皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
インプラント手術における2次オペとは、どのような手術なのでしょうか。また、2次オペはどのようなケースで必要となり、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
今回は、1回の手術のみ行う1回法と比較しながら、2回法の手術の流れについて解説します。インプラント治療を検討されている方は参考にしてください。
目次
インプラント治療とは?
インプラント治療は、歯を失った際の選択肢のひとつです。インプラント体と呼ばれる人工歯根を歯槽骨に埋入し、その上に人工歯をかぶせます。
入れ歯とブリッジと比較すると、自分の歯のようにしっかり噛めること、見た目が自然なことが大きなメリットです。固定式のため着脱する手間もありません。
インプラント治療は、基本的には自由診療です。そのため、歯科医院ごとに費用が異なります。相場は30~80万円です。インプラント体の種類や手術方法、患者さまの歯槽骨の状態などによって異なります。
インプラント治療では、インプラント体を埋入するために外科手術が必要です。患者さまの状態によっては、インプラント治療を選択できないこともあります。
インプラント手術の2次オペとは?
インプラント治療には、手術が1回だけ行われる1回法と、2回行われる2回法があります。2次オペとは、2回法の際の2回目の手術のことです。
1回法では、インプラント体の埋入から、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメントの装着まで一度の手術で行います。2回法では、インプラント体を埋入した後、すぐにアバットメントを装着しません。
アバットメントを装着するために、2回目の手術を行うのです。
インプラント手術の2回法の流れ
2回法でのインプラント手術の流れは、下記の通りです。
1次オペ
1次オペでは、インプラント体を埋入します。局所麻酔を行ってから歯肉を切開し、ドリルで歯槽骨にインプラントを埋入するための穴を開けます。
治療計画に則した位置にインプラント体を埋入し、歯茎を縫合します。
歯槽骨とインプラント体が結合するのを待つ
3ヶ月から半年ほど、歯槽骨とインプラント体が結合するのを待ちます。この期間は、患者さまの骨や体の状態などによって異なります。
2次オペ
2次オペでは、インプラント体にアバットメントを固定します。局所麻酔を行ってから歯茎を切開します。
インプラント体の頭を露出させたら、アバットメントを装着します。人工歯はすぐには装着せず、歯肉が落ち着くまでは仮歯を装着します。
人工歯の装着
歯茎が落ち着いたら型取りを行い、人工歯を作成します。人工歯が完成したら装着します。
インプラント手術で2次オペを行うメリット
手術が1回しかない方法があるにも関わらず、なぜ2次オペを行う2回法が選ばれるケースがあるのでしょうか。その理由は、以下のとおりです。
感染リスクを軽減できる
1回法の場合、歯槽骨とインプラント体が結合するまでの間は、歯肉からインプラント体の頭が露出した状態になります。2回法では一旦歯茎を縫合してカバーするので、細菌が入りこんでしまうリスクが軽減されます。
歯周病の方や免疫力が低い方は、特に感染を防ぐために2回法を選択することが多いです。
1回法では対応できない症例でも可能
骨の量が少ない方や、糖尿病などの全身疾患の影響で歯槽骨とインプラント体の結合に時間がかかる可能性がある方などは、2回法を選択する傾向にあります。1回法では治療できない場合でも、2回法なら可能なケースがあるのです。
綺麗に仕上がる
2回法では、歯槽骨とインプラント体の結合がある程度進んでから仮歯を装着します。より自然な仕上がりになるようにシミュレーションし、2次オペの際に歯肉も整えます。
そのため、最終的な仕上がりがきれいになりやすいといえます。
オーバーデンチャーを選択できる
オーバーデンチャーは、数本のインプラント体を歯槽骨に埋入し、入れ歯を固定する治療方法です。すべての歯をインプラントにするよりも費用を抑えることが可能で、通常の入れ歯よりもしっかりと固定されるため噛みやすくなります。
オーバーデンチャーは、2回法のみで可能な治療方法です。
インプラント手術で2次オペを行うデメリット
インプラント手術の2次オペには、以下のようなデメリットがあります。
治療期間が長くなる
手術を2回行い、傷口が回復するための待ち時間も必要であるため、治療期間が長くなります。口腔機能や見た目が回復するまで長い時間が必要になり、治療箇所以外の歯や歯茎への負担が大きくなる可能性もあるでしょう。
費用が高くなる
インプラント治療は自由診療のため、歯科医院によって費用が異なります。
しかし、2次オペを行う分、その費用が上乗される可能性があります。1回法よりも2回法のほうが、費用が高くなる歯科医院が多いでしょう。
手術の負担が大きい
2次オペは基本的には短時間で終わるので、患者さまへの負担は少ないです。しかし、局所麻酔を行って歯茎を切開したり骨を削ったりするため、負担がないとは言えません。
短時間で終わるとはいえ、歯茎を切開するので痛みや腫れが生じることが多いです。術後の不快な期間が2回訪れるので、患者様への負担は少なくないのです。
特に手術に対して不安や恐怖心がある方には、手術が2回必要なことは大きなデメリットといえます。
インプラント手術で2次オペが必要なケース
患者さまにとって手術が増えることは望ましくないため、多くの場合、1回法が可能な時は1回法が選択されます。
しかし、以下のようなケースでは2次オペが必須となります。
骨量が不足している
インプラント体を埋入する歯槽骨の量が足りず、そのままの状態ではインプラント治療ができないことがあります。その場合は、骨の量を増やす骨造成が必要です。
骨造成を行う際は、感染のリスクを軽減するために2回法が推奨されます。
歯周病がある
歯周病の場合は、感染リスクを軽減するために2回法を選択することが多いです。
審美性を重視する場合
仮歯を入れてシミュレーションし歯肉を整えるため、2回法のほうが美しく仕上がるとされています。天然歯に近い違和感の少ない仕上がりが期待できるでしょう。
接客業や営業職など、人前に立つ仕事をされている方には、2回法が適しているかもしれません。
糖尿病などの全身疾患がある場合
糖尿病などの全身疾患を患っている場合、免疫力が低いので感染のリスクが高いです。傷の治りが悪いこともあります。
そうしたケースでは、2回法を選択するでしょう。
インプラント手術後の過ごし方
インプラント手術後は、歯槽骨とインプラント体の結合や傷口の回復を促すために、以下の点に注意しましょう。
食事
手術では局所麻酔を行うので、麻酔がきれるまでは飲食を控えてください。口腔内の感覚が麻痺しているため、唇や頬を噛んでしまう恐れがあります。
術後1週間は、硬い物や刺激のある食べ物は避け、治療部位で噛まないようにしてください。また、アルコールは出血や炎症を誘発する恐れがあるため、控えてください。
入浴
血の巡りをよくしてしまうので、術後2~3日は湯船につからずシャワーをご利用ください。出血や痛みがある場合は、1週間程度控えましょう。
運動
術後は、2~3日程度は軽い運動もできる限り控えてください。身体を激しく動かす運動は1週間程度控えましょう。
仕事
基本的に制限はありません。
しかし、出血や痛みがあるといった場合は、身体を激しく動かすような仕事は、数日間控えたほうがよいでしょう。
喫煙
喫煙すると、傷口の回復が遅れるだけではなく、インプラント周囲炎になる可能性が高まります。そのため、禁煙を推奨する歯科医院が多いです。
歯磨き
手術部位については、抜糸まではブラシで磨かないようにしてください。術後、痛みや腫れが起こりやすいですが、多くの場合、2~3日で治まります。
強く痛む場合や1週間以上経過しても痛みや腫れが治まらない場合は、歯科医院に相談しましょう。
まとめ
インプラント治療には、1回手術を行う1回法と、2回手術を行う2回法があります。2次オペとは、2回法での2回目の手術のことをさします。
2回手術を行うことは、治療期間や費用が増加する、患者さまの身体・精神的な負担が大きいなど、さまざまなデメリットがあります。
しかし、感染のリスクを軽減し、骨量が少ない場合でもインプラント治療できるなど、メリットもあります。患者さまの状態によっては、2次オペが必須なケースもあるでしょう。
治療前のカウンセリングや検査後に、二次オペが必要かどうか判明します。内容を確認したうえで治療をご選択ください。
インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!