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喫煙していてもインプラント治療は受けられる?リスクを詳しく解説!インプラント 喫煙

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

タバコを取り出す

喫煙していてもインプラント治療を受けられる場合はありますが、多くのリスクを伴います。治療が失敗に終わる、治癒過程で問題が発生して追加費用が発生する、治療期間が延長するなどのトラブルにつながることもあるでしょう。

そのため、インプラント治療中は喫煙を控えるよう指示されることが多いです。

今回は、インプラント治療における喫煙のリスクについて詳しく解説します。

喫煙していてもインプラント治療は受けられる?

疑問がある男性

喫煙している方がインプラント治療を受ける場合、禁煙を勧められることが多いです。喫煙者のインプラント治療を断っている歯科医院もあるでしょう。

インプラント治療を成功させ、長期的な使用を可能にするためには、患者さまの生活習慣が密接に関連します。特に、喫煙は多くのリスクをもたらすといわれているのです。

インプラント治療後の回復過程では、歯肉の修復や細胞の増殖が不可欠です。

しかし、タバコの有害物質は歯肉の修復や細胞の増殖を妨げ、治癒を遅らせます。唾液は口内の清潔を保つだけでなく有害物質の中和にも貢献しますが、喫煙すると唾液の分泌量が減少します。

口内の細菌が増加するなど、インプラント周囲炎の原因となることも多いです。基本的に、インプラント治療中は禁煙する必要があることを理解しましょう。

インプラント治療中に喫煙するとどのようなリスクがある?

ビックリマークを指差す

喫煙は、血流阻害や白血球の機能低下を招きます。そのため、侵襲の大きいインプラント治療において、喫煙は大きなリスク要因となるのです。

喫煙はインプラント治療において多くのリスクをもたらします。治療の成功を望むならば、喫煙習慣の見直しを検討したほうがよいでしょう。

インプラント治療中に喫煙することによるリスクは、以下のとおりです。

骨との結合が弱くなる

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる効果があります。血流が悪化し、インプラントを支える歯肉への酸素・栄養の供給が不十分となるでしょう。

治癒が遅れる可能性や、インプラントと骨との結合が弱くなる可能性が高まるのです。一酸化炭素もニコチンと同様に血流を悪化させ、酸素を運ぶヘモグロビンの機能を阻害します。

炎症が起きやすくなる

白血球は体を守るための主要な細胞の一つですが、ニコチンの影響で機能が低下することがわかっています。そのため、喫煙している方は、歯肉に細菌が侵入した際、炎症が進行しやすくなるのです。

喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周辺での炎症やトラブルが多いというデータも存在します。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントを固定している周りの組織が炎症を起こし、進行すると骨が溶ける病気です。

初期段階では目立った症状が少なく、気づかないまま悪化することが少なくありません。症状が重度になると、インプラントが安定せず抜け落ちる可能性があるのです。

喫煙者は、ニコチンの影響で免疫力が低下する傾向にあります。免疫力が低下している状態でインプラント治療を受けると、細菌による感染リスクが高まります。インプラント周囲炎のリスクも増加するでしょう。

インプラントを長期的に使用するためには、日常の口腔ケアが非常に重要です。歯ブラシやデンタルフロスを用いたクリーニングはもちろん、歯科医院での定期検診も不可欠です。定期的な検診により、初期の段階での炎症を早期に発見し、適切な対応が可能となります。

喫煙者の方は、非喫煙者に比べてインプラント周囲炎のリスクが高いことをしっかりと理解しましょう。また、症状も悪化しやすいです。

治療を成功させ、インプラントを長く維持するためには、喫煙習慣を見直しましょう。定期的な歯科健診も怠らないことが大切です。

治療期間が長引く

喫煙者がインプラント治療を受ける場合、非喫煙者は治療の流れや必要な期間が変わることが多いです。インプラント手術の基本的な方法としては、1回法と2回法が挙げられます。

1回法は、手術が1回で完了する方法です。全身状態や骨・粘膜の状態が良好な方に向いています。喫煙者の場合、1回法を選択できることは非常に稀です。喫煙によって傷の治癒が遅れ、細菌感染のリスクが高まるからです。

1回法では、インプラント体と人工歯根をつなげるアバットメントが歯茎の上に露出します。傷口の閉鎖が困難なので、細菌が侵入しやすいです。健康な方の場合は問題ないですが、喫煙者の場合はインプラント治療が失敗するリスクが高まります。

そのため、喫煙者には2回法が推奨されることが多いです。2回法では、初回の手術でインプラントを埋入し、歯茎をしっかりと縫合します。骨とインプラントがしっかりと結合したことを確認してから、2回目の手術でインプラントの一部を露出させてアバットメントを取り付けるのです。

2回法は、非喫煙者であれば通常4〜6か月の期間が必要となります。

しかし、喫煙者の場合、傷口の治癒が遅くなります。治療が完了するまでの期間が長くなることが多いです。具体的には、1年近くかかるケースも少なくありません。

インプラント治療後も喫煙は控えるべき?

タバコを折る女性

インプラント治療後も、喫煙は控えるべきです。治療を無事に終えて安心する方も多いでしょう。「ずっと我慢してきた喫煙を再開できる」と考える患者さまも多いです。

しかし、治療が終わったからと喫煙によるリスクがなくなるわけではありません。インプラント治療後も喫煙を控えることが、インプラントを長く維持するためには重要です。

喫煙による体への影響は多岐にわたりますが特に口内に限れば、喫煙によって口腔内が乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液は口内を潤すだけでなく、細菌の繁殖を抑える役割も持っています。唾液の量が少なくなることで、細菌感染のリスクが高まるのです。

ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、血流が悪化し、酸素や栄養素が組織に届きにくくなることが知られています。インプラント周辺の組織が酸素不足の状態となり、免疫力が低下するでしょう。

細菌感染のリスクが高まり、免疫力が低下すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りに炎症が起きる症状です。進行すると、最終的にはインプラントが脱落することもあります。

治療後にインプラントが安定した場合でも、インプラントを長く使い続けるためには、喫煙を避けたほうがよいのです。

インプラント治療を検討する際は、治療後の禁煙の重要性も十分に理解することが求められます。継続的な喫煙は、高額な費用と長い時間をかけて行ったインプラント治療を無駄にする恐れがあるのです。

インプラントの健康を長く維持したいのであれば、喫煙を控えてください。治療の前後に関わらず、ご自身の健康を守るための選択として禁煙を真剣に考えましょう。

まとめ

タバコ
喫煙者でも、インプラント治療を受けることは可能な場合があります。

しかし、喫煙は血流を悪化させるため、治療中や手術後の傷の治癒が遅れるリスクがあります。また、インプラントが骨に結合する過程でも喫煙の影響を受けやすく、成功率が低下するでしょう。

治療中の喫煙は、インプラントの失敗リスクを高めるとともに、感染症のリスクも増加させる可能性があります。タバコに含まれる成分は口腔内の環境を悪化させ、細菌の繁殖を促進するといわれています。インプラント周囲炎が進行して骨が吸収され、最悪の場合、インプラントが抜け落ちる可能性もあるのです。

治療後も喫煙を続けると、インプラントの寿命が短くなるリスクもあるため注意が必要です。治療中だけでなく、長期的に考えても、喫煙はインプラントの健康を損なう大きな要因となり得ます。インプラント治療を受けるのであれば、控えることが強く推奨されています。

喫煙は、インプラント治療の成功率や長期的な健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。治療を検討する方は、喫煙習慣を見直しましょう。

インプラント治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に頭痛がする原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

ソファに座って頭を抑える女性
「インプラント治療後に頭痛がする」「インプラント治療後に頭痛がする場合はどうしたらいい?」など、インプラント治療後の頭痛に悩まされる方もいるでしょう。インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で、頭痛がすることがあります。

今回は、インプラント治療後の頭痛の原因や対処法などを解説します。ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後に頭痛がする原因

顎に手を当てて考える男女

インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で頭痛が起きる場合があります。インプラント治療後に頭痛がする原因は、以下のとおりです。

噛み合わせに問題がある

インプラント治療では骨格などを考慮して噛み合わせを調整しますが、インプラント治療後に噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと顎の周りの筋肉が緊張し、頭痛を引き起こすでしょう。

顎の関節にも負担がかかるため、顎の痛みや開口障害などの症状が現れる顎関節症を発症する可能性もあります。噛み合わせが悪くなる原因は、以下のとおりです。

インプラントのぐらつき

インプラント体(人工歯根)と上部構造(人工歯)をつなぐアバットメントのネジが緩むと、人工歯がぐらつきます。インプラントにぐらつきがあると、歯並びや噛み合わせが悪くなって頭痛を引き起こすのです。

アバットメントのネジが緩む原因は、強い力がかかったことによる金属疲労や、上部構造(人工歯)に不具合があること、歯がすり減ったことなどが挙げられます。顎関節がずれたことや、インプラント周囲炎の影響で骨吸収が進んだことも、アバットメントのネジが緩む原因になるでしょう。

人工歯のすり減り

インプラントを長期間使用すると、人工歯がすり減ることがあります。人工歯がすり減ると、噛み合わせが悪くなるでしょう。特に食いしばりや歯ぎしりの癖がある方はインプラントに強い力がかかるため、人工歯がすり減りやすいです。

上顎洞炎になっている

インプラント治療では、上顎洞という部位に炎症が起きることがあります。上顎洞とは、鼻の周りにある副鼻腔という空洞のうち、頬の内側にある空洞です。

上顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込む際に、上顎洞内にインプラント体が迷入したことや、インプラント体が上顎洞を穿通したことなどが原因となります。

上顎洞では頭痛のほかに、鼻づまりや発熱などの症状が現れるのが一般的です。鼻から膿が出る、鼻の奥に違和感を覚える、目がだるい・重いなどの症状を訴える方もいます。

インプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が細菌感染による炎症を起こしている状態です。重度のインプラント周囲炎では、顎の骨が溶けてインプラント体が不安定になり、噛み合わせに悪影響を及ぼします。

インプラント周囲炎は、口内のケア不足、歯科医院でのメンテナンス不足などが原因になることが多いです。進行すると歯がグラグラと動揺し、最悪の場合抜け落ちるため早期治療が大切です。

初期の段階では自覚症状がありませんが、進行すると歯茎の赤み、腫れの症状が現れ、歯茎から出血する場合もあります。歯茎から膿が出る、歯茎が痩せる、噛み合わせが合わなくなるなどの症状が現れる方も多いです。

インプラントを入れたところが痛む、インプラントが動揺しているなどの症状がある場合は、インプラント周囲炎が進行している可能性があるので、歯科医院を受診してください。

インプラント治療後に頭痛がする場合の対処法

歯科医院で治療をする男性歯科医師

インプラント治療後に頭痛がする場合は、原因に合わせて対処する必要があります。頭痛がする場合の対処法は、以下のとおりです。

噛み合わせを調整する

インプラント体(人工歯根)と上部構造(人工歯)をつなぐアバットメントのネジに緩みがある場合は、上部構造を外してネジを締め直し、噛み合わせを改善します。ネジの緩みは、レントゲンで容易に診断可能です。

人工歯のすり減りが噛み合わせに影響している場合インプラント体の調整は必要ありませんが、上部構造のみ交換します。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯や顎への負担を軽減するためにマウスピースの装着が必要になる場合もあるでしょう。

上顎洞炎を治療する

上顎洞炎を放置すると炎症が広がり、中耳炎や気管支炎などの合併症を引き起こす可能性があります。上顎洞炎が疑われる場合は、すぐに歯科医院を受診し早期治療を行うことが大切です。

インプラント治療後に上顎洞炎になった場合は、以下の治療を行います。

薬物療法

抗菌薬・鎮痛薬を服用して炎症や痛みを抑える治療です。上顎洞炎が慢性化すると、長期にわたる服用が必要になるでしょう。

歯科治療

薬物療法と併せて、感染源を除去する治療を行います。上顎洞内にインプラント体が入り込んでいる場合は、インプラント体の摘出が必要です。

上顎洞洗浄療法

内服治療で炎症が改善しない場合は、耳鼻科で上顎洞洗浄療法という治療を行います。上顎洞内に針を刺し、生理食塩水と抗生剤で上顎洞を洗浄する治療法です。

外科的治療

内服治療や上顎洞洗浄で炎症が改善しない場合、外科手術を行います。行われる外科手術の方法は、以下のとおりです。

  • 上顎洞根治手術

歯肉を切開して骨に穴をあけ、炎症が起きている上顎洞の粘膜を除去する「Caldwell-Luc法(コールドウェル-ラック法)」と、骨を広範囲に削る「Denker法(デンカー法)」があります。

  • 内視鏡下鼻内手術

副鼻腔の開口部を広げて炎症による閉塞を解除し、換気・排泄を促して炎症を改善する治療です。内視鏡鼻内手術では、上顎洞に迷入したインプラント体を摘出することもできます。

インプラント周囲炎を治療する

インプラントの脱落を防ぐためには、インプラント周囲炎の早期治療が大切です。インプラント周囲炎の治療は、非外科的療法と外科的療法の2つに分けられます。

非外科的療法

非外科的治療では、インプラント周囲の炎症を抑えるために行われる治療です。主に行われる内容は、以下のとおりです。

  • 周囲の歯石除去
  • 歯周ポケット内の洗浄と薬剤の注入
  • 抗生物質の投与
  • ブラッシング指導
  • 生活指導

喫煙やストレスの蓄積は、インプラント周囲炎のリスクを高めます。生活習慣を改善するために、指導を行うことがあるでしょう。

インプラント周囲炎の予防・改善には、毎日の口腔ケアが非常に重要です。正しいブラッシング方法を身に付け、口腔ケアの質を高めましょう。定期的に歯科医院を受診して、歯をクリーニングしてもらうことも重要です。

外科的治療

インプラント周囲炎が進行して歯槽骨の吸収が進んでいる場合は、外科的治療を行います。

歯茎を切開してインプラント体の表面を清掃・殺菌するのが一般的です。感染した組織を取り除く場合や、インプラントを除去する場合もあります。

骨の再生が必要なケースでは、自分の骨や人工骨を用いて骨移植を行うでしょう。骨形成を妨げる繊維芽細胞が入り込まないよう、メンブレンという人工膜で覆って歯槽骨の再生を待ちます。

まとめ

インプラントの模型を持って説明する歯科医師

インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で頭痛がすることがあります。

原因の一つであるインプラント周囲炎は予防できるため、毎日の口腔ケアを徹底しましょう。歯科医院で定期的にメンテナンス・クリーニングを受けることも重要です。

頭痛の原因によっては、インプラントの除去や外科手術が必要になる可能性もあります。早期に原因を把握し、治療を行うことが大切です。インプラント治療後に頭痛などの症状がある方は、歯科医院を受診して原因を把握し対処法を相談しましょう。

インプラント治療後の頭痛にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

オールオン4とは?一般的なインプラントとの違いやメリットを解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

オールオン4のイメージ画像

「オールオン4とは?」「オールオン4とインプラントの違いは?」などの疑問をお持ちの方はいませんか。

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどを解説します。ぜひこの記事を参考に、オールオン4についての理解を深めてください。

オールオン4とは?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4とは、顎の骨に最小4本のインプラントを埋め込むことで、12本の連結した人工歯を固定する治療方法です。

従来のインプラントは、1本の歯に対して1本のインプラントを埋め込む必要があります。

オールオン4は、通常のインプラントより少ない本数で多くの歯を固定できます。少ないインプラントで治療を行えるので、身体的な負担や費用を抑えることができるでしょう。

オールオン4のメリット・デメリット

Merit とDemeritと書かれたノート

オールオン4のメリット・デメリットをご紹介します。

オールオン4のメリット

オールオン4のメリットは、以下のとおりです。

  • 治療期間が短い
  • 身体への負担を軽減できる
  • 顎の骨の量が不足していても治療できる
  • 治療費を抑えられる

それぞれ詳しく解説します。

治療期間が短い

オールオン4は、インプラントを埋め込む手術当日に上部構造とよばれる人工歯を固定できます。そのため、通常のインプラントより治療期間が短いことがメリットです。

一般的なインプラントでは、以下のプロセスを踏む必要があります。

  1. 顎の骨に穴をあける
  2. 人工歯根を埋め込む
  3. 人工歯根が骨と結合するまで待つ
  4. 人工歯根と人工歯を結合する

インプラントは人工歯を結合するまでに5か月ほどかかります。オールオン4は、1日で人工歯を取り付けることが可能なのです。

身体への負担を軽減できる

オールオン4は、最小4本のインプラントで上部構造を固定できるので、通常のインプラント治療に比べて身体への負担を軽減できます。

インプラントを埋め込むには顎の骨に穴をあける必要があるので、穴をあける本数が多くなれば身体的負担が増大するでしょう。オールオン4は身体への負担が少ないので、高齢者の方でも治療を行うことが可能です。

顎の骨の量が不足していても治療できる

オールオン4は、顎の骨の量が多い部分を選んでインプラントを埋め込むので、顎の骨量が不足していても治療ができます。

通常のインプラント治療を行う際は、顎の骨量が不足している場合に骨の量を増やす骨造成を行う必要があります。

しかし、オールオン4では骨造成を行わずにインプラントができる可能性が高いです。

治療費を抑えられる

オールオン4はインプラントの本数が少ないので、治療費を抑えられます。

症例によって異なりますが、通常のインプラント治療では何十本もインプラントを埋め込むケースも少なくありません。インプラントの本数が増えれば増えるほど、高額な治療費が必要です。

治療費をできるだけ抑えたいと思っている方には、オールオン4が適しているでしょう。

オールオン4のデメリット

オールオン4のデメリットは、以下のとおりです。

  • メンテナンスが必要である
  • 残っている歯の抜歯が必要な場合がある
  • 治療できる歯科医院が限られている

それぞれ詳しく解説します。

メンテナンスが必要である

オールオン4の治療後は、最低でも1年に1~2回のメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、インプラントが破損する可能性があるためです。

しかし、通常のインプラントでもメンテナンスは欠かせません。インプラント治療を受けた場合は、口腔内の健康のためにメンテナンスを受けましょう。

残っている歯の抜歯が必要な場合がある

オールオン4の治療を受ける際に歯が残っている場合は、すべて抜歯する必要があります。残っている歯の状態によりますが、抜歯後に腫れて強い痛みが出ることもあるでしょう。

治療できる歯科医院が限られている

オールオン4を行うには専門的な技術と経験が必要なので、治療できる歯科医院が限られます。経験豊富な歯科医師が在籍していることはもちろん、専用の設備や機器も必要になるでしょう。

オールオン4の治療ができても、治療実績が少ない歯科医院の場合はトラブルへの対処がうまくできない可能性があります。治療が失敗するリスクが高まるので、歯科医院の選び方が重要です。

オールオン4と一般的なインプラントは何が違う?

2つの?を比較する赤い服の女性

オールオン4と一般的なインプラントの違いは、体にかかる負担の大きさでしょう。

一般的なインプラントは、10本以上のインプラントを埋め込む必要があるケースも珍しくありません。手術時間が長くなるのはもちろん、痛みや腫れなど体への負担も増大します。

オールオン4は、上の歯がすべてないケースでも最小4本のインプラントで治療ができます。1本1本埋め込むよりも、体への負担が少ないでしょう。

また、一般的なインプラント治療では長期間にわたって治療を行う必要がありますが、オールオン4では即日仮歯を入れられます。

オールオン4の治療のステップ

STARTからGOALへの階段

オールオン4の治療ステップは、以下のとおりです。

  • カウンセリング
  • 精密検査
  • 治療方針の決定
  • 手術
  • 最終的な人工歯の取り付け

それぞれ解説します。

カウンセリング

カウンセリングでは、オールオン4の治療方法やメリット・デメリットの説明を行います。患者さまの歯の本数や顎の骨の量、骨密度によっても、オールオン4の治療方法が変わるでしょう。

事前に大まかな費用や治療期間を相談します。精密検査後に費用や治療期間が大きく変わる可能性もあるでしょう。

精密検査

歯や骨の状態を正しく把握するために、精密検査を行います。歯科医院によって異なりますが、以下の検査を実施する場合が多いです。

  • 歯周検査
  • 口腔内写真撮影
  • CT撮影
  • パノラマレントゲン撮影

持病がある方には、精密検査のほかに内科主治医への相談が必要な場合があります。

治療方針の決定

オールオン4治療の最終的な費用や治療期間、具体的な治療の進め方の説明を行います。要望や疑問点などがあれば相談できるので、少しでも気になることがあれば質問しましょう。

手術

インプラントの埋入手術を行い、人工歯とインプラントを結合させるアバットメントを装着します。歯茎を切開した部分の縫合も行います。

外科手術終了後は出血が落ち着くまで休憩し、仮の人工歯を装着したら手術完了です。

最終的な人工歯の取り付け

仮の人工歯を装着して噛み合わせの確認などを行い、6か月程度経過したら最終的な人工歯を取り付けます。

人工歯を装着したら終了と思う方もいますが、インプラント治療後は必ず定期メンテナンスを受けましょう。インプラントにトラブルが起きた際、保証を受けるにはメンテナンスを受けていることが条件の場合が多いです。インプラントを長期的に機能させるためにも、メンテナンスに通ってください。

オールオン4の費用

机の上に置かれたノートとペンと電卓

オールオン4の費用相場は、片顎で2,000,000〜3,000,000円です。治療費の相場に大きな幅があるのは、人工歯の素材によって費用が異なるからです。人工歯の素材は、ハイブリットセラミックやセラミックなどから選択できます。

歯科医院によって治療方針や治療技術などが異なることも、治療費に影響するでしょう。費用が安いオールオン4治療は、十分な診断や検査などのプロセスを省いている可能性があるため、費用の安さだけで歯科医院を選ばないように注意してください。

オールオン4はどのような人におすすめ?

顎に手を当てて考える女性

オールオン4がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 総入れ歯を使用している人
  • 費用を抑えたい人
  • 顎の骨が少ない人
  • 虫歯などで多くの抜歯が必要な人

オールオン4は、総入れ歯よりも顎の骨にしっかりと固定できます。違和感なく装着でき、強く噛むことが可能です。

また、少ないインプラントで治療を行えるため、治療費を抑えたい方にも向いているでしょう。

さらに、顎の骨が少ない人でも治療を受けることができます。虫歯などで残っている歯の本数が少ない人も、オールオン4が適しているといえます。

1〜2本だけインプラントにしたいと考えている人には、オールオン4は向いていないでしょう。

まとめ

歯科医院で鏡を見て笑う男性

今回は、オールオン4の概要やオールオン4のメリット・デメリット、オールオン4の治療のステップなどをご紹介しました。

オールオン4のメリットは、治療期間が短いことや体への負担が少ないこと、治療費を抑えられることなどが挙げられます。デメリットとしては、残っている歯を抜歯する場合があること、治療できる歯科医院が限られていることなどが挙げられるでしょう。

オールオン4は高額ですが、メリットも多い治療です。メリット・デメリットを把握し、自分に適した治療かどうかしっかりと考えて、オールオン4を選択してください。

インプラントやオールオン4でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントを勧めない歯科医師がいるのはなぜ?その理由とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントは審美性が高く、しっかり固定されることによって天然歯のように噛めるなど、メリットが多い治療法です。

しかし、インプラントを勧めない歯科医師もいます。なぜインプラントを勧める歯科医師と勧めない歯科医師がいるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、インプラントのメリットやデメリット、なぜインプラントを勧めない歯科医師がいるのかを解説します。インプラントを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントのメリット・デメリット

インプラント治療のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

インプラントのメリット

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、しっかりと固定されます。不快な感覚や違和感が少なく、天然歯と同じようにしっかりと咀嚼できます。食事を楽しみに思っている方にとっては、大きなメリットでしょう。

インプラントは審美性が高く、ブリッジなどに比べると非常に見映えがよいです。特に、顔の印象を左右する前歯などに使用する方が多いです。

また、インプラントは虫歯にならないため、虫歯で歯を失うことはありません。定期的に歯医者でのメンテナンスを受けて清潔な口内を保つことで、10年以上長持ちさせることも可能といわれています。

インプラントのデメリット

インプラントでは、人工歯根を顎の骨に埋入するための外科手術が必要です。治療にかかる期間は長期に渡り、治療費も高額になるでしょう。

インプラントの手術が無事に終わっても、口内で細菌が繁殖する場合があります。インプラント周囲炎をはじめとする炎症や合併症が起きることがあるのです。

インプラントを埋入するための顎の骨は、前歯に近づくにつれて薄くなります。埋入したい部分や患者さまの骨の状態によって、インプラントの埋入手術とは別で、顎の骨を増やす手術が必要なケースがあります。外科手術を複数回行うことは、患者さまへの身体的負担が大きく感染のリスクも増加するため、デメリットといえるでしょう。

さらに、歯周病などで歯茎や骨の状態が悪化すると、インプラントの土台部分が不安定になり、脱落することもあります。

インプラント手術は、検査や多くの工程を経て手術が完了したあとも、定期的に歯医者でメンテナンスを受ける必要があります。自宅での丁寧なクリーニングも欠かさず行い、常に清潔な口内を維持する必要があるのです。

インプラントを勧めない歯科医師もいる?

インプラント治療にはリスクもあるため、なかには勧めない歯科医師もいます。インプラントを勧めない歯科医師がいる主な理由は、以下の3つです。

インプラント治療に対する十分な知識や技術がない

インプラント治療に対する知識や技術が不十分なケースが挙げられます。

インプラント治療には専門的な知識が必要であり、高度な技術が求められます。十分な知識と手術実績がない医師が行うと、安定性が低くなりすぐに脱落するなど、インプラント治療が失敗する可能性があるのです。

患者さまのリスクが高まるため、歯科医師がインプラント治療を勧めない理由といえるでしょう。

インプラント治療のための設備が整っていない

インプラント治療のための設備が整っていない場合もあります。

インプラントは外科手術を要する治療なので、専門的な設備を必要とします。手術室の衛生管理も徹底しなければなりません。手術を行える設備が整っていない歯医者では、インプラント治療を行うことはできないのです。

起こりうる炎症や合併症を避けたい

インプラント治療は外科手術を行うため、炎症が起きるリスクがあります。

術後の感染や神経損傷などの合併症が起きるリスクもあるため、リスクを避けたいと考える歯科医師もいるでしょう。

歯科医師によって勧める治療法が異なるのはなぜ?

歯科医師によって勧める治療法が異なる場合があります。理由は、以下の3点です。

歯科医師によって考え方が異なる

歯科医師は、自身の信念に基づいて治療方針を決めます。歯科医師それぞれの価値観や思考パターン、専門性の違いが反映されるといえるでしょう。

特に、インプラントは、患者さまの身体的な負担が大きい治療なので、必要性は慎重に検討されます。歯科医師自身の経験や信念、専門知識に基づいて、インプラント治療以外の方法で歯を補うべきだと判断した場合は、ほかの治療法を勧められるでしょう。

歯科医師になるまでの教育内容や経験が異なる

歯科医師がどのような経験や教育を受けてきたのかも、重要なポイントです。

医学は絶えず進化しており、新たな治療法が日々生まれています。古い学説に固執するのではなく、常に新しい知識を吸収し続けることが求められるでしょう。臨床経験やカリキュラムで学んだ病態や治療法は、歯科医師の考え方に大きな影響を与えます。そのため、歯科医師によって治療方針や勧める治療法が異なるのです。

重要視するものが異なる

歯科医師が独立している場合は特に、経営を重視するのか歯科治療を重視するのかによって治療方針が変わります。保険診療を重視している歯医者もあれば、新しい治療をどんどん取り入れた、自由診療が多い歯医者もあるでしょう。

経営者の方針によって大きく異なり、歯医者の特色にもなります。

信頼できる歯医者の選び方

インプラント治療を受ける際に、どのような点に気を付けて歯医者を選ぶとよいのでしょうか。以下の5つのポイントを押さえて歯医者を選べば、自分に合った歯医者を見つけられるでしょう。

丁寧にカウンセリングしてくれる

信頼できる歯医者を選ぶうえで、丁寧にカウンセリングしてくれるかどうかは重要なポイントです。初めて受診した際に、カウンセリングの丁寧さ、口内の状態を詳しく説明してくれるかなどを確認しましょう。

治療方法や治療計画、ほかの選択肢について説明してくれる歯医者や疑問に丁寧に回答してくれる歯医者は、安心して治療を受けられます。特に、治療期間が長いインプラントでは、円滑にコミュニケーションが取れる歯医者がよいでしょう。

同じ歯科医師が診察してくれる

歯科医師が多く在籍している歯医者もありますが、同じ歯科医師が診察してくれると安心できるでしょう。

歯科医師とのコミュニケーションの取りやすさは、治療の質に直結します。同じ歯科医師が診察すれば、患者さまの口腔環境や治療履歴を理解しやすいでしょう。患者さまの特性に合わせた治療を行ってくれます。何度も同じ歯科医師に診てもらうことで信頼関係を築くことができ、安心して治療を受けられるでしょう。

歯科医師やスタッフが丁寧に対応してくれる

歯科医師やスタッフが、患者さまに対して優しく接してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。歯医者が患者さまの不安や痛みに配慮し、安心して治療を受けられる環境を提供していることを確認してください。

歯科治療では麻酔を使用することがありますが、麻酔を使用しても痛みを感じる場合があります。スタッフに優しく接してもらえることで、治療中に過度のストレスや不安を感じることがなくなるでしょう。リラックスした状態で治療を受けられます。

歯医者の雰囲気がよい

インプラント治療は、継続的に歯医者に通院する必要があります。雰囲気のよい歯医者を選ぶことは、非常に重要といえるでしょう。

歯医者の雰囲気は、スタッフのサービス精神やプロ意識の高さ、設備のよさなど、医院の質が反映されます。清潔感があり、最新の設備が整っている歯医者を選びましょう。

衛生管理を徹底している

信頼できる歯医者を選ぶ大切なポイントの一つに、衛生管理を徹底していることが挙げられます。

口腔内は非常に菌が繁殖しやすいです。インプラントで外科手術を受ける場合は、傷口が感染するおそれもあるので、清潔な環境の維持は必須といえるでしょう。歯医者を選ぶ際には、院内が明るく清潔感があり、診療室や器具が常に清掃され、滅菌管理がされているか確認することが大切です。

まとめ

歯科模型を使って説明する歯科医師

多くのメリットがあるインプラントですが、デメリットやリスクもあるため、インプラント治療を勧めない歯科医師もいます。勧めない理由はさまざまですが、患者さまの状況を適切に把握して説明してくれる歯科医師であれば、納得することができるでしょう。

インプラント治療にはリスクもありますが、失った歯を補う治療方法としては非常に優れています。リスクも理解したうえで、しっかりと歯科医師と相談して治療を受けるかどうか決めることが大切です。

患者さま自身が納得のいく治療を受けられる歯科医師を見つけ、最善の方法を選べるように歯医者を選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントを除去しなければいけないケースとは?除去方法と費用も解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

3本のインプラントのイメージ図

歯を失ったところに噛む機能をもたせるためには、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの装着が主な治療方法です。その中でもインプラントは、入れ歯やブリッジと比較して装着感が少なく、見た目の審美性もよく、強く噛むことができるため、機能面で優れた治療です。

ただし、インプラント治療後に、インプラントを除去しなければならないケースがあるため、治療前にこの点も含めてインプラントするかどうか検討する必要があります。

インプラント治療とは

インプラントのイメージ図

インプラント治療とはどのような方法であるか、簡単に説明します。

インプラント治療では、インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、定着したらアバットメント(結合部品)と被せ物(上部構造)を装着します。インプラント体を固定するための顎の骨が足りない場合、骨を作る手術も併用して行われるでしょう。

治療期間は、インプラント体の埋入から上部構造の装着まで、数か月から1年ほどかかります。また、インプラント治療は基本的に保険適用外(自由診療)で行われ、インプラント1本を埋入する費用の相場は、20~40万円です。

インプラントを除去しなければいけない原因とは

顎に手を当て不思議そうにしている女性

高い機能性をもつインプラントですが、場合により、治療後にインプラントを除去しなければいけないケースがあります。主な要因は、インプラント周囲炎、インプラント体の破損、インプラント体の体内への迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどが挙げられます。

以下で詳しく解説します。

インプラント周囲炎

インプラントの除去で多い要因が、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、埋入したインプラント体の周囲組織に発症する炎症性の疾患です。

インプラント周囲炎になる原因

インプラント周囲炎が発症する主な原因は、清掃不良やメンテナンス不足による細菌感染、インプラント体に過度の負担が加わるオーバーロードなどがあげられます。

インプラント治療の際、医師は適切なインプラント体の選定、綿密な治療計画を組む必要があり、治療後のメンテナンスの重要性を患者さまにご理解いただかなければいけません。患者さまは、定期的に歯科医院で診断とメンテナンスを受け、インプラント治療部位を清潔に保つことが重要です。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎が発症すると、インプラント体の周囲組織の炎症に加えて、インプラント体を支える顎の骨が減少する骨吸収も起こります。

骨吸収が進行すると、インプラント体の固定が弱まり、ものを噛んだ際にぐらついてしまうのです。この骨吸収は度合いにより、歯科医院でリカバリーができないことがあり、インプラントの除去となるケースがあります。

なお、骨吸収を伴わない炎症は、インプラント周囲粘膜炎と区別されており、インプラントの固定に影響は少ないとされています。インプラント部分に異常があると感じたら、早めに歯科医師に相談し、早期発見や治療を心がけましょう。

インプラント体の破損

インプラント周囲炎だけでなく、インプラント体が破損した際にもインプラントの除去が行われます。インプラント体はチタン合金などの金属で構成されており、長期間、体内で力がかかっても耐えるよう形状、表面処理などの工夫がされています。

しかし、耐久性に優れたインプラント体であっても、数十年経つと少しずつ劣化し、破損することがあります。インプラント体が破損した状態で放置すると、インプラント周囲炎や咬合不良などのリスクがあるため、インプラントを除去しなければなりません。

インプラント体の体内への迷入

上の奥歯部分の近くには、上顎洞とよばれる鼻腔(空間)が広がっており、顎の骨が薄いため、インプラント治療の際には骨を作る手術も併用されるケースがあります。そこにインプラント体を埋入すると、インプラント体が上顎洞側へ移動して、まれに鼻腔の中に入り込んでしまいます。

この状態は「インプラント体の迷入」とよばれており、迷入したインプラントは一度除去しなければいけません。迷入したら、鼻から膿が出る、違和感があるなどの症状が出るため、少しでも自覚があれば、治療を受けた歯科医院、もしくは耳鼻咽喉科へご相談いただくとよいでしょう。

神経麻痺

顔には多くの神経が走っています。

お口周りも例外ではなく、医師は治療するうえで神経を損傷しないよう気をつけなければいけません。特に、下の顎に伸びている下歯槽神経は歯根の近くにあり、親知らずの抜歯では、治療後に下唇の知覚麻痺を起こす可能性が2%ほどあるといわれています。

インプラント治療においても、下の顎にインプラント体を埋入する際は神経を傷つけないよう、細心の注意を払います。それでも神経を損傷することがあり、知覚麻痺が確認されたら、インプラントを除去して神経の治療を行わなければいけません。

金属アレルギー

金属アレルギーの方にとって、インプラント治療を行うことができるのか気になる方も多いと思いのではないでしょうか。

結果からいえば、金属アレルギーの方でもインプラント治療は可能です。インプラント体はチタンで構成されるため、金属アレルギーの原因とされる金属(ニッケル・コバルト・水銀・パラジウム・クロムなど)は含まれていないからです。

ただし、ごく稀にアレルギーを発症することがあり、チタンが原因と確認された場合は、インプラントの除去を行います。

インプラント除去の方法

患者と患者の歯を見ている歯科医師

インプラント周囲炎などの要因でインプラントを除去するためには、埋入時と同じく、局部麻酔のもと、外科手術が行われます。

骨吸収が進んでいるケースであれば、軽く引っ張って抜くことができますが、通常は専用の器具を使用して除去します。インプラント体はねじのような形状で、埋入時はトルクをかけるため、除去する際は逆回転させることで抜くことができるのです。

なお、患部の状態によっては、多少骨を削ることもあります。

インプラント除去にかかる費用

費用をあらわすイメージ図

インプラント除去の費用は、保険適用のケースと保険適用外(自由診療)のケースがあります。

以下、それぞれ解説します。

保険適用の場合

保険診療でインプラント除去するには、インプラントを埋入した歯科医院以外の施設で治療を受けなければいけません。さらに、摘出前のレントゲン画像をそろえる必要があります。

一般的なインプラント体の除去は、1本あたり保険点数460点(4,600円)です。保険診療の場合、治療費を3割負担と想定すると、1,400円ほどが自己負担額となるでしょう。

保険適用外の場合

保険適用外で治療を受ける場合は、全額自己負担です。

歯科医院によっては保証制度を設けている場合もあるので、インプラント治療を行った歯科医院にご確認ください。

インプラント除去後に再手術はできる?

両手で疑問のポーズをしている女性

インプラント除去について説明しましたが、除去後に再度インプラント手術を行うことはできるのでしょうか。

できる場合とできない場合に分けて、以下それぞれ説明します。

再手術ができる場合

再度インプラント手術ができる条件は「除去した原因を改善できていること」が挙げられます。

インプラント周囲炎であれば、細菌感染部の除去や炎症の改善、インプラント体の破損であればその除去、神経損傷であればインプラント体の除去と知覚改善などです。

再手術ができない場合

続いて、インプラント除去後に再手術ができないケースをご紹介します。

基本的に、除去した原因が改善できていなければ再手術はできません。具体的には、炎症が治まっていない、癖や生活習慣が改善されていないなどがあげられます。

炎症が治まっていない

インプラント除去後は、一日でも早く再手術して噛める状態に戻したいものです。

しかし、炎症や細菌感染源が改善していないにも関わらず、インプラントを埋入すれば、再度インプラント周囲炎を起こすリスクが高いです。再手術は治療後に計画されるでしょう。

歯ぎしりや食いしばり癖がある

インプラント埋入部の骨吸収が起こる要因は、インプラントに過度の負担があり、歯ぎしりや食いしばり癖がある方にみられます。これらの癖が改善されないうちは、再度インプラント手術を行っても、新しいインプラントに過度の負担がかかるため、癖の改善が必要です。

喫煙習慣がある

インプラント治療において、喫煙者は不利になる傾向があります。タバコを吸うことで血流が悪くなり、インプラントと顎の骨の固定を遅らせる、口内環境を悪化させて細菌感染率を高めるなどのリスクがあるからです。

喫煙者=再手術不可というわけではありませんが、インプラント埋入から除去、再手術の過程で喫煙していたのであれば、喫煙習慣を見直してみましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、インプラントの除去について解説しました。

インプラント除去の要因は、インプラント周囲炎、インプラント体の破損、インプラント体の体内への迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどが挙げられます。インプラント除去は保険適用と保険適用外があり、保険適用の場合は3割負担で、インプラント1本あたり1,400円ほどです。インプラントに関するトラブルでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に口臭が!原因と対策を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

口臭がする人と口臭が気になっている人

インプラント治療後に、口臭が気になるとお悩みではありませんか。インプラントは、自分の歯のような見た目ですが、どうしても段差ができて、磨き残しができやすい形状です。

インプラント治療後の口臭の大きな原因は、きちんと歯を磨けていないことによる磨き残しです。磨き残しを放置すると、インプラントの脱落の原因となる「インプラント周囲炎」を発症するかもしれません。

今回は、インプラント治療後の口臭の原因と対策を解説します。口臭のセルフチェック法や正しい歯磨きの仕方もご紹介していますので、インプラント治療後の口臭にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

インプラントとは

インプラントのイメージ画像

歯科におけるインプラントとは、歯を失ったところに人工の歯根(インプラント)を埋めることで、歯を補う治療のことです。従来の治療法であるブリッジや入れ歯と違い、周りの歯を傷つけることなく、しっかり噛めるのが、インプラントの最も大きな利点です。

また、インプラントには金属アレルギーが出にくいチタンを使用しているので、適用できる方が多いこともメリットでしょう。

インプラントによる口臭の原因

口臭が気になっている女性と口臭がする男性

インプラント治療後に口臭が気になる原因には、以下の3つが考えられます。

磨き残し

歯の汚れであるプラークが溜まることによって、口腔内に細菌が繁殖することが口臭の原因です。

インプラントは、自分の歯のような見た目ですが、自然の歯よりも段差が多い形状なので、磨き残しができやすくなっています。特に、自分の歯とインプラントの歯の間やインプラントと歯茎の間に、どうしても汚れが溜まりやすいため注意が必要です。

磨き残しが多いことで、細菌が繁殖し、腐った生ごみのにおいがするガスを発生させます。このガスが、口臭の原因です。

もちろん、インプラント部分だけでなく、ほかの歯に磨き残しが多い場合でも口臭の原因となります。口臭予防には、できるかぎり磨き残しをなくすのがよいでしょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎が赤く腫れる、出血するといった歯周病のような病気のことです。インプラント周囲炎を発症すると、口臭の原因となることがあります。

そもそも、インプラント周囲炎は、磨き残しがあることや歯石が溜まっているなど、口腔内が清潔に保たれていないことが原因です。インプラント周囲炎を放置すると、顎の骨が吸収され、ぐらつきが起こり、最悪の場合、インプラントの脱落の原因となります。

インプラント周囲炎は、歯周病よりも進行が早いといわれています。そのため、インプラント治療後に口臭がきつくなった場合や歯茎の腫れや出血などの症状がみられる場合は、一度歯科医院を受診しましょう。

インプラントのゆるみ

インプラントは、以下の3つに分けられます。

  • 人工歯(被せ部分)
  • アバットメント(人工歯とインプラントの接続部分)
  • インプラント(人工歯根)

アバットメントは接続部分の「ねじ」なので、段々ゆるむことがあります。アバットメントがゆるむことで、すき間に唾液やプラークが入り込み、細菌が繁殖します。これが、口臭の原因になるのです。インプラント治療から時間が経つことでゆるむことがあるかもしれませんが、もう一度締めなおせば問題はありません。

ただし、インプラント部の噛み合わせが高いことが原因でゆるんだ場合には、注意が必要です。噛み合わせが高いことで、人工歯の破折や顎関節症など、さまざまな影響が出る原因になります。この場合は、調整や作り直しが必要となることもありますので、定期的に歯科医院でチェックを受けるのがよいでしょう。

口臭のセルフチェック方法

自分の手を使って口臭チェックをしている

自分の口臭はなかなか気づきにくいものです。ここでは、口臭のセルフチェック方法を、以下5つご紹介します。

コップや袋に息を吹きかけて嗅ぐ

まずは、すぐに試せる簡単な方法です。清潔なコップや小さめのビニール袋に口を当て、息を吹き込みます。吹き込んだらすぐ、においを嗅いでください。

嗅いだときにくさいと感じるなら、口臭がある可能性が高いです。

フロスのにおいを嗅ぐ

フロスは、歯と歯の間の汚れを落とすものです。使用後のフロスを嗅いで、くさいようなら口臭があるかもしれません。特に、インプラントと歯の間はすき間ができやすく、汚れも溜まりやすい部位です。

フロスは毎日使用することで、においのもととなる汚れを除去し、口臭予防に効果を発揮するでしょう。

舌の汚れをチェックする

口臭は、磨き残しのプラークだけでなく、舌の汚れも原因です。健康な方の舌はピンク色ですが、舌の汚れである舌苔(ぜったい)がついていると、舌は白く汚れています。舌苔は細菌の集まりで、その中に歯周病菌も潜んでいます。

歯の汚れだけでなく、舌の汚れをきれいにすることは、口臭予防、歯周病やインプラント周囲炎の予防に効果的です。

口臭測定器を使う

自分でにおいを嗅ぐのではなく、客観的に口臭があるか知りたい方は、口臭測定器を利用するとよいでしょう。口臭測定器とは、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなど、口臭のもととなるガスを測定します。

取り扱いのある歯科医院で測定してもらうか、市販でも売っているのでご自宅でも使用できます。

第三者に嗅いでもらう

自分のにおいに慣れていると、上記の方法を試しても気づかないかもしれません。そのような方は、信頼している方に口臭をチェックしてもらうのも一つの手です。

ご家族やご友人にお願いして、率直な意見をきくのがよいでしょう。

インプラントが原因で口臭がする場合の対策

歯磨きをしている女性

インプラント治療後に口臭がする場合の対策を、2つご紹介します。

正しい歯磨きの徹底

インプラント治療後に口臭が気になる場合、歯磨きが足りず、磨き残しがあるのかもしれません。

インプラント部分も、基本的には自分の歯を磨くのと同じように磨きます。一本ずつ丁寧に細かく動かし、歯と歯茎の境目を意識して磨きましょう。一本あたりの目安は、10~20往復くらい動かすとよいとされています。

特に、インプラント部分は段差ができて、磨き残しができやすくなります。歯とインプラントの間、インプラントと歯茎の境目部分には、フロスや歯間ブラシをプラスして使うのがよいでしょう。狭いすき間にはフロスを、大きいすき間には歯間ブラシを使ってください。また、インプラント部分の細かい部分には、小さなブラシのタフトブラシを使うのも効果的です。

インプラント治療を受けたところは、虫歯や歯周病などが原因で歯を失ったところです。磨き残しがあって虫歯になった、セルフケアができなくて歯周病になったところなので、インプラント部分は重点的にケアしましょう。

定期健診に通う

インプラントの治療後、トラブルなく快適に過ごすには、定期的に歯科医院のメンテナンスを受けることが必須です。

どれだけ毎日の歯磨きを頑張っても、どうしても磨けていない部分や歯ブラシが届かない部分はあるものです。

定期的に歯科医院に通い、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを受けることで、口臭の予防になります。超音波でプラークや歯石を除去することで、口臭だけでなく、虫歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防にも効果的でしょう。

定期健診では、歯科医師によるお口全体のチェックも欠かせません。インプラント部分の経過観察や噛み合わせの確認、インプラント部位のゆるみのチェックなどを行います。また、残っている歯の虫歯や歯周病のチェックによって、これ以上歯を失わないよう、お口の健康を守ることにもつながります。

お口の状態にもよりますが、3~6か月に一度、定期的に歯科医院に通うのが一般的です。

まとめ

ポイントを指さす女性

インプラント治療後に口臭が気になる方は、磨き残しが原因かもしれません。

インプラントは、自分の歯のような見た目でも、どうしても段差ができやすく、磨き残しができやすい形状です。そのため、インプラント部分はフロスや歯間ブラシなどの補助用具を使い、丁寧に歯磨きするとよいでしょう。

また、インプラント周囲炎が原因で口臭となっていることもあります。インプラント周囲炎は進行が早いため、知らずしらずのうちに深刻な状態となっているかもしれません。口臭は、お口の中になんらかのトラブルがあるサインです。インプラント治療後に口臭がきつくなった、歯茎の腫れや出血があるなどの場合は、一度歯科医院を受診しましょう。

インプラント治療後の口臭でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!