令和4年7月現在 武内歯科医院の新型コロナウイルス感染制御状況
2019年のコロナウイルスのパンデミック以来、当院のスタッフからは診療に関わるコロナウイルスの感染は、1名も起こっていません。
当診療所は、入り口での手指消毒と体温のチェックはしていますが、来院する患者さん全員がコロナウイルスに感染していることを前提に診療を行なっています。
以下に示す当院の盤石な感染対策の結果と言えます。
医療人として日常生活でも感染を避ける適格な感染予防行動を各自が自発的に遵守しています。
ちなみに全国でも歯科診療に関連したクラスター感染はほぼ起こっていません。
その訳とは?
インフルエンザウイルスは、喉のクララ細胞から侵入感染しますが、新型コロナウイルス(SARS―Cov2 )は主に口から感染します。
特に舌の上皮細胞のACE2受容体(ウイルスが取り付くところ)から侵入します。侵入したウイルスは、舌の細胞の中でさかんに増殖して、舌の上に完成したウイルス粒子が付着します。ここから全身に拡散して行くのですが、頻繁に舌の上のウイルスを洗い落とすことで、かなりのウイルス数を減らすことが出来ます。この効果は、60分から90分程度持続します。
熱っぽいときや、外から帰ったら口をすすぎ、舌を洗うことで、感染はしても発症を回避できる可能性が高くなります。
特にうがい薬の効果というより物理的な洗浄除去効果です。
その根拠となる論文を紹介します。
新型コロナウイルス感染拡大下における歯科診療所の役割 -歯科の慢性疾患対応は不要不急とすべきではない理由-
スタンダードプリコーションにおける10項目のポイント
1 | 手指衛生 | 手袋の装着にかかわらずすべての患者に接触する前、汚染物に接触したあとに手指衛生を行う。 |
---|---|---|
2 | 手袋 | 血液、体液、排泄物、汚染物に接触する際に手袋を装着する。 手袋は、使用後、非汚染物に、接触する前、他の患者に移る前に外す。 |
3 | フェイスプロテクション | 飛沫が予想される処置の前にフェイスプロテクションを装着する。 |
4 | ガウン | 飛沫が予想される処置の前にガウンを着用する。 汚染されたガウンは出来るだけ早く脱衣し、手指衛生を行う。 |
5 | 針刺し事故と鋭利な機材による怪我 | 針、メス、その他の鋭利な医療機器を取り扱ったり、洗浄したり、処分したりする際には、注意が必要。 |
6 | 呼吸器衛生と咳エチケット | 咳やくしゃみをする際は、鼻と口を覆う。また、使用したティッシュとマスクは処分し、呼吸分泌物との接触後は手指衛生を行う。 |
7 | 環境清掃 | 日常の清掃を十分に行い、接触した表面は洗浄消毒を行う。 |
8 | リネン類(布製品) | リネン類は皮膚や粘膜組織の露出と汚染を予防し、他の患者や環境へ病原体が伊フォウすることを防止する。 |
9 | 廃棄物処理 | 条例に基づき、血液体液分泌物で汚染された廃棄物を適正に処理する。 使い捨ての機材も適正に処分する。 |
10 | 患者に使用した医療機器 | 再使用が可能な医療機器は、他の患者に使用する前に洗浄、消毒、再生処理を行う。 |
感染機序と感染経路
感染機序 | 感染経路 | 歯科診療での例 |
---|---|---|
空気感染 | 感染病原体を含む飛沫咳が空中を浮遊して感染する | エアタービン,エンジン,超音波スケーラーなどによる水の飛沫や切削片などのエアロゾル |
飛沫感染 | くしゃみ、咳、吸引時の飛沫が鼻粘膜や結膜、口腔粘膜に付着して感染する | 歯科診療中の患者の咳、くしゃみ |
接触感染 | 菌が直接接種されて感染 汚染器具などを介する感染 |
患者の唾液、血液が付着したグローブでのユニット周辺機器への接触 |
スポルディングの分類
分類 | 定義 | 処理 | 対象機材の例 |
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クリティカル | 通常無菌の組織や血管に挿入されるもの | 滅菌 | 手術器具、尿道カテーテル |
セミクリティカル | 損傷のない粘膜および創のある皮膚に接触するもの | 高水準消毒 | 人工呼吸器回路、麻酔器回路 軟性内視鏡 |
中水準消毒 | ネブライザー、哺乳瓶 | ||
ノンクリティカル | 損傷のない皮膚と接触するもの | 洗浄 | 血圧計、酸素マスク |
消毒する場合は低水準消毒 |
歯科診療における感染リスク分類の例
分類 | 対象機材の例 | 対処法 |
---|---|---|
クリティカル | バー・ポイント類、ファイル・リーマー類、スケーラー、探針、ピンセット、ハンドピース、超音波チップ、手術用器具類など | 滅菌 |
セミクリティカル | デンタルミラー、印象用(トレー、ラバーボール、スパチュラ)プライヤー類、咬合紙ホルダー、バキュームチップなど | 消毒 |
ノンクリティカル | 石膏用(ラバボール、スパチュラ)、デンタルチェア、ユニット、ゴーグル、聴診器、血圧計(マンシェット)など | 洗浄 |
当院の感染予防対策
a エアロゾル対策 空気清浄機
b エアロゾル対策 口腔外バキューム
環境汚染対策用のバリヤー用具
a ディスポーザブルタイプのスリーウェイシリンジチップ
b ヘッドレストシート
c,d バリヤーフィルム
a,b 接触感染対策
0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬したユニット清拭に用いるタオル
接触感染対策
外回りのアシスタントの確保、事務用品・事務機器を扱うときは、手袋を外し感染を防ぎます
a セメントの練和 b 電話対応
c 歯周検査などの記入 d 予約システムなどのパソコン操作
滅菌されたタービン類とバー
a,b,c オートクレーブによる滅菌
インジケーターテープによりモニタリングを行う
感染対策強化形診療所に認定
当院は神奈川県歯科医師会より、「感染対策強化型診療所」の認定を受けました。
新型コロナ等感染症対策実施継続中!!
唾液も血液と同レベルで対応しているため、1日でこんなに手袋を使用しています。
もちろん使用済は廃棄しています。
関係者各位様にお知らせ
当診療所では、受診者の皆様が安心して診療所を利用できるように、最新の空調設備、滅菌消毒ラインなど全力で新型コロナウィルス感染対策を実施しております。
その一環として、3〜4名以上の患者様が待合室での待ち時間がないよう配慮しております。
また、密集、密接状態の回避のために2階に臨時待合室を設けており、さらに呼び出しベルをお渡ししますので、お車でお待ち頂く事も可能です。
混雑時にご利用ください。
つきましては、予約時間の厳守に努めて頂けましたら幸いです。
ご協力お願い致します。
武内歯科医院では通常通り診療を行っております。
【来院された患者様へ】
1階の待合室
ソーシャルディスタンスのスペースとして造花をおきました。
2階セミナールームを待合室としてお使いいただけます。
普段は研修室として使用しておりますが、今回は緊急対策として密にならないように使っていただいております。
感染予防対策として、スタッフにはマスクだけでなく医療用防護服を着用して治療にあたっております。
標準予防装備
サージカルマスク 手袋 ゴーグル
(口腔外バキュームを稼働させれば このスタイルで対応できます)
簡易装備PPF
ガウン ゴーグル サージカルマスクでも可
フル装備PPE
ガウン N95型マスク ゴーグルにファイスシールド
ダイワハウス工業の誇る最新モデルを採用、耐震診療所として設計開始から3年を経て2019年8月から稼働しています。
高齢者や幼児を含む来院者の安心安全を最大限考慮して災害時は、絶大な耐震性能を誇ります。施設内にいる限り安全を確保します。
1F,歯科診療関連施設、2Fは、臨床検査室・特定保健指導室など様々な機能を備えています。
当院での院内感染予防対策
外来診療室:個室化され全区画に、ウイルス、細菌、血液などを含むエアロゾルを吸引出来る口腔外バキュームが配備されています。
各区画の絵画の裏には、大型換気扇が設置されています。
環境衛生学や感染症病棟の装備を参考に外来向けに設計しました。
当施設の滅菌・消毒およびリネン室です。中は、赤・黄色・グリーンにゾーンニングされており効率的な滅菌消毒・リネン作業を行なっています。
当施設は以下の5項目の施設環境対策を実施しています
1)高性能医療用ヘパフィルターでの空気濾過
2)大型換気扇による診療エリアの陰圧化
3)1.72mの天井高による巨大室内容積
4)大型窓の設置による頻回な換気励行
5)固相表面は80Vol %の消毒用エタノールを大量に配備
当院では、治療の際口腔外バキュームを使用しております。
治療の際に発生する歯の削りかすや血液などといった目に見えない細かい粉塵(エアロゾル)を吸引し、クリーンな診療室を保ってくれます。
大量購入で到着したダイソンの空気清浄機(扇風機)たちです
新型コロナウイルス感染防止対策として天井に設置されている医療用ヘパフィルター空気清浄機に加え各診療台周辺にダイソンの高性能空気清浄機をこの度7台配備しました。できることはすべて実行していくつもりです。
新型ウィルス対策感染拡大化での歯科クリニックの使命
(新型コロナウイルス対策として、加湿器等に次亜塩素酸水を入れて噴霧する、次亜塩素酸水を噴霧した空調など)
一般に消毒の終了後は、消毒薬を速やかに換気しなければなりません。
塩素系消毒薬をそのまま人のいる室内に噴霧して換気をしないのでは、ウイルスとともに我々人間まで作用してしまいます。
噴霧に関する衛生当局の見解(1)WHOの見解「COVID-19について、噴霧や燻蒸による環境表面への消毒剤の日常的な使用は推奨されない」とする。
さらに、「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力 を低下させることにはならない」としている。
WHO「COVID-19に係る環境表面の洗浄・消毒」(2020年5月15日)(仮訳)
●消毒剤噴霧等の非接触手法 屋内空間では、噴霧や霧化(燻蒸、ミスト散布とも)による環境表面への消毒剤の日常的な適 用は、COVID-19 については推奨されない。ある研究では、初期消毒戦略としての噴霧は、直接噴 霧域外の汚染物質の除去には効果がないことが示されている。さらに、消毒剤の噴霧は、目、呼 吸器または皮膚への刺激、及びそれに伴う健康への影響を引き起こすリスクをもたらす可能性が ある。ホルムアルデヒド、塩素系薬剤、又は第4級アンモニウム化合物など、特定の化学物質の 噴霧や霧化は、それが実施された施設の労働者の健康に悪影響を及ぼすため、推奨されていない。
また、屋外であっても、消毒剤を散布することは人の健康を害する可能性がある。
消毒用エタノールを頻繁に噴霧して消毒に務めております。
新型コロナウイルス対策として舌磨きを習慣化しましょう
私達はウイルスの感染対策として毎日マスクを付け、手洗い、手の消毒を行っています。では、そもそも手を消毒する理由とは何でしょう?
手や指先からウイルスは感染しませんから、要は手についたウイルスが口に入らないように防いでいるのです。マスクにしても同様です。
ここからがポイントなのですが、ウイルスが口に入ると、いきなり新型コロナウイルス感染症の発症と考えてしまいがちです。しかし実際のところは、入る量が少なければ抑え込めますし、ウイルスが口の中で徐々に増殖すれば発症に至ります。ウイルスの侵入口になる構造物(受容体)が舌の細胞や味を感じる味蕾細胞に非常に豊富であるとの多くの報告があります。これはCOVID-19関連症状である味覚障害とも関係しています。さらに歯周ポケットにもウイルスの侵入口が豊富にあり感染のターゲットである可能性も疑われています。
特に舌の上や歯周ポケットでウイルスが増え続けて肺に広がることも考えられます。現時点では未だ根拠は確立していませんが、毎日の口腔の
ケアと歯科クリニックでの専門的お口のケアが発症を抑える可能性は否めません。
歯磨きペーストの界面活性剤はウイルスの皮膜を破壊しますから舌の上にもペーストを付けてヌメリを取り去ると唾液中の抗ウイルス成分がすみずみまで行き渡ります。
ウイルスが口に入らない為ににあれだけ頑張っているのですから、ウイルスが口に入った場合に備え一手間かける価値は大いにあります。
出典: Wakako Sakaguchi et al :Int. J. Mol. Sci. 2020 , Existence of SARS-CoV-2 Entry Milecules in the Oral Cavity
ウイルス粒子を減らすお口のクリーニング