皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
鼻がつまって苦しく感じる、色の濃い鼻水が出る、頭痛があるなど、日常生活は送れる程度の症状ではあるものの、副鼻腔炎が長引くとさまざまな問題が引き起こされます。仕事や学業のパフォーマンスが低下することもあるでしょう。
副鼻腔炎は、風邪やアレルギーだけではなく、虫歯や歯周病によって発症することがあります。インプラント治療が原因となる場合もあるでしょう。
今回は、インプラント治療によってどのように副鼻腔炎になるのかを解説します。副鼻腔炎になったときの対処法や、副鼻腔炎にならないための予防策もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
副鼻腔炎とは?
副鼻腔炎とは、鼻の周囲の空洞(副鼻腔)の粘膜に炎症が起こることです。一般的には、蓄膿症とよばれています。
副鼻腔炎になると、鼻や口周りなどに以下の症状が現れます。
- 鼻づまり
- 黄色や緑の鼻水
- 膿
- においのある鼻水
- 頭痛
- 顔面痛
- 口臭
- 咳や痰
上記のように、さまざまな症状が現れるでしょう。耐えられないほどではないことが多いですが、発熱などの症状を伴う場合もあります。
副鼻腔炎の主な原因
副鼻腔炎は、風邪やアレルギーによって引き起こされます。
副鼻腔とは、鼻の周囲にある複数の空洞、前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の総称です。空洞が鼻水などで満たされ、分泌物や膿が排出できなくなって炎症が起こり、副鼻腔炎になります。
上顎洞は奥歯と近い位置にあるため、虫歯や歯周病と関りが深いです。虫歯や歯周病の原因菌が神経などを通して上顎洞に広がると、副鼻腔炎を発症することがあります。
虫歯や歯周病が原因となった場合は、歯に痛みを感じる、歯が浮いたように感じるなどの症状が出ることもあります。心あたりがある場合は、歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療で副鼻腔炎になることがある?
副鼻腔炎は、虫歯や歯周病が原因となることもあり、歯のトラブルと密接に関わっています。また、インプラント治療が副鼻腔炎の原因になることもあります。
詳しく確認しましょう。
骨造成
インプラント治療では、顎の骨に穴をあけ、人工歯根(インプラント体)を埋入します。顎の骨の量が足りない場合、インプラント体が安定しないため、骨造成によって骨を増やすことがあるのです。
骨造成を上顎に行う際に、上顎洞を傷つけることがあります。傷ついた部分が細菌に感染すると、副鼻腔炎になるでしょう。
インプラント体の埋入手術
インプラント体を顎の骨に埋入する際も、副鼻腔炎になるリスクがあります。
インプラント体を埋入するためには、顎の骨にドリルで穴をあけなくてはいけません。穴をあける際に粘膜を傷つけるなどすると、副鼻腔炎の原因になります。
また、上顎にインプラント治療を行う際、埋入したインプラント体が上顎洞に入り込むことがあります。上顎の骨は薄いことが多いため、適切な位置・角度・力加減でインプラント体を埋入しなければ、突き破ることがあるのです。
上顎洞にインプラント体が入り込むと、副鼻腔炎の原因になります。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病ともよばれる病気です。インプラントの周囲が歯周病菌に感染して炎症を起こし、最終的には顎の骨を溶かします。
インプラント治療が終わった直後は症状がなくても、インプラント周囲炎によって副鼻腔炎を発症する可能性があります。インプラント周囲炎は進行が速く、初期の段階では自覚症状がありません。
歯科医院のメンテナンスを受けることと、毎日のセルフケアで口腔内を清潔に保つことが大切です。
インプラント治療で副鼻腔炎になったときの対処法
副鼻腔炎にはさまざまな原因があるため、インプラントが原因だと断定するのは難しいかもしれません。
しかし、骨造成を行ったあとやインプラント体を埋入した際に副鼻腔炎になった場合は、インプラントが原因の可能性があります。インプラントが原因で副鼻腔炎になったときは、どうすればよいのでしょうか。
インプラント治療で副鼻腔炎になったときの対処法をご紹介します。
歯科医院を受診する
副鼻腔炎の症状が現れた場合、まずは歯科医院を受診しましょう。特に、インプラント治療後に副鼻腔炎の症状が現れた場合、原因を特定して適切に対処することが重要です。
治療方法は、症状の重さや副鼻腔炎の原因によって異なります。
耳鼻咽喉科で治療を受ける
副鼻腔炎の治療は、一般的に耳鼻咽喉科で行います。インプラント治療による副鼻腔炎でも、耳鼻咽喉科での専門的な治療が必要になることがあるでしょう。
まずは、薬物療法を選択することが多いです。抗生物質やステロイドを含む鼻スプレー、鼻洗浄液などを用いて炎症を抑え、症状を緩和します。
症状が重度な場合や、薬物療法では改善されない場合は、外科手術が必要となることもあります。副鼻腔内の炎症組織の除去や、副鼻腔の通気性を改善する処置が行われるでしょう。
耳鼻咽喉科医と歯科医師が連携することで、インプラント治療に関連した副鼻腔炎の治療を効果的に進められます。
インプラント体の埋入をやり直す
インプラント体が粘膜を突き抜けたことが原因の場合は、インプラント体の埋入をやり直す必要があります。上顎洞に入り込んだインプラント体を除去して炎症を抑えたあと、再びインプラント体を埋入するでしょう。
再び上顎洞に入り込まないよう、慎重に検査を行ってインプラント体を埋入します。
インプラント治療で副鼻腔炎を起こさないための注意点
インプラント治療で副鼻腔炎を起こさないための注意点を確認しましょう。
インプラントの経験が豊富な歯科医師を探す
インプラント治療によって副鼻腔炎になる大きな原因は、歯科医師の経験や技術が不足していることです。歯科医師であれば誰でもインプラント治療が可能ですが、インプラント治療の経験がどのくらいあるかを確認しましょう。
経験が豊富な歯科医師であれば、インプラント治療のための設備も整っています。顎の骨の量や厚みをしっかりと確認し、適切な位置・角度でインプラント体を埋入できるでしょう。
インプラント体が上顎洞に入り込むなどのトラブルを起こさずに、治療を進められる可能性が高いです。トラブルが起こった場合でも適切に対処してもらえるので、インプラントの経験が豊富な歯科医師の治療を受けましょう。
無理のない治療計画を立てる
インプラント治療では、どの位置にどの角度でインプラント体を埋入するのかなど、綿密に治療計画を立てます。粘膜や神経の位置も確認し、傷つけずにインプラント体を埋入できるように治療計画を立てるのです。
無理にインプラント体を埋入すると、上顎洞に入り込むリスクや、ドリルで穴をあける際に顎の骨を突き破るリスクが増加するでしょう。無理のない治療計画を立てることは、非常に重要なのです。
歯科医師に相談する
インプラント治療によって副鼻腔炎になるのではないかと心配な方は、歯科医師に相談しましょう。骨造成による副鼻腔炎に関しては、サイナスリフトやソケットリフトに使用する人工骨が原因であることが多いです。
人工骨ではなく、ご自身の骨を移植する方法で骨造成を行えば、副鼻腔炎を予防できるでしょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎がある時期は治療しない
花粉症やアレルギー性鼻炎がある時期にインプラント治療を行うと、副鼻腔炎を引き起こすリスクが高まります。もともと鼻炎の症状に悩まされている方は、手術の時期をコントロールするとよいでしょう。
手術後のケアを怠らない
インプラント手術後は、副鼻腔炎のリスクが高まる時期です。炎症を起こさないように、しっかりケアを行いましょう。
歯科医院で処方された抗生物質は忘れずに服用してください。飲み忘れると傷口が化膿するリスクが高まり、副鼻腔炎のリスクも増加するでしょう。
また、喫煙習慣がある方は禁煙してください。手術後の治癒が遅れ、細菌に感染しやすい口腔環境になる可能性があります。
まとめ
今回は、インプラント治療で副鼻腔炎になることがあるのかどうか解説しました。
インプラント治療によって副鼻腔炎になるかどうかは、患者さまの顎の骨の厚みや鼻の形などの影響を受けます。もともと副鼻腔炎になりやすいかどうかも関係するでしょう。
しかし、インプラント治療で副鼻腔炎になるリスクを下げることは可能です。インプラント治療を受ける歯科医院を慎重に選ぶことが非常に重要といえます。
特に、骨造成が必要な場合は、副鼻腔炎になる要因が増えます。不安な場合はカウンセリングの際に歯科医師に相談し、治療計画をしっかり確認しましょう。
インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!