垢を栄養源とする歯周病菌が増殖します。歯周病菌が繁殖すると、歯茎の腫れや出血を引き起こし、歯周病になりやすくなるでしょう。

また、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなるため、物を噛んだときに特定の歯に大きな負担がかかります。本来、歯は全体で噛む力を吸収して分散することで、特定の歯に極端な負荷がかかることを防いでいます。

しかし、歯並びが悪いと噛む力を分散できません。特定の歯に大きな力がかかり続けると、歯を支える組織が傷つけられ、歯周病の進行を早めるでしょう。

しっかり噛めない

歯並びが悪いと、食べ物をしっかり噛むことや細かく噛み砕くことが難しくなります。よく噛めないと十分に噛み砕かれていない食物が胃腸に送られます。胃腸に負担がかかり、消化不良につながるでしょう。

また、噛む力が弱まることで柔らかいものを好むようになり、繊維質の肉や野菜を避けることで栄養バランスが崩れる可能性もあります。栄養バランスが乱れた食事を長期的に摂取すると、生活習慣病や認知症などのリスクが高まるでしょう。

歯並びが悪いと、口腔内だけでなく全身の健康に影響を与えるのです。

口臭の原因になる

歯並びや噛み合わせが悪いと、口が閉じにくいことから口呼吸になる場合があります。口呼吸になると、唾液が不足して口の中が乾燥します。

唾液には自浄作用や殺菌作用があるため、乾燥した口内では雑菌の繁殖が進むでしょう。雑菌の繁殖が進むと、口臭が強くなります。

上述しましたが、歯並びが悪いと歯磨きが難しいため、歯垢が蓄積しやすいです。蓄積した歯垢も、口臭の原因になるでしょう。

コンプレックスになる

歯並びや噛み合わせが悪いと、見た目を気にして人前で笑えなくなる、マスクをつけなければ人前に出られなくなるなど、精神にも影響も及ぼす可能性があるでしょう。「ガタガタした歯並びを見られたくない」「出っ歯を見られるのが恥ずかしい」など、人とコミュニケーションを取ることを控えるようになるかもしれません。

また、歯並びや噛み合わせが悪いと、顔が歪むことがあります。顔が歪んでいることも、コンプレックスになり得るでしょう。

発音が悪くなる

歯並びが悪いと、滑舌や発音に悪影響を及ぼします。上下の歯が噛み合わないと、歯と歯のすき間から空気が漏れる場合や舌をスムーズに動かせない場合があるでしょう。唇に歯が引っかかり、唇の動きが制限されることもあります。

発音が悪いと人と話すことに不安を感じ、コミュニケーションを取るのを避ける可能性があります。

インプラント治療で悪い歯並びは治せるの?

家で顎に手を当てて考える男性

インプラント治療では、歯並びを整えることはできません。

インプラントは、失った歯を補う治療です。一般的に、健康な歯を抜いてまでインプラント治療で歯並びを整えることはしません。

インプラントは、事故や加齢などによって歯を失った方や歯に大きなダメージを受けた方が、歯を補うために行う治療法なのです。

インプラント治療の目的とは?

椅子に座って考える女性

インプラント治療の目的は、失った歯の機能を補うことです。歯を失った部分に人工歯(インプラント)を埋め込むことで、噛む力や見た目の回復をはかります。また、歯はスペースがある方向に動く習性があるため、歯が動かないように保定する役割も果たすでしょう。

インプラントは、審美目的で利用されるのではなく、あくまで歯の機能回復のために利用されます。インプラントとして用いられる人工歯は、機能性と審美性の高さを兼ね備えているため、インプラント治療で歯並びを整えたいと考える方もいるでしょう。

しかし、不必要に健康な歯を抜くのは、噛む力が低下するなどのデメリットがあります。歯並びを整えたいと思っている方は、まずは矯正治療を検討してください。

歯並びを治すためには矯正治療が必要

歯科医院で鏡を見て歯を確認する女性

歯並びを整えるには、矯正治療が必要です。

矯正治療とは、歯並びや噛み合わせを整える治療です。矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの種類があり、個々の希望や症状に合わせて矯正方法を選択します。

ワイヤー矯正は、出っ歯や受け口、重度の叢生(ガタガタした歯並び)など、幅広い症例に適応可能です。歯並びの問題が重度の場合は抜歯が必要になりますが、抜歯せずに矯正できる場合もあります。

ワイヤー矯正もマウスピース矯正も、歯や顎の骨にゆっくりと力をかけ、時間をかけて歯を動かして歯並びを整える治療法です。歯並びを整えたい場合は、インプラント治療ではなく矯正治療を検討しましょう。

インプラント治療と矯正治療の違い

赤と緑のチェックマークを比較する男性

インプラント治療と矯正治療は、目的が異なります。インプラント治療は失った歯の機能を補う治療で、矯正治療は歯並びと噛み合わせを改善する治療です。

メディアなどで芸能人が「歯並びをきれいにするためにインプラント治療を受けた」と話しているのを目にしたことがある方もいるかもしれません。これは、芸能関係などの特殊な仕事をしており急速に歯並びを整えなければならず、インプラント治療を行っただけで、一般的に適応される方法ではないことを覚えておきましょう。

また、インプラント治療で用いる人工歯は、見た目が美しく高い機能を兼ね備えているため、手軽に高い審美性を獲得できると考えている方もいます。

しかし、歯並びを整えるのは矯正治療の役割です。インプラントの役割は、歯を失った部分に人工歯を埋め込んで噛む機能を取り戻すことです。それぞれの治療の目的を理解し、ご自身の症状に合った方法で治療しましょう。

まとめ

顎に手を当てて笑う女性

今回は、インプラント治療で歯並びを整えることができるのか、矯正治療との違いなどを解説しました。

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びを整えることは全身の健康を維持するために効果的ですが、インプラント治療は歯並びを整える目的では選択されません。

インプラント治療の目的は、失った歯の機能を補って噛む機能を回復することです。歯並びを整えるには、歯や顎の骨に力を加えて歯を移動させる矯正治療を受けましょう。

自分の歯の歯並びを整えたいと思っている方は、矯正治療を選択するとよいでしょう。歯科医院でのカウンセリングなどを利用し、インプラントや歯列矯正について相談してください。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリットとは?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

セカンドオピニオンの歯科医師と患者さまが会話している

インプラント治療は、顎の骨に器具を埋める外科手術を必要とする高度な治療方法です。インプラント治療は、治療期間も長期間にわたるため、心身への影響も少なくないでしょう。だからこそ「本当にこの治療方法で大丈夫なのか」「もっとほかの選択肢はないのか」と不安に感じてしまう患者さまもいらっしゃいます。

そのようなときは「セカンドオピニオン」を受けてみてはいかがでしょうか。セカンドオピニオンを受けることで納得して治療にのぞむことができ、疑問や不安を解決できる可能性が高まります。

今回は、セカンドオピニオンを受けるメリットや、セカンドオピニオンを受ける際の流れなどを解説します。

セカンドオピニオンとは

歯科医師と患者さまが会話している

セカンドオピニオンは「第二の意見」「別の意見」という意味で使われます。治療を受ける方が納得して治療を選び、決断できるように、担当の歯科医師とは別に、ほかの歯科クリニックの歯科医師から意見を求めることを指します。

セカンドオピニオンは、担当の歯科医師を変えることや転院することが目的ではありません。あくまでほかの歯科医師の話を聞くことで担当の歯科医師とは違う角度からの意見を求め、治療の理解を深めることで納得したうえで治療を受けるということが大きな目的です。

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリット

メリットをあらわす積み木

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリットは、以下のとおりです。

  • 診断の正確性を判断できる
  • 保証内容などを比較できる
  • 費用の相場がわかる

以下、それぞれ詳しく解説します。

診断の正確性を判断できる

インプラント治療は、専門性が高い治療であり、高度な技術と知識を必要とします。そのため、歯科医師によって技術にばらつきがあることがあります。例えば、Aクリニックでは1つの治療方法しか提示されなかったのに、Bクリニックでは2つの治療方法から選択できるなどのパターンがあり、最初に提示された治療よりも、よい治療方法が見つかる可能性があるのです。

セカンドオピニオンを聞くことで、本当に担当の歯科医師の判断が正しいのかどうかを判断できることがあります。

保証内容や設備を比較できる

インプラントは自由診療となるため、歯科クリニックごとに保証内容が異なります。

インプラント治療には保証期間や保証範囲などが定められています。保証が受けられる条件であれば、インプラントが破損したときに新しいインプラントに交換できることや、手術にかかる費用が無償となることがあるのです。保証をしっかり確認しておくことで、何かトラブルが起こったときにも、損することなく治療を受けることができるでしょう。

また、クリニックの設備も歯科クリニックによって大きく異なります。例えば、歯科用CTを導入しているクリニックであれば、レントゲンでは確認できない詳細な診断ができ、インプラントを安全に埋没するために役立ちます。正確さに関わるため、歯科用CTを導入しているクリニックのほうが安心といえるでしょう。

費用の適正価格が確認できる

インプラント治療は、自由診療のためクリニックによって費用が大きく異なります。実際にカウンセリング行ってみると「思っていたよりも高額だった」と不安に感じることがあるかもしれません。

セカンドオピニオンで複数のクリニックの費用を比較すれば「自分の症状であればこれぐらいの費用なのか」とわかります。安ければ安いほどよいわけではありませんが、保証内容と費用を確認し、比較したうえでご自身が納得いく費用でインプラント治療を受けられる可能性が高まります。

セカンドオピニオンで確認したいこと

確認すべきポイント

次に、セカンドオピニオンで確認したいことについて解説します。セカンドオピニオンを受けるときは、以下を確認しましょう。

  • 担当の歯科医師がすすめるインプラント治療
  • 費用や保証の内容
  • 疑問や不安

以下、それぞれ詳しく解説します。

担当の歯科医師がすすめるインプラント治療はどのようなものか

担当の歯科医師にお口の中の状態を見せて「自分はインプラントができるのか」「どのような治療が合っているのか」を判断してもらいましょう。なかには、Aクリニックではインプラントはできないといわれたのに、Bクリニックでは治療可能だと判断される場合などがあります。治療ができない、または別の治療方法をすすめられたときは「なぜその治療方法でなければならないのか」などを確認しましょう。

どの治療方法にもメリットやデメリット、リスクは存在するものです。それぞれの治療方法のメリットやデメリットを確認し、納得したうえで治療にのぞめるように準備しましょう。

費用や保証の内容

インプラント治療は、自由診療のためクリニックごとに設定されている保証内容や費用が異なります。費用が安いからよいのではなく、提示された費用の中にはどのような項目が含まれているのかを確認しましょう。例えば、クリニックによっては、5年以内のインプラント破損であれば無償で交換・再手術できる保証制度などもあります。

保証内容の確認が不足していると、最初は費用をおさえられていても、長い目で見たら結果的に高額となっている場合もあるため、しっかり確認しておくのがよいでしょう。

疑問や不安

インプラント治療は、ふだん聞き慣れない言葉や専門用語が多く使われ、歯科医師がいっていることをなかなか理解できないこともあるかもしれません。あとになって「こんなはずじゃなかった」とならないように、わからない言葉や理解しにくい説明を受けたときは、どういう意味かしっかり質問しましょう。

セカンドオピニオンの流れ

STEPと書かれた積み木と靴のおもちゃ

セカンドオピニオンの流れは、以下のとおりです。

  • セカンドオピニオンを受けるためのクリニックを探す
  • セカンドオピニオンを受けることを担当の歯科医師に伝える
  • 不安や疑問に思っていることを明確にする

以下、それぞれ詳しく解説します。

①セカンドオピニオンを受けるためのクリニックを探す

セカンドオピニオンを受けるために、まずはクリニックを探しましょう。

インプラント治療の技術やCTの機械があるかどうかなどについては歯科クリニックによって異なります。インプラント治療の実績がある、インプラント治療に力を入れているクリニックを選ぶのがよいでしょう。

②セカンドオピニオンを受けることを担当の歯科医師に伝える

別の歯科医師に診断してもらうことを担当の歯科医師に伝えにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、セカンドオピニオンを受けることを伝えるのがよいでしょう。その理由は、セカンドオピニオンを受けるときは、レントゲン写真などが必要となるからです。

セカンドオピニオンを受けたいと伝えれば、検査結果や診断書、レントゲン写真などを提供してもらえることがあります。それぞれのクリニックで検査やレントゲン撮影をしても問題はありませんが、費用や手間がかかります。スムーズにセカンドオピニオンを受けたい場合は、最初に診断を受けたクリニックでセカンドオピニオンを受けることを伝えたほうがよいでしょう。

③不安や疑問に思っていることを明確にする

セカンドオピニオンを受けるときは、どのようなことに不安を感じているのか、疑問を感じた部分について明確にしておきましょう。

歯科クリニックによっては、ゆっくり話をする時間をとってもらえないこともあるでしょう。知りたいことを効率的に聞くために、事前に準備しておくのがよいでしょう。

セカンドオピニオンを受ける際の注意点

拡声器で注意をうながしている

最後に、セカンドオピニオンを受ける際の注意点をご紹介します。

  • 診断が希望どおりにならないこともある
  • セカンドオピニオンの予約は必須である

以下、それぞれ詳しく解説します。

診断が希望どおりにならないこともある

セカンドオピニオンは、自分の意見や希望に賛同してくれる歯科医師を探すためのものではありません。歯科医師が下した診断に対して、自分の希望とは異なっていて、診断をし直して欲しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、セカンドオピニオンで自分の希望や意見を伝えることは重要です。

しかし、歯科医師は、医学的観点からみてベストな治療方法を提案しています。セカンドオピニオンでは、必ずしも自分の希望に沿うような治療方法とならないこともあります。それよりも、セカンドオピニオンではその治療方法についてのメリットやデメリットをしっかり説明してもらい、自分の納得いく治療方法を見つけることが重要です。

セカンドオピニオンの予約は必須である

セカンドオピニオンを受けるときは、歯科クリニックへの予約が必須です。

なかには「話を聞きに行くだけだから診察や検査は必要ない」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、患者さまのお口の状態やレントゲン写真などを確認して診察をしなければ、治療の提案やアドバイスはできません。「インプラントについてのセカンドオピニオンを聞きたい」という旨をしっかりと伝え、予約をとってください。

予約なしでいきなり訪問しても、時間をとってもらえなかったり予約を取り直したりする可能性があります。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

今回は、セカンドオピニオンを受けるときの流れなどを解説しました。

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けると、診断の正確性を判断できる、保証内容などを比較できる、費用の相場がわかるなどのメリットが期待できます。

顎の骨に器具を埋めるという高度な治療方法だからこそ「この治療方法で大丈夫なのか」「もっとよい方法はあるのではないか」と不安に思う方もいらっしゃると思います。セカンドオピニオンを受けることで、そのような疑問や不安が解決できるかもしれません。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後にMRI検査は受けられる?起こり得るトラブルとは?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

MRI検査を行う女性医師

磁力に反応する金属が体内にあると、金属部分が発熱する、検査画像に不具合が出るなどのトラブルが発生するため、MRI検査を受けられません。

しかし、一般的なインプラントは、磁力に反応しないチタンを使用しているため、問題なくMRI検査が受けられます。

今回は、インプラント治療後にMRI検査は受けられるのかを解説します。MRI検査を受けられないインプラントや、起こり得るトラブルもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

MRI検査とは

MRIに入ろうとする女性

MRI検査は、ガンの転移検査などで用いられる、体の断面図を撮影する検査のことです。歯科で行うレントゲン撮影は顎の骨などの硬い組織を平面的に撮影しますが、MRI検査は内臓や脊髄、脳、血管などのやわらかい組織を断面的に撮影できるため、レントゲンやCTなどよりも精密に検査できます。

MRI検査は強力な磁石と電波で磁力を発生させて撮影するため、レントゲン撮影などと違い放射線被ばくの心配がないこともメリットでしょう。

MRI検査は、横になってトンネルのような機械に入って撮影します。15~45分と長時間かかるため、負担に感じる患者様も多く、特に閉所恐怖症などがある人には大きなストレスになるでしょう。

また、MRI撮影中は、ヘッドホンを着用しなければならないほど非常に大きな音が鳴ります。身体的にも精神的にも負担になることが考えられるでしょう。

MRI検査を受けられない人

体のまでバツを作る女性

MRI検査は、強力な磁力を使って撮影するため、磁力に反応する金属が体内にある人はMRI検査を受けられません。

  • 心臓のペースメーカーが入っている
  • 人工内耳が入っている
  • 脳深部刺激装置や脊髄刺激装置など、神経刺激装置が入っている

上記のような医療機器を体に埋め込んでいる人は、検査が受けられないことがあります。MRI検査の磁力に反応して、発熱や火傷の危険性があるためです。心臓のペースメーカーの場合、磁力に反応しない素材を使っていることもあるので、主治医に確認するとよいでしょう。

また、MRI検査では、金属と皮膚との接触面が火傷する可能性があるため、以下のものを着用して検査を受けることはできません。

  • アクセサリー
  • カラーコンタクトなどのコンタクトレンズ
  • 入れ墨・タトゥー
  • マスカラなどの化粧品

金属そのものだけでなく、化粧品やカラーコンタクトなどに微量に含まれた金属成分にも磁力が反応し、発熱や火傷の原因になります。

MRI検査を受けるときは、取り外せるものはできるだけ取り外し、メイクも落とすとよいでしょう。

インプラント治療後にMRI検査は受けられる?

顎に手を当てて考える女性

お口の中にインプラントがあっても、MRI検査を受けられることが多いのでご安心ください。多くの歯科医院で使用されているインプラントは、チタン製だからです。

チタンは金属ですが、磁力には反応しません。心臓のペースメーカーなどと違い、お口の中にインプラントがあってもMRI検査を受けられるのです。

MRI検査を受けられない可能性のあるインプラントとは?

インプラントの模型と歯科用器具

お口の中にインプラントがあってもMRI検査を受けられるとご説明しましたが、インプラントの種類によっては検査が受けられないことがあります。

MRI検査を受けられない可能性があるインプラントは、以下のとおりです。

オーバーデンチャーの治療を受けた方

オーバーデンチャーは、歯の上やインプラントの上に被せる入れ歯のことです。

一般的な入れ歯は歯のない部分に作りますが、オーバーデンチャーは歯やインプラントを支えにして作るので、一般的な入れ歯よりもフィット感があります。

オーバーデンチャーのなかでも、インプラントと入れ歯を磁力によって密着させるタイプのものは、MRI検査を受けられません。インプラントと入れ歯の両方に磁石をつける必要があるので、磁石がMRI検査の磁力に影響を受けて発熱や火傷を引き起す可能性があるからです。

磁石を使用していないオーバーデンチャーの場合は、問題なくMRI検査を受けられます。

歯科以外のインプラント治療を受けた方

インプラントと聞くと歯科のインプラントを思い浮かべるかもしれませんが、本来インプラントとは、体内に医療機器を埋め込む治療のことをいいます。

歯科以外の主なインプラント治療は、以下のとおりです。

  • 心臓のペースメーカー
  • 除細動器
  • 人工内耳
  • 人工関節
  • 神経刺激装置
  • 輸液ポンプ

MRI検査では、磁力に反応する金属を使っている場合、金属部分が発熱することがあります。上記の医療機器が体内にある場合、使用している素材によってMRI検査が受けられないことがあるでしょう。

インプラントのままMRI検査を受けると起こり得るトラブル

頭からモヤモヤが出ている人

チタンが使用されているインプラントであれば、問題なくMRI検査を受けられます。

しかし、インプラントによって、MRI検査でトラブルが起きるかもしれません。

インプラントによって起こり得る、MRI検査のトラブルを解説します。

金属部分が発熱する

MRI検査は、磁力に反応する金属が体内にあると金属部分が発熱します。

歯科で使用するインプラントは、国内外あわせると100以上の種類があります。一般的なメーカーの歯科用インプラントはチタン製なので、MRI検査を受けても発熱するおそれはありません。

しかし、チタンを使用していないインプラントの場合、金属部分が発熱し、発熱によって火傷する可能性があるでしょう。

また、歯科以外のインプラントや身に着けている金属が、磁力に反応する金属だった場合も発熱します。心臓のペースメーカーなどの医療機器はもちろん、アクセサリー・入れ墨・タトゥー・化粧類には注意が必要です。

コンタクトレンズやマスカラ、アイシャドウなどにも金属成分が含まれていることがあります。MRI検査を受けるときは、外せるものは外しましょう。

MRI画像にノイズが生じる

MRI検査では、金属部分が原因で撮影画像にノイズが生じることがあります。金属部分がMRI検査による磁力に反応するからです。

インプラントの人工歯部分にはセラミックを使うことが多いですが、セラミックは磁力を跳ね返す特性があるため、検査画像に影が映り込むことがあります。

検査の結果に悪影響を及ぼすわけではないため、MRI検査は受けられる場合が多いです。

MRI検査を断られたときはどうしたらいい?

顎に手を当てて考える女性

一般的な歯科用インプラントである、チタン製のインプラントであれば、MRI検査は受けられます。

しかし「インプラントはMRI検査を受けられない」と、認識しているスタッフからMRI検査を断られるかもしれません。

MRI検査を断られたときの対処法を3つご紹介します。

人工歯部分だけを外す

インプラントが原因でMRI検査を断られた場合「せっかく入れたインプラントを全部外さないといけないの?」と心配になる方もいるでしょう。

インプラントは、顎の骨に埋め込むインプラント体、歯の代わりになる人工歯、2つをつなぐアバットメントの3つの構造から成り立ちます。

「インプラントを外してください」と指示を受けた場合は、インプラント全体ではなく、人工歯部分だけを外せば解決できます。人工歯は、ネジのようなもので留めているため、一度取り外しても付けられるので安心してください。

チタン製のインプラントだと説明する

MRI検査の前には、インプラント治療を受けたことがあるか確認されます。お口の中にインプラントがある旨を伝えると、MRI検査を断られることがあるかもしれません。

しかし、医療従事者であれば「チタンは磁力に反応しない金属」という認識があるでしょう。きちんとチタン製のインプラントが入っていることを伝えれば、問題なくMRI検査が受けられるでしょう。

担当の歯科医師に相談する

ご自身のインプラントがチタン製なのかどうか、把握している方は少ないのではないでしょうか。MRI検査を受ける前には、一度担当の歯科医師に確認するとよいでしょう。

一般的なインプラントだと思っていても、チタン製ではないかもしれません。MRI検査を受ける前は、念のため歯科医師に確認しましょう。

インプラント治療後にCT検査は受けられる?

CT検査を受ける女性

インプラント治療を受けたあとでも、CT検査を受けられます。

CT検査は、MRI検査のように磁場を発生させて撮影するものではありません。心臓のペースメーカーや人工内耳など、体内に磁力に反応する金属が体内にあっても、CT検査は受けられるのです。

歯科医院では、レントゲン撮影やCT検査がよく用いられます。特に、インプラントの治療前後には、インプラントの埋入位置やインプラントがきちんと入ったかどうかを確認するために必ず使用されます。インプラント治療を受けたあとでも、レントゲン撮影やCT検査を受けても問題ないといえるでしょう。

CT検査は、レントゲン撮影のようにX線を使用して撮影するため、被ばくのリスクがあるといわれています。

しかし、レントゲン撮影やCT検査の被ばく量は微々たるもので、体内に悪影響はないと考えられています。過度に心配する必要はないでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って笑う女性

磁力に反応する金属が体内にあると、MRI検査は受けられません。金属が磁力に反応することで、金属部分が発熱する場合や検査画像に不具合が出る場合があるからです。

しかし、一般的なインプラントは磁力に反応しないチタン製なので、MRI検査を受けても問題ありません。一部のオーバーデンチャーや心臓のペースメーカーなどのインプラントは、MRI検査を受けられない可能性があるので注意してください。

コンタクトレンズや入れ墨・タトゥー、化粧品類など、金属の成分があるものにも反応するため、外せるものはMRI検査を受ける前に外しましょう。

MRI検査を受ける前には、ご自身のインプラントがチタン製なのか、MRI検査を受けても問題ないのか、担当の歯科医師に確認するとよいでしょう。

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老後にインプラント治療を受ける場合のメリット・デメリットを知ろう!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型を持って微笑む女性歯科医師

失った歯の代わりとなるインプラントは、審美性や機能性に優れており、近年幅広い世代から注目されている治療法です。老後に歯を失った場合、インプラント治療を受けることはできるのでしょうか。

今回は、老後にインプラント治療を受けるメリット・デメリットや、治療を受ける際の注意点について解説します。

老後に歯を失った場合の治療法

歯科医院で説明を受ける高齢の女性

失った歯を補う主な治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類が挙げられます。3種類の治療法の違いや特徴を確認しましょう。

入れ歯

入れ歯治療は、失った歯を補う代表的な治療法です。健康な歯を削る必要がないため、身体的な負担が少ないことが特徴です。

入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

総入れ歯

歯が1本も残っていない場合、総入れ歯を選択します。総入れ歯は、歯茎全体を土台として、床(しょう)とよばれる部分を吸着させるようにして装着します。

部分入れ歯

歯が1本でも残っている場合、部分入れ歯が装着可能です。

通常、部分入れ歯は、残っている歯を土台にしてクラスプとよばれる金属バネを装着します。近年では、部分入れ歯の種類が増えており、クラスプがない部分入れ歯もあります。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、人工歯を被せる治療法です。健康な歯を削ることに抵抗がある方もいると思いますが、近年では技術の進歩により、削る量を最小限にしてブリッジ治療を受けられるようになりました。

しっかり削るブリッジと比較すると、固定力が弱いなどのデメリットもあるので、ご自身に合った方法を選択することが大切です。

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着する治療法です。審美性に優れており、噛む力が自分の歯と変わらないなどのメリットがあります。健康な歯を土台にしたり削ったりすることがないため、周囲の歯への負担がありません。

しかし、自費診療のため高額であることや外科的治療が必要なことなど、デメリットもあります。

老後にインプラント治療は受けられるのか

顎に手を当てて考える白髪の女性

老後でもインプラント治療は受けられるのでしょうか。

結論からいうと、インプラント治療は年齢制限なく受けることができる治療法です。

明確な年齢制限はありませんが、顎の骨の成長が終わっていない未成年や、70歳以上の高齢の方は、インプラント治療を受けられない可能性があります。高齢になると体力や、治癒能力が低下する方が多いためです。

しかし、80代でインプラント治療を受け、食事ができるまで回復した方もいます。

インプラント治療が可能かどうかは、年齢よりも口腔内や全身の健康状態に左右されるといえるでしょう。

老後にインプラント治療を受けるメリット

机に置かれたノートと植物とメリット

老後にインプラント治療を受けるメリットは、以下のとおりです。

しっかり噛める

インプラントは、入れ歯やブリッジと比較すると噛む力が強いといわれています。本来の歯の7~9割程度の噛む力を回復することができます。

老後は噛む力が衰えていくことが多いため、できるだけ噛む力を回復させる治療が望ましいでしょう。噛む力が強いと食べ物を制限する必要もないため、食事を楽しむことができます。

認知症を予防できる

噛むという動作は、脳に刺激を与えます。

インプラント治療は、床やクラスプなどがないため味や温度がダイレクトに感じられ、五感が刺激されるでしょう。脳に刺激が伝わるので、インプラントは認知症の予防につながるのです。

コミュニケーションが活発になる

「入れ歯がパカパカして話しにくい……」と感じたことがある方もいるでしょう。歯を失ったことで、口を開けて話すことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

しかし、インプラントは、入れ歯のように外れることがなく審美性にも優れているため、口を開けて笑うことや話すことに積極的になれます。老後は、人とのコミュニケーションが少なくなる方が多いです。コミュニケーションを楽しめるように、失った歯を補うことが重要といえるでしょう。

見た目が若々しくなる

インプラント治療は、ほかの治療と比較しても審美性に優れています。本来の歯と変わらない色や透明感を再現できるため、見た目を若々しく保つことができます。

また、噛む力が衰えないため顎の筋肉が維持され、若々しい印象を保てるでしょう。

管理しやすい

インプラントは、入れ歯のように外して洗浄する必要がなく、残っている歯と一緒にケアすることができます。高齢の方でも管理がしやすいことがメリットです。

老後にインプラント治療を受けるデメリット

demeritと書かれた黒板

老後にインプラント治療を受けるデメリットは、以下のとおりです。

外科的治療によって身体に負担がかかる

インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋入するために外科的治療が必要です。

外科的治療は身体への負担がかかるため、耐えられる体力が必須といえます。また、歯茎を切開して顎の骨に穴をあけるので、治癒能力についても重要視されるでしょう。

治療を受けられない場合がある

インプラント治療は、人工歯根を埋入するので十分な顎の骨量が必要です。高齢の方は骨粗しょう症などによって顎の骨量が足りない場合があります。骨量が足りない場合、治療を受けることができません。

また、老後は糖尿病や高血圧などの持病があるリスクも高まります。持病がある場合も、リスクが高いと判断され治療を受けられないことがあるでしょう。

細菌感染を引き起こす可能性がある

高齢者は、若い人に比べて免疫力が低下しています。そのため、手術後に細菌感染を引き起こすリスクが高くなるでしょう。

インプラント体と骨が結合しづらい

高齢者は、若い人よりも免疫力が低下していることから、傷を治す力が弱まります。若い人と比較すると、インプラント体と骨が結合しづらいのです。

うまく結合できなかった場合は再度手術が必要となり、負担が大きくなるでしょう。

治療費や治療期間がかかる

インプラント治療は、基本的に自費診療なため高額な費用がかかります。

また、治療期間は半年以上といわれていますが、高齢であると結合に時間がかかることがあるでしょう。

メンテナンスが必要である

どの治療法でも同様ですが、治療後の口内を健康に保つには、定期的なメンテナンスやクリーニングが欠かせません。定期的に歯科医院に通えない方は、インプラント治療は適していないでしょう。

老後にインプラント治療を受ける際の注意点

黄色い背景に掲げる!マークの吹き出し

最後に、老後にインプラント治療を受ける際の注意点をご説明します。

インプラントのデメリットを把握する

インプラントのデメリットやリスクをしっかりと理解したうえで、治療を受けることが大切です。何かトラブルがあった際に、デメリットやリスクを知っていれば冷静に対応することができるでしょう。

歯科医院を慎重に選ぶ

インプラント治療は、歯科医師の技術によって成功率などが変動します。インプラント治療に精通している歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。治療実績などをホームページに掲載している歯科医院も多いので、治療を受ける前に確認するとよいでしょう。

持病や治療歴を伝える

インプラント治療を受ける前に、持病や治療歴などを歯科医師にしっかりと伝えましょう。持病や治療歴を把握してもらうことで、さまざまなリスクを軽減することができます。

口腔ケアをしっかりと行う

インプラント治療後にセルフケアを怠ると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎はインプラントの歯周病ともよばれ、悪化すると顎の骨を溶かしインプラントが脱落することがあるのです。

老後にインプラント治療を受けた場合は、免疫力の低下からインプラント周囲炎を引き起こしやすい状態です。日々のお手入れで汚れをしっかりと落としましょう。また、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、自分では取り除くことのできない歯石などの汚れを落としてもらうことも重要です。

セルフケアと定期的な歯科医院でのクリーニングで、口内を清潔に保つ必要があります。

まとめ

歯科医院で鏡を見て歯を確認する男性

今回は、老後にインプラント治療を受ける場合のメリットやデメリットなどを解説しました。

老後にインプラント治療を受ける場合、さまざまなリスクが伴います。

しかし、治療を受けるメリットも多く、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の維持や向上に役立つ治療法といえるでしょう。インプラント治療のメリット・デメリットや注意点をよく把握して、ぜひ検討してください。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

20代でインプラント治療はできる?メリット・デメリットと注意点とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

模型を見せてインプラントの説明をす男性歯科医師

インプラントは、天然歯のような仕上がりになり食事も問題なくできるので、失った歯を補う治療法として希望する20代の方が増えています。

しかし「20代でインプラント治療は本当にできるの?」「20代でのインプラントはデメリットがあるのでは?」と考える方も少なくありません。

今回は、20代のインプラント治療について、メリットやデメリットをご説明します。20代でインプラント治療を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

20代で歯を失う原因

歯の痛みに耐える女性

高齢者に比べると少ないですが、20代で歯を失うこともあります。20代で歯を失う主な原因は、以下の3つです。

  • 事故やスポーツの衝撃
  • 重度の虫歯
  • 重度の歯周病

20代で歯を失う原因の多くは、事故やスポーツの衝撃です。スポーツ中に前歯を強く打つ、人と接触するなどして歯を失う可能性があります。

重度の虫歯の場合、歯の根を除去して根管を洗浄する「根管治療」を行う場合も多いです。根管治療を行った歯はもろくなり、寿命が短くなります。

根管治療を行わなくても、根が無事な歯に比べて、弱い衝撃でも割れる可能性があります。装着した人工歯が脱落し、抜歯が必要になることも珍しくありません。重度の歯周病で歯が抜けることもあります。

20代だからこそ、歯を失ったときにショックを受ける方や、これからどうしたらよいのだろうと悩む方も少なくありません。

20代でインプラント治療はできる?

顎に手を当てて考える若い男女

20代でインプラント治療は可能です。顎の状態や治療後の経過を考えると、高齢者に比べて20代の方のほうがインプラントに向いているといっても過言ではありません。

ただし、20代でインプラントをする場合、施術をスタートする前に顎の成長が終了している必要があります。

インプラントの平均寿命は10〜15年といわれています。インプラント治療後もきちんとケアをし、定期的にメンテナンスに通っている場合、もっと長く使用できることもあるでしょう。

日本口腔インプラント学会の「20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査」によると、インプラントの治療後20年以上経過した77%以上の方が「問題ない」と答えています。20代の方がインプラント治療をする場合、40代になっても問題なくインプラントを使用できる可能性が高いのです。

失った歯を補う方法としてブリッジや入れ歯がありますが、ブリッジの平均寿命は7〜8年、入れ歯の平均寿命は3〜5年とされています。治療後長く使うことを考えると、20代の方こそ、インプラント治療が適しているといえるでしょう。

参照元:「日本口腔インプラント学会 20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査

20代でインプラント治療をする人も多い

20代で歯を失う人は少ないため、全体的な症例数は多くありませんが、20代でインプラント治療を受ける方も少なくありません。以下の理由でインプラント治療を選択する方が多いです。

  • 20代で入れ歯になるのは抵抗がある
  • 歯を失ったことを知られたくない
  • 好きなものを気兼ねなく食べたい
  • まだ20代なので見た目が気になる

20代という若い時期だからこそ、見た目や機能性、インプラントの寿命を考慮し、治療に臨んでいるといえるでしょう。

20代でインプラント治療をするメリット

MERITと書かれた木のブロックが机の上に置かれている

20代でインプラント治療を受けるメリットは少なくありません。インプラント治療をするメリットとともに、ほかの治療法を選んだ際のメリット・デメリットを考慮して、ご自身に適した治療法を選択しましょう。

20代でインプラント治療をするメリットは、以下のとおりです。

周囲の歯や歯周組織に対する影響が少ない

インプラント治療は、隣の歯や歯周組織に対する影響が少ないです。インプラントとほかの治療において、周囲の歯や歯周組織に与える影響を表にまとめました。

<治療方法と影響>

治療の種類 治療方法 影響
インプラント 歯槽骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する ・残った歯を削らない
・ケアすれば周辺の骨が痩せない
ブリッジ 失った歯の周辺の歯を削って土台にし、欠損した歯を補う ・両隣の歯を削る
・健康な歯の神経を抜く場合がある
・歯を失った部分の骨が痩せる
・食べかすやプラークが溜まり、歯周病になりやすい
入れ歯 人工歯を金属の留め金で両隣の歯に引っ掛けて装着する ・両隣の歯を削る必要がない
・歯を失った部分の骨が痩せる

 

ブリッジや入れ歯を選択すると、刺激が伝わらないため歯槽骨が痩せます。汚れが溜まりやすいため、歯周病になるリスクも高まるでしょう。

インプラントは歯周組織への影響が少なく、健康なほかの歯や歯槽骨を守れるのです。

歯槽骨が健康な場合が多い

20代の歯槽骨は健康で、骨造成が必要ないケースが多いです。

インプラント体を埋め込むためには、歯槽骨の厚みや骨密度が基準を満たしている必要があります。高年齢になると、歯槽骨が薄くなる方や骨密度が低下する方も珍しくありません。厚みや骨密度が基準に満たない場合、インプラント手術の前に骨造成という歯槽骨を増やす手術が必要になります。

20代の方は歯槽骨が健康で、厚みや骨密度が十分な場合が多く、スムーズにインプラント手術を開始できるのです。

体力・免疫力がある

20代は、一般的に体力と免疫力があります。感染症のリスクが低く、術後の傷の回復が早いこともメリットでしょう。

また、糖尿病や高血圧などの疾患がない可能性が高いです。糖尿病や高血圧などの疾患がある場合、インプラント手術をする場合リスクが伴います。免疫力が下がっていると、術後の傷が化膿する危険もあります。

20代で体力も免疫力もある方は、傷の治りが早く、術後の経過も順調なケースが多いのです。

20代でインプラント治療をするデメリット

demeritと書かれたメモを破る手元

20代でインプラント治療をするメリットは多いですが、もちろんデメリットもあります。納得してインプラント治療をスタートするために、デメリットも把握しましょう。

20代でインプラント治療をするデメリットは、以下のとおりです。

保険適用外なので高額になる

インプラントは、ブリッジや入れ歯とは違い、保険適用外の治療です。費用の詳細は歯科医院によって異なりますが、1本につき150,000〜400,000円かかります。

多くの費用が必要なため、治療を受けられないと感じる方も珍しくありません。

治療が長期にわたる

インプラントの治療期間の目安は、3か月〜1年と長期にわたります。

1年間も歯がない状態が続くのは嫌だと感じる方も少なくありません。学校や仕事などで忙しく、長期的な治療計画を立てることが難しい方もいるでしょう。

しかし、実際に通院する回数は2〜3回だけです。手術のあとに傷が治るのを待つ必要があるため治療期間が長いですが、何回も通院する必要はありません。

20代でインプラント治療をする際の注意点

!マークが書かれた黒板を掲げる女性

20代でインプラント治療をする際は、高齢者がインプラントの手術を受ける際とは異なる注意点があります。

20代でインプラント治療をする際の注意点は、以下のとおりです。

顎の成長が止まっている必要がある

まず、顎の成長が止まっていることを確認して治療を受ける必要があります。

インプラントは、歯槽骨にインプラント体を埋め込むため、成長中に手術することは推奨されていません。インプラント体を埋め込んだあとに歯槽骨が成長することで、埋め込みたい位置からずれる可能性があるのです。

特に20代前半の場合、顎が少しずつ成長している可能性もあるため、先に調べたほうがよいでしょう。

治療後メンテナンスに通い続ける必要がある

インプラント治療は、インプラントを装着したら終了ではありません。治療後もメンテナンスに通う必要があります。

メンテナンスが必要なのは20代も高齢者も変わりませんが、20代の場合、仕事の転勤や結婚をきっかけに引っ越す可能性があるでしょう。治療した歯科医院に通い続けられるのか考えることも大切です。

インプラント治療では10年や15年などの長期にわたる保証を設けている歯科医院も多いです。他院で治療を受けると保証の対象外になることがあるので、注意してください。

まとめ

歯科医院で治療を受ける美しい女性

20代でインプラント治療を受けることは可能です。見た目がよいだけでなく、インプラントの寿命が長く、周囲の歯や歯周組織に負担をかけずに治療できることを考えると、歯を失った20代の方がインプラント治療をするメリットは大きいといえるでしょう。

しかし、費用やメンテナンス、顎の成長も考慮する必要があります。歯科医院に相談し、メリットとデメリットを把握して、自身にあった治療法を選択してください。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯の模型に埋め込まれたインプラントを指して説明する人

インプラント治療後に噛み合わせが悪いと、どのようなリスクがあるのか、インプラント治療後の食事は違和感なく可能なのかなど、疑問に思う方は少なくありません。歯を長持ちさせ安心して食事をするために、インプラント治療後の噛み合わせは非常に重要です。

今回は、インプラント治療後の噛み合わせの重要性や、噛み合わせが悪くなる原因を解説します。インプラント治療を検討している方やインプラント治療を終えた方は、ぜひ参考にしてください。

噛み合わせの重要性

青色のプラスマークを手にとる人

噛み合わせがよい状態とは「顎を上下に動かして歯が噛み合ったときの接触状態」と「顎を左右に動かしたときの歯の接触状態」の均衡が取れており、上下に噛んだときや左右に動かしたときに違和感なくスムーズに動くことです。

部分的に強く当たる場合や引っかかる部分がある場合、噛み合わせに問題があると考えられるでしょう。また、食事中に物を噛んだときに痛み・引っかかりを感じる場合や、食事中や会話中に舌の動かしにくさを感じる場合も、噛み合わせに問題がある場合が多いです。

歯並びや噛み合わせの悪さは、身体全体の健康に大きな影響を与えます。噛み合わせが悪いと、顎関節症や頭痛、肩こり、腰痛を引き起こす可能性があるのです。

インプラント治療を受ける際も、噛み合わせを考慮することが重要です。インプラント治療後の噛み合わせを整えるには、口腔外科のスキルはもちろん、補綴や歯周病の知識・経験を豊富にもつ歯科医院を選びましょう。

歯科医師はインプラント治療を行う際、患者さまの顎の骨の厚みが十分にあるか、虫歯や歯周病はないかなど、口腔内の状況を丁寧に確認します。インプラント治療後に日常生活を問題なく送るには、念入りに治療プランを立てることが大切です。

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる原因

頭にたくさんの?を浮かべて考える赤い服の女性

「インプラントの治療直後は問題なかったのに、少しずつ噛み合わせが悪くなってきた」と感じる方も少なくありません。

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる主な原因は、以下のとおりです。

日常生活の癖

日常生活で何気なくしている癖が原因で、インプラント治療後の噛み合わせが悪くなることがあります。

噛み合わせが悪くなる癖は、以下のとおりです。

  • 頬杖
  • 食いしばり
  • 舌の癖

考えごとをしているときや作業中など、頬杖をつくことが癖になっている方も少なくありません。1回の動作では大きな影響はなくても、頬杖をつくことによる負荷が長期的にかかることで、噛み合わせが悪くなります。

また、力仕事をしているときやストレスを感じたときに歯を食いしばる癖がある場合、噛み合わせに影響します。舌を前に出す、歯を舌で押すなどの癖も、噛み合わせがずれる原因になるでしょう。

もともとの噛み合わせ

もともと噛み合わせが悪い状態でインプラント治療を受けた場合、治療後の噛み合わせに影響が出る可能性が高いです。歯並びが乱れた状態のままインプラントを埋め込むと、治療後に違和感をおぼえることがあるでしょう。

上述しましたが、噛み合わせは口腔内だけでなく全身の健康に影響を及ぼします。インプラント治療が問題なく終了しても、本来の噛み合わせが悪いと健康に悪影響を与えるケースが少なくありません。

インプラントの噛み合わせが悪いことによるリスク

RISKの木の文字を机の上に並べる手元

「噛み合わせに少し違和感があるけれど歯科医院に行くのは面倒」と感じる方も珍しくありません。

しかし、インプラント治療後の噛み合わせの悪さを放置すると、さまざまなリスクが伴います。インプラントの噛み合わせが悪いことによるリスクは、以下のとおりです。

虫歯や歯周病になる

噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。噛み合わせが悪いときは歯並びも悪い場合が多く、磨き残しが多くなるからです。

高額な費用と長い時間をかけてインプラントを入れても、歯周病になって歯を失うと治療した意味がありません。

顎関節症になる

噛み合わせが悪い状態を放置すると、顎関節症のリスク高まります。噛んだときの負荷が片方の顎に偏るためです。

顎関節症になると起きる問題は、以下のとおりです。

  • 噛むと顎が痛む
  • 口を開きにくい
  • 顎を開け閉めしたときに音が鳴る

痛みや口の開きにくさがあると、食事や会話に影響が出ます。「インプラント治療を受けたら、好きなものを食べられる」と楽しみにしていても、顎関節症になると食べられるものが制限されるでしょう。

歯の寿命が短くなる

噛み合わせが悪く一部の歯に負荷がかかると、歯の寿命が短くなります。歯がすり減ったり、歯を支えている歯槽骨が吸収されて歯がグラグラしたりする場合があるからです。

インプラントも同様に、過度な負荷がかかるとインプラント周囲炎を発症し、インプラントが脱落することもあります。

顔がゆがむ可能性がある

噛み合わせが悪いと無意識に噛みやすい場所で噛む癖がつくため、顔がゆがむリスクがあります。噛む場所が偏ると、噛む回数が多い部分の筋肉が発達するのです。

顔がゆがむと、顔が左右対称でなくなる、片方の口角が上がるなど、見た目に大きな影響を与えるでしょう。目の大きさが左右で変わったり、片側のほうれい線が深くなったりすることもあり、コンプレックスに感じる可能性も否定できません。

頭痛・肩こり・胃腸の不調などを生じる

噛み合わせの悪さが引き起こす全身の不調は、以下のとおりです。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 胃腸への負担

顔がゆがんだことで全身の筋肉のバランスが悪くなり、肩こりや頭痛を引き起こす場合があります。また、噛みにくさや顎の痛みが原因で、しっかり噛めない場合もあるでしょう。

しっかり噛めないと、食べ物が適切に噛み砕かれません。胃腸に負担がかかり、胃痛や便秘を引き起こす可能性もあるでしょう。

インプラント治療後の噛み合わせを保つために

指を立てて笑う白い服を着た女性

健康に食事を楽しむために、インプラント治療後の噛み合わせを良好な状態に保つことが重要です。治療直後の噛み合わせがよくても、徐々に悪くなる可能性があります。

よい噛み合わせを保つために意識するべきことは、以下のとおりです。

噛み合わせに違和感がある場合は歯科医院へ行く

食事中や会話中に「どこかが強く当たっている」「舌を動かしにくい」など、違和感がある場合はすぐに歯科医院へ行きましょう。上下の歯の中心がずれていないか、口角の上がり方が左右対称かなどを確認し、噛み合わせに問題がないか調べてもらえます。

日常生活を送るなかで違和感に気づくこともありますが、実際に目で歯の中心や口角の上がり方を確認することが大切です。ふだんから確認していると、小さな異変に気づくことができるでしょう。

噛み合わせに影響する癖を治す

噛み合わせが悪くなる原因として、日常生活の癖があげられることを上述しました。頬杖や食いしばり、舌で歯を押すなどの癖は噛み合わせに影響を与えるので、改善できるよう努めましょう。

定期検診を受ける

セルフチェックだけでは、正しい診断はできません。定期検診を受けて、歯科医師に口腔内の状態をチェックしてもらうことが大切です。

定期検診では噛み合わせだけでなく、インプラントや口腔内全体の状態も確認してもらえます。問題があった場合も早期に対応することができるので、インプラントを長く使用できるでしょう。

まとめ

口を開ける女性患者をカウンセリングする女性医師

インプラントの治療後のよい噛み合わせを保つことができれば、天然歯と同じように好きなものをおいしく食べられます。見た目を気にせず笑う、発音を気にせずに会話を楽しむことも可能です。

噛み合わせが悪い状態を放置すると、口腔内だけでなく全身の健康に悪影響を与えます。全身の健康のためにも、インプラント後のケアは欠かせません。違和感に気づいた場合は、我慢せずに歯科医院を受診しましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療は安全なのか?安全性とリスクを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

机の上に置かれたインプラントの歯の模型

インプラント治療は事前に丁寧に検査を行い、治療後の自己管理を徹底すれば安全に受けられます。インプラントは耐久性が高く、メンテナンスを怠らなければ非常に長持ちする人工歯です。

しかし、治療中または治療後にリスクが伴うのも事実です。

今回は、インプラント治療の安全性とリスクについて解説します。

インプラントとは

インプラント部分の歯を指し示す若い女性

インプラントとは失った歯を補う方法の一つで、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。

通常、インプラント本体は生体親和性の高いチタンやジルコニウムで作られるため、アレルギーや拒絶反応が少なく、耐久性も優れているのです。

インプラント治療は大まかに3段階にわけられます。

まず、失った歯の部分の顎の骨にインプラント本体を埋入する手術を行います。次に、埋入したインプラントが顎の骨と結合するのを待つ期間が必要です。結合を待つ期間は、インプラントが長期間機能するうえで非常に重要です。最後に、インプラントの上部にアバットメントとよばれる部品を取り付け、その上に人工歯を固定します。

インプラントは自然な見た目と機能を取り戻すことができるのはもちろん、隣接する健康な歯を削る必要がありません。また、顎の骨の萎縮を防ぐ効果もあります。

しかし、インプラント治療には一定の条件があり、全ての患者さまに適応するわけではありません。手術が必要なため全身状態が良好でなければならず、適切な口腔ケアの習慣も求められます。また、治療費用が高額なことや治療期間が長いことがデメリットといえるでしょう。

インプラント治療は安全なのか?

safetyと書かれたハートを包み込む手

インプラント治療は、治療の条件を満たし、全身状態・口腔環境が良好であれば、安全性が確保できるといえるでしょう。インプラントは耐久性の高さと見た目の美しさから、入れ歯やブリッジの問題点を解決する画期的な治療法として広く行われています。

しかし、自身の健康状態によっては、ほかの治療を選択したほうがよい場合もあるでしょう。特に、インプラントが適していないケースとして、顎の骨が薄く少ない方、未成年の方、金属アレルギーを持つ方、全身疾患や持病を持つ方、妊娠している方が挙げられます。

インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、十分な骨量が必要です。また、成長途中の未成年者は骨の成長が終わってから治療することが推奨されます。

インプラントには生体親和性が高いチタンが使用されますが、金属アレルギーがある方は受けられません。また、治療後は感染症にかかりやすくなるため、体調が良好でなければ手術は受けられません。

虫歯や歯周病がある方は、まずは完治を目指し、口腔環境を整えてからインプラント治療を受ける必要があります。

インプラント治療のリスクとは?

机の上に置かれたアルファベットのブロックとRISKの文字

インプラント治療は外科手術であるため、高度な技術が必要です。事前のCT検査で、手術部位と神経などの正確な位置関係を把握できない場合、神経を損傷する、インプラントが脱落するなどのリスクがあります。

インプラント治療のリスクは、以下のとおりです。

神経を損傷する

人工歯根を顎の骨に埋め込む際に、顎の神経を損傷するリスクがあります。特に、下顎の骨には下顎神経が通っており、手術中に傷つけられると下顎や唇にしびれや麻痺などが出る可能性があるのです。

神経損傷は、慎重な手術計画と技術によって予防することが可能ですが、完全にリスクをゼロにすることは難しいとされています。万が一大きく神経を損傷した場合、リハビリテーションや薬物療法が必要となることもあるでしょう。軽度であれば、時間の経過とともに自然に回復するケースもあります。

神経損傷のリスクを避けるためには、治療前の検査が非常に重要です。特に歯科用CTでの検査が、治療の精度に大きく影響するでしょう。

インプラントが上顎洞に落ちる

上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、上顎洞とよばれる空洞にインプラントが落ちるおそれがあります。

上顎洞は鼻腔の一部で、ふだんは鼻からの空気を温める役割を担っています。手術前の丁寧な検査で、インプラントが上顎洞に落ちることを防げるでしょう。

具体的には、CTを用いて、上顎洞の位置や形状、骨の厚みなどを詳細に把握することが重要です。インプラントを適切な位置に・深さで設置することが可能となり、上顎洞への落下リスクを大幅に減らすことができるのです。

骨が火傷する

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に固定するために、ドリルを使って骨を削ります。骨を削る際、ドリルによる摩擦熱で骨が過度に熱され、骨細胞が熱傷を受けて死滅することがあります。

作業中に水を注入することで、火傷を防ぐことができるでしょう。注水は、ドリルと骨が接触する部分に直接行います。ドリルと骨の間の熱を適切に冷却し、骨が過度に熱を持つことを防ぎます。

注水が不足すると火傷するため、医師の高度なスキルが求められるでしょう。

インプラントと骨が結合しない

患者さまの顎の骨の厚みが不十分な場合、インプラントと骨が適切に結合しないことがあります。治療前の準備としてCTスキャンを用いて、顎の骨の厚みや構造を詳細に調べることが重要です。

骨量が不足する原因は、歯周病や喫煙習慣の影響が多いです。

歯周病は進行すると顎の骨が溶けるため、骨量が不足しやすくインプラントと骨の結合が困難になる可能性があります。また、タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させ、骨の結合力を弱める原因になるでしょう。

特に、インプラント治療後の骨再生には血流が重要であり、ニコチンによる血流の低下は骨の再生力を大幅に抑制します。インプラント体と顎の骨の結合が十分に行われず、インプラントが安定しない可能性が高まるでしょう。

細菌に感染する

インプラント治療後は、細菌感染に注意が必要です。術後は、特に刺激の強い食べ物やアルコールは避けなければなりません。

アルコールなどは傷口に刺激を与え、炎症や感染を引き起こす可能性があります。また、縫合糸には汚れが溜まりやすく、溜まった汚れに細菌が繁殖することもあるでしょう。

汚れを落とすことは重要ですが、過度な力をかけて磨いてはいけません。強い力でブラッシングを行うと、傷口が広がる可能性があります。傷口が広がると細菌が体内に侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まります。

感染のリスクを抑えるには、傷口にできるだけ触れず、口内を清潔に保つことが重要です。

インプラントが破損・脱落する

インプラントには天然の歯に近い感覚で長期的に使用できるメリットがありますが、破損・脱落するリスクもあります。特に、顎の骨が薄い方や歯茎が細菌感染によって弱くなっている方は、インプラントが破損・脱落するリスクが高まります。

インプラント治療後は適切な口腔ケアが重要で、毎日の歯磨きや定期的な歯科医院でのメンテナンスが必須といえるでしょう。治療後はインプラント周囲炎のリスクもあるため、口腔内を清潔に保つことが重要です。

金属アレルギーを発症する

一般的に使用されるインプラントの材料はチタン合金で、生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが比較的低いとされています。

しかし、すべての患者さまにアレルギー反応が出ないわけではありません。チタン合金にはチタン以外の金属も含まれているため、チタン以外の金属にアレルギー反応を示すこともあります。

金属アレルギー発症のリスクを抑えるためには、インプラント治療を開始する前に金属アレルギーのパッチテストを受けることが重要です。インプラント治療後に金属アレルギーを発症した場合、再手術を行ってインプラント体を取り除く必要があります。

糖尿病が悪化する

インプラント治療で糖尿病が悪化する理由は、治療のストレスや食事制限による血糖値の低下です。

外科手術は侵襲が大きいためストレスを感じる方が多く、血糖値が上昇します。上昇した血糖値は、反動で急激に低下することがあるのです。また、インプラント治療後の食事制限も血糖値を下げる要因となります。

糖尿病の患者さまがインプラント治療を受ける際は、必ず主治医と事前に相談してください。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病です。インプラントとその周辺の歯茎に炎症が起きる状態のことを指します。

過度の力がかかる、細菌に感染するなどで、歯茎の炎症は骨へと進行しインプラントの支持力が低下します。最悪の場合、インプラントの抜去が必要になるでしょう。

特に、糖尿病の方はインプラント周囲炎のリスクが高いです。糖尿病によって身体の免疫機能が低下し、感染症に対する抵抗力が落ちるためです。また、手術を行うインプラント治療では、傷口から細菌が侵入しやすく、感染症につながる可能性があります。そのため、糖尿病の方は特に感染予防に注意しなければなりません。

喫煙習慣がある方もインプラント周囲炎のリスクが高まります。喫煙により血流が悪化し、唾液の分泌量が低下すると、口腔内の自浄作用が弱まり細菌が繁殖しやすくなります。そのため、インプラント周囲炎のリスクが上がるのです。

全身状態が悪化する

心臓疾患、脳血管疾患、高血圧がある方は、インプラント治療によって全身状態が悪化するリスクがあります。

心筋梗塞の治療で抗凝固薬を服用している場合は、手術時の出血リスクが増加します。一時的に服薬をやめることもありますが、心筋梗塞の再発リスクを高めるため、慎重な判断が必要です。また、手術のストレスによる血圧変動は心疾患のリスクを増加させます。

脳血管疾患がある方も、抗凝固薬の影響や手術のストレスで脳梗塞のリスクが上がるでしょう。また、高血圧の方も手術のストレスによって血圧が上昇し、脳梗塞や心疾患のリスクが増加します。

安全にインプラント治療を受けるための歯科医院の選び方

患者の口の中を確認する女性歯科医師

インプラント治療を安全に受けるには歯科医院選びが重要です。通常の虫歯や歯周病治療と異なり、インプラント治療は高度な技術と設備が必要といえます。

歯科医院を選ぶ際に注意するべきポイントは、以下のとおりです。

治療実績があるか

歯科医院を選ぶ際は、インプラント治療の実績が豊富であるかを確認しましょう。

インプラント治療は高度な技術を必要とし、一定のリスクを伴ういます。実績の豊富さを評価する基準として、クリニックのインプラント治療の症例数をチェックしましょう。

歯科用CTがあるか

安心してインプラント治療を受けるには、歯科用CTスキャンが導入されているかも非常に重要です。

CTスキャンを行うことで、骨の厚みや神経の位置、隣接する歯の状態を正確に把握し、適切な治療計画を立てることが可能です。特に、顎の骨がインプラント治療に適しているかどうかを確認することで、治療後のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

衛生管理を徹底しているか

インプラント治療は麻酔を伴う手術が必要で、細菌感染リスクが高まります。治療器具は使い回されていないか、治療器具が適切に滅菌処理されているか、手術が個室で行われているかなど、確認すべきポイントが多数存在します。

どのような衛生管理を行っているかは見落とす方が多いですが、ホームページなどを確認し、適切な衛生管理が行われている歯科医院を選びましょう。

アフターケアが充実しているか

インプラント治療は埋め込み後の経過観察が重要で、噛み合わせの問題、炎症の有無や度合いなどを確認する必要があります。そのため、治療後の通院などのアフターケアに対応しているクリニックを選びましょう。

インプラント治療は保証がついていることが多いです。保証年数以内にインプラントに問題が生じた場合、無償または一部有償で再治療が受けられます。契約前に保証内容も確認するとよいでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って歯を見せて笑う女性

インプラント治療は事前に丁寧な検査を行い、起こりうるリスクをしっかり把握すれば安全に受けられる治療です。リスクを把握するためにはCTでの検査が必要不可欠といえます。CTでは、レントゲンでは把握できない詳細な情報を確認できるでしょう。

実際に外科手術を行うのは医師であるため、医師の技術力も重要です。スキルを直接確認することが難しいため、判断基準として治療実績を確認しましょう。対応してきた症例数が多いほど、トラブルにも慣れていると予測でき、より安全に手術を受けられるでしょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

安いインプラントは大丈夫?インプラントが高額な理由も解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯の模型を使って患者にインプラントの説明をする

インプラント治療を検討していて、少しでも安く治療したいと考える方もいるでしょう。

ホームページや広告で、安い価格でインプラント治療をできると謳っている歯科医院も見受けられます。興味はあるものの安いインプラントは問題ないのか、不安を感じている方も少なくないでしょう。

今回は、安いインプラント治療は大丈夫なのか、インプラント治療が高額になる理由や歯科医院の選び方のポイントなどを解説します。インプラント治療の費用に関してお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントの費用相場

緑の背景の上に置かれた電卓と?の積み木

インプラントの相場は、1本あたり300,000〜500,000円ほどといわれています。保険適用外の自由診療のため、相場にも幅があります。インプラントは材料費が高額なことはもちろん、高度な技術と最新の設備が整っている必要があるため、治療費は入れ歯・ブリッジと比較して高い場合が多いです。

インプラントは、メーカーや被せ物の種類によっても価格が変動するので、1本あたり600,000円ほどの費用がかかる歯科医院もあります。品質に信頼があり安全性が高いインプラントメーカーのインプラント体や材料は、高額になるでしょう。

使用するインプラント体や材料によって価格が大きく変動するので、インプラント治療を検討する際は、事前に使用するインプラントのメーカーなどを確認するとよいでしょう。

インプラントの費用が高額な理由

椅子に座ってパソコンを膝に乗せて悩む女性

インプラントの費用が高額であることには理由があります。

インプラント治療が高額になる主な理由は、以下の5つです。

  • 保険適用外の自由診療のため
  • 材料費が高額なため
  • 設備に費用がかかるため
  • 最新の知識・技術を学ぶ必要があるため
  • 治療期間が長いため

それぞれ解説します。

保険適用外の自由診療のため

インプラントは、保険適用外の自由診療です。自由診療は保険治療と異なり、費用は全額自己負担です。保険治療は日常生活に支障が出ないように、必要最低限の機能を維持する治療が該当します。

インプラント治療のように、審美性が高く、機能面も優れた治療は保険適用外になることが多いです。費用を全額負担しなくてはいけないので、治療費が高額になります。

材料費が高額なため

インプラントは、世界中のメーカーから多くの種類が発売されています。100種類以上が存在しており、国内でもさまざまなインプラントで治療が行われているのが現状です。

しかし、使用するメーカーによって品質や安全性に差がみられます。世界中でシェアされている、品質や安全性が保証されているインプラントメーカーのインプラントを採用している歯科医院が多いです。高品質なインプラントは値段が高いので、治療費も高額になるのです。

設備に費用がかかるため

インプラントは、外科的手術をともなうため、ほかの治療法と比較してリスクがあります。インプラント治療を安全な環境で行うには、口腔内も含めた全身の状態をしっかりと把握する必要があるでしょう。

また、インプラントの手術中は細菌感染のリスクがあるため、徹底した衛生管理が必要不可欠です。安全に治療を行うには、CTやオペ室など、整った環境で手術することが望ましいといえるでしょう。設備費も費用に含まれるため、費用が高くなります。

最新の知識・技術を学ぶ必要があるため

インプラント治療は、外科的手術をともなうため、十分な知識と技術が必要な治療です。

インプラントに限らず、治療技術は常によりよいものに変化し続けます。最新の知識や技術を習得するためには、学会や勉強会に積極的に参加してスキルアップする機会を設けることが重要です。インプラント治療には、材料費のほかにも歯科医師に対する技術料も含まれるため、費用が高額になります。

治療期間が長いため

インプラントの治療期間は、3か月〜1年が目安です。最終的な被せ物が入るまで、スムーズな方でも3か月はかかります。

被せ物が入るまでには多くの工程があるので、その分、治療費も高額になります。インプラント部分の顎の骨が不足している場合は、骨を補う「骨造成」が必要なので、治療期間も長くなり費用も高額になるでしょう。

安いインプラントは大丈夫か?

顎に手を当てて悩む男性

インプラント治療は高額なため、少しでも費用を抑えたいと考える方は多いです。「費用は安く抑えたいけれど、安いインプラントは大丈夫なのか」と、不安や疑問を感じている方も少なくないでしょう。

ここでは、安いインプラント治療を検討する際の注意点をご紹介します。安いインプラント治療で注意したい点は、以下の5つです。

  • 材料費が安い
  • トータルの治療費が記載されていない
  • 保証内容が薄い
  • インプラント治療に必要な設備が整っていない
  • 歯科医師の経験が乏しい

材料費が安い

上述したとおり、インプラント体の種類は全世界で100種類以上あるといわれています。大手インプラントメーカーで作られるインプラント体は、品質や安全性が優れており、世界中で使用されているという実績など、信頼できるものが多いです。高い品質や安全性が保証されているため、費用も高額になる傾向があります。

一方、実績が少なく、品質や安全性に疑問が残るインプラントも存在します。インプラントを安く提供する歯科医院のなかには、材料費を抑えるために実績のない品質や安全性が保証されていないインプラント体を使用しているケースがあるため、注意が必要です。

トータルの治療費が記載されていない

ホームページや広告などで、インプラントの相場より安く治療が受けられると謳っているケースがあります。実際はインプラント体などの材料費だけの値段を提示していて、検査料や治療にかかる費用が別に必要な場合があるので注意しましょう。

インプラント治療を受けるときは、治療費の総額を確認してください。

保証内容が薄い

インプラントは、丈夫で長持ちするメリットがあります。

しかし、使用している間に破損する場合や欠ける場合があります。トラブルが起きた際の保証内容は歯科医院によって異なるので、事前に確認しましょう。

安く治療を受けられる歯科医院では、保証を設けていない・内容が薄いなど、保証内容が不十分な場合が多いです。万が一のトラブルを想定して、保証内容が充実した歯科医院で治療を受けましょう。

インプラント治療に必要な設備が整っていない

インプラントは、顎の骨にドリルで穴をあけ、インプラント体を埋め込みます。CT画像など、集めた資料を確認しながら手術を進めるのが一般的です。また、手術中の細菌感染を防ぐために、器具の滅菌はもちろん、手術室など清潔な環境下で行う必要があります。

しかし、格安インプラントのなかには、CTを撮影せずにインプラント治療を行う場合や、衛生管理が不十分な環境下で手術を行う場合があります。どのような環境でインプラント治療を行うのか、事前に確認しましょう。

歯科医師の経験が乏しい

インプラントは、専門的な知識と高い技術力が必要な治療です。

技術を向上させるには、インプラントの手術の実績を積み重ねる必要があるでしょう。歯科医師の治療経験が浅いため、費用を安く設定している場合もあるので、注意しましょう。

歯科医院選びのポイント

「POINT」と書かれたブロックが置かれたデスク

インプラント治療を受ける際、どのような点に着目して歯科医院を選べばよいのか疑問に感じた方も多いでしょう。「少しでも安く済ませたい」「相場より高いから安心だろう」など、インプラント治療を受ける際は、歯科医院を金額だけで決めることは避けましょう。

インプラント治療を受ける歯科医院選びのポイントは、以下の3つです。

  • インプラント治療に精通しているか
  • 設備が充実しているか
  • 信頼できる歯科医院か

インプラント治療に精通しているか

インプラント治療は、専門的な知識と高度な技術が必要な治療です。必ずインプラント治療に精通している歯科医師のもとで治療を受けましょう。

インプラント治療は、口腔内のバランスを確認して行う必要があります。インプラントを長く保つためには、口腔内の健康が保たれていることがポイントです。インプラント部分だけでなく、口腔内の治療にも精通している歯科医師のもとで治療を受けるとよいでしょう。

設備が充実しているか

安心してインプラント治療を受けるには、歯科医師の知識や実績などの技術力はもちろん、設備がしっかりと整っている歯科医院であることがポイントです。

インプラントは、顎の骨にドリルで穴をあけてインプラント体を埋め込みます。細菌感染しないように、清潔な空間で手術を行う必要があるのです。また、顎の骨には神経や血管などが通っているので、正確な位置を把握する必要もあります。レントゲン写真だけでなく、CTを撮影して立体的に把握することで、より安全に手術をすることが可能です。

インプラント治療を受ける際には、CTやオペ室の有無など、設備が充実しているか確認しましょう。昨今では、ホームページで設備を紹介している歯科医院も増えてきました。気になる歯科医院を見つけたらチェックしましょう。

信頼できる歯科医院か

インプラント治療は、専門性の高い治療であり費用も高額なため、慎重に決断するべきです。特にインプラント治療が初めての方は、不安に感じることが多いでしょう。

インプラント治療を行う際には、不安や疑問に寄り添って納得できるまで説明してくれる歯科医院を選択しましょう。インプラントは、治療が終わってからも定期的に歯科医院を受診して、インプラントの状態を確認する必要があります。悩みや不安などが話しにくい歯科医院で治療を受けると、通院をストレスに感じるでしょう。

インプラント治療を受ける際には、歯科医師の質や歯科医院の設備などとあわせて、ご自身が話しやすい信頼できる歯科医師・歯科医院であるかも確認しましょう。

まとめ

歯科治療を受けて笑顔になる男性

インプラント治療を行う際は、価格だけで判断してはいけません。安いインプラントを提供している歯科医院で治療を検討する場合は、材料や設備・医師の技術力などに問題がないか確認することが大切です。

「費用が安いから問題がある」「高いから安全である」とは限りません。インプラント治療は値段だけで判断せず、気になる歯科医院を受診してカウンセリングを受けるなど、実際に話をして信頼できると感じる歯科医院で治療を受けましょう。

インプラントは治療が終わっても定期的に歯科医院を受診して経過を観察する必要があります。ご自身にとって信頼できる、ストレスのない歯科医院を選択することが大切です。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!