皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
インプラント治療は見た目も機能性も大きく改善できる魅力的な治療法ですが、失敗事例も報告されています。
この記事では、インプラント治療の一般的な失敗例と対処法について詳しく解説します。インプラント治療を失敗させないためのポイントもご紹介しますので、インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療とは?
インプラント治療とは、失った歯を補うための治療法です。顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着します。
インプラントは、ブリッジや入れ歯のように周囲の歯に依存せず、独立した構造となっているので、自然な見た目になります。周りの歯への負担もないため、長期的に健康的な口内環境を維持することが可能です。
また、顎の骨に人工歯根を埋め込むことで咀嚼力が向上する点もメリットといえるでしょう。
インプラント治療の失敗例
インプラント治療は入れ歯やブリッジと比べて、複雑な処置になるため、失敗するリスクも高まります。
以下に、インプラント治療の主な失敗例と、その原因について解説します。
インプラントが顎の骨にしっかりと結合されない
インプラント治療の失敗例として、特に多いのがインプラントが顎の骨に結合されないケースです。インプラントが顎の骨にしっかりと結合することで、天然の歯と同じような噛み心地を実現できます。
しかし、インプラントと顎の骨が結合していないとインプラントが揺れたり、最悪の場合は抜け落ちたりすることがあるのです。
インプラントが顎の骨にしっかりと結合されない原因は、主に以下の3つです。
適切な位置に埋め込まれていない
インプラントが正確な位置や角度で埋め込まれていないと、顎の骨に適切に結合しないことがあります。インプラントは正確な位置・深さに埋め込む必要があり、これが不適切な場合には顎の骨と結合しにくくなるのです。
顎の骨へのダメージが大きい
ドリルを使用して骨に穴を開ける際は技術が必要です。不適切なドリル操作によって顎の骨がダメージを受けると、インプラントと顎の骨が結合しにくくなります。
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりもインプラントと顎の骨が結合しにくくなる原因のひとつです。歯ぎしりや食いしばりの癖があるとインプラントに過度な負荷がかかり、結合しにくくなります。
痛みや腫れが改善しない
インプラント治療において、痛みや腫れが長引くケースも失敗例の一つとされています。
通常、手術後の痛みや腫れは1週間程度でおさまりますが、それが2〜3週間続く場合、以下の原因が考えられます。
インプラントの埋入位置が適切でない
インプラント体は、正確な位置・角度・深さに埋め込む必要があります。
しかし、適切な位置に埋入されていないと神経を損傷したり、隣接する健康な歯に影響を及ぼしたりすることがあるのです。痛みや腫れだけでなく、しびれなどの症状が現れることもあるでしょう。
細菌感染
インプラント周囲が細菌感染を起こすと、痛みや腫れの症状が現れることがあります。これはインプラント自体の問題というよりは、手術環境や術後のケアの問題といえます。
細菌感染は治療の成功に大きく影響するため、手術前後の衛生管理と適切なアフターケアが非常に重要です。
インプラント周囲炎を発症した
インプラント周囲炎はインプラント治療における合併症であり、周辺組織に炎症が起こる感染症です。進行すると、インプラントが脱落する恐れがあります。
インプラント周囲炎が発症する主な原因は、以下の2つです。
清掃不足
自宅で適切なケアが行われていない、または定期的に歯科医院でメンテナンスを受けていないと、インプラントの周りに汚れが蓄積しやすくなります。インプラントと歯茎の境目に汚れが付着した状態が続くとインプラント周囲炎を発症しやすくなるのです。
不衛生な手術環境
インプラントは外科手術を伴うため、衛生管理が徹底されていないと、感染のリスクが高まります。手術中の細菌の侵入を防ぐためには、衛生管理が徹底されている歯科医院を選ぶことが重要といえるでしょう。
インプラントが破損した
一般的にインプラントの寿命は10〜15年程度といわれています。
しかし、以下のような要因でインプラントが破損することがあります。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いとインプラントに過剰な力が加わり、上部構造が破損することがあります。特に、歯ぎしりや食いしばりなどの癖があると、インプラントに大きな力がかかり、破損することがあるのです。
ネジの締め付けが不十分
インプラントはインプラント体・上部構造・アバットメントの3つの部品で構成されており、アバットメントのネジによってインプラント体と上部構造を固定します。
このネジの締め付けが不十分だと上部構造が不安定になり、破損することがあるのです。
インプラント治療が失敗した場合の対処法
インプラント治療が失敗した場合の対処法は、以下のとおりです。
歯科医師や専門家に相談する
インプラント治療が失敗したら、専門家に相談してください。
まず、治療を受けた歯科医院に相談し、ここで解決しない場合は、別の歯科医院や口腔外科の専門機関でセカンドオピニオンを求めるのが良いでしょう。別の視点から解決策を得られる可能性があります。
さらに、地域にある歯科医師会にも相談が可能です。全国の都道府県に歯科医師会があり、診療に関する様々な相談に対応しています。
また、国民生活センターや地域の消費者センターを通じて、医療機関との間に生じた問題の仲裁を依頼することも一つの選択肢です。解決策がない場合は、弁護士事務所に相談し、訴訟を検討する方法もあるでしょう。
再治療を受ける
インプラント治療で失敗した場合、元の歯科医院か別の歯科医院で再治療を受けるという選択肢もあります。歯科医院側のミスによって失敗した場合には、費用負担なしで再治療が受けられる可能性があります。
しかし、患者さん自身のケア不足が原因である場合、費用は自己負担になることが多いです。
一方、別の歯科医院で再治療を受ける場合は、ほかの歯科医師によって埋め込まれたインプラントを診ることになるため、経験と技術がある歯科医師を見つけることが重要です。
返金依頼する
インプラント治療が失敗した場合、その原因が歯科医院側にあると判断されれば、治療のやり直しを求めなくとも治療費の返金に応じてくれることがあります。
一方で、引っ越しによる転院や、クリニックの技術に対する不満といった個人的な理由での治療変更や返金要求には応じてもらえないことが多いです。そのため、治療を受ける前には、返金条件についてもしっかりと確認することが大切です。
インプラント治療を成功させるためには
インプラント治療を成功させるためには、自身によるケアと歯科医院選びが非常に重要です。
インプラント治療を成功させるためのポイントについて、以下に詳しく解説します。
歯磨きを怠らない
インプラント治療を成功させるためには、歯磨きを怠らないことが重要です。インプラント治療後のケアが不十分だと、インプラント周囲炎を発症し、最終的にはインプラントのぐらつきや脱落につながる恐れがあります。
特にインプラントと歯茎の境目には汚れが蓄積しやすく、歯磨きを怠るとインプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。
歯ブラシだけでは届きにくい部分は、フロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使用して徹底的に清掃することが重要です。磨き残しを減らすことで、インプラント周囲炎のリスクを大幅に低減できます
定期的にメンテナンスに通う
インプラントを長持ちさせるためには、定期的にメンテナンスに通うことが非常に重要です。ふだんの歯磨きだけでは取り除けない汚れを専門的なクリーニングできれいにすることができ、インプラント周囲炎の予防につながります。
メンテナンスの際には、インプラントに異常はないかや、隣接する歯が虫歯になっていないかなどをチェックします。問題を早期に発見し対処することで、口内全体の健康を保つことができるのです。
ナイトガードを使用する
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントの破損を招く可能性があります。特に就寝中に無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、気づかないうちにインプラントにダメージを与える可能性があるため対策が必要です。
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、ナイトガードを使用するとよいでしょう。ナイトガードとはマウスピース型の装置です。装着することで、歯に加わる摩擦や圧力を和らげ、インプラントへの負荷を軽減できます。
安心して治療を受けられる歯科医院を選ぶ
インプラント治療を受けるうえで、大切なのが歯科医院選びです。インプラント治療はより複雑な治療になるため、事前準備やその手術環境が非常に重要になります。
以下に、インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶときのポイントをご紹介します。
カウンセリングや説明が丁寧
歯科医師には治療を開始する前に、治療のメリットだけでなく、潜在的なリスク・副作用についても詳しく説明する責任があります。特にインプラント治療のような複雑で高額な手術では、患者さんが治療の選択を適切に行えるよう、詳細な情報提供が不可欠です。
説明が不十分な状態で治療を進める歯科医院は、患者さんの権利を侵害する恐れがあり、結果的にインプラント治療の失敗を招く可能性があります。
設備が整っている
安全で信頼性の高いインプラント治療を受けるためには、設備が整っている歯科医院を選ぶことも重要です。
インプラント治療では、CTスキャンを使用して詳細なデータを取得する必要があります。このプロセスにより、患者さんの顎の構造を詳細に把握し、インプラントを埋め込む位置を決めることができます。
さらに、感染対策として、手術室を設置している歯科医院を選ぶことも重要な基準の一つです。手術室でインプラント手術が行われれば、院内感染のリスクを低減できるでしょう。
衛生管理が徹底している
衛生管理を徹底している歯科医院を選ぶこともポイントのひとつです。インプラント治療のように外科手術を伴う場合、通常の歯科治療以上に高い衛生基準が求められます。衛生管理が適切に行われていないと、細菌感染のリスクが高まります。
歯科医院を選ぶ際には、その歯科医院がどのように感染対策を行っているかを確認するとよいでしょう。具体的には、滅菌処理された器具の使用、治療環境の清潔保持、スタッフの衛生管理などが適切に行われているかがポイントです。
アフターケアを行っている
インプラント治療後のアフターケアが充実している歯科医院を選ぶことも非常に重要です。インプラント自体は虫歯になりませんが、適切なケアが行われないとインプラント周囲炎を発症することがあります。
インプラント治療後は定期的にメンテナンスを受け、インプラントに異常はないか、口腔トラブルは起こっていないかなどを確認してもらう必要があります。アフターケアがしっかりと行われないと、インプラントの寿命が短くなる可能性があるでしょう。
そのため、インプラント治療を検討する際には、アフターケアを行っているかどうかを確認したうえで選択することが大切です。
まとめ
今回は、インプラント治療の失敗例をご紹介しました。
インプラント治療は複雑であるため、術前の準備から術後のケアまでしっかりと管理しないと、インプラントの破損や脱落を招くことがあります。
インプラント治療の失敗を防ぐためには、自宅でしっかりとケアを行い、定期的にメンテナンスに通うことが非常に大切です。また、設備が整っていて、衛生管理が徹底されている歯科医院を選ぶことで安心して治療を受けられるでしょう。
インプラント治療の失敗が確認された場合は、歯科医院や適切な機関に相談してください。
インプラントを検討されている方は、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!