皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
子どもの歯磨きはいつから始めるべきなのか疑問をおもちの保護者の方がいるのではないでしょうか。歯が生えるタイミングや離乳食の進み具合には個人差があり、歯磨きを始めるタイミングに悩んでいる方も少なくありません。
今回は、子どもの歯磨きを始めるタイミングや歯磨きの方法について解説します。仕上げ磨きをするときのポイントや歯ブラシの選び方も解説しますので、お子さんの歯磨きについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
子どもの歯磨きはいつごろから?
「離乳食を始めたら歯がなくても歯磨きが必要なのか?」「ミルクだけでも歯が生えたら歯磨きは必要なのか?」など、子どもが歯磨きをはじめるタイミングに悩む保護者の方は多いでしょう。
東京都生活文化局が行った調査「子供の歯ブラシの使用実態に関するアンケート調査報告書」によると、保護者が行う歯磨きの開始時期で最も多いのは生後6ヶ月〜11ヶ月で、次いで1歳〜1歳5ヶ月であることがわかります。
一方で、子どもの一人みがきの開始時期(自分で磨いて仕上げ磨きをする場合も含む)は1歳〜1歳5ヶ月が最も多くなっています。
推奨される時期は、下の前歯が生えてくる生後6ヵ月くらいが目安です。これは、あくまで目安であり個人差はありますが、下の歯が萌出したら歯磨きを開始すると良いでしょう。子どもによっては、生後5ヶ月〜7ヶ月頃まで幅広く考えて問題ありません。
参照元:東京都生活文化局「子供の歯ブラシの仕様実態に関するアンケート調査報告書」
子どもの歯磨きの方法
ここでは、子どもの歯磨き方法について解説します。子どもが自分で磨く方法と、保護者が仕上げ磨きする方法にわけてみていきましょう。
自分で磨く方法
歯を磨かないと虫歯になるということを理解できるようになるのは3歳くらいからです。それまでは、自律心や大人の真似をしたいという欲求で歯磨きを自分でしたがる子どもが多いでしょう。自分で磨くことは、習慣化にはとても良いことです。
3歳以下の場合
自分磨きを開始する場合には、持ち手が輪っかになったものや、歯固め一体型のもの、柄が柔らかく短いものがよいでしょう。
歯磨きの仕方を気にする必要はありません。子どもの思いのままに磨かせてあげましょう。歯ブラシをカミカミしたり、横に動かしたりという扱い方を学んでいく時期です。
4歳以上の場合
鏡の前に立ち、手順を指導して歯磨きをしましょう。鏡を見ながら歯磨きを行うことで、どの歯を磨いているのか自分でわかりやすくなります。また、しっかりとすべての歯を磨けるように磨く順番を決めるのもよいでしょう。
フッ素配合の子ども用歯磨き粉を使用してもかまいません。また、フロスを使用する際には保護者が行いましょう。
仕上げ磨きの方法
仕上げ磨きは10歳頃まで続けることが推奨されています。どのように仕上げ磨きをすればいいのかわからないという保護者の方がいるかもしれません。
ここでは、仕上げ磨きのやり方について解説します。
3歳以下の場合
仕上げ磨きをする際、保護者は床に座り、子どもを膝枕するような姿勢で行うとやりやすいです。歯ブラシは子どもの年齢に合ったものを使用しましょう。歯ブラシはペンを持つように握り、歯に対して垂直に当てます。小刻みに動かすのがポイントです。
フッ素入りの歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果があります。子どもの歯磨き粉にはフルーツの香りがついたものもあります。お子さんが歯磨きの時間を楽しめるものを選ぶとよいでしょう。
4歳以上の場合
歯と歯の間にも虫歯ができやすくなるため、デンタルフロスを使用しましょう。フロスの取り扱いは難しく、痛みがともなうこともあるため、保護者の方が行ってください。
仕上げ磨きは立ち姿勢でもできるようになりますが、立ち姿勢では上の歯の磨き残しが多くなってしまうので意識して磨く必要があります。
歯磨きがうまくできないときは
子どもの歯磨きを開始しても、嫌がってうまくできないということは少なくありません。歯が生えてくると、何とか歯磨きをしようと保護者の方も必死になってしまい、悪循環に陥ることもあります。
結論からいうと、乳児は唾液の量が多く、自浄作用は大人よりも強いため、うまく進まなくても焦らなくて大丈夫です。
ここでは、歯磨きがうまくできないときの具体的な対処法をご紹介します。
口周りに触れることから慣れる
歯磨きを始めたばかりで嫌がる場合には、口に異物が入ってくる感覚に慣れていない可能性があります。
最初から歯ブラシを取り入れるのではなく、日常的に口元に触れてあげたり、歯磨きシートなどを取り入れてあげたりすると、徐々に受けいれてくれることもあります。
乳児は授乳をする関係で手よりも口の発達が進んでおり、感覚も過敏になっています。ゆっくり歯ブラシに慣れていきましょう。
歯磨きの動画や歌を流す
歯磨きはついつい保護者の方も必死になって真剣な顔で取り組んでしまいます。その様子に恐怖心を感じる子どももいるかもしれません。
歯磨きをするときに見る動画や仕上げ磨きの歌などがインターネットにアップロードされていますので、流してみてください。集中力が続きにくい子どもも興味をもつかもしれません。
仕上げ磨きをするときのポイント
仕上げ磨きを行う際、子どもの集中力が途絶えたり、拒絶されたりすることもあります。
ここでは、仕上げ磨きをするときのポイントをご紹介します。
虫歯になりやすい部分を優先的に磨く
乳歯で虫歯になりやすい部分は上の前歯・歯と歯の間・奥歯の溝の3箇所です。この3箇所をどのような順番で仕上げ磨きしていくか決めることで習慣化しやすいでしょう。
歯磨き指導では、歯の外側・噛む面・内側の順に磨くようにいわれることが多いと思いますが、磨けていればどの順番で行っても問題ありません。もちろん、前歯しか生えていない乳児は前歯のみを磨けば大丈夫です。
上唇小帯に歯ブラシを当てない
上の歯を磨くときに注意したいことは、上唇小帯(じょうしんしょうたい)に歯ブラシが触れないようにすることです。上唇小帯とは、上唇をめくった時に真ん中にある歯ぐきとつながったスジのことです。
ここに歯ブラシが当たると、痛くて歯みがきが嫌いになる子どももいます。上唇に親指を添えて少し持ち上げ、上の前歯を磨くときには上唇小帯を保護しながら優しく磨きましょう。
子ども用の歯ブラシを選ぶときのポイント
子どもの歯ブラシには何十種類もあります。「種類がたくさんありすぎてどれを選べば良いかわからない」と悩む保護者の方も少なくありません。
ここでは、子ども用の歯ブラシを選ぶときのポイントについて解説します。
年齢に応じたものを選ぶ
歯ブラシを選ぶうえで最も大切なのは、年齢に応じたものを選ぶことです。大人用の歯ブラシと違い、子ども用の歯ブラシには細かく年齢設定があります。それぞれの違いを見てみると、ヘッドの大きさ・柄の長さ・毛のやわらかさなどが違います。
0〜3歳児の場合はやわらかめの歯ブラシを選択しましょう。学童期以降になると、やわらかめではコシが足らずに隅々まで磨けないことがあります。6歳頃からはふつうの硬さの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。
自分磨き用の歯ブラシは柄が短いものを選ぶ
はじめて歯ブラシを使う0歳児には、柄が短いものや柄の柔軟性があるものがよいでしょう。自分磨き用のものは安全性を重視して選んでください。
一方で、仕上げ磨きでは柄が長めの歯ブラシが扱いやすいです。商品によっては、仕上げ磨き用と記載されているものもあります。
子どもに選んでもらう
1歳以降になると、自我・自律心が発達課題として目覚めてくるようになります。そのため、自分でやることや自分で選ぶことが効果的に働くこともあります。
自分で選んだ好きな絵柄やキャラクターの歯ブラシを使うことで、歯磨きに対する苦手意識が薄れることもあるのです。
まとめ
子どもの歯磨きに悩む保護者の方は多いです。虫歯にならないようにと思って仕上げ磨きをしてあげると嫌がることもあるでしょう。口の中に異物が入ってくることで歯磨きを嫌がる場合もあります。
歯磨きがうまくできないときは、保護者の方がお子さんの口に触れて感覚に慣れてもらったり、動画や音楽を流して歯磨きを楽しめるように工夫をしたりするとよいでしょう。
お子さまの歯磨きにお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!