皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
歯を補う治療法には「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」があります。
しかし、すべての歯を失った場合は、ブリッジでの治療は難しいため、入れ歯かインプラントのどちらかを選択することになるでしょう。
従来のインプラント治療では、歯1本に対して1本の人工歯根を埋入しますが、すべての歯を失った場合には「オールオン4」という治療が向いている場合があります。これは、インプラント治療と入れ歯治療をかけ合わせた治療法です。
オールオン4を検討されている方のなかには、治療期間はどれくらいなのか気になっている方もいるでしょう。
今回は、オールオン4の治療期間はどれくらいなのか解説します。オールオン4の治療の流れも解説しますので、オールオン4を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
オールオン4とは?
オールオン4とは、前歯から奥歯までが一体となっているインプラントのことを指します。
顎の骨に 4本のインプラントを埋入し、上から上部構造を固定します。上部構造は入れ歯のような形をしており、12本分の歯を補うことができます。
歯1本に対して1本分のインプラントを埋めるのではなく、前歯から奥歯までが一体となった義歯を最小本数のインプラントで支える治療法です。
オールオン4の治療期間はどれくらい?
オールオン4の施術は半日で終了し、全体の治療期間は6ヶ月程度です。
インプラントの埋入手術と仮歯の装着までで半日程度、その後インプラントが骨と結合するまで6ヶ月程度待ち、最終的な人工歯をセットして治療完了です。手術を受けたその日のうちに仮歯を装着できるので、見た目を気にすることなく過ごせます。
一方で従来のインプラント治療の治療期間は、6ヶ月〜1年程度です。
インプラント埋入手術のほか、人工歯をつなぐアバットメントを装着するための二次手術が必要になることが多いです。その後、型取りをして人工歯を作製するため、人工歯が入るまでに時間がかかります。
従来のインプラント治療において骨造成手術が必要な場合には、さらに3〜6ヶ月程度かかるでしょう。
オールオン4の治療の流れと通院回数
オールオン4は、カウンセリングから義歯の装着まで10回程度の通院が必要になることが多いです。
治療の流れは、次のとおりです。
カウンセリング
カウンセリングではオールオン4の治療内容について詳しく説明します。疑問点や不安点がある場合には、カウンセリング時に確認しましょう。
精密検査・診査診断
治療に必要な検査を行います。精密検査では口腔内の写真撮影やC T撮影などを行い、歯や顎の状態を確認します。
治療計画の説明と手術日の予約
検査結果を踏まえて立てられた治療計画や治療期間、治療費用などについて説明をします。
インプラント埋入手術と仮歯のセット
インプラントの埋入手術を行います。手術後は少し休憩をして、出血がおさまったらその日のうちに仮歯を装着します。
術後の消毒と経過観察
担当歯科医師に指示された日に歯科医院を受診して消毒を行います。併せて、術後の状態を確認します。
義歯の型取り
義歯を作製するための型取りを行います。噛み合わせの調整が必要であれば行います。
義歯の装着と噛み合わせなどの最終調整
インプラントの埋入手術から約6ヶ月後に義歯のセットを行います。仮歯から義歯に交換し、最終的な噛み合わせの調整などを行います。
メンテナンス
オールオン4が入った後は、定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。オールオン4を長持ちさせるためにも、定期的にメンテナンスを受けましょう。
オールオン4のメリット
オールオン4には、従来のインプラントや入れ歯と比較して、多くのメリットがあります。
オールオン4のメリットは、以下のとおりです。
身体への負担を軽減できる
インプラントを埋入するには、顎の骨に穴を開ける必要があります。オールオン4の場合は、埋入するインプラントの本数が少ないため、穴を開ける数が少ないです。そのため、手術時間が短く、身体への負担を軽減できます。
また、従来のインプラント治療において顎の骨が少ない場合には骨造成手術が必要になる場合がありますが、オールオン4の場合は顎の骨の量が多いところを選んでインプラントを埋入できます。そのため、骨造成手術を行う可能性が低く、身体への負担を軽減できるのです。
費用を抑えられる
歯を失った部分すべてにインプラントを埋め込むと費用は高額になります。
しかし、オールオン4は埋入するインプラントの本数が少ないため、費用を抑えることができます。
骨の薄い方でも治療ができる
従来のインプラント治療では、埋入箇所の骨の量が足りないと、骨造成手術を行う必要がありました。
しかし、オールオン4は骨の量があるところを選んでインプラントを埋め込むことができます。そのため、顎の骨が薄い方でも治療を行える可能性があるのです。
インプラントの埋入手術の当日に仮歯を装着できる
従来のインプラント治療の場合、インプラント体と顎の骨が結合するまで仮歯を装着できませんでした。
一方でオールオン4では、インプラント埋入手術の当日に仮歯を入れることができます。
しっかりと噛める
オールオン4では、顎の骨にインプラント体を埋め込み、その上に義歯を装着します。義歯がしっかりと固定されるため、入れ歯よりもしっかりと噛めるようになるのです。
発音しやすい
入れ歯を装着すると歯ぐきや粘膜が覆われて、発音しにくいと悩む方がいます。
一方でオールオン4は、顎の骨に直接固定するため、入れ歯よりも発音しやすいのです。
痛みが出にくい
入れ歯の場合、入れ歯と粘膜との間に食べ物が挟まると、痛みを感じることがあります。
一方でオールオン4の場合は、そのような痛みを感じることはなく、快適に使用できるでしょう。
外れない
入れ歯の場合、会話をしているときに外れてしまうことがあります。
一方オールオン4は、顎の骨にしっかりと固定されるため、入れ歯のように外れません。入れ歯の外れてしまうというストレスから解放されるでしょう。
骨の吸収を抑えられる
顎の骨は刺激を受けないと、徐々に吸収されます。その結果、顔貌が老けて見えるようになることもあるでしょう。
オールオン4は、顎の骨にしっかりと固定され、刺激も伝わるため、骨の吸収を抑えてくれます。長期にわたり健康な骨を維持しやすく、見た目も若々しく保つことができるのです。
審美性に優れている
オールオン4は連結した複数本の歯を装着する治療法であるため、天然歯とのバランスを気にする必要がなく、統一感のある見た目になります。人工歯によって、頬に膨らみもでき、口元が若々しくなるでしょう。
オールオン4のデメリット
オールオン4にはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
両方を考慮した上で、治療の選択をするのが望ましいです。
残っている歯を抜歯する必要がある
オールオン4は、連結した複数本の歯をインプラントで固定する治療法です。そのため、治療の邪魔になる歯は抜歯する必要があります。健康な歯を抜くのは非常にもったいないことです。
しかし、残っている歯が歯周病や虫歯になっている場合には、抜歯の選択をするのも一つの方法でしょう。
治療できる歯科医院が限られる
オールオン4は、どこの歯科医院でも治療を受けられるわけではありません。インプラントに対応している歯科医院でもオールオン4の治療は受けられないこともあります。特殊で難易度が高い治療であるため、治療できる歯科医院が限られるのです。
保険が適用されないため費用が高額になる
オールオン4は保険が適用されないため、費用が高額になります。
しかし、1本1本の歯をインプラントにするよりは、費用を抑えられます。
外科手術が必要になる
オールオン4は、インプラントを埋入する外科手術が必要な治療です。持病や全身疾患がある場合は、治療を受けられない可能性があります。また、高齢の方にとっては負担になることもあるでしょう。
まとめ
今回は、オールオン4の治療期間や治療の流れについて解説しました。
オールオン4とは、すべての歯を失った場合に最低限のインプラントを埋入して、一体型となった人工歯を装着する方法です。
インプラントを埋入する本数が少ない分、負担も軽減されます。また、人工歯が固定式なので、入れ歯のようにズレることや痛みが生じることがなく、快適に食事ができます。
オールオン4の治療期間は6か月程度です。インプラントの埋入手術の当日に仮歯を入れることができます。
すべて歯を失い、どの治療法を選択すべきかお悩みの方は、オールオン4も検討してみてはいかがでしょうか。
オールオン4を検討されている方は、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!