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インプラントの再治療が必要なケースとは?再治療になる原因や予防方法も解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

水色の背景の前に、インプラントの模型が置かれている

インプラント治療は高額で治療期間も長いため、再治療になることへの不安を抱えている方も多いでしょう。再治療が必要になるケースもありますが、日頃から適切なケアをすることでインプラントの寿命を延ばすことができます。

今回は、インプラントで再治療が必要になるケースや原因、予防法などを解説します。

インプラントの寿命はどれくらい?

白い木目の背景の前に白い目覚まし時計が置いてある

インプラントの寿命はどれくらいなのでしょうか。歯を失ったときの治療法であるブリッジ・入れ歯の寿命と合わせて、比較しました。

<インプラント・ブリッジ・入れ歯の寿命>

インプラント ブリッジ 入れ歯
10~15年 7~8年 3~5年

インプラントを入れてから10年使い続けられている方の割合は、9割といわれています。日頃からセルフケアやメンテナンスをしっかりと行っていれば、インプラントは10年使い続けることができるのです。

ブリッジや入れ歯と比較して、寿命が圧倒的に長いのはインプラントの大きな魅力のひとつといえるでしょう。

インプラントの再治療が必要なケース

歯のレントゲン写真を見ている男性患者と女性歯科医師

インプラントは長く使えて快適に噛めることが魅力ですが、以下のような症状が出た場合には再治療が必要になります。

  • 痛み・腫れがある
  • インプラントがぐらつく
  • インプラントの破損

それぞれを解説していきます。

痛み・腫れがある

インプラントを入れている箇所の痛みや腫れが続く場合は、再治療が必要になる可能性があります。

痛みや腫れの原因として考えられるのが、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織が細菌感染し炎症を起こした状態をいいます。炎症を起こす原因は歯周病と同様のプラーク中の細菌で、症状も似ていることからインプラントの歯周病ともいえるでしょう。初期は自覚症状がないことが多く、気付いたときには重症化していることも多いです。

以下にインプラント周囲炎の進行度ごとの症状をまとめました。

<インプラント周囲炎の進行度と症状>

進行度 症状
軽度 ・歯茎が赤くなり腫れる
・出血がある
中等度~重度 ・腫れがひどくなる
・膿が出る
・痛みがある
・歯茎が下がる
・インプラントがぐらつく

痛みや腫れ、もしくは上記の症状がある場合はインプラント周囲炎が考えられるため、再治療が必要になることがあります。

インプラントがぐらつく

歯槽骨が細菌感染すると骨吸収が起こり、やがてインプラントを支えきれずにぐらつき始めます。さらに重症化すると、抜け落ちてしまう恐れもあります。また、歯茎に炎症があったなどの理由で埋入したインプラントがうまく骨と結合せずに、ぐらつきが起こることも考えられます。

噛み合わせなどを調整しても改善が見られない場合は再治療が必要です。

インプラントの破損

衝撃や劣化によってインプラントが破損した場合は、再治療が必要になります。

破損した部分が、骨に埋入されたインプラント体に装着された人工歯のみであれば、再治療は人工歯の交換・修理のみで済むでしょう。

インプラントの再治療になる原因

インプラントの再治療が必要になる原因は以下のとおりです。原因を理解し、再治療を未然に防ぎましょう。

  • メンテナンスを行わなかった
  • セルフケアが不十分であった
  • 歯ぎしりや食いしばりをしている
  • 喫煙している
  • 治療に問題があった

それぞれを解説していきます。

メンテナンスを行わなかった

インプラントは長期間使用できますが、大前提として定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎を引き起こし再治療することになりかねません。

天然歯にある歯根膜がインプラントにはなく、血液からの栄養の供給が乏しくなります。その結果、細菌への抵抗力が弱まり炎症が起こりやすくなるため、天然歯と比較してもより一層メンテナンスが重要なのです。

セルフケアが不十分であった

治療が終了しメンテナンスを受けるまでは、自身によるケアで健康な状態を維持しなければなりません。インプラント周囲炎を予防するためにも、しっかりと歯磨きをして清潔な状態を保ちましょう。

インプラントのブラッシング方法など、セルフケアで不安な点があれば必ず歯科医院で確認しましょう。

歯ぎしりや食いしばりをしている

歯ぎしりや食いしばりは再治療になる大きな原因であるため、注意が必要です。

歯ぎしりや食いしばりは、歯に強い力が加わるため、インプラントや歯槽骨に負担がかかります。歯根を覆い圧力を和らげる働きをする歯根膜がインプラントにはないため、歯ぎしりや食いしばりによる強い力が直接歯槽骨を刺激します。その結果、インプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まるのです。また、歯ぎしりや食いしばりによって、人工歯が削れたり割れたりすることで再治療が必要になる可能性もあります。

喫煙している

喫煙によって、インプラントの失敗率や再治療率が上がることがわかっています。

タバコが身体に与える作用が原因によるインプラントに及ぼす影響は、以下のとおりです。

  • 傷が回復しにくくなる
  • 骨と結合しにくくなる
  • インプラント周囲炎を引き起こしやすくなる

それぞれを解説していきます。

傷が回復しにくくなる

ニコチンには、血管を収縮させる作用があります。インプラント手術後の患部に酸素や栄養が行き渡りにくくなり、傷の回復が遅れます。

また、ニコチンの細胞の働きを抑制させる作用で、歯茎や骨の回復を妨げることも、傷が回復しにくくなる原因のひとつです。

骨と結合しにくくなる

ニコチンの血管収縮作用により、インプラントと骨の結合を阻害します。インプラントがしっかりと定着せず、ぐらつきや抜ける原因となります。

インプラント周囲炎を引き起こしやすくなる

喫煙は唾液の分泌量を低下させることから、口内の細菌が増え、インプラント周囲炎を引き起こしやすい口内環境をつくります。

また、白血球の活動を抑制させ免疫力が低下することも、インプラント周囲炎を発症する原因となります。

治療に問題があった

インプラントは歯科治療の中でも特に専門性の高い分野であるため、歯科医師の技術不足は再治療の原因になります。

また、費用が安いといった理由で歯科医院を選ぶと、安価なインプラントや材料を使用していたり設備が整っていなかったりする場合も考えられ注意が必要です。

インプラントの再治療にかかる費用と保証

掌の上に水色のチェックマークが浮いている

インプラント治療にかかる費用は高額であり、長期間使用することから、各歯科医院で保証を用意していることが多いです。

ただし、インプラントは自由診療で保証内容は歯科医院側である程度自由に決められるため、事前に確認しておきましょう。保証期間は、多くの歯科医院が5〜10年に設定しています。費用は、保証期間内であれば無料であったり保証限度額が決まっていたりとさまざまです。

注意しなければならないのが、保証を受けるためには条件があることです。定期的なメンテナンスのための通院を怠りトラブルが起きた場合などは保証が受けられないことが多いため、注意しましょう。

インプラントの再治療を予防するために

歯の模型と4本のカラフルな歯ブラシ

インプラントの再治療を予防するため、以下のことに注意しましょう。

  • 定期的なメンテナンスを行う
  • 適切なセルフケアを行う
  • ナイトガードを使用する
  • 禁煙する
  • 信頼できる歯科医院を選ぶ

それぞれを解説していきます。

定期的なメンテナンスを行う

定期的なメンテナンスには忘れずに通いましょう。

メンテナンスでは、インプラントの状態や噛み合わせの確認・ブラッシング指導・クリーニングなどが行われます。インプラント周囲炎やインプラントの破損などによって再治療を予防します。

適切なセルフケアを行う

インプラント部分は、プラークが溜まらないよう注意して磨きましょう。歯間ブラシやフロスを併用するなどし、正しいセルフケアで口内を清潔に保ち、再治療を予防しましょう。

ナイトガードを使用する

歯ぎしりや食いしばりがある方は、就寝時にナイトガードを使用することをおすすめします。

インプラントだけではなく、ほかの歯への負担を和らげられます。

禁煙する

インプラントの再治療を予防するためには、禁煙するのが効果的です。

喫煙が引き起こすインプラント周囲炎は、再治療の原因になるだけではなく、最悪の場合、インプラントが抜けて再治療ができないことも考えられます。歯周病を悪化させ、ほかの歯にも悪影響を及ぼすため、禁煙をおすすめします。

信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラントは治療期間が長く、メンテナンスが定期的に必要であるため、信頼のおける歯科医院を選ぶことが大切です。

また、歯科医師のインプラント治療の実績や経歴を確認するのもよいでしょう。保証内容も事前に確認し、自分に合った歯科医院を選んでください。

まとめ

水色の背景の前に6本の歯と、その上に歯ブラシがある

インプラントの寿命を延ばすために、日頃からしっかりとケアを行いましょう。また、定期的にメンテナンスに通い、清潔な口内環境を保つことが重要です。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

 

インプラントに保証はある?保証期間や適用されるケースについて詳しく解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯の模型を両手で持っている女性

インプラントはほとんどの場合において保証があります。

ただし、保証期間や適用条件など保証内容が歯科医院によって異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

今回は、インプラントの保証期間や適用されるケースについて詳しく解説します。

インプラントの寿命はどれくらい?

インプラント

厚生労働省の調査によると、インプラントの寿命は10〜15年です。生存率は上顎が約90%、下顎が約94%という結果が出ています。ほかの人工歯の寿命は、ブリッジで7〜8年、入れ歯で4〜5年といわれています。この数字から、インプラントの寿命は非常に長いとわかるでしょう。インプラントは初期費用は高いものの、審美性も高いうえに長期的に保持できるためメリットが大きい治療法といえます。

参照:厚生労働省「歯科インプラント治療のための Q&A」

インプラントに保証はある?

木のテーブルの上にノートパソコン、ノート、メガネ、ペン、タブレットが置かれている

インプラントに保証はあります。インプラントは、インプラント体・アバットメント・人工歯の3つの部品で構成されており、保証はすべての部品に適用される場合もあれば、インプラント体とアバットメントのみという場合もあります。さらに、部品によって保証期間が異なることも多いです。インプラントはさまざまなメーカーから出ていますが、ほとんどに保証がついています。

保証期間は5〜10年としている場合が多いです。保証は治療後にインプラントが破損、もしくは脱落したときに適用され、新しいインプラントへ交換するための治療費が無料、または減額されます。

歯科医院ではなくインプラントメーカーの保証の場合、保証範囲はインプラント体とアバットメントのみです。歯科医院が独自の保証プランを設けている場合、ほとんどの歯科医院が人工歯も保証の対象にしています。

インプラント治療は自費診療のため、すべての歯科医院で保証内容が同じとは限りません。契約時に保証期間や保証範囲、適用条件などをしっかり確認する必要があります。インプラントの寿命は長いですが、万が一のトラブルに備えて保証制度が整っている歯科医院を選ぶようにしましょう。

インプラントの保証期間

木枠の砂時計とカレンダーが置かれている

保証期間は10年が一般的ですが、歯科医院によって年数が異なります。例えば「インプラント埋入後の5年間は無償保証だが、5〜10年間は有償保証」というように、年数によって負担額が変わる場合もあります。

また、インプラント体と人工歯で保証期間が異なることがあります。インプラント体に比べて人工歯のほうが破損しやすいため、保証期間が短いことが多いです。10年保証と書いてあっても、それはインプラント体のみを指していて、人工歯の保証期間は5年だったという場合もあるため、注意が必要です。保証期間内であれば全額保証という場合もあれば、5年以内は100%保証、5〜7年は75%保証、7〜10年は50%保証など、免責金額を設けている場合もあります。

インプラントの保証が適用されるケースと適用されないケース

インプラントは、適切に管理されていなければ保証が受けられないことがあります。インプラント治療における保証が適用されるケースと適用されないケースについてご紹介します。

適用されるケース

保証が適用されるケースは、以下の場合です。

  • 保証期間内である場合
  • 指定期間内にメンテナンスをす受けている場合
  • 食事時などの日常生活の範囲内で破損や脱落した場合
  • 禁煙など歯科医師からの指示を守れている場合

インプラントは入れて終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスは、インプラントの寿命を延ばすために非常に重要です。トラブルの予兆に気付けず、病気が進行してしまうリスクもあります。インプラントのトラブルで多いのが「インプラント周囲炎」です。インプラントは虫歯になることはありませんが、周辺組織が炎症を起こして歯周病になることがあります。インプラントの歯周病がインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は発症するとインプラントの生存率が格段に下がります。

インプラントはほかの治療法に比べて寿命は長いですが、人工物で劣化もするため永久に使えるわけではありません。医学の進歩により以前よりも生存率が上がってきていますが、永久的ではないのです。インプラントは治療時に、感染の予防や進行を防ぐのに重要な役割である歯根膜を失うため、天然歯よりも炎症などに弱い傾向があります。適切に管理していれば寿命を延ばすことはできますが、一度炎症を起こすと急速に悪化し、抜歯が必要になるリスクが高くなります。

以上の理由により、インプラントの保証を受けるには指定期間内のメンテナンスを継続する必要があります。

適用されないケース

保証が適用されないケースは、以下の場合です。

  • 保証対象外の歯科医院で治療を受けた場合
  • 定期的なメンテナンスを怠った場合
  • 交通事故など予期せぬトラブルが発生した場合
  • 禁煙など歯科医師の指示を守れていなかった場合

前述したように、インプラントの生存率を上げるには定期的なメンテナンスが重要です。指定された期間にメンテナンスを受けなかった場合は、保証が受けられません。さらに、日常生活における食事などでインプラントが破損した場合は保証が適用されますが、交通事故など予期せぬトラブルによる破損は保証適用外になっている場合が多いです。

また、タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ血流を悪くします。血流が悪くなると酸素や栄養が全身に届きづらくなり、免疫力が低下します。免疫力が低下すると感染しやすくなるため、インプラント周囲炎を発症するリスクが高くなります。炎症が起きた際も、治りにくくなるため、インプラントを長持ちさせるためには禁煙が必要です。喫煙を続けている場合は、インプラントの保証が受けられないことがるので、注意しましょう。

インプラントの保証を受ける際に確認するポイント

灯りがついた電球を手の上に乗せている

インプラントの保証内容は歯科医院によって異なります。あとでトラブルにならないよう、同意書や契約書をしっかり確認しておきましょう。インプラントの保証を受ける際に確認するポイントは、以下の6つです。

保証費用

保証の加入に関して、インプラントの治療費に保証が含まれている「無償保証」と、治療費とは別に保証プランの加入が必要になる「有償保証」があります。

有償保証の場合、ガイドデントという保証機関を利用することがあります。ガイドデントと提携している歯科医院ならどこでも保証が受けられるため「引っ越しや転勤が多く、一つの歯科医院に長期的に通院することが難しい」という場合に最適です。

保証金額には全額負担だけでなく、免責金額や保証限度額が決められている場合があります。免責金額とは、再治療にかかる費用を一部自己負担する金額のことです。治療の経過年数によって、保証金額が減額されます。保証限度額とは、保証の上限額のことです。上限額を超えた分は自己負担する必要があります。

このように、保証費用は歯科医院が全額負担するケースや一部自己負担するケースがあるため契約時に確認が必要です。

いつから保証が適用になるか

いつから保証が適用になるかも確認しておきましょう。

インプラント体を埋めた直後から適用される場合と、人工歯を取り付けてから適用される場合などがあります。

再治療の適用範囲

インプラント体から人工歯まですべて保証してくれるケースや、歯科医院が保証するのはインプラント体のみで、人工歯の装着は自己負担など適用範囲が異なる場合があります。

インプラント体やアバットメントは歯茎に埋もれているため、人工歯より劣化や破損する確率が低いです。人工歯は露出しているため、噛みしめなどにより刺激が加わりやすいため、破損するリスクが高い傾向にあります。

保証の適用条件

定期的に通院していないと保証が適用されないことがほとんどです。

前述したように、保証が適用されるケースとされないケースがあるので、事前に確認しておきましょう。

保証期間

インプラントの保証期間は10年としている場合がほとんどですが、保証期間は歯科医院によって異なります。

インプラント体と人工歯でも違うことがあるので、しっかりと確認しておきましょう。

保証対応回数

保証回数の上限についてもチェックしておきましょう。保証期間内であれば何度でも同じ保証内容が受けられるような回数無制限のところもあれば、1回の再治療のみ、または限度額に達したら保証は適用されなくなるなど、保証回数が決められている歯科医院もあります。

インプラントの生存率は高いので、何度も再治療することは考えにくいですが、念のため確認しておくといいでしょう。

まとめ

木のテーブルの上に電卓、マウス、お札、歯の形に切られた紙が置かれている

インプラント治療は自費診療のため、治療費が高額です。再治療の際に保証が受けられないと、多額の出費に悩まされることになります。万が一、破損や脱落した際に保証が受けられるように保証内容や適用条件をしっかりと把握しておきましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

前歯のインプラントの10年後!長持ちさせるために気を付けることについて解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

白い背景の前で目覚まし時計を持っている

インプラントの寿命は一般的に10年といわれています。「10年しかもたないの!?」と不安に感じる方もいらっしゃいますが、これはあくまで目安であり、多くの方はインプラントを10年以上安定して使用しています。

この記事では、前歯のインプラントは10年もつのか、インプラントをより長持ちさせるためにはどうしたらいいのかを解説しています。

前歯のインプラントの寿命は10年程度

砂時計や時計のイラストを指でタッチする男性

インプラントの寿命は10年といわれていますが、これは一般的な目安です。部位を問わず10年程度はもつということです。

ただし、すべてのインプラント治療の症例で10年も長持ちさせられるわけではありません。インプラント治療を受ける前の骨の状態やインプラント治療後のお口の管理などによって、大きく差が生じます。そのため、前歯のインプラントの寿命は10年程度といわれているものの、人によっては30年以上長持ちさせられるケースもありますし、数年で使用できなくなってしまうケースもあります。

インプラントを入れたら10年後どのような状態になる?

歯科医師が歯型の模型にインプラントを装着している

トラブルなくインプラントにした歯を10年後も使用されているケースが多いですが、10年という長い年月の間に被せ物が外れたり、欠けたりするトラブルも十分にありえます。被せ物だけのトラブルであれば、再度型取りをして新しい被せ物を作製し、装着することが可能です。

被せ物だけでなく、インプラント体に問題が生じた場合は、インプラントを抜いて再度埋め直す処置が必要になるかもしれません。

前歯の場合は、歯茎が下がってきてインプラントの金属部分が露出してしまうことがあります。歯茎が下がる原因の1つは、インプラント周囲炎という歯周病ですが、ブラッシング圧が強いなどの不適切な歯磨きでも歯茎が痩せてしまいます。前歯は特に審美面が重視されますので、インプラント治療後のお口の管理が非常に大切といえるでしょう。

インプラントが10年も経たずにダメになってしまう原因

歯鏡で歯の状態を検査されている

残念ながら、一般的な寿命である10年まで長持ちさせられないケースもあります。「インプラント治療は成功したのに、どうしてこんなにすぐにダメになってしまったのだろう…」と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。

インプラントを長持ちさせられない原因は、以下の4つが考えられます。

  • インプラント周囲炎
  • 喫煙
  • 歯ぎしりや食いしばり
  • ほかの歯の不調

それぞれの原因について詳しく解説します。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、細菌感染を起こしてインプラント周囲組織に炎症が起きる病気で「インプラントの歯周病」ともいわれます。インプラント治療を受けている方であれば誰でも起こる可能性がある病気で、ブラッシング不足などの原因から、インプラントと歯茎の境目に細菌が入ることで発症します。進行すると、インプラント周囲の骨を溶かしてしまうので、放置するとインプラントが抜け落ちたり、取り除かないといけなくなります。

初期段階ではほとんど自覚症状がないため、自分では気付きにくいのが難点です。また、インプラント周囲炎は進行が早いのも特徴で、非常に早いスピードで骨を溶かしてしまいます。インプラント周囲炎になったとしても早い段階で気付ければ治療が可能ですが、手遅れになってしまうとインプラントを10年ももたせることはできないでしょう。

喫煙

喫煙されている方は、インプラント手術を受ける前に歯科医師から「手術の1週間くらい前から禁煙してください」と説明を受けるでしょう。喫煙することで血行が悪くなり、インプラント体と骨がしっかりくっつかなくなってしまうので、インプラント手術後もしばらくは禁煙が必要です。そのほかにも、白血球の役割が弱まることで細菌感染しやすくなったり、唾液が減ることでインプラント周囲炎を発症しやすくなるなど、さまざまなリスクが高まりす。

インプラント周囲炎や歯周病にとってタバコは大敵であり、喫煙者は非喫煙者に比べて2〜6倍、インプラント周囲炎や歯周病になりやすいといわれています。それほど喫煙はインプラントにとってリスクが高く、インプラントの寿命に大きく関係するのです。ヘビースモーカーの方は、インプラント治療を受けられないと歯科医師に判断されることもあるでしょう。

歯ぎしりや食いしばり

自分では気付いていないだけで、ほとんどの方が歯ぎしりや食いしばりをしています。無意識でしてしまうので相当な負荷がかかっているのです。特に就寝時は、意識的に気付きにくいため気を付けなければいけません。

歯ぎしりや食いしばりがあることで、健康な歯が欠けたり割れたりしてしまうことがあります。天然歯の場合は、根っこの周りにある「歯根膜」がクッションの役割を果たし、歯に加わった力を分散させてくれますが、インプラントの場合は、歯根膜がないため、顎の骨に大きな負担がかかってしまうのです。被せ物だけが割れたり欠けたりすることもありますが、インプラント自体にダメージが加わった場合は、インプラントが抜けてしまうこともあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりの症状がある方は、就寝時にマウスピースを装着しましょう。マウスピースを装着することで、インプラントやほかの歯にかかる負担を減らすことが可能です。

スポーツをされている方や重い荷物を運ぶときなど、力を入れるときに食いしばる傾向があります。就寝時だけでなく、歯ぎしりや食いしばりをしてしまうときにマウスピースを装着するようにしましょう。

ほかの歯の不調

インプラントに特に問題がなくても、ほかの歯がダメになってしまった場合、部位によってはインプラントにも負担がかかります。全体的にバランスよく噛めない状態は、残っている歯に大きな負担がかかってしまうのです。

インプラント自体に問題がないのに、噛み合わせの問題でインプラントがダメになってしまうのは避けるべきです。インプラントに限らず、不調がある歯は早めに治すようにしましょう。

前歯のインプラントを長持ちさせるために気を付けること

聴診器と禁煙マークが描かれたハート型の木が置かれている

インプラント治療は治療期間が長く、また高額な治療費がかかります。せっかくインプラント治療を受けたのであれば「できるだけ長持ちさせたい!」と多くの方が考えるでしょう。前歯のインプラントを長持ちさせるためにはどのようにすればいいのでしょうか。

インプラントを長持ちさせるために気を付けることは、以下の3つです。

  • 定期検診でメンテナンスを受ける
  • お口のケアを怠らない
  • 禁煙する

それぞれの理由を解説します。

定期検診でメンテナンスを受ける

インプラント治療後は、必ず定期的にメンテナンスを受けましょう。

どこの歯科医院でインプラント治療を受けてもメンテナンスの必要性について説明があります。定期的なメンテナンスを受けず、インプラントに何かトラブルが起きてしまった場合は保証対象外になってしまうことが多いです。定期検診の間隔は歯科医院によって異なりますが、3〜6か月に1回の受診が推奨されることが多いため、必ず受診しましょう。

インプラント治療にメンテナンスが必要な理由は、何か不具合が起きた際に早めの対処ができるためです。特に、初期段階のインプラント周囲炎は自覚症状がなく、自分では気付きにくいでしょう。インプラント周囲炎は、一般的な歯周病よりも進行が早く、治療も難しいため、気付くのが遅くなると、最悪の場合インプラントを抜かなければなりません。インプラント周囲炎だけでなく、噛み合わせや食いしばりの関係でインプラントに負担がかかっていると、インプラントがダメになってしまうこともあります。このような自分では気付きにくい問題を、定期的に専門の歯科医師にチェックしてもらう必要があります。

また、インプラントは日頃からしっかりと清掃することが非常に重要です。しっかりブラッシングをしていても、お口の中のケアを自分で完璧に行える方はいないでしょう。プロフェッショナルなクリーニングをきちんと受けることによって、インプラント周囲炎の予防になります。

お口のケアを怠らない

「定期的なメンテナンスでお口の中をクリーニングしてもらっているから大丈夫」と安心せずに、お口の中のケアを怠らないようにしましょう。

専門的なクリーニングでお口の中がきれいになっても、日頃のケアを怠っていてはクリーニングの意味がありません。セルフケアとプロフェッショナルケアの両方をきちんと行うことが大切です。

禁煙する

先ほど喫煙はインプラントの寿命に大きく影響するとご説明しました。

喫煙はインプラント治療だけでなく、インプラント以外の歯や歯周病の進行にも悪影響を及ぼします。インプラントを長持ちさせたいのであれば、禁煙することを強くおすすめします。

まとめ

歯科医院で治療を受ける男性

部位や症例によってインプラント手術が難しくなることはありますが、基本的に前歯のインプラントも奥歯のインプラントも寿命は変わりません。多くの方は、10年以上もインプラントを長持ちさせています。

ただし、お口のケアが不十分であったり、喫煙していたりするとインプラントの寿命は短くなってしまいます。場合によっては10年ももたないこともあるでしょう。せっかくインプラント治療を受けたのであれば、インプラントをより長持ちさせるためにも、お口の管理はしっかり行いましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!