皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
失った歯を補う治療法であるインプラントは、多くの歯科医院で採用されています。エビデンスが相当に積み上がっており、信頼性の高い治療法であるインプラントの認知度は高いです。
しかし「どのような治療法なのかよくわからない」という方も多いでしょう。また「インプラントの被せ物は交換しなくていいの?」「インプラントの被せ物を交換する場合、費用はどれくらいかかるのか?」といった疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、インプラントの被せ物の交換が必要なケースや交換しないリスク、交換する場合の費用などについて解説します。インプラントの被せ物の交換についてお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インプラントの被せ物の交換が必要なケース
インプラントは確立された治療法ですが、不具合が生じるケースはあります。どのような場合にインプラントの被せ物の交換が必要になるでしょうか。
インプラントの被せ物の交換が必要なケースについて解説します。
破損した場合
被せ物が破損した場合は、交換する必要があります。インプラントの上部構造である被せ物の種類には、オールセラミックやオールジルコニア、メタルボンドなどがあり、いずれもたしかな強度があります。
しかし、破損する可能性はゼロではありません。実際に、強い衝撃があった際に破損するケースがあるのです。
寿命を迎えた場合
被せ物が寿命を迎えた場合も、交換する必要があります。セラミックやジルコニアは強度が高いですが、耐用年数はあります。耐用年数は一概に何年と決まっているわけではないものの、およそ2~10年です。
また、歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある場合は、被せ物にかかる負荷が大きくなるため、耐用年数はより短くなります。
インプラントの被せ物を交換しないリスク
「インプラントの被せ物が破損したとしても、交換しなくてよいのでは?」という方も多いでしょう。
しかし、被せ物の交換が必要であるにも関わらず、交換せずに使用し続けるリスクは非常に大きいです。では、具体的にどのようなリスクが考えられるのでしょうか。詳しく解説します。
全体の歯列が変わる
インプラントの被せ物が破損すると、噛み合わせの問題が生じるケースがあります。きちんと噛み合わなくなると、歯や歯周組織を痛めます。また、顎に大きな負担がかかり、結果として全体の歯列が変わる可能性があるのです。
全体の歯列が変わることによる問題としては、しっかり噛めないために消化不良になることや、顔や全身の骨格が歪むことなどが挙げられます。見た目の変化にとどまらず、全身の不調につながる可能性があるのです。
インプラント周囲炎が進行する
インプラントの被せ物が取れ、しっかり歯磨きできずに歯茎に汚れが残ったままになると、細菌感染を引き起こす可能性があります。細菌感染として代表的なものは、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎とは、いわゆる歯周病のことであり、インプラントの周辺組織が炎症を起こした状態です。症状の進行が軽度であれば歯茎が腫れる程度ですが、段階的に症状が進行すると、歯茎から膿が出て口臭が発生することや、歯茎が下がってインプラントが露出することがあります。
インプラントの被せ物を交換する費用
インプラントの被せ物を交換しないことのよるリスクは大きいため、破損した場合には速やかに交換する必要があります。
しかし「どのくらいの費用がかかるの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
まず、インプラントの被せ物の相場は、1本あたり50,000~150,000円程度です。被せ物にはさまざまな種類があるため、一概にいくらと断定することはできません。素材によっては1本あたり200,000円を超えることもあるのです。
しかし、歯科医院によってはインプラント治療における保証期間を設けています。保証期間内であれば、無料で被せ物を交換できるケースもあるのです。そのため、インプラント治療を受ける際は、単純な費用面だけでなく保証制度も含めて検討しましょう。
インプラントの被せ物を交換する流れ
「インプラントの被せ物の交換はどのような流れで行われるの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
そこで、ケース別に被せ物を交換する流れを解説します。
セメントで接着されている場合
被せ物をセメントという強力な接着剤でアバットメントにつないでいる場合、基本的に取り外せません。そのため、アバットメントに装着された状態で被せ物を修理します。修理が難しい場合には、被せ物を削り取って新たに作り直す必要があるでしょう。
また、仮にセメントの接着力が原因で被せ物が丸ごと外れた場合、被せ物を再装着することで対処可能です。
ネジで固定されている場合
被せ物をスクリューというネジでアバットメントにつないでいる場合、ネジを緩め、被せ物を取り外して交換します。したがって、セメントで接着されている場合と比較して対処が簡単です。ネジの緩みによって被せ物が外れた場合も、ネジを締め直すことで元の状態に回復できます。
インプラントの被せ物を長持ちさせる方法
インプラントの被せ物を交換する場合、数万円以上の費用がかかるケースが多いです。そのため「できるだけ長持ちさせたい」という方が多いでしょう。
そこで、インプラントの被せ物を長持ちさせる方法について詳しく解説します。
バランスよく噛む
インプラントの被せ物を長持ちさせる方法として、バランスよく噛むことが挙げられます。インプラントの特徴は違和感なくしっかり噛めることです。
しかし、噛みやすいとはいえ、偏った噛み方が続ければインプラントに大きな負担がかかります。場合によっては被せ物の破損にもつながるでしょう。そのため、食事の際には左右でバランスよく噛むことが大事です。
硬いものを噛まない
インプラント治療を行えば、ある程度硬いものも噛めます。
しかし、硬いものばかり噛んでいては被せ物への負担が蓄積します。被せ物をなるべく長持ちさせるためにも、できるだけ硬いものを噛まないよう心がけましょう。
適切なセルフケアを行う
適切なセルフケアを行うことも、被せ物を長持ちさせる方法として挙げられます。インプラントがいかに頑丈といっても、過酷な口内環境が続ければ劣化が早まる場合や不具合が発生する場合があります。
また、歯茎のケアが行き届かないことでインプラント周囲炎を引き起こす可能性もあるのです。そのため、日々の歯磨きやフロスでのケアはしっかり行いましょう。
定期的にメンテナンスを受ける
インプラントの被せ物を長持ちさせるうえで欠かせないのが、歯科医院での定期的なメンテナンスです。セルフケアをしっかり行うことで清潔な口内環境を保つことができますが、細かな汚れは残る可能性があります。
その点、歯科医院でメンテナンスを受けることで、細かな汚れも徹底的に除去してもらえます。また、インプラントの調整もしてもらえるため、定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
まとめ
今回は、インプラントの被せ物の交換が必要なケースや交換しないリスク、交換する場合の費用などについて解説しました。
インプラントは確立された治療法であり、非常に信頼性が高いです。
しかし、インプラントの寿命は永続的ではないため、被せ物の交換が必要になるケースがあります。被せ物を交換せずに放置すると、全体の歯列が変わることやインプラント周囲炎が進行するリスクがあるため、注意しましょう。
インプラント周囲炎が進行すると、インプラント治療を受けられなくなる可能性もあります。全体の歯列が変わるリスクやインプラント周囲炎が進行するリスクを避けるためにも、少しでも被せ物に異常を感じたら歯科医院を受診しましょう。
また、被せ物にはさまざまな種類があり、交換する場合には50,000~150,000円程度の費用がかかります。費用が高額な理由は、保険が適用されないためです。そのため、できる限り被せ物を長持ちさせられるよう努めることが大切です。
適切なセルフケアを行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、インプラントの被せ物を長持ちさせられるでしょう。
インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!