皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
インプラント手術について、手術というイメージから恐怖心や不安を抱いてしまう人が多いです。インプラント手術はどのような流れで何を行うのかを理解すれば、不安を解消できます。
この記事では、インプラント手術の種類から治療の流れ、術後の注意点、痛みの有無までを詳しく説明しています。
目次
インプラント手術の種類
インプラントは、歯を失った際の治療法の1つです。顎の骨の中にインプラント体を埋める手術を行うので、ブリッジや入れ歯に比べて大がかりな治療のイメージがあり、不安に思ってしまう人も少なくありません。
しかし、インプラントはメリットも多い治療で、残っている歯にとっては一番優しい治療でもあります。
インプラント治療は以下の5つのメリットがあります。
- 他の歯を削る必要がない
- 自分の歯と同じようにしっかり噛めるようになる
- 見た目も自分の歯と同じように自然で美しい
- インプラントは虫歯にはならない
- しっかり噛めるようになるので健康面が向上する
残っている歯に負担をかけないので、お口全体のことを考えるととても優れた治療法です。
インプラント手術には一回法と二回法の術式があるので、それぞれを詳しくご説明します。
手術が一度で済む一回法
インプラント手術の一回法とは、手術が1回だけで済む方法です。局所麻酔した後に歯茎を切開し、骨が見えるようにします。骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。
一回法の場合は、歯茎を縫合する時にインプラント体の上部が少し歯茎から出る状態にしておくのです。骨とインプラントがしっかりくっつく期間を待ってから、被せ物の土台となる「アバットメント」を装着する術式となります。インプラントの埋入と同時にアバットメントをつける場合もあります。
一回法は、十分な骨量がある場合に適応可能です。
手術を二度行う二回法
インプラント手術の二回法とは、日にちを分けて手術を2回行う方法です。一回法と同じく、局所麻酔後に歯茎を切開し、骨が見えるようにします。骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。
二回法は、一回法とは異なり、1回目の手術で埋入したインプラント体を完全に歯茎で覆って縫合してしまうのです。インプラントを歯茎の中に埋めてしまうことで、外部からの細菌感染のリスクも少なくなります。骨とインプラントがしっかりくっつく期間を待ってから、2回目の手術の時に歯茎を切開してインプラント体を露出させ、アバットメントを装着します。2回目の手術は1回目の時よりも短時間で終わるので、手術回数は増えますが、それほど大変ではありません。
二回法は、骨量が足りず骨移植などの処置が必要な症例にも適応可能です。
それぞれの違い
一回法と二回法の違いについて詳しくまとめてみました。
〈一回法と二回法の違い〉
一回法 | 二回法 | |
---|---|---|
手術の回数 | 1回 | 2回 |
適応症例 | 骨が十分にある場合のみ | 骨量が足りず骨移植などの追加処置を行う場合にも適応 / 骨が十分にある場合も可能 |
治療期間 | 比較的短い | 2回目の術後の治癒期間分、長くなる |
費用 | 比較的抑えられる | 一回法に比べると費用が高くなるケースが多い |
細菌感染のリスク | 骨とインプラントがくっつくのを待つ間に細菌感染を起こす可能性がある | 1回目の手術でインプラントを歯茎で完全に覆ってしまうため、細菌感染のリスクは少ない |
患者様への負担 | 二回法に比べて手術・通院回数が少ないため、負担も少ない | 手術・通院回数が増えるので負担が大きくなる |
インプラント手術は痛いの?
インプラント手術を受ける際に多くの方が気にされているのが「どれくらいの痛みがあるのか?」ということだと思います。歯茎を切開して骨に穴をあけるので「相当な痛みがあるのでは?」と心配される方も多いです。
しかし、実際は「それほど痛みを感じなかった」という方が大半です。局所麻酔をしてからインプラント手術を行うので、手術時に痛みを感じることはほぼありません。手術後の麻酔が切れた後は多少の痛みが出ますが、処方される痛み止めで対応できるケースがほとんどです。ただ、インプラント手術をするのに十分な骨の量がなく、骨移植や骨造成などの追加処置を行う場合は、通常より痛みが強く出たり腫れたりする可能性もあります。
「インプラント手術を受けたいけどどうしても怖い」「緊張してパニックになりそう」という方は、半分眠っている状態でリラックスしたままインプラント手術を受けられる「静脈内鎮静法」や全身麻酔に対応している歯科医院もあります。過度な緊張や不安はパニックを引き起こしたり、血圧が急上昇したりするリスクもあるので、事前に歯科医師に相談してみましょう。
インプラント手術の流れ
インプラント手術の流れは、以下のとおりです。
①カウンセリング
患者様がどのような治療を望まれているかお話をうかがいます。
インプラント治療を希望される場合、費用や治療期間などを詳しくご説明します。
②精密検査、診断
患者様にインプラント手術の同意を得たら、レントゲン撮影や歯科用CT撮影などの精密検査を行います。
精密検査で骨の量やインプラントを埋める位置などを確認します。結果をもとに治療計画を立て、再度患者様に治療の流れについてご説明します。
③インプラント手術
局所麻酔をしてから歯茎を切開し、骨が見えるようにします。歯科用ドリルで骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。
一回法と二回法のどちらを行うかはお口の中の状態によって異なります。
④結合期間
インプラント体を埋めた後、インプラントが骨としっかりくっつく期間を待ちます。
状態や部位によって異なりますが約3か月ほどかかります。
⑤アバットメントの装着
二回法の場合は、再度手術を行う必要があります。
局所麻酔をしてから歯茎を切開し、インプラント体を露出させ、アバットメントを装着します。2回目の手術後は切開した歯茎の傷が治るまで、1〜3週間ほどの治癒期間が発生します。
⑥被せ物の型取り・装着
インプラントの上に被せ物を装着する準備を行います。
型取りをして被せ物を作製します。適合具合や噛み合わせのチェックを行い、問題がなければ被せ物を装着します。
⑦定期的なメンテナンス
インプラント手術は、術後の管理がとても重要です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病になることはあります。歯磨きなどのケアを怠ると歯周病になり、せっかく埋めたインプラントが抜け落ちてしまうこともあるのです。インプラントを長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスで状態の確認や歯のクリーニングを受けましょう。
インプラント手術後に注意すること
インプラント手術を受けた際の注意点は、以下のとおりです。
- 術後、1週間ほど痛みや腫れが出ることがあります。痛み止めや抗生剤、うがい薬が処方されるので歯科医師の指示通りに服用しましょう。
- 麻酔が切れるまでは飲食は控えましょう。麻酔が効いていると感覚がないので、唇を噛んでしまったり火傷をしてしまったりする恐れがあります。そのため、飲食は感覚が戻ってからにしてください。
- 手術後に止血確認を歯科医院でも行いますが、もし帰宅後に出血してきたら、ガーゼを噛み止血してください。10分ほどで止血できると思いますが、万が一出血が止まらない場合は、速やかに連絡しましょう。
- しばらくはインプラント手術を受けた反対側の歯で食事をするようにしてください。また、術後1週間ほどは柔らかいものを食べるようにし、硬いものや刺激物は避けてください。
- 飲酒は血行を良くし、出血や痛みの原因にもなるので術後1週間は厳禁です。
- 喫煙も治癒に悪影響をもたらすので厳禁です。また、喫煙は歯周病の原因にもなります。インプラントを長持ちさせるためにも禁煙することをおすすめします。
- 入浴や運動も血行を促し、出血や痛みの原因になってしまいます。術後1週間は安静に過ごし、入浴もシャワー程度に済ませましょう。
- 歯磨きは歯科医師の指示が出るまで、インプラント部分は触らないようにしましょう。術後に無理なブラッシングを行うことで、歯茎が傷ついたり出血の原因になったりしてしまいます。
まとめ
インプラント手術には一回法と二回法があり、術式や治療期間などが異なります。局所麻酔をしてから行うので、手術中に痛みを感じることはほぼありません。一般的なインプラント手術の場合は、手術後の痛みも痛み止めの薬を服用することで対応できるケースがほとんどです。インプラント手術を受けた後の1週間は安静に過ごし、インプラント部分を触らないようにしましょう。治療完了後は、インプラントを長持ちさせるために定期的なメンテナンスを受ける必要があります。
インプラントについて正しい知識があれば、不安に思うことはありません。心配なことがあれば歯科医師に相談し、納得してからインプラント手術を受けましょう。
インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!