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上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しいのか?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

上顎のインプラント

インプラント治療において大事なことは「インプラントの土台となる顎の骨がしっかりとあること」です。特に目立つ部位である上顎の骨が少ないと、インプラント治療に問題が生じるとされています。インプラント手術部分に顎骨が少ない場合は、顎骨の再建手術が必要です。

今回は、上顎の骨が少ないとインプラント治療に支障が出る理由や、上顎の骨が少なくなってしまう原因について解説します。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しい?

歯科医に相談する患者

上顎の骨の量が少ないと、インプラント治療は一般的に困難といわれています。

インプラント治療とは、失われた歯を人工の歯に置き換える治療法です。人工歯であるインプラントを代わりに置き換えるためには、それを固定するための土台の骨が必要です。インプラントは直接骨に埋め込むことで安定し、人工の歯根の役割を果たします。

具体的には、骨量が少ないとインプラントを埋入するのに適切な深さと安定性を得られません。もし、骨量が少ない状態でインプラント手術をした場合、インプラントがしっかりと固定できず、術後に埋入したインプラントが動き、最悪の場合は脱落するなどの問題が生じます。また、骨が少ない場合、インプラントの圧力が隣接する歯根や神経に伝わり、痛みや感覚異常の原因となるでしょう。

最近では骨移植やGBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生)といった手法もあり、これにより不足する骨量を補うことが可能です。これらの方法を利用すれば、骨の量が少ない場合でも治療ができる可能性があります。

しかし、手術がより複雑となり、治療時間や費用、そして合併症リスクも増えるため、慎重な判断が必要です。

患者さんの口腔内の状況や全身状態、希望等を考慮し、歯科医師と相談しながら適切な治療方法を選択することが重要といえるでしょう。

上顎の骨が少なくなる原因

チョークで書かれたwhyの文字

上の歯のインプラント手術が必要になる上顎の骨が少なくなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。以下、原因を解説します。

歯周病で顎の骨が溶けた

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、歯周病が挙げられます。

歯周病は、歯周ポケットの炎症が進行し、歯を支える骨が破壊される病状です。歯周病を患うと、歯を支える骨が溶け、歯とともに骨も失ってしまうことにより上顎の骨が少なくなります。

歯周病は、口腔内のプラークが原因で発生します。プラークが取り除かれないと、歯茎から歯が離れて歯周ポケットが形成され、さらに細菌の繁殖へつながるでしょう。歯周病菌は、免疫システムが病原体と認識して炎症を引き起こしますが、長期にわたると骨にも影響を及ぼします。

治療が遅れると、骨破壊は進行し、上顎の骨はさらに消失するでしょう。その結果、歯が動くようになり、最終的には抜け落ちる恐れもあります。抜け落ちてしまったあとは骨の再生は困難となるため、少なくなった上顎の骨は元の状態に戻すのが難しい状況になります。

歯のない状態が長く続いた

上顎の骨が少なくなる原因の一つには、長期間にわたる歯のない状態が挙げられます。この状態が続くと、咬み合わせる対象がないため、骨に適切な刺激が行き渡らなくなるのです。

通常、歯は咀嚼を通じて骨へ刺激を与え、骨の形成を促進します。この動きは、骨密度を保つうえで重要な役割を果たすのです。

しかし、歯が失われると、咀嚼による刺激がなくなり、骨形成のバランスが崩れることがあります。結果として、一部の骨組織が吸収され、次第に骨量の減少につながるのです。

骨の吸収は、古い骨を新しい骨で更新するという自然な生体プロセスの一部ですが、咬む刺激がなければ新しい骨の形成が遅れ、結果的に骨が少なくなる傾向にあります。特に、歯を失ったあとにそのまま放置し、適切な補綴(ほてつ)や補填をしない場合に、この現象は顕著になるといえるでしょう。

歯の抜け落ちた部位に対しては、速やかに適切な治療や補綴をすることが、骨の健康維持に重要とされています。

入れ歯の使用などで顎の骨が痩せた

上顎の骨が少なくなる原因としては、口腔の健康状態などが一般的に影響します。特に顕著な例としては、長期間の入れ歯の使用です。

入れ歯を使用することは、歯牙を失ったあとの生活をより快適にするための選択肢の一つであり、噛むための機能を助ける重要な役割を果たします。

しかし、その一方で、入れ歯の使用には顎骨への影響があり、長期間使用すると顎の骨が痩せる現象が見られるのです。つまり、自然な歯がない場合、顎骨に常に刺激が加わらないため、骨が徐々に吸収され、骨の量が少なくなるというメカニズムです。

入れ歯を使うと、歯が骨に直接力を伝えられないため、骨への刺激が著しく減少します。これが骨吸収を引き起こす一因につながるのです。また、入れ歯は、適切なサイズやフィット感を保つために定期的な調整や交換が必要です。これらの調整が適切に行われない場合、入れ歯と上顎骨との間に不適切な圧力が生じ、さらに骨の吸収を加速させる可能性があります。

腫瘍などの影響で顎の骨の一部を失った

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、腫瘍があります。

腫瘍は、細胞の異常な増殖により生じ、その発生箇所や種類によっては骨組織に影響を及ぼすことがあるのです。特に、口腔内や顎の近くに発生した腫瘍は、その進行に伴い周囲の組織や骨を侵食し、損傷を引き起こす可能性があります。その結果、上顎の骨量が減少するという事態につながるのです。

特に進行した場合や、腫瘍の摘出が必要な場合には、治療の一環として骨の一部を切除しなければならないこともあります。腫瘍の存在は、顎の骨量減少の可能性を高める重要な因子です。また、癌の種類によっては骨の代謝を乱し、骨がもろくなることや骨密度が低下することもあります。これにより、上顎の骨が薄く、脆くなることがあります。

腫瘍は顎の骨量減少の原因となり得ますが、そのほかにも歯周病、加齢、栄養不足などによる影響も無視できません。また、骨量減少の予防や機能の回復、維持のためには適切な治療やリハビリテーションが必要です。

定期的な口腔内の健康診断と早期治療、良好な口腔衛生の維持が重要なポイントといえるでしょう。

上顎の骨が少ない人がインプラント治療を受けたい場合はどうする?

インプラント模型を患者に見せる医師

上顎の骨が少ないためにインプラント治療が難しいとされるケースでも、骨造成治療やそれに含まれるサイナスリフトを行えば、インプラント治療を受けることができます。

骨造成治療は、文字通り、骨を造成する治療であり、自身の骨が不足している部分に人工骨や自己の骨を移植し、インプラントを埋入するのに適した骨の量と質を得る方法です。特に、上顎の奥歯部分にインプラントを埋入したい場合に骨量が不足していると判断されると、歯科医師からサイナスリフトの提案がなされることが多いでしょう。

サイナスリフトは、上顎の奥部分にあたる口腔洞(サイナス)の底部を持ち上げ、その下に新たに骨を形成する治療です。この治療によって、インプラントがしっかりと固定できるようになります。骨が少ない部位へのインプラント治療を可能にするための有効な手段といえるでしょう。

ただし、サイナスリフトを含む骨造成治療は、高度な技術を必要とする外科治療であり、治療期間も長くなります。まずは信頼できる歯科医師と相談し、治療計画をしっかりと立てることが重要です。

まとめ

頼もしそうな男性歯科医

上顎の骨の量が少ない場合、インプラント治療が難しくなることがあります。

インプラント手術には、インプラントを支えてくれるしっかりとした土台が必要です。もし上顎の骨の量が足りない場合は、骨造成治療のひとつである「サイナスリフト」を行うことで、新しい骨を形成できます。

もし顎の骨が薄い場合でも諦めずに、まずはインプラント手術を希望する歯科医院で診察を受け、相談することから始めましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

オールオン4とは?一般的なインプラントとの違いやメリットを解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

オールオン4のイメージ画像

「オールオン4とは?」「オールオン4とインプラントの違いは?」などの疑問をお持ちの方はいませんか。

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどを解説します。ぜひこの記事を参考に、オールオン4についての理解を深めてください。

オールオン4とは?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4とは、顎の骨に最小4本のインプラントを埋め込むことで、12本の連結した人工歯を固定する治療方法です。

従来のインプラントは、1本の歯に対して1本のインプラントを埋め込む必要があります。

オールオン4は、通常のインプラントより少ない本数で多くの歯を固定できます。少ないインプラントで治療を行えるので、身体的な負担や費用を抑えることができるでしょう。

オールオン4のメリット・デメリット

Merit とDemeritと書かれたノート

オールオン4のメリット・デメリットをご紹介します。

オールオン4のメリット

オールオン4のメリットは、以下のとおりです。

  • 治療期間が短い
  • 身体への負担を軽減できる
  • 顎の骨の量が不足していても治療できる
  • 治療費を抑えられる

それぞれ詳しく解説します。

治療期間が短い

オールオン4は、インプラントを埋め込む手術当日に上部構造とよばれる人工歯を固定できます。そのため、通常のインプラントより治療期間が短いことがメリットです。

一般的なインプラントでは、以下のプロセスを踏む必要があります。

  1. 顎の骨に穴をあける
  2. 人工歯根を埋め込む
  3. 人工歯根が骨と結合するまで待つ
  4. 人工歯根と人工歯を結合する

インプラントは人工歯を結合するまでに5か月ほどかかります。オールオン4は、1日で人工歯を取り付けることが可能なのです。

身体への負担を軽減できる

オールオン4は、最小4本のインプラントで上部構造を固定できるので、通常のインプラント治療に比べて身体への負担を軽減できます。

インプラントを埋め込むには顎の骨に穴をあける必要があるので、穴をあける本数が多くなれば身体的負担が増大するでしょう。オールオン4は身体への負担が少ないので、高齢者の方でも治療を行うことが可能です。

顎の骨の量が不足していても治療できる

オールオン4は、顎の骨の量が多い部分を選んでインプラントを埋め込むので、顎の骨量が不足していても治療ができます。

通常のインプラント治療を行う際は、顎の骨量が不足している場合に骨の量を増やす骨造成を行う必要があります。

しかし、オールオン4では骨造成を行わずにインプラントができる可能性が高いです。

治療費を抑えられる

オールオン4はインプラントの本数が少ないので、治療費を抑えられます。

症例によって異なりますが、通常のインプラント治療では何十本もインプラントを埋め込むケースも少なくありません。インプラントの本数が増えれば増えるほど、高額な治療費が必要です。

治療費をできるだけ抑えたいと思っている方には、オールオン4が適しているでしょう。

オールオン4のデメリット

オールオン4のデメリットは、以下のとおりです。

  • メンテナンスが必要である
  • 残っている歯の抜歯が必要な場合がある
  • 治療できる歯科医院が限られている

それぞれ詳しく解説します。

メンテナンスが必要である

オールオン4の治療後は、最低でも1年に1~2回のメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、インプラントが破損する可能性があるためです。

しかし、通常のインプラントでもメンテナンスは欠かせません。インプラント治療を受けた場合は、口腔内の健康のためにメンテナンスを受けましょう。

残っている歯の抜歯が必要な場合がある

オールオン4の治療を受ける際に歯が残っている場合は、すべて抜歯する必要があります。残っている歯の状態によりますが、抜歯後に腫れて強い痛みが出ることもあるでしょう。

治療できる歯科医院が限られている

オールオン4を行うには専門的な技術と経験が必要なので、治療できる歯科医院が限られます。経験豊富な歯科医師が在籍していることはもちろん、専用の設備や機器も必要になるでしょう。

オールオン4の治療ができても、治療実績が少ない歯科医院の場合はトラブルへの対処がうまくできない可能性があります。治療が失敗するリスクが高まるので、歯科医院の選び方が重要です。

オールオン4と一般的なインプラントは何が違う?

2つの?を比較する赤い服の女性

オールオン4と一般的なインプラントの違いは、体にかかる負担の大きさでしょう。

一般的なインプラントは、10本以上のインプラントを埋め込む必要があるケースも珍しくありません。手術時間が長くなるのはもちろん、痛みや腫れなど体への負担も増大します。

オールオン4は、上の歯がすべてないケースでも最小4本のインプラントで治療ができます。1本1本埋め込むよりも、体への負担が少ないでしょう。

また、一般的なインプラント治療では長期間にわたって治療を行う必要がありますが、オールオン4では即日仮歯を入れられます。

オールオン4の治療のステップ

STARTからGOALへの階段

オールオン4の治療ステップは、以下のとおりです。

  • カウンセリング
  • 精密検査
  • 治療方針の決定
  • 手術
  • 最終的な人工歯の取り付け

それぞれ解説します。

カウンセリング

カウンセリングでは、オールオン4の治療方法やメリット・デメリットの説明を行います。患者さまの歯の本数や顎の骨の量、骨密度によっても、オールオン4の治療方法が変わるでしょう。

事前に大まかな費用や治療期間を相談します。精密検査後に費用や治療期間が大きく変わる可能性もあるでしょう。

精密検査

歯や骨の状態を正しく把握するために、精密検査を行います。歯科医院によって異なりますが、以下の検査を実施する場合が多いです。

  • 歯周検査
  • 口腔内写真撮影
  • CT撮影
  • パノラマレントゲン撮影

持病がある方には、精密検査のほかに内科主治医への相談が必要な場合があります。

治療方針の決定

オールオン4治療の最終的な費用や治療期間、具体的な治療の進め方の説明を行います。要望や疑問点などがあれば相談できるので、少しでも気になることがあれば質問しましょう。

手術

インプラントの埋入手術を行い、人工歯とインプラントを結合させるアバットメントを装着します。歯茎を切開した部分の縫合も行います。

外科手術終了後は出血が落ち着くまで休憩し、仮の人工歯を装着したら手術完了です。

最終的な人工歯の取り付け

仮の人工歯を装着して噛み合わせの確認などを行い、6か月程度経過したら最終的な人工歯を取り付けます。

人工歯を装着したら終了と思う方もいますが、インプラント治療後は必ず定期メンテナンスを受けましょう。インプラントにトラブルが起きた際、保証を受けるにはメンテナンスを受けていることが条件の場合が多いです。インプラントを長期的に機能させるためにも、メンテナンスに通ってください。

オールオン4の費用

机の上に置かれたノートとペンと電卓

オールオン4の費用相場は、片顎で2,000,000〜3,000,000円です。治療費の相場に大きな幅があるのは、人工歯の素材によって費用が異なるからです。人工歯の素材は、ハイブリットセラミックやセラミックなどから選択できます。

歯科医院によって治療方針や治療技術などが異なることも、治療費に影響するでしょう。費用が安いオールオン4治療は、十分な診断や検査などのプロセスを省いている可能性があるため、費用の安さだけで歯科医院を選ばないように注意してください。

オールオン4はどのような人におすすめ?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 総入れ歯を使用している人
  • 費用を抑えたい人
  • 顎の骨が少ない人
  • 虫歯などで多くの抜歯が必要な人

オールオン4は、総入れ歯よりも顎の骨にしっかりと固定できます。違和感なく装着でき、強く噛むことが可能です。

また、少ないインプラントで治療を行えるため、治療費を抑えたい方にも向いているでしょう。

さらに、顎の骨が少ない人でも治療を受けることができます。虫歯などで残っている歯の本数が少ない人も、オールオン4が適しているといえます。

1〜2本だけインプラントにしたいと考えている人には、オールオン4は向いていないでしょう。

まとめ

歯科医院で鏡を見て笑う男性

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどをご紹介しました。

オールオン4のメリットは、治療期間が短いことや体への負担が少ないこと、治療費を抑えられることなどが挙げられます。デメリットとしては、残っている歯を抜歯する場合があること、治療できる歯科医院が限られていることなどが挙げられるでしょう。

オールオン4は高額ですが、メリットも多い治療です。メリット・デメリットを把握し、自分に適した治療かどうかしっかりと考えて、オールオン4を選択してください。

インプラントやオールオン4でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

20代でインプラント治療はできる?メリット・デメリットと注意点とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

模型を見せてインプラントの説明をす男性歯科医師

インプラントは、天然歯のような仕上がりになり食事も問題なくできるので、失った歯を補う治療法として希望する20代の方が増えています。

しかし「20代でインプラント治療は本当にできるの?」「20代でのインプラントはデメリットがあるのでは?」と考える方も少なくありません。

今回は、20代のインプラント治療について、メリットやデメリットをご説明します。20代でインプラント治療を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

20代で歯を失う原因

歯の痛みに耐える女性

高齢者に比べると少ないですが、20代で歯を失うこともあります。20代で歯を失う主な原因は、以下の3つです。

  • 事故やスポーツの衝撃
  • 重度の虫歯
  • 重度の歯周病

20代で歯を失う原因の多くは、事故やスポーツの衝撃です。スポーツ中に前歯を強く打つ、人と接触するなどして歯を失う可能性があります。

重度の虫歯の場合、歯の根を除去して根管を洗浄する「根管治療」を行う場合も多いです。根管治療を行った歯はもろくなり、寿命が短くなります。

根管治療を行わなくても、根が無事な歯に比べて、弱い衝撃でも割れる可能性があります。装着した人工歯が脱落し、抜歯が必要になることも珍しくありません。重度の歯周病で歯が抜けることもあります。

20代だからこそ、歯を失ったときにショックを受ける方や、これからどうしたらよいのだろうと悩む方も少なくありません。

20代でインプラント治療はできる?

顎に手を当てて考える若い男女

20代でインプラント治療は可能です。顎の状態や治療後の経過を考えると、高齢者に比べて20代の方のほうがインプラントに向いているといっても過言ではありません。

ただし、20代でインプラントをする場合、施術をスタートする前に顎の成長が終了している必要があります。

インプラントの平均寿命は10〜15年といわれています。インプラント治療後もきちんとケアをし、定期的にメンテナンスに通っている場合、もっと長く使用できることもあるでしょう。

日本口腔インプラント学会の「20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査」によると、インプラントの治療後20年以上経過した77%以上の方が「問題ない」と答えています。20代の方がインプラント治療をする場合、40代になっても問題なくインプラントを使用できる可能性が高いのです。

失った歯を補う方法としてブリッジや入れ歯がありますが、ブリッジの平均寿命は7〜8年、入れ歯の平均寿命は3〜5年とされています。治療後長く使うことを考えると、20代の方こそ、インプラント治療が適しているといえるでしょう。

参照元:「日本口腔インプラント学会 20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査

20代でインプラント治療をする人も多い

20代で歯を失う人は少ないため、全体的な症例数は多くありませんが、20代でインプラント治療を受ける方も少なくありません。以下の理由でインプラント治療を選択する方が多いです。

  • 20代で入れ歯になるのは抵抗がある
  • 歯を失ったことを知られたくない
  • 好きなものを気兼ねなく食べたい
  • まだ20代なので見た目が気になる

20代という若い時期だからこそ、見た目や機能性、インプラントの寿命を考慮し、治療に臨んでいるといえるでしょう。

20代でインプラント治療をするメリット

MERITと書かれた木のブロックが机の上に置かれている

20代でインプラント治療を受けるメリットは少なくありません。インプラント治療をするメリットとともに、ほかの治療法を選んだ際のメリット・デメリットを考慮して、ご自身に適した治療法を選択しましょう。

20代でインプラント治療をするメリットは、以下のとおりです。

周囲の歯や歯周組織に対する影響が少ない

インプラント治療は、隣の歯や歯周組織に対する影響が少ないです。インプラントとほかの治療において、周囲の歯や歯周組織に与える影響を表にまとめました。

<治療方法と影響>

治療の種類 治療方法 影響
インプラント 歯槽骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する ・残った歯を削らない
・ケアすれば周辺の骨が痩せない
ブリッジ 失った歯の周辺の歯を削って土台にし、欠損した歯を補う ・両隣の歯を削る
・健康な歯の神経を抜く場合がある
・歯を失った部分の骨が痩せる
・食べかすやプラークが溜まり、歯周病になりやすい
入れ歯 人工歯を金属の留め金で両隣の歯に引っ掛けて装着する ・両隣の歯を削る必要がない
・歯を失った部分の骨が痩せる

 

ブリッジや入れ歯を選択すると、刺激が伝わらないため歯槽骨が痩せます。汚れが溜まりやすいため、歯周病になるリスクも高まるでしょう。

インプラントは歯周組織への影響が少なく、健康なほかの歯や歯槽骨を守れるのです。

歯槽骨が健康な場合が多い

20代の歯槽骨は健康で、骨造成が必要ないケースが多いです。

インプラント体を埋め込むためには、歯槽骨の厚みや骨密度が基準を満たしている必要があります。高年齢になると、歯槽骨が薄くなる方や骨密度が低下する方も珍しくありません。厚みや骨密度が基準に満たない場合、インプラント手術の前に骨造成という歯槽骨を増やす手術が必要になります。

20代の方は歯槽骨が健康で、厚みや骨密度が十分な場合が多く、スムーズにインプラント手術を開始できるのです。

体力・免疫力がある

20代は、一般的に体力と免疫力があります。感染症のリスクが低く、術後の傷の回復が早いこともメリットでしょう。

また、糖尿病や高血圧などの疾患がない可能性が高いです。糖尿病や高血圧などの疾患がある場合、インプラント手術をする場合リスクが伴います。免疫力が下がっていると、術後の傷が化膿する危険もあります。

20代で体力も免疫力もある方は、傷の治りが早く、術後の経過も順調なケースが多いのです。

20代でインプラント治療をするデメリット

demeritと書かれたメモを破る手元

20代でインプラント治療をするメリットは多いですが、もちろんデメリットもあります。納得してインプラント治療をスタートするために、デメリットも把握しましょう。

20代でインプラント治療をするデメリットは、以下のとおりです。

保険適用外なので高額になる

インプラントは、ブリッジや入れ歯とは違い、保険適用外の治療です。費用の詳細は歯科医院によって異なりますが、1本につき150,000〜400,000円かかります。

多くの費用が必要なため、治療を受けられないと感じる方も珍しくありません。

治療が長期にわたる

インプラントの治療期間の目安は、3か月〜1年と長期にわたります。

1年間も歯がない状態が続くのは嫌だと感じる方も少なくありません。学校や仕事などで忙しく、長期的な治療計画を立てることが難しい方もいるでしょう。

しかし、実際に通院する回数は2〜3回だけです。手術のあとに傷が治るのを待つ必要があるため治療期間が長いですが、何回も通院する必要はありません。

20代でインプラント治療をする際の注意点

!マークが書かれた黒板を掲げる女性

20代でインプラント治療をする際は、高齢者がインプラントの手術を受ける際とは異なる注意点があります。

20代でインプラント治療をする際の注意点は、以下のとおりです。

顎の成長が止まっている必要がある

まず、顎の成長が止まっていることを確認して治療を受ける必要があります。

インプラントは、歯槽骨にインプラント体を埋め込むため、成長中に手術することは推奨されていません。インプラント体を埋め込んだあとに歯槽骨が成長することで、埋め込みたい位置からずれる可能性があるのです。

特に20代前半の場合、顎が少しずつ成長している可能性もあるため、先に調べたほうがよいでしょう。

治療後メンテナンスに通い続ける必要がある

インプラント治療は、インプラントを装着したら終了ではありません。治療後もメンテナンスに通う必要があります。

メンテナンスが必要なのは20代も高齢者も変わりませんが、20代の場合、仕事の転勤や結婚をきっかけに引っ越す可能性があるでしょう。治療した歯科医院に通い続けられるのか考えることも大切です。

インプラント治療では10年や15年などの長期にわたる保証を設けている歯科医院も多いです。他院で治療を受けると保証の対象外になることがあるので、注意してください。

まとめ

歯科医院で治療を受ける美しい女性

20代でインプラント治療を受けることは可能です。見た目がよいだけでなく、インプラントの寿命が長く、周囲の歯や歯周組織に負担をかけずに治療できることを考えると、歯を失った20代の方がインプラント治療をするメリットは大きいといえるでしょう。

しかし、費用やメンテナンス、顎の成長も考慮する必要があります。歯科医院に相談し、メリットとデメリットを把握して、自身にあった治療法を選択してください。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

骨が少ないけれどインプラントはできる?費用と手術の流れを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯科医師がインプラントを手に持っている

インプラントにしたいけれど「土台となる骨が少ない」といわれたことがある方も多いのではないでしょうか。インプラントにするためには、土台となる骨がしっかりしており、厚みが十分なければいけません。

しかし、骨が少なく厚みが足りないケースはとても多く、場合によってはインプラントを断られてしまうこともあります。

今回は、骨が少ないとインプラントにできないのか、骨が少ない場合の治療方法について解説します。

骨が少ないけれどインプラント治療はできる?

首をかしげて疑問の様子の男性

結論からいうと、骨が少なくてもインプラント治療は可能です。

しかし、そのためには「骨造成」という治療が必要です。

インプラントは骨に土台を埋め込むので、土台となる骨が少ない、厚みが足りないといった場合は、骨の厚みを増やすための骨造成が非常に重要といえるでしょう。骨が少ない=インプラントができないわけではなく、骨が少なくても骨造成を行えばインプラント治療は可能です。

骨造成とは

歯の治療を行っている

インプラント治療で行う骨造成とは、インプラントの埋め込みに必要となる場所の骨の量を増やす手術のことをいいます。顎の骨が少なく厚みがない方でも、骨造成を行うことでインプラントに必要な顎の骨を確保できます。

歯がない状態が長く続く、重度の歯周病で骨が溶けてしまっている、虫歯などが原因で根っこの先に根尖病巣ができて骨を溶かしてしまっているなど、一度溶けてしまった骨は自然再生しません。まずは骨造成を行い、インプラント治療を進めていく必要があります。

骨造成の主な5つの種類

歯科医師が患者に説明している

骨造成の種類は、主に以下の5つです。

GBR法(骨組織誘導再生法)

GBR法は、Guided Bone Regenerationの略で、日本語では骨組織誘導再生法といいます。インプラント体の埋入と同時に行うのが一般的です。

インプラント体を埋入したあと、粉砕したご自身の骨や骨補填剤を注入し、医療用の特殊な膜(メンブレン)を被せることで、骨の再生が誘導されます。骨を多く増やさなければならない場合は、インプラント埋入と分けて行うこともあります。

適応されるケース

顎の骨の高さ・幅ともに不足しており、インプラントを十分に固定できない場合に適応されます。

期間

骨が再生されるまでに3~6か月程度かかります。

基本的にはインプラント埋入と同時に行うため、治療期間が大幅にのびることはほとんどありません。

しかし、インプラント埋入と分けて行う場合は、骨が再生されるまでの期間を待たなくてはいけないので治療期間はのびます。

ソケットリフト法

ソケットリフト法は、上顎洞挙上術ともいわれ、上顎の奥歯の骨が足りない場合に行う方法です。

インプラント体を埋入する箇所に穴をあけ、ご自身の骨や骨補填剤を注入し、その部分だけ骨の再生を誘導します。インプラント体の埋入と同時に行えますが、上顎以外には行えません。

適応されるケース

上顎の奥歯部分の骨が足りない症例のなかでも、骨の厚さが3~5mm以上の場合に適応されます。

期間

治療期間は3~4か月程度かかります。

インプラント体の埋入と同時に行うため、治療期間が大幅にのびることはほとんどありません。

サイナスリフト法

サイナスリフト法は、上顎洞挙上術の一種で、上顎の奥歯の骨が広範囲で足りない場合に行う方法です。広範囲で骨を再生したい場合に用いられ、ソケットリフト法よりも多くの骨を再生したい場合に行います。

基本的にインプラント体埋入と同時に行われることはなく、まずは頬側の歯肉の側面を切開し、骨造成のためのスペースを設けて骨補填剤を入れ縫合し、骨が再生されるのを待ちます。ソケットリフト法と同様、上顎以外には行えません。

適応されるケース

上顎の奥歯部分の骨が足りない症例の中でも、骨の厚さが3~5mm以下の場合に適応されます。

期間

骨造成を待ってからインプラント治療に入るため、10か月~1年程度かかります。

ソケットプリザベーション

ソケットプリザベーションは、抜歯した場所の骨吸収を防ぐために、抜歯した時点で抜歯後の穴にご自身の骨や骨補填剤を注入し、医療用の特殊な膜(メンブレン)を被せることで骨の再生を誘導する方法です。

適応されるケース

残せなくなった抜歯予定の歯に適応されます。

期間

抜歯した場所の骨が固まるのに4~9か月程度かかります。

骨が固まってからインプラントの埋入を行います。

遊離自家骨移植術(ボーン・クラフト)

遊離自家骨移植術(ボーン・クラフト)は、重度の歯周病などで骨が溶けてしまった骨欠損部にご自身の顎の骨をブロック状に採取し、スクリュー等で固定し骨の再生を誘導する方法です。

適応されるケース

重度の歯周病などで顎の骨が大きく吸収され、インプラント治療ができない場合に適応されます。

期間

骨が定着するのに4~6か月程度かかります。

骨が定着してからインプラントの埋入を行います。

骨造成の費用

費用を計算している様子

インプラント治療は、ほとんどの場合で保険適用されません。骨造成手術においても同様で、骨造成手術はインプラントにするための手術に該当するため、保険適用されません。

自由診療のため、骨造成の費用も歯科医院によって異なり、治療範囲によっても違いがでます。

骨造成にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

<骨造成にかかる費用の目安>

GBR法(骨組織誘導再生法) 30,000~150,000円程度
ソケットリフト法 30,000~100,000円程度
サイナスリフト法 150,000~300,000円程度
ソケットプリザベーション 50,000~100,000円程度
遊離自家骨移植術(ボーン・クラフト) 50,000~300,000円程度

 

骨造成・インプラント治療が保険適用される場合

インプラント治療は基本的に保険適用されませんが、厚生労働省が定めた条件を満たせば保険適用されるケースがあります。

保険適用されるケースは、以下のとおりです。

先天的な理由

先天的な理由で保険適用されるケースは、以下のとおりです。

  • 生まれつき顎の骨が3分の1以上連続して欠損している場合
  • 生まれつき顎の骨が形成不全であると診断された場合
  • 生まれつき永久歯が生えてこない先天性欠如歯が6本以上ある場合
  • 生まれつき永久歯が生えてこない先天性欠如歯が連続して4本以上ある場合

後天的な理由

後天的な理由で保険適用されるケースは、以下のとおりです。

  • 腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気が理由で顎の骨が3分の1以上連続して欠損した場合
  • 第三者行為による事故の外傷などで顎の骨を3分の1以上連続して欠損した場合
  • 上記の状態から骨の移植によって顎の骨が再建された場合

以限られたケースにのみ保険適用され、該当するケースがかなり少ないのが現状です。

また、もし条件にあてはまっていても、治療を受ける医療機関においても、以下の条件があります。

保険適用でインプラントができる医療機関の条件

保険適用でインプラントができる医療機関の条件は、以下のとおりです。

  • 入院用ベッドが20床以上ある病院の歯科、もしくは口腔外科である
  • 当直体制が整備されている
  • 歯科または口腔外科で5年以上の治療経験がある、または3年以上インプラント治療経験のある常勤医師が2名以上配置されている
  • 医薬品や医療機器の管理体制が整備されている

以上のように、インプラント治療が保険適用されるには厳しい条件があります。

骨造成手術後の注意点

注意をうながす女性

最後に、骨造成の手術後はどのようなことに注意して過ごせばいいのか解説します。

痛みや腫れ

骨造成手術後は、痛みや腫れがでることがあります。

痛みがある場合は我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。抗生物質も処方されるので飲み忘れのないように正しく服用しましょう。飲み忘れると、細菌感染の原因となります。

腫れは、2~3日後がピークです。1週間~10日程で痛みや腫れが治まることがほとんどですが、それ以上続く場合はすみやかに施術した歯科医院へご相談ください。

食事

約1週間は柔らかいものを中心とした食事をとってください(おかゆ・スープ・ゼリー・うどん等)。また、熱いものや辛い刺激物はさけましょう。

咀嚼する際は、施術した部位で噛まないように気をつけましょう。

飲酒・喫煙

施術後1週間は、飲酒・喫煙ともに厳禁です。

アルコールを摂取すると血行がよくなるため、出血や痛みの原因になります。

喫煙は、タールやニコチンなどの有害物質により歯肉の血行が悪くなり、傷の治りも悪くなります。歯周病のリスクも高まるため、インプラント治療を考えている方は禁煙するのがよいでしょう。

運動・入浴

運動・入浴ともに血行がよくなるため、出血や痛みの原因となります。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動もさけてください。

1週間程度は安静に過ごし、お風呂はシャワーで軽く済ませましょう。

歯磨き・うがい

抜糸までの間は、患部をブラッシングするのはひかえましょう。

歯ブラシがあたって傷口が開く場合や、痛む場合があります。また、うがいを強く行うと傷口が開く原因になるため、回数を減らし、優しく行いましょう。

ただし、歯磨きもうがいも一切行わないのは口腔内が不潔な状態になるため、傷口が開かないように注意しながら口腔内を清潔に保つ必要があります。

骨造成手術後は、過ごし方次第で傷の治り具合が変わってきます。無理をせず、できる限り安静に過ごして下さい。

まとめ

ポイントを指さす女性

骨が少なくインプラント治療を断られたことがある方でも、骨造成によって治療可能となる場合があります。まずは、骨造成をしている歯科医院を選び、相談してみましょう。

インプラント治療では、骨造成を行うことでしっかり噛める歯を目指すことができます。骨造成にはいろいろな種類がありますが、歯や骨の状態は人それぞれ違うので、ご自身にあう骨造成の種類を歯科医院で説明してもらい、納得したうえでインプラント治療を進めましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療期間はどれくらい?治療の流れも解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

黄色の背景の前に置かれたインプラントの模型とヘルメット

インプラント治療を受けてみたいけど「インプラントは治療期間が長い」という情報もあるため、一歩踏み出せない方もいるかもしれません。確かに治療期間がかかりますが、症例やインプラントの治療法によって、治療期間は変わってくるのです。

今回は、インプラントの治療期間はどれくらいかかるのか、治療の流れと一緒に解説します。インプラントの治療期間に不安を抱いている方はぜひ参考にしてください。

インプラント治療にかかる期間

カレンダーが複数個置かれている

インプラントは、一般的な歯科治療に比べて期間がかかってしまう治療です。最短で3か月、平均で6か月、難症例では1年近くかかることもあります。症例によって治療期間が大きく異なるため、一概にどれほどの期間がかかるかは言い切れません。

インプラント治療はトータルすると治療期間が長い傾向にありますが、手術などの大がかりな治療を長期間しているわけではありません。「そんなに長い間、大掛かりな治療に耐えられない」との意見も中にはありますが、手術自体は1〜2回だけです。インプラントの治療期間が長いのは、歯茎の中に埋めたインプラント体と骨がしっかりとくっつくのを待つ待機時間があるからです。その間にほかの治療を進めることも可能なため、それほど苦痛を感じる治療ではないでしょう。

これまで、インプラントの治療期間が不安で、インプラント治療に踏み出せなかった方も治療の流れや治療内容を理解することで、インプラント治療に前向きになれるかもしれません。

インプラント治療の流れ

階段のように積み重ねられた積み木

インプラント治療は、3か月〜1年近くかかることがあると説明しましたが、症例だけでなく治療部位によって異なります。下の歯よりも上の歯のほうが治療期間が長くなる傾向です。

治療の流れがよくわからないという方のために以下の表で分かりやすく説明しています。

〈インプラントの各治療にかかる期間〉

治療の流れ

 

治療内容 治療期間・治療回数
①精密検査・

治療説明

インプラント手術をするにあたって

骨の状態や噛み合わせの状態などを詳しく検査します

1〜2回
②手術前準備

 

手術前にはお口の中をきれいにクリーニングします

歯周病や虫歯など、インプラント治療前に優先して

治療すべき箇所がある場合は、そちらの治療を行います

お口の状態によって異なる
※歯周病治療で治療期間がかかる場合もある
③インプラント

手術

顎の骨の中にインプラント体を埋めます

手術は1回法か2回法かによって回数が異なります

1回または2回
④消毒

 

インプラント手術を受けた翌日に

状態確認と消毒を行います

1回
⑤抜糸

 

手術時に縫合した部分の抜糸を行います 1回
⑥待機期間 歯茎に埋めたインプラント体と骨がしっかりと

くっつくまで経過を待つ必要があります

その間、仮歯を装着して噛み合わせなどの

問題がないか確認します

約3か月〜(インプラントを埋める場所や状態によって異なる)
⑦上部構造の

型取り

インプラント体の上に装着する

被せ物の型取りをします

1回
⑧上部構造の

装着

 

出来上がった被せ物を装着して治療完了です 1回
⑨定期的な

メンテナンス

最終的な被せ物を装着すれば治療は完了ですが

インプラント治療にはメンテナンスが必須です

インプラントをより長持ちさせるためにも

定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう

歯科医院や患者さんの状態によって異なる

抜歯と同時にインプラントを埋める方法

基本的な治療の流れは上記のとおりですが、インプラントは抜歯後の歯茎が落ち着いてからインプラントを埋める方法と、抜歯と同時にインプラントを埋める方法があります。

抜歯と同時にインプラントを埋める「抜歯即時インプラント治療」は、より治療期間を短縮できます。さらに、手術当日に仮歯まで装着できることもあるので、歯がない期間がない点も嬉しいポイントです。

ただし、骨の質や骨量によっては抜歯即時インプラントができない場合もあります。「より治療期間を短くしたい」という方は、抜歯即時インプラントが可能か、担当歯科医師に相談してみましょう。

骨量が少ないと追加処置が必要になる

骨が少なくて骨造成などの追加処置が必要になる方もいます。

骨造成や歯茎の移植などが必要になった場合は、治療回数も待機期間も増えてしまうでしょう。追加処置が必要かどうかは最初の検査・診断を行った際に、歯科医師から説明があるはずです。診断後、おおよその治療期間についての説明もあるので、治療前に必ず確認しておきましょう。

インプラント治療中に歯がない期間がある?

インプラント治療を受けても、待機期間の間、ずっと歯がない状態になるのは患者さんにとってとても不安なことです。見た目の問題はもちろん、ずっと噛めない状態はつらいと感じる方もいるでしょう。

しかし、インプラント体を埋めてから最終的な被せ物を装着するまでの間、ずっと歯がない状態ということではありません。その間は仮歯を装着して審美面でも問題ないよう治療できます。前歯などの治療であれば、手術当日に仮歯を装着することが一般的です。

待機期間に仮歯を装着する目的は、以下の4つです。

・隣の歯が移動と歯並びの乱れの予防
・細菌感染の予防
・噛み合わせの調整
・審美面の対策

仮歯はプラスチックの素材で作られているため、噛み合わせの高さ調整が可能です。インプラント手術直後はインプラント部分で噛まないよう指導されますが、落ち着いてきたらインプラント部分で噛めるように調整していきます。

仮歯の期間中に気をつけたいこと

仮歯を入れていると、見た目の問題がなく、ある程度噛めるようになります。

しかし、気をつけておくべき点もあるので注意しましょう。仮歯はプラスチックの素材のため割れやすいです。硬い物を食べたり、強く噛んだりすると割れてしまう可能性があります。

また、当然ながら仮歯は完成形ではありません。最終的な被せ物と取り替えられるよう、あとから外せる接着剤を使用して仮歯を装着しています。そのため、ガムやキャラメルなどのくっつきやすい食べ物を噛んでいると、仮歯が外れてしまうことがあります。インプラントの状態によっては、仮歯を入れていても噛み合わないようにしていることもあります。

歯科医師からインプラント部分で噛んでもいいという指示が出るまで、インプラント部分で噛まないよう気をつけましょう。

インプラント治療後は定期的なメンテナンスを

歯科医院で治療を受ける女性

インプラント治療は、最終的な被せ物が入ったら終了ではありません。インプラントをより長持ちさせるために、定期的なメンテナンスを受ける必要があります。

なぜメンテナンスが必要になるかというと、お口の清掃が不十分だったり、噛み合わせが安定していない場合、インプラントを長持ちさせるのが難しくなるからです。インプラントは虫歯になりませんが、インプラント周囲炎という歯周病にはなります。これに気付かずに放置すると、最悪の場合、インプラントを抜かなければいけません。

高額な治療費を払って受けた治療が台なしになってしまうのは、とても残念なことです。そうならないために、定期的にメンテナンスを受診し、プロフェッショナルなクリーニングケア受け、全体的なチェックをしてもらうことをおすすめします。

「治療後に定期的なメンテナンスを受けていない場合は保証できません」という歯科医院も少なくありません。治療後に放置されると、早めに対処すれば改善できる処置もできなくなるからです。インプラント治療にとって、メンテナンスは非常に重要ということがわかるでしょう。

まとめ

インプラントの模型を使って説明している歯科医

インプラント治療は、一般的に3〜6か月ほどの治療期間がかかります。通常の歯科治療と比較して、インプラントは治療期間がかかる治療ですが、手術自体は1〜2回で終わります。インプラント埋入後は仮歯や仮の入れ歯を装着可能なので、見た目の心配は不要です。「長い」といわれる治療期間に不安を感じ、インプラント治療に一歩踏み出せない方は、治療の流れを確認してみてください。治療期間は長いですが、ずっと大変な治療がつづくわけではないので「思ったよりしんどくなかった」という意見も多いです。

インプラント治療を受ける際は、症例によって治療期間も異なりますので「どれくらいの期間がかかるのか」を事前に担当歯科医師に確認しておきましょう。また、インプラント治療は定期的なメンテナンスが必要です。指導された間隔で定期検診を受診し、インプラントを長持ちさせましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

入れ歯からインプラントにできる?メリットや治療法についてわかりやすく解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

白い背景の前にインプラントの歯の模型が置かれている

入れ歯を作ったけど「よく噛めなかった」「痛かった」「慣れそうにない」という不満があり「インプラントの治療に変えてみたい」と考える方は実は少なくありません。入れ歯を使っていた方がインプラントの治療に変えることはできるのでしょうか?

この記事は、入れ歯からインプラントに変えた時のメリットやデメリット、治療法や注意点を細かく解説します。

入れ歯からインプラントにできるの?

「?」が描かれた積み木が3つ並んでいる

入れ歯治療を受けたのちに、インプラント治療に変えることは可能です。歯がない部分を補うには、入れ歯・インプラント・ブリッジの3つの治療法があります。

「隣接歯を削らないといけないブリッジは嫌だ」と、入れ歯またはインプラントで悩まれる方が多い傾向にあります。そのうえで、インプラントは手術を要し、大掛かりな治療になるというイメージから、入れ歯を選ぶ方も少なくありません。

最初に入れ歯治療にしていると、のちにインプラントにもブリッジにも移行できるメリットがあります。治療法に迷っているときに「悩まれているのなら、まずは入れ歯を作ってみるのがおすすめです」と歯科医師から入れ歯作製をすすめられた方もいるのではないでしょうか。実際に入れ歯を作ってみて、入れ歯の使用感に満足できればそのまま入れ歯を使用すればいいですし「入れ歯が合わず違う治療法に変えたい」という場合にも対応可能なのです。

「入れ歯からインプラント治療に変えたい」と悩まれる方の参考になるよう、入れ歯治療、インプラント治療、ブリッジ治療のそれぞれの特徴をご説明します。

入れ歯とは?

入れ歯とは、歯を失った部分を、取り外しができる人工歯で補う治療法です。

入れ歯は大きく2つに分けられます。一部の歯がない場合に対応可能な「部分入れ歯」と、全部の歯を失った場合に対応可能な「総入れ歯」です。入れ歯は保険診療のもの、保険適応外の自由診療のものがあり、それぞれ素材や特徴も違います。

現在、入れ歯を使用されていて「インプラントにすればよかった…」と悩んでいる方も、持病や体調の問題でインプラント治療を受けられないケースがあります。その場合、インプラントではなくても、入れ歯の種類を変えるだけでお悩みが解消することもあることもあるのです。例えば「保険診療で作った部分入れ歯を使っているけど、金属のバネが目立つのが嫌。キレイな見た目にしたい」のような悩みなら、金属のバネを使用していなくて、入れ歯と分かりにくい見た目の「ノンクラスプデンチャー」に変えるとお悩みを解決できるかもしれません。

入れ歯の治療にはさまざまな選択肢があるため、インプラント治療でなくても、ほかの方法で治療できると認識しておきましょう。なお、入れ歯を作製したあとでも、インプラントとブリッジのどちらの治療にも変更が可能です。

〈代表的な入れ歯の種類〉

入れ歯の種類 特徴 保険診療/自由診療 メリット デメリット
一般的な入れ歯 プラスチックの素材で作られた入れ歯。 保険診療 ・比較的治療費が安価なので気軽に入れ歯治療を試せる。

・入れ歯が初めての方であれば、慣れるためにも最初は一般的な入れ歯を選択する場合が多い。

・素材がプラスチックで強度が強くないため、作製するときにある程度の厚みが必要。

・厚みがあるので「気持ち悪い」という意見も多い。

・部分入れ歯の場合だと金属のバネが目立ってしまう。

ノンクラスプデンチャー 弾力性の高い素材でできているので、金属のバネを使用せずに入れ歯を固定できる。 自由診療 ・金属のバネがないので見た目が美しい。

・金属アレルギーの心配もない。

・修理が難しいものもある。
金属床義歯 入れ歯の土台部分が金属で作られた入れ歯。

見えるところは金属ではないため、見た目は一般的な入れ歯と変わらない。

自由診療 ・金属でできているため強度があり、丈夫で割れにくい。

・強度があるため入れ歯自体を薄くでき、違和感が少ない。

・温度が伝わりやすいので熱いもの・冷たいものを感じながら美味しく食事ができる。

・治療費が高額である。

・修理が難しいものもある。

インプラントとは?

インプラントとは、歯を失った箇所の顎の骨に「インプラント体」というネジを埋め込み、その上に被せ物を装着させる治療です。

手術を行うことに不安な気持ちになってしまう方も多いですが、ほかの歯に負担をかけないところが大きな特徴です。また、インプラント治療後の見た目や機能が、自分の歯と変わらないという点もポイントです。骨の足りない箇所には「骨造成」という骨を増やすための追加処置が必要になる場合もあります。骨造成をすると、費用が高くなり、治療期間も延びます。

複数本の歯を失っている場合は、歯茎に埋めたインプラントを土台にしてブリッジや入れ歯を装着することもできます。インプラントの治療とブリッジや入れ歯を組み合わせることで、埋めるインプラントの本数を少なくでき、より安定したしっかり噛める入れ歯を作製できるのです。

ブリッジとは?

ブリッジは、歯がない箇所の隣の歯を削って、つながっている被せ物で欠損部分を補う治療です。

比較的短期間で治療ができ、入れ歯のように違和感を感じないというメリットがあります。大きなデメリットは、隣接歯を削らなければいけない点です。一度削ってしまった歯を元に戻すことはできません。すなわち、元の状態のままインプラントや入れ歯に移行できないのです。また、土台となる歯に負担がかかりやすいのも大きなデメリットです。土台となる歯は、将来的にダメになってしまう可能性が高くなっています。

治療費は保険診療だと比較的安価です。セラミック等の素材を選択した自由診療であれば、インプラントの治療費とそれほど変わらないこともあります。ブリッジの治療を受ける前に、ほかの治療法の特徴を把握しておきましょう。

入れ歯からインプラントに変えるメリット

白いパズルのピースをはめている

入れ歯からインプラントに変えるメリットは、以下の7つです。

  • 見た目が自然になり、きれい
  • よく噛める
  • 違和感を感じない
  • 耐久性があり、10年以上使用できている方も多い
  • 他の歯に大きな負担をかけない
  • しゃべりやすい
  • 入れ歯の手入れをしなくていい

 

入れ歯治療からインプラントに変える最大のメリットは、インプラント治療を受けた歯を自分の歯と同じように扱える点でしょう。特に、入れ歯を使用している時に「違和感に耐えられない」「入れ歯が合わなくて全然噛めなかった」「喋りにくかった」という方は、インプラントに変えると満足できるのではないでしょうか。

入れ歯からインプラントに変えるデメリット

木のテーブルの上にDEMERITも文字が並べられている

入れ歯からインプラントに変えるデメリットは、以下の4つです。

  • 治療費が高額になる
  • 手術が必要
  • 持病や体調によって、インプラント治療ができないケースもある
  • 治療期間が長くなる

 

インプラントは埋入する本数によって金額が大きく異なってきます。だからこそ、あらかじめ予算を考えておく必要があるでしょう。歯のない部分が広範囲な場合は、インプラントとブリッジを併用した治療やインプラントと入れ歯を併用した治療にすると、インプラントの本数を減らせます。

インプラントは、基本的にほかの歯に大きな負担をかけない治療法ですが、噛み合わせについてもしっかり考慮して治療を進めないと、噛み合う歯にダメージを与えることもあります。歯科医師の技術・知識の両方が必要となる治療なので、インプラント治療の実績があり信頼できる歯科医院を選びましょう。

入れ歯からインプラントに変えるための治療法

歯の治療器具が並べられている

入れ歯からインプラントに変える治療法はさまざまで、術式は歯科医師により異なります。1〜2本など少数の歯がない状態であれば、その本数分のインプラントを埋めることがほとんどです。複数本の歯がない場合であれば、同じ本数分インプラントを入れると、治療にかかる費用がとても高くなってしまいます。そういった症例では、インプラント体を土台とするブリッジにできます。

ただ、インプラントとブリッジを併せた治療は、1本のインプラントがダメになってしまったときに、連なった被せ物を外す再治療が必要になるというデメリットもあります。インプラント体を土台にしたブリッジが広範囲に及ぶ場合は、ブリッジを分割しておくと再治療が必要な場合でも患者さんの負担を減らせます。複数本のインプラントの治療を行う場合は「再治療が必要な場合にどんな治療を行うのか?」を歯科医師に相談しておきましょう。

総入れ歯の状態からインプラントに変えるなら最新治療の「オールオン4」がおすすめ

総入れ歯の状態からインプラントに変えたい場合、これまで多数のインプラントを埋入する必要がありました。この場合、治療費が高くなり治療期間も延びてしまい、患者さんへの負担が大きくなるので懸念されていました。

しかし、最新治療法である「オールオン4」を行えば、インプラントを埋める本数を最小4本だけで、12本分の被せ物を装着することが可能です。オールオン4の特徴は、骨が十分にある部分にインプラント体を斜めに埋入することです。インプラントの本数を減らせ、骨造成などの処置も回避できます。そのほかにも、最短で手術当日に仮歯を装着することも可能なため、総入れ歯だった方も手術当日から見た目を気にせず過ごせます。

効率が良く、患者さんの負担も減らせる治療法ですが、このオールオン4を導入している歯科医院はまだ少ないのが現実です。通常のインプラントよりも知識・技術を要するので、対応できる歯科医院は限られています。オールオン4が主流となるにはまだまだ時間がかかるでしょう。

入れ歯からインプラントに変える際の注意点

ピンクの壁から人差し指を立てた手が出ている

入れ歯治療からインプラントに変えることで多くのメリットを得られますが、注意点もあります。

合わない入れ歯の使用を続けることで、歯茎に圧力がかかってしまい、骨が痩せるケースがあります。骨が痩せている状態では骨量が足りず、インプラント治療の難易度が上がってしまいます。「骨造成」といわれる骨を増やす追加処置が必要になり、治療にかかる費用が高くなったり、治療期間が延びる場合もあります。また、部分入れ歯の使用経験によっては、バネがかかる歯に負担がかかっている可能性も高いです。負担がかかり歯がグラグラしているのであれば、グラついている歯の治療も検討しなければいけません。

入れ歯からインプラントにするのは簡単に行えるわけではありません。骨や周囲の歯の状態、噛み合わせなどを十分に調べる必要があります。インプラント治療を受けた場合は、必ず定期的にメンテナンスを受けるよう心がけましょう。

インプラント周囲炎になっている状態を放っておくと、最悪の場合、せっかく埋めたインプラントを抜く可能性もあります。インプラントをより長持ちさせるためにも、ご自身のセルフケアと歯科医院での専門的なクリーニング、チェックは必要不可欠なのです。

まとめ

歯科医がレントゲン写真を見ながら説明をしている

ここまで解説してきたように、入れ歯からインプラントに変えることは可能です。入れ歯からインプラントにすることによって、見た目は自分の歯のように自然で美しく、よく噛めるようになるのはもちろん、取り外しして管理する手間がかからないなど、多くのメリットがあります。一方で、手術が必要になったり治療費が高額になったりするデメリットも存在します。また、入れ歯からインプラントに変える場合は、骨が痩せてしまっている可能性もあるので注意が必要です。骨が少ない状態だと、骨造成という追加処置が必要になり、あまりに骨がない場合はインプラント治療自体が難しくなります。

「入れ歯からインプラントに変えたい」という気持ちがあるのであれば、早めに歯科医師に相談し、現在の骨の状態などを確認してもらいましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!