皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
失った歯の代わりとなるインプラントは、審美性や機能性に優れており、近年幅広い世代から注目されている治療法です。老後に歯を失った場合、インプラント治療を受けることはできるのでしょうか。
今回は、老後にインプラント治療を受けるメリット・デメリットや、治療を受ける際の注意点について解説します。
目次
老後に歯を失った場合の治療法
失った歯を補う主な治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類が挙げられます。3種類の治療法の違いや特徴を確認しましょう。
入れ歯
入れ歯治療は、失った歯を補う代表的な治療法です。健康な歯を削る必要がないため、身体的な負担が少ないことが特徴です。
入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
総入れ歯
歯が1本も残っていない場合、総入れ歯を選択します。総入れ歯は、歯茎全体を土台として、床(しょう)とよばれる部分を吸着させるようにして装着します。
部分入れ歯
歯が1本でも残っている場合、部分入れ歯が装着可能です。
通常、部分入れ歯は、残っている歯を土台にしてクラスプとよばれる金属バネを装着します。近年では、部分入れ歯の種類が増えており、クラスプがない部分入れ歯もあります。
ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、人工歯を被せる治療法です。健康な歯を削ることに抵抗がある方もいると思いますが、近年では技術の進歩により、削る量を最小限にしてブリッジ治療を受けられるようになりました。
しっかり削るブリッジと比較すると、固定力が弱いなどのデメリットもあるので、ご自身に合った方法を選択することが大切です。
インプラント
インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着する治療法です。審美性に優れており、噛む力が自分の歯と変わらないなどのメリットがあります。健康な歯を土台にしたり削ったりすることがないため、周囲の歯への負担がありません。
しかし、自費診療のため高額であることや外科的治療が必要なことなど、デメリットもあります。
老後にインプラント治療は受けられるのか
老後でもインプラント治療は受けられるのでしょうか。
結論からいうと、インプラント治療は年齢制限なく受けることができる治療法です。
明確な年齢制限はありませんが、顎の骨の成長が終わっていない未成年や、70歳以上の高齢の方は、インプラント治療を受けられない可能性があります。高齢になると体力や、治癒能力が低下する方が多いためです。
しかし、80代でインプラント治療を受け、食事ができるまで回復した方もいます。
インプラント治療が可能かどうかは、年齢よりも口腔内や全身の健康状態に左右されるといえるでしょう。
老後にインプラント治療を受けるメリット
老後にインプラント治療を受けるメリットは、以下のとおりです。
しっかり噛める
インプラントは、入れ歯やブリッジと比較すると噛む力が強いといわれています。本来の歯の7~9割程度の噛む力を回復することができます。
老後は噛む力が衰えていくことが多いため、できるだけ噛む力を回復させる治療が望ましいでしょう。噛む力が強いと食べ物を制限する必要もないため、食事を楽しむことができます。
認知症を予防できる
噛むという動作は、脳に刺激を与えます。
インプラント治療は、床やクラスプなどがないため味や温度がダイレクトに感じられ、五感が刺激されるでしょう。脳に刺激が伝わるので、インプラントは認知症の予防につながるのです。
コミュニケーションが活発になる
「入れ歯がパカパカして話しにくい……」と感じたことがある方もいるでしょう。歯を失ったことで、口を開けて話すことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、インプラントは、入れ歯のように外れることがなく審美性にも優れているため、口を開けて笑うことや話すことに積極的になれます。老後は、人とのコミュニケーションが少なくなる方が多いです。コミュニケーションを楽しめるように、失った歯を補うことが重要といえるでしょう。
見た目が若々しくなる
インプラント治療は、ほかの治療と比較しても審美性に優れています。本来の歯と変わらない色や透明感を再現できるため、見た目を若々しく保つことができます。
また、噛む力が衰えないため顎の筋肉が維持され、若々しい印象を保てるでしょう。
管理しやすい
インプラントは、入れ歯のように外して洗浄する必要がなく、残っている歯と一緒にケアすることができます。高齢の方でも管理がしやすいことがメリットです。
老後にインプラント治療を受けるデメリット
老後にインプラント治療を受けるデメリットは、以下のとおりです。
外科的治療によって身体に負担がかかる
インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋入するために外科的治療が必要です。
外科的治療は身体への負担がかかるため、耐えられる体力が必須といえます。また、歯茎を切開して顎の骨に穴をあけるので、治癒能力についても重要視されるでしょう。
治療を受けられない場合がある
インプラント治療は、人工歯根を埋入するので十分な顎の骨量が必要です。高齢の方は骨粗しょう症などによって顎の骨量が足りない場合があります。骨量が足りない場合、治療を受けることができません。
また、老後は糖尿病や高血圧などの持病があるリスクも高まります。持病がある場合も、リスクが高いと判断され治療を受けられないことがあるでしょう。
細菌感染を引き起こす可能性がある
高齢者は、若い人に比べて免疫力が低下しています。そのため、手術後に細菌感染を引き起こすリスクが高くなるでしょう。
インプラント体と骨が結合しづらい
高齢者は、若い人よりも免疫力が低下していることから、傷を治す力が弱まります。若い人と比較すると、インプラント体と骨が結合しづらいのです。
うまく結合できなかった場合は再度手術が必要となり、負担が大きくなるでしょう。
治療費や治療期間がかかる
インプラント治療は、基本的に自費診療なため高額な費用がかかります。
また、治療期間は半年以上といわれていますが、高齢であると結合に時間がかかることがあるでしょう。
メンテナンスが必要である
どの治療法でも同様ですが、治療後の口内を健康に保つには、定期的なメンテナンスやクリーニングが欠かせません。定期的に歯科医院に通えない方は、インプラント治療は適していないでしょう。
老後にインプラント治療を受ける際の注意点
最後に、老後にインプラント治療を受ける際の注意点をご説明します。
インプラントのデメリットを把握する
インプラントのデメリットやリスクをしっかりと理解したうえで、治療を受けることが大切です。何かトラブルがあった際に、デメリットやリスクを知っていれば冷静に対応することができるでしょう。
歯科医院を慎重に選ぶ
インプラント治療は、歯科医師の技術によって成功率などが変動します。インプラント治療に精通している歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。治療実績などをホームページに掲載している歯科医院も多いので、治療を受ける前に確認するとよいでしょう。
持病や治療歴を伝える
インプラント治療を受ける前に、持病や治療歴などを歯科医師にしっかりと伝えましょう。持病や治療歴を把握してもらうことで、さまざまなリスクを軽減することができます。
口腔ケアをしっかりと行う
インプラント治療後にセルフケアを怠ると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎はインプラントの歯周病ともよばれ、悪化すると顎の骨を溶かしインプラントが脱落することがあるのです。
老後にインプラント治療を受けた場合は、免疫力の低下からインプラント周囲炎を引き起こしやすい状態です。日々のお手入れで汚れをしっかりと落としましょう。また、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、自分では取り除くことのできない歯石などの汚れを落としてもらうことも重要です。
セルフケアと定期的な歯科医院でのクリーニングで、口内を清潔に保つ必要があります。
まとめ
今回は、老後にインプラント治療を受ける場合のメリットやデメリットなどを解説しました。
老後にインプラント治療を受ける場合、さまざまなリスクが伴います。
しかし、治療を受けるメリットも多く、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の維持や向上に役立つ治療法といえるでしょう。インプラント治療のメリット・デメリットや注意点をよく把握して、ぜひ検討してください。
インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!