健全な歯質を守るために
“削って詰める”治療の運命
これまで行われてきたほとんどの歯科治療は、小さなむし歯を早期発見し、金属の詰め物を安定させるために健康な部分まで余分に削って詰めたり、かぶせたりというものでした。
しかし、むし歯はいくらきちんと削って詰めても根本的には治らないのです。金属の詰め物は平均すると約5.4年、かぶせる治療も約7.1年しかもちません。むし歯の原因をなくさなければ、またむし歯は再発します。しかも二度目は、一段とひどくなるのです。これを繰り返して、多くの人が歯を失っています。
悪くなったらまた削って治療する、これでは、歯は雪ダルマ式に悪くなってしまうのです。
インレー 平均5.4年
クラウン 平均7.1年
ブリッジ 平均8.0年
“削らない”治療、「MI」とは?
近年、歯科治療にも導入され始めた新しい概念が
M I (ミニマム・インターベンション/最少の侵襲治療)です。
これは、病巣のみ小さく除去して健全な歯質をできるだけ残し、金属を使わずに、歯と同じ色をした有機材料で修復する方法です。このM I の考え方に基づいた治療では、
削る必要のない健全なエナメル質を最大限にいかすことができます。歯のエナメル質は、“人生の貯金”といっても過言ではないほど大切なものです。
当院では、このMIを常に診療方針の中心に捉えております。
◆従来の治療との比較
従来の治療
従来の方法で治療すると...
- 歯の切削 (病巣を取り去る)
- 詰め物が脱落しないよう、安定させるために健康な歯質も大量に削り取る(明らかに切削歯質が多い)
- 費用負担はMIの約2倍
- 歯型をとるので処置が2回に増える
従来の治療(明らかに切削歯質が多い)
MIに基づいた治療
- 病巣のみを小さく除去
- 歯と同じ色の有機材料で修復(金属は使わない)
- 費用負担が少ない
- 処置が一日で終了 ※その後、通院が必要な場合もございます
溝の間の小さなう蝕。
病巣だけを小さく切削。
術後。