皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる、と聞いたことがある方もいるかもしれません。将来の歯並びのために、お子さまの指しゃぶりをやめさせるべきか悩む方もいるでしょう。
本記事では、指しゃぶりと歯並びの関係について詳しく解説します。また、指しゃぶりをやめさせる方法や指しゃぶりに伴う悪影響についても解説するため、子供の指しゃぶりにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
子どもが指しゃぶりをする理由
子供が指しゃぶりをするのには、様々な理由があります。1歳〜3歳未満の子供の場合、空腹時や眠いとき、不安な時や心が落ち着かない時に指しゃぶりをして心を落ち着かせる場合が多いです。
しかし、成長に伴い少しずつ指しゃぶりをする理由は変わります。ここでは、3歳以降小学生未満の子供が指しゃぶりをする理由について解説します。
生活環境による影響
生活環境が指しゃぶりに影響すると言われています。一般的には3歳を過ぎると子供はできることが増えてくるため、指しゃぶりを徐々にしなくなります。
しかし、暇を持てあますと指しゃぶりをする傾向にあります。例えば、自宅にこもりきりで十分に身体を動かせていない、遊びのレパートリーが乏しくすぐに飽きてしまうという子供は、3歳以降も指しゃぶりをする傾向にあります。
心理的な影響
指しゃぶりをする理由として最も考えられているのが、心理的な影響です。寂しい、悲しい、つらいなど、ネガティブな局面に立った時、幼いころからしていた指しゃぶりで心を安定させる子供が多いです。精神的な安定を目的に、指しゃぶりをしていると考えられているのです。
普段、精神状態が落ち着いているときは指しゃぶりをしていなくても、不安になった時だけ指しゃぶりをするという子もいるでしょう。
指しゃぶりと歯並びの関係とは
指しゃぶりと歯並びには密接な関係があります。指しゃぶりによってかかる圧力によって、歯が移動したり顎の骨の成長が妨げられたりするためです。
指しゃぶりをすることで起こりうる歯並びの問題は、次の通りです。
上顎前突
指しゃぶりによって、出っ歯になる可能性があります。指をくわえる力によって、上の前歯は上前方に押し出され、下の前歯は後下方へと押さえつけられます。そのため、上顎前突、いわゆる出っ歯になりやすいとされているのです。
成長すればするほど指を咥える力も強くなるので、上顎前突になるリスクが高まるでしょう。
開咬
指しゃぶりでは上下の前歯の間に指を入れるため、前歯が前方に押され開咬になりやすいといわれています。開咬とは、上下の前歯がかみ合わず隙間が空いている状態です。
前歯の噛み合わせが悪くなり、噛む力が分散されにくく、奥歯への負担が大きくなるリスクがあります。また、開咬の程度によっては、発音障害が生じる恐れもあるでしょう。
狭窄歯列弓
指を強く吸引していると、奥歯を外側から内側に押す力がはたらくため、狭窄歯列弓といって歯並びの横幅が狭くなります。
成長に伴い指をしゃぶる時の吸引力は増していきます。特に、歯が生え変わる時期に狭窄が生じると、永久歯が生えてくるスペースが不足し、歯並びが悪くなるリスクが高まるので注意しましょう。
指しゃぶりによる悪影響とは
指しゃぶりによって歯並びが乱れることで、さまざまな影響を及ぼすと考えられています。
口呼吸になる
乳児期における指しゃぶりは、鼻呼吸を促進させたり気道の成長を促したりするため、体の機能発達の面からも良いとされています。遊びの一環として指しゃぶりを始めるのは、成長における自然な行為です。
しかし、指しゃぶりを長い間続けると、前歯が出て口がうまく閉まらなくなるため、口呼吸になりやすいです。口呼吸になると、虫歯や歯周病になりやすいなど、様々な悪影響を及ぼします。また、集中力が続かないなど、日常生活にも影響を及ぼすかもしれません。
発音が不明瞭になる
指しゃぶりによって開咬になると、前歯に隙間ができて空気が抜けやすいです。特に、サ行やタ行、ラ行などの発音がうまくできなくなります。
発音が不明瞭なことにより聞き取りにくいと言われてコンプレックスになり、会話がストレスになるかもしれません。
食べ方が汚くなる
指しゃぶりをして口が閉じにくくなったり、噛み合わせや歯並びが悪くなったりすることで、食べ方が汚くなる可能性があります。保護者が子どもの指しゃぶりをやめさせたい理由として、食べ方の改善が挙げられることも多いです。
指しゃぶりをしていることが原因で起こる食べ方は、次の通りです。
- よく噛まないで食べる
- 口の中に詰め込む
- 口を開けたままで食べる
- 音をたてて食べる
指しゃぶりをやめさせる方法
一般的に、3歳までは指しゃぶりを無理矢理やめさせる必要はないとされています。
しかし、4歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合には、不正咬合の進行を防止し、顎や口腔機能を健全に発達させる観点からやめさせるべきでしょう。指しゃぶりをやめさせるためには、次の方法が挙げられます。
指しゃぶりを意識させない
特に、暇を持て余すと指しゃぶりをし始めるお子さまの場合は、指しゃぶりを意識させないように過ごすことが大切です。例えば、日中は身体を動かす遊びを行い、エネルギーを発散させるとよいでしょう。
他にも、手や口を多く使う遊びを取り入れると、物理的に指しゃぶりができなくなるため、指しゃぶりが減るとされています。
安心できる環境を作る
精神的な安心感を得るために、指しゃぶりが続いている場合は意識的にストレスや不安を和らげてあげるようにしましょう。例えば、眠りにつくまで子供の手を握ってあげたり、背中をさすってあげたりすると効果的です。
他にも、抱きしめてあげるなど、こまめにスキンシップを取ると良いでしょう。
指しゃぶりに違和感を与える
指しゃぶりをする手に絆創膏を貼ったり手袋をつけたりして、指しゃぶりをすることに対して違和感を与えるのも1つの方法です。指をしゃぶると苦みを感じるマニキュアなども販売されているので、活用するとよいでしょう。
ただし、違和感を与えることが心を不安定にさせる可能性もあるので、子供の調子を見極めながら行いましょう。
言葉で伝える
言葉が通じるようになり意思疎通ができるようになったら、指しゃぶりがなぜいけないのかを伝えましょう。歯並びと言っても子供は理解できないかもしれないので、バイキンが口の中に入る、見た目がカッコ悪くなるなど、子供にもわかりやすい言葉で伝えましょう。
ただし、叱るような態度で接すると、子供が精神的に不安定になり逆効果です。優しい気持ちを持って接するように気をつけましょう。
モチベーションを上げる
視覚的なアプローチをすることで、指しゃぶりをやめるモチベーションにつながります。
例えば、指しゃぶりをしなかった日にはカレンダーにシールを貼るという習慣をつけるなど、シールを貼るのが楽しみになれば徐々に指しゃぶりの癖がなくなる可能性があるでしょう。
専門医へ相談する
一般的に、集団生活を始めると、周りのほとんどの子が指しゃぶりをしないことに影響を受け、自主的に指しゃぶりをやめていきます。
しかし、集団生活が始まっても指しゃぶりが続く場合には、家庭などで対応することは難しいでしょう。そのため、小児歯科のある歯科医院や、臨床心理士に相談してみましょう。
まとめ
3歳までの指しゃぶりは、無理矢理やめさせる必要はないとされています。
しかし、4歳を過ぎると指しゃぶりは歯並びに大きく影響を与えるようになります。幼少期の指しゃぶりは、口呼吸になったり舌癖が悪くなったりと様々な影響を及ぼします。そのため、就学前までには、完全に指しゃぶりをやめさせられるようにしましょう。
家庭のみで指しゃぶりをやめさせることが難しい場合には、1人で悩まず小児歯科のある歯科医院へ相談してみてはいかがでしょうか。
お子さまの指しゃぶりでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!
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