私達はウイルスの感染対策として毎日マスクを付け、手洗い、手の消毒を行っています。では、そもそも手を消毒する理由とは何でしょう?
手や指先からウイルスは感染しませんから、要は手についたウイルスが口に入らないように防いでいるのです。マスクにしても同様です。
ここからがポイントなのですが、ウイルスが口に入ると、いきなり新型コロナウイルス感染症の発症と考えてしまいがちです。しかし実際のところは、入る量が少なければ抑え込めますし、ウイルスが口の中で徐々に増殖すれば発症に至ります。ウイルスの侵入口になる構造物(受容体)が舌の細胞や味を感じる味蕾細胞に非常に豊富であるとの多くの報告があります。これはCOVID-19関連症状である味覚障害とも関係しています。さらに歯周ポケットにもウイルスの侵入口が豊富にあり感染のターゲットである可能性も疑われています。
特に舌の上や歯周ポケットでウイルスが増え続けて肺に広がることも考えられます。現時点では未だ根拠は確立していませんが、毎日の口腔の
ケアと歯科クリニックでの専門的お口のケアが発症を抑える可能性は否めません。
歯磨きペーストの界面活性剤はウイルスの皮膜を破壊しますから舌の上にもペーストを付けてヌメリを取り去ると唾液中の抗ウイルス成分がすみずみまで行き渡ります。
ウイルスが口に入らない為ににあれだけ頑張っているのですから、ウイルスが口に入った場合に備え一手間かける価値は大いにあります。
出典: Wakako Sakaguchi et al :Int. J. Mol. Sci. 2020 , Existence of SARS-CoV-2 Entry Milecules in the Oral Cavity
ウイルス粒子を減らすお口のクリーニング