皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
ひどい虫歯は軽度の虫歯に比べて治療に手間や時間がかかります。なかには「ひどい虫歯は抜歯が必要なの?」「抜歯をするとどれくらいの費用がかかるの?」といった疑問をおもちの方もいるでしょう。
今回は、ひどい虫歯は抜歯が必要になるのか、また抜歯をする場合にはどれくらいの費用がかかるのか解説します。ひどい虫歯を治療せずに放置している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ひどい虫歯の症状
虫歯の進行度はC0〜C4の5つに分類されます。
- C0:エナメル質がわずかに溶けた状態
- C1:エナメル質が溶けた状態
- C2:虫歯が象牙質に達した状態
- C3:虫歯が歯の神経にまで達した状態
- C4:虫歯が歯根にまで達した状態
ひどい虫歯といわれるのはC3やC4に該当する虫歯のことです。
虫歯が神経にまで達するC3の状態では、何もしなくても強い痛みを感じるようになります。C4の状態になると、歯の見える部分がほぼ溶けてなくなり、歯根だけが残っている状態です。歯の神経が死んでいる状態のため、痛みを感じることはありません。
歯の根の先に膿が溜まると、顔が腫れたり発熱したりする可能性があるため、早急に対処する必要があります。
ひどい虫歯は抜歯が必要?
ひどい虫歯になった場合、すべてのケースで抜歯が必要というわけではありません。C3の状態の場合には、根管治療を行います。根管治療では歯の神経(歯髄)を取り除いたあとに歯の内部を丁寧に洗浄・消毒し、被せ物を取り付けます。
しかし、歯冠部分がほとんど残っていない場合や根管治療が難しい場合には抜歯が必要になることがほとんどです。細菌に感染した歯を残しておくと、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、抜歯が必要となるのです。
ひどい虫歯を抜歯して治療するときの費用
虫歯の治療自体には保険が適用されるため、治療費は3,000円〜7,000円程度です。
しかし、抜歯をしたあとには失った歯を補う必要があります。歯を補う治療には、入れ歯やブリッジ、インプラントといった方法があり、虫歯治療とは別でこれらの費用がかかります。ここでは、それぞれの費用について解説します。
入れ歯
入れ歯は取り外し可能な人工歯で、歯を1本~数本失った場合には部分入れ歯の適応となります。費用は失った歯の位置や本数によって異なりますが、保険が適用される部分入れ歯を作る場合は3割負担で5,000円〜1万5,000円程度です。
また、ひどい虫歯によってすべての歯を失った場合には総入れ歯となるケースもあるでしょう。保険が適用される総入れ歯の費用は、3割負担で1万〜2万円程度が相場です。
なお、保険が適用される入れ歯は装着時の違和感や変色、摩耗などのトラブルが起きやすいというデメリットがあります。より耐久性や機能性を重視するのであれば、自費診療で入れ歯を作るのも方法のひとつです。
ブリッジ
ブリッジとは、失った両隣の歯を支えにして橋をかけるように人工歯を取り付ける方法です。保険が適用されるブリッジであれば、3割負担で1本あたり2万〜3万円程度が相場です。
審美性を重視する場合にはセラミック素材を使用した保険適用外のブリッジを選択することも可能ですが、1本あたり5万〜15万円ほどと費用は高額になります。なお、保険適用外のブリッジの場合、選ぶ素材などによっても費用は異なります。
例えば、プラスチックとセラミックを混ぜて作ったハイブリッドセラミックは1本あたり4万〜8万円程度ですが、すべてがセラミック素材のオールセラミックでは8万〜13万円程度が相場です。
保険適用外のブリッジの詳しい費用は歯科医院によっても異なりますので、一度歯科医院で確認してみるとよいでしょう。
インプラント
インプラントとは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。インプラントは保険が適用されません。自由診療となるため歯科医院によって費用は異なりますが、1本あたり30万〜40万円程度が相場です。
内訳は検診・診断料に1万5,000円〜5万円程度、インプラント手術費用に15万〜35万円程度、上部構造(人工歯)にかかる費用が5万〜20万円程度です。なお、前歯のインプラントは審美性が重視されるため、ほかの部位に比べて上部構造の費用が高額になる傾向にあります。
ひどい虫歯を抜歯して治療する流れ
ひどい虫歯を抜歯して治療する際には、以下のような流れで行われます。
歯の状態をチェックする
まずは歯科医院で歯の状態を詳しくチェックします。ひどい虫歯であっても歯根を残せる場合には、歯の神経を残すこともあります。歯根が残せる状態でも歯の神経が死んでいる場合には、根管治療を行います。
歯根を残せないほど重症の場合には抜歯が必要となるでしょう。
抜歯をする
歯の根っこ部分まで虫歯が進行している場合や歯の根が割れたりヒビが入ったりしているような場合には、抜歯をします。
抜歯をするときは歯と骨の間に器具を入れて引き離し、丁寧に歯を抜いていきます。このとき、炎症によって悪くなった組織があれば取り除くこともあるでしょう。必要に応じて歯茎を縫うこともあります。
抜歯した部位を補う
ひどい虫歯によって抜歯した場合には、歯を失った部分を補う必要があります。
先にも解説した通り、歯を補う方法としては、入れ歯やブリッジ、インプラントなどが挙げられます。それぞれ費用が異なり、メリット・デメリットもありますので、予算やライフスタイルなどに合わせて治療方法を検討することが大切です。
ひどい虫歯を抜歯する治療は痛い?
ひどい虫歯を治療するか迷っている方のなかには「抜歯するのは痛いのでは?」と不安に感じている方もいるかもしれません。
しかし、処置の際に麻酔を使用するため、歯を抜くときに痛みを感じることは少ないでしょう。抜歯は麻酔がしっかりと効いていることを確認したうえで行ないますが、麻酔をするときに針で刺すチクッとした痛みを感じることはあります。
麻酔が切れてからの痛みに不安がある場合には、麻酔が切れる前に痛み止めを服用する方法もありますので、歯科医師に事前に伝えるようにしてください。
ひどい虫歯を抜歯して治療するときの注意点
ひどい虫歯を抜歯して治療するときには、いくつか注意しておくべき点があります。ここでは、5つの注意点について解説します。
うがいは優しく行う
抜歯をしたあとは血の味がしたり口の中に違和感を覚えたりすることがありますが、何度も強くうがいをすることは避けましょう。
強くうがいをすると、傷口を覆う血餅と呼ばれる血の塊がはがれやすくなります。その結果、患部の治りが悪くなる可能性があるため、うがいをする場合には優しく行うことを心がけてください。
抜歯した部分に歯ブラシを当てない
抜歯した当日は無理に歯磨きをする必要はありません。抜歯後2~3日は傷口が開いて出血したり細菌感染を起こしたりしやすいため、患部に歯ブラシを当てないようにしましょう。
なお、抜歯部位以外の歯は普段通りに磨いて問題ありません。口腔内を清潔に保つことは感染予防の観点からも重要ですので、患部以外の部分は丁寧に磨きましょう。
抜歯直後は安静に過ごす
抜歯直後は激しい運動は避け、安静に過ごすことが大切です。血流がよくなると痛みが増したり出血したりする可能性があります。長時間湯船につかることも避けましょう。
麻酔がきれる前に食事をしない
抜歯後、麻酔がきれるまで食事はしないようにしてください。麻酔が効いている状態で食事をすると、誤って頬や唇を噛んでしまったり、火傷をしたりする可能性があります。
麻酔がきれたら飲食をしてもかまいませんが、抜歯後数日は硬い食べ物は避け、うどんやおかゆなどの柔らかい食べ物を食べるようにしてください。
抜歯後数日は飲酒や喫煙を控える
抜歯後にアルコールを摂取すると血流がよくなり、腫れや痛みが悪化する可能性があります。また、喫煙をすると血流が悪くなり、傷口が治りにくくなるだけでなく、感染リスクが高まります。そのため、抜歯後数日は飲酒と喫煙を控えることが大切です。
まとめ
虫歯が歯髄にまで達している場合や歯全体を蝕んでいるような場合には、抜歯が必要となる可能性があります。
ひどい虫歯を放っておいてもよくなることはありません。放置することで噛み合わせに問題が生じることもありますので、できるだけ早めに治療を開始することが望ましいでしょう。
また、抜歯をしたあとには入れ歯やブリッジ、インプラントで歯を補うことが可能です。保険適用内で費用を抑えられる方法もありますので、まずは歯科医院で相談してください。
ひどい虫歯にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!
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