皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。
「朝起きると顎が疲れている」「家族から睡眠中の歯ぎしりを指摘された」という経験はありませんか。
歯ぎしりは睡眠中に起こることもあり、自分では気づかないまま強い力が歯に加わっている場合があります。こうした力による影響を考えるうえで、歯そのものだけでなく、歯を支えている周囲の組織にも目を向けることが大切です。
特に歯周病によって歯を支える組織が弱っていると「歯ぎしりで状態が悪くなるのでは?」と不安を感じる方もいるでしょう。
では、歯周病と歯ぎしりは実際にどのように関係しているのでしょうか。
この記事では、歯ぎしりが歯周組織に与える影響や歯ぎしりにつながる要素、対策について解説します。
目次
歯周病とは
歯周病は、歯に付着するプラーク(歯垢)に含まれる細菌が主な原因となり、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
初期の歯肉炎では、歯ぐきの腫れや歯磨きの際の出血などがみられます。さらに炎症が進み、歯を支える骨などにまで影響が及んだ状態が歯周炎です。進行すると歯を支える骨が減り、歯がぐらつくこともあります。
歯周病は自覚症状が乏しい場合があるため、痛みがないからといって問題がないとは限りません。毎日の歯磨きでプラークを取り除くとともに、歯科医院で歯ぐきや歯を支える骨の状態を確認することが大切です。
歯ぎしりとは
歯ぎしりとは、歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする動作のことで、歯科ではブラキシズムと呼ばれます。睡眠中に起こるイメージがありますが、起きているときに無意識に歯を噛みしめたり、上下の歯を接触させ続けたりすることもあります。
特に睡眠中の歯ぎしりは本人が気づきにくく、家族から音を指摘されてわかるケースもあります。また、歯のすり減りや朝起きたときの顎の疲れなどから、歯ぎしりが疑われることもあります。
歯ぎしりが歯周病の状態に影響を与える?
歯ぎしりがあるだけで歯周病になるわけではありません。歯周病の主な原因は、歯の周りにたまったプラーク(歯垢)に含まれる細菌です。そのため、歯周病を引き起こす原因と、歯ぎしりによって歯に加わる力は分けて考えます。
ただし、すでに歯周病が進んでいる方は、歯ぎしりにも注意が必要です。歯周病が進行すると、歯ぐきに炎症が起こるだけでなく、歯を支えている骨も少しずつ失われていきます。健康な状態では歯の根が周囲の組織に支えられていますが、骨が減るほど歯を支える土台も弱くなります。
そこへ歯ぎしりによる強い力が繰り返し加わると、支えが少なくなった歯や、その周りの組織に負担がかかります。歯周病で歯を支える力が弱くなっているところに、歯ぎしりの力まで重なるためです。
つまり、歯ぎしりが歯周病を直接引き起こすのではなく、すでに歯周病がある場合に、歯やその周りへ負担をかける要因の一つになると考えるとわかりやすいでしょう。
治療では、まずプラークや歯石を取り除き、歯周病による炎症を改善していきます。そのうえで歯ぎしりが疑われる場合には、歯の状態や噛み合わせなどを確認し、必要な対策を検討します。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりは「これが原因」と一つに決められるものではなく、いくつかの要素が関わっていると考えられています。ここでは、歯ぎしりとの関わりがあるとされている要素について見ていきましょう。
精神的ストレスや緊張
ストレスや不安、緊張は、歯ぎしりや食いしばりと関係する要素の一つです。仕事や勉強に集中しているときは、気づかないうちに歯を強く噛みしめることがあります。また、ストレスは起きているあいだの食いしばりだけでなく、睡眠中の歯ぎしりとの関連も指摘されています。
噛み合わせの不良や歯の位置異常
噛み合わせが悪い、歯がずれて生えている、歯並びが乱れているといった状態は、歯ぎしりの原因になることがあります。噛むときに力のかかり方が偏ることで、無意識のうちに歯にストレスがかかり、それを調整しようとする働きで歯ぎしりがみられる場合があるのです。
また、歯が欠けていたり、被せ物や詰め物の高さが合っていなかったりすることも、歯ぎしりの要因となります。歯ぎしりによってさらに噛み合わせが悪くなる場合もあり、放置すると悪循環に陥る可能性があるため、早めの対応が望まれます。
睡眠障害や生活習慣の乱れ
睡眠の質が低下していると、歯ぎしりを引き起こしやすくなることが知られています。
特に、睡眠時無呼吸症候群や浅い眠りが続く状態では、無意識のうちに筋肉が過剰に緊張し、歯ぎしりを誘発することがあります。また、夜更かしや不規則な生活習慣、カフェインやアルコールの過剰摂取も、睡眠の質に悪影響を与える要因です。
歯ぎしりの対策
歯ぎしりへの対策は、歯を強い力から守ることに加えて、日中の噛みしめや生活習慣などにも目を向けることが大切です。ここでは、歯科医院で行う方法と自宅で取り組めることをご紹介します。
ナイトガードの装着
睡眠中の歯ぎしりから歯を守る方法の一つに、ナイトガードがあります。就寝時に装着するマウスピースで、上下の歯が直接強く接触するのを防ぎ、歯のすり減りや欠け、詰め物・被せ物への負担を減らすために使います。
歯科医院では、歯並びや噛み合わせを確認してナイトガードを作製します。使い続けるうちに装置がすり減ることもあるため、定期的に状態を確認してもらいましょう。
なお、ナイトガードを装着したからといって、歯ぎしりそのものがなくなるわけではありません。歯ぎしりによって歯にかかる負担を軽減し、歯を守ることが主な目的です。
噛み合わせの調整
歯ぎしりで一部の歯に負担が集中している場合は、上下の歯の当たり方を確認します。上下の歯の当たり方に偏りがあると、一部の歯や詰め物、被せ物に負担が集中するケースがあるためです。
歯科医院では、上下の歯がどのように接触しているかを調べ、必要に応じて噛み合わせを調整します。
ストレスの軽減
ストレスや緊張は、歯ぎしりと関係する要素の一つです。仕事や勉強に集中しているときは、無意識に歯を噛みしめていることがあります。
心身を休める時間をつくる、軽く体を動かすなど、自分なりに気持ちを落ち着かせる時間を持つことも対策の一つです。また、起きている間はときどき顎に力が入っていないか確認し、噛みしめていることに気づいたら上下の歯を離して顎の力を抜きましょう。
生活習慣の見直し
歯ぎしりへの対策では、ふだんの生活を振り返ることも大切です。睡眠不足が続いている場合は、十分な睡眠時間を確保し、できるだけ生活リズムを整えましょう。
また、カフェインやアルコール、喫煙は、睡眠中の歯ぎしりと関係する可能性があります。コーヒーやお酒をとる時間や量、喫煙習慣などを振り返り、無理のない範囲で見直すことも対策の一つです。
定期的な歯科受診
睡眠中の歯ぎしりは自分では気づきにくいため、定期的に歯科医院で口の中を確認してもらうことが大切です。歯のすり減りや欠け、詰め物・被せ物の傷みなどを調べることで、歯ぎしりによる負担に気づくきっかけになります。
また、歯周病がある方は、歯ぐきの状態や歯を支える骨の変化などもあわせて確認します。歯や歯ぐきの変化を早めに見つけることで、ナイトガードの使用など、必要な対策につなげることができます。
まとめ
歯ぎしりだけで歯周病になるわけではありません。
しかし、歯周病が進んで歯を支える骨が減っているところに、歯ぎしりによる強い力が繰り返し加わると、歯やその周りの組織への負担が大きくなります。そのため、歯周病と歯ぎしりがある場合は、それぞれに合った対応が必要です。
歯ぎしりにはストレスや睡眠などさまざまな要素が関わり、本人が気づいていないケースもあります。歯のすり減りや欠け、朝起きたときの顎の疲れなどが気になる方は、一度歯科医院で相談してみましょう。
歯科医院では歯や歯ぐき、噛み合わせなどを確認し、必要に応じてナイトガードなどを使って歯への負担を減らします。歯周病の治療とあわせて歯ぎしりへの対策を行い、大切な歯を守っていくことが重要です。
歯周病の症状にお悩みの方は、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!
当院の一般診療メニューはこちら、インプラントや訪問歯科も対応しております。初診・再診のネット予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。
■この記事の監修者
武内 伸賢
経歴
- 桐蔭学園高等学校卒業
- 日本大学 歯学部卒業
- 横浜市立大学 医学部 顎顔面口腔機能制御学講座
- 藤沢市民病院(口腔外科・麻酔科研修)
- 武内歯科在宅医療訪問診療部開設 在宅医療への取り組み
- 鶴見大学 歯学部付属病院歯科麻酔科
- 医療法人ひらい会 名古屋歯科
- 企業主導型保育園こぐま保育園開設
- 厚生労働省委託事業 緩和医療学会
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 第20297-2号
所属学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本口腔外科学会
- 日本歯科麻酔学会
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
- 米国心臓協会公認(AHA) 救命救急ACLS provider
- 日本救命医学会(JHA)公認 ICLS研修修了










