皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
セラミックの歯は、審美性と耐久性に優れた歯科治療の選択肢として広く活用されています。
しかし、その硬さと耐久性ゆえに、強い衝撃や過剰な力が加わると割れる可能性があります。セラミックの歯が割れると、見た目に影響を与えるだけでなく、食事中の不快感や歯周組織への負担を引き起こす場合があります。
この記事では、セラミックの歯が割れた際の応急処置方法や、歯科医院での再治療の選択肢を詳しく解説します。
目次
セラミックの歯が割れたときの症状
セラミックの歯が割れると、見た目や機能、健康面でさまざまな症状が現れる可能性があります。以下では、割れた際に起こり得る具体的な症状について詳しく解説します。
見た目が変わる
セラミックの歯が割れると、最も目立つのが審美的な変化です。特に前歯の場合、笑ったり話したりする際に欠けた部分が気になりやすく、周囲からも注目されることがあります。欠けた箇所が不規則な形状になることで、周囲の歯との調和が崩れる場合もあります。
痛みや違和感が生じる
セラミック自体は人工素材のため痛みを感じることはありませんが、セラミックが割れて内部の天然歯が露出すると痛むことがあります。また、割れた部分が尖っていると、舌や頬を傷つける原因になります。
割れたセラミックが噛み合わせを乱し、噛む際に違和感や痛みを引き起こす場合もあるでしょう。この状態を放置すると、顎関節に負担がかかり、さらなる健康問題に発展する可能性があります。
食事の際に不便さを感じる
セラミックが割れると、食事に影響を及ぼすことも多いです。食べ物が割れた部分に引っかかる、割れた部分で口腔内を傷つける、硬い食べ物を噛むことが困難になるなど、食事にストレスを感じるようになるかもしれません。
セラミックの剥離や脱落
割れた状態で放置すると、セラミックが部分的に剥がれたり、完全に脱落することがあります。この場合、内部の歯が露出し、細菌感染や歯のさらなる損傷のリスクが高まります。
口腔内に傷ができる
割れたセラミックの鋭利な部分が舌や頬の内側に触れることで、口腔内に傷ができる場合があります。また、割れた部分への違和感が強く、無意識に触って不快感が続くこともあります。
精神的な影響
前歯のセラミックが割れると、見た目への影響から心理的ストレスを感じることがあります。笑顔に自信を失ったり、人前で話すことを避けるようになったりするかもしれません。
セラミックの歯が割れる原因
セラミックの歯は、審美性と耐久性に優れた歯科治療材料として広く利用されています。
しかし、非常に硬く弾性が低いため、特定の条件下で割れることがあります。ここでは、セラミックの歯が割れる主な原因について詳しく解説します。
強い衝撃や過度な力
セラミックは硬い素材ですが、衝撃に弱い特性があります。例えば、硬い食べ物を強く噛んだり、歯ぎしりや食いしばりの癖があったりすると、割れる恐れがあります。
噛み合わせの不適合
装着したセラミックが正しい噛み合わせでない場合、特定の部分に負荷が集中し、割れるリスクが高まります。隣接する歯との接触や噛み合わせによる摩擦が原因で、セラミックが割れることもあります。
セラミック自体の劣化や品質
長期間使用するうちに表面に微細な亀裂が生じ、それが進行して割れることがあります。また、低品質なセラミックや製造工程での不具合がある場合、耐久性が十分でない可能性があります。
不適切なケアや管理不足
研磨剤入りの歯磨き粉や硬めの歯ブラシを使用すると、セラミックの表面が傷つき亀裂の原因となります。また、セラミック装着後、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けなければ小さな不具合を見逃し、結果的に破損リスクが高まります。
外傷や事故
転倒やスポーツ中の衝突などの外傷は、セラミックの歯を破損させる原因となります。特に前歯は衝撃を受けやすいため、スポーツマウスガードの装着が推奨されます。
セラミックの歯が割れたときの応急処置
セラミックの歯が割れると、不快感や見た目の問題だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康にも影響を及ぼします。歯科医院で適切な治療を受けるまでの間、応急処置を行うことで症状の悪化を防ぎトラブルを最小限に抑えられます。
以下に、セラミックの歯が割れたときに取るべき応急処置について解説します。
割れた部分を保存する
割れたセラミックの破片は、再接着や治療計画の参考に役立つ場合があります。割れた破片を丁寧に取り扱い、紛失を防ぎましょう。清潔なティッシュやガーゼに包み、水分を含ませた状態で保管してください。
割れた歯の周囲を清潔に保つ
割れた部分には細菌が入り込みやすく、感染のリスクが高まります。そのため、口腔内を清潔に保つことが重要です。
割れた箇所を避けるように、優しく歯磨きを行いましょう。柔らかめの歯ブラシを使用し、過度な力をかけないようにしてください。抗菌作用のあるうがい液を使えば、さらに口腔内を清潔に保てます。
食事の工夫をする
割れたセラミックの歯をさらに損傷させないために、食事内容を見直しましょう。ナッツなどの硬い食品はセラミックの破損を悪化させる恐れがあるので避けてください。
スープやヨーグルト、柔らかく調理した野菜、豆腐など、歯に負担をかけない食品を選びましょう。
割れた歯を保護する
割れた部分が舌や頬を傷つける場合、応急処置として保護することが大切です。歯科用ワックスを割れた部分に使用する、割れた部分をガーゼで覆うなど、口内を傷つけないよう配慮しましょう。
早めに歯科医院を受診する
応急処置はあくまで一時的な対応であり、早急に歯科医院を受診することが必要です。割れたセラミックの破片があれば必ず持参してください。症状や割れた状況、発生したタイミングを詳しく歯科医師に伝えることが重要です。
状態によっては、研磨や再接着で修復可能です。新しいセラミックの作製や交換を検討することもあります。
セラミックの歯が割れたときの再治療方法
セラミックの歯が割れてしまった場合、割れ具合や症状に応じた適切な再治療を行うことで、見た目や機能を回復できます。以下に、セラミックの歯が割れた際の状態別に考えられる再治療方法を詳しく解説します。
研磨や再接着での修復
小さな欠けや表面の傷であれば、研磨材を使用して滑らかに整えることで修復できます。割れたセラミックの破片が残っている場合、特殊な接着剤を用いて再接着することが可能です。
ただし、接着の強度には限界があるため、治療後の注意が必要です。
部分的な再製作
割れた部分を補うためのセラミック素材を新たに作成し、欠けた部分にあわせる方法です。セラミッククラウンやインレーの一部を新しく作ることで、見た目や機能を回復します。
全体の再製作
セラミックの割れが広範囲に及び、歯冠全体が破損した場合には、クラウン全体を再製作する必要があります。割れたクラウンを完全に取り外し、歯型を採取して新しいクラウンを作り直します。
歯の内部が損傷している場合の対応
セラミックの割れによって歯の内部が損傷している場合、セラミックの再製作だけでなく、天然歯の治療も必要になるでしょう。割れたセラミックが歯の神経や血管に影響を及ぼしている場合、根管治療を行います。
抜歯が必要な場合
セラミックの割れが極端で、歯根部分まで影響が及んでいる場合は抜歯を選択せざるを得ないこともあります。抜歯後は、失った歯を補うため入れ歯やブリッジ、インプラントで治療します。
セラミックの歯が割れるのを防ぐ方法
ここでは、セラミックの歯が割れるのを防ぐ具体的な方法を解説します。
適切な噛み合わせを維持する
噛み合わせが不適切だと、セラミックの一部に過度な力が集中し、割れやすくなります。治療後には、噛み合わせの調整が重要です。
また、歯科医院で噛み合わせを定期的に確認し、必要に応じて調整してもらいましょう。歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードを装着することでセラミックにかかる力を分散できます。
硬いものや粘着性のある食べ物を避ける
セラミックの歯は、硬い食品や粘着性の高い食品による衝撃や引っ張りに弱い傾向があります。氷、硬いキャンディー、ナッツの殻など、歯に強い負荷をかける食品は避けましょう。
正しいセルフケアを行う
適切な口腔ケアは、セラミックの歯を長持ちさせるための基本です。日常的なケアが不足すると、セラミック周囲の歯や歯茎に問題が生じる可能性があります。
硬い歯ブラシや研磨剤の多い歯磨き粉はセラミックを傷つける可能性があるため、柔らかい歯ブラシと低研磨の歯磨き粉を使用しましょう。
また、セラミックと天然歯の間に食べ物が詰まると、周囲の歯に負担がかかる場合があります。デンタルフロスや歯間ブラシを活用して清潔を保ちましょう。
定期的に歯科検診を受ける
セラミックの歯を含む補綴物は、装着後も定期的なメンテナンスが必要です。早期に問題を発見し対処すれば、割れを防ぐことができます。
少なくとも6か月に1回は歯科医院で検診を受け、セラミックやその周囲の歯の状態をチェックしてもらいましょう。定期的にスケーリングやクリーニングを行うことで、セラミックの歯と周囲組織の健康を保てます。
ライフスタイルの見直し
日常の習慣がセラミックの歯に影響を与えることがあります。適切なライフスタイルを維持することで、割れのリスクを軽減できます。喫煙は歯茎の健康を悪化させるだけでなく、補綴物の寿命を短くする要因となります。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因で起こることもあります。十分な睡眠やリラクゼーションを取り入れ、ストレスを軽減しましょう。
まとめ
セラミックの歯が割れると、見た目や噛み合わせの問題だけでなく、口腔内の健康に影響を及ぼす可能性があります。割れたセラミックの破片は保存し、割れた部分を清潔に保つことが重要です。
再治療の方法は、割れの程度に応じて異なります。再発を防ぐためには、噛み合わせの調整やナイトガードの使用、定期的な歯科検診を行い、セラミックの歯を長持ちさせるためのメンテナンスを徹底しましょう
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