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インプラント治療後にMRI検査は受けられる?起こり得るトラブルとは?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

MRI検査を行う女性医師

磁力に反応する金属が体内にあると、金属部分が発熱する、検査画像に不具合が出るなどのトラブルが発生するため、MRI検査を受けられません。

しかし、一般的なインプラントは、磁力に反応しないチタンを使用しているため、問題なくMRI検査が受けられます。

今回は、インプラント治療後にMRI検査は受けられるのかを解説します。MRI検査を受けられないインプラントや、起こり得るトラブルもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

MRI検査とは

MRIに入ろうとする女性

MRI検査は、ガンの転移検査などで用いられる、体の断面図を撮影する検査のことです。歯科で行うレントゲン撮影は顎の骨などの硬い組織を平面的に撮影しますが、MRI検査は内臓や脊髄、脳、血管などのやわらかい組織を断面的に撮影できるため、レントゲンやCTなどよりも精密に検査できます。

MRI検査は強力な磁石と電波で磁力を発生させて撮影するため、レントゲン撮影などと違い放射線被ばくの心配がないこともメリットでしょう。

MRI検査は、横になってトンネルのような機械に入って撮影します。15~45分と長時間かかるため、負担に感じる患者様も多く、特に閉所恐怖症などがある人には大きなストレスになるでしょう。

また、MRI撮影中は、ヘッドホンを着用しなければならないほど非常に大きな音が鳴ります。身体的にも精神的にも負担になることが考えられるでしょう。

MRI検査を受けられない人

体のまでバツを作る女性

MRI検査は、強力な磁力を使って撮影するため、磁力に反応する金属が体内にある人はMRI検査を受けられません。

  • 心臓のペースメーカーが入っている
  • 人工内耳が入っている
  • 脳深部刺激装置や脊髄刺激装置など、神経刺激装置が入っている

上記のような医療機器を体に埋め込んでいる人は、検査が受けられないことがあります。MRI検査の磁力に反応して、発熱や火傷の危険性があるためです。心臓のペースメーカーの場合、磁力に反応しない素材を使っていることもあるので、主治医に確認するとよいでしょう。

また、MRI検査では、金属と皮膚との接触面が火傷する可能性があるため、以下のものを着用して検査を受けることはできません。

  • アクセサリー
  • カラーコンタクトなどのコンタクトレンズ
  • 入れ墨・タトゥー
  • マスカラなどの化粧品

金属そのものだけでなく、化粧品やカラーコンタクトなどに微量に含まれた金属成分にも磁力が反応し、発熱や火傷の原因になります。

MRI検査を受けるときは、取り外せるものはできるだけ取り外し、メイクも落とすとよいでしょう。

インプラント治療後にMRI検査は受けられる?

顎に手を当てて考える女性

お口の中にインプラントがあっても、MRI検査を受けられることが多いのでご安心ください。多くの歯科医院で使用されているインプラントは、チタン製だからです。

チタンは金属ですが、磁力には反応しません。心臓のペースメーカーなどと違い、お口の中にインプラントがあってもMRI検査を受けられるのです。

MRI検査を受けられない可能性のあるインプラントとは?

インプラントの模型と歯科用器具

お口の中にインプラントがあってもMRI検査を受けられるとご説明しましたが、インプラントの種類によっては検査が受けられないことがあります。

MRI検査を受けられない可能性があるインプラントは、以下のとおりです。

オーバーデンチャーの治療を受けた方

オーバーデンチャーは、歯の上やインプラントの上に被せる入れ歯のことです。

一般的な入れ歯は歯のない部分に作りますが、オーバーデンチャーは歯やインプラントを支えにして作るので、一般的な入れ歯よりもフィット感があります。

オーバーデンチャーのなかでも、インプラントと入れ歯を磁力によって密着させるタイプのものは、MRI検査を受けられません。インプラントと入れ歯の両方に磁石をつける必要があるので、磁石がMRI検査の磁力に影響を受けて発熱や火傷を引き起す可能性があるからです。

磁石を使用していないオーバーデンチャーの場合は、問題なくMRI検査を受けられます。

歯科以外のインプラント治療を受けた方

インプラントと聞くと歯科のインプラントを思い浮かべるかもしれませんが、本来インプラントとは、体内に医療機器を埋め込む治療のことをいいます。

歯科以外の主なインプラント治療は、以下のとおりです。

  • 心臓のペースメーカー
  • 除細動器
  • 人工内耳
  • 人工関節
  • 神経刺激装置
  • 輸液ポンプ

MRI検査では、磁力に反応する金属を使っている場合、金属部分が発熱することがあります。上記の医療機器が体内にある場合、使用している素材によってMRI検査が受けられないことがあるでしょう。

インプラントのままMRI検査を受けると起こり得るトラブル

頭からモヤモヤが出ている人

チタンが使用されているインプラントであれば、問題なくMRI検査を受けられます。

しかし、インプラントによって、MRI検査でトラブルが起きるかもしれません。

インプラントによって起こり得る、MRI検査のトラブルを解説します。

金属部分が発熱する

MRI検査は、磁力に反応する金属が体内にあると金属部分が発熱します。

歯科で使用するインプラントは、国内外あわせると100以上の種類があります。一般的なメーカーの歯科用インプラントはチタン製なので、MRI検査を受けても発熱するおそれはありません。

しかし、チタンを使用していないインプラントの場合、金属部分が発熱し、発熱によって火傷する可能性があるでしょう。

また、歯科以外のインプラントや身に着けている金属が、磁力に反応する金属だった場合も発熱します。心臓のペースメーカーなどの医療機器はもちろん、アクセサリー・入れ墨・タトゥー・化粧類には注意が必要です。

コンタクトレンズやマスカラ、アイシャドウなどにも金属成分が含まれていることがあります。MRI検査を受けるときは、外せるものは外しましょう。

MRI画像にノイズが生じる

MRI検査では、金属部分が原因で撮影画像にノイズが生じることがあります。金属部分がMRI検査による磁力に反応するからです。

インプラントの人工歯部分にはセラミックを使うことが多いですが、セラミックは磁力を跳ね返す特性があるため、検査画像に影が映り込むことがあります。

検査の結果に悪影響を及ぼすわけではないため、MRI検査は受けられる場合が多いです。

MRI検査を断られたときはどうしたらいい?

顎に手を当てて考える女性

一般的な歯科用インプラントである、チタン製のインプラントであれば、MRI検査は受けられます。

しかし「インプラントはMRI検査を受けられない」と、認識しているスタッフからMRI検査を断られるかもしれません。

MRI検査を断られたときの対処法を3つご紹介します。

人工歯部分だけを外す

インプラントが原因でMRI検査を断られた場合「せっかく入れたインプラントを全部外さないといけないの?」と心配になる方もいるでしょう。

インプラントは、顎の骨に埋め込むインプラント体、歯の代わりになる人工歯、2つをつなぐアバットメントの3つの構造から成り立ちます。

「インプラントを外してください」と指示を受けた場合は、インプラント全体ではなく、人工歯部分だけを外せば解決できます。人工歯は、ネジのようなもので留めているため、一度取り外しても付けられるので安心してください。

チタン製のインプラントだと説明する

MRI検査の前には、インプラント治療を受けたことがあるか確認されます。お口の中にインプラントがある旨を伝えると、MRI検査を断られることがあるかもしれません。

しかし、医療従事者であれば「チタンは磁力に反応しない金属」という認識があるでしょう。きちんとチタン製のインプラントが入っていることを伝えれば、問題なくMRI検査が受けられるでしょう。

担当の歯科医師に相談する

ご自身のインプラントがチタン製なのかどうか、把握している方は少ないのではないでしょうか。MRI検査を受ける前には、一度担当の歯科医師に確認するとよいでしょう。

一般的なインプラントだと思っていても、チタン製ではないかもしれません。MRI検査を受ける前は、念のため歯科医師に確認しましょう。

インプラント治療後にCT検査は受けられる?

CT検査を受ける女性

インプラント治療を受けたあとでも、CT検査を受けられます。

CT検査は、MRI検査のように磁場を発生させて撮影するものではありません。心臓のペースメーカーや人工内耳など、体内に磁力に反応する金属が体内にあっても、CT検査は受けられるのです。

歯科医院では、レントゲン撮影やCT検査がよく用いられます。特に、インプラントの治療前後には、インプラントの埋入位置やインプラントがきちんと入ったかどうかを確認するために必ず使用されます。インプラント治療を受けたあとでも、レントゲン撮影やCT検査を受けても問題ないといえるでしょう。

CT検査は、レントゲン撮影のようにX線を使用して撮影するため、被ばくのリスクがあるといわれています。

しかし、レントゲン撮影やCT検査の被ばく量は微々たるもので、体内に悪影響はないと考えられています。過度に心配する必要はないでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って笑う女性

磁力に反応する金属が体内にあると、MRI検査は受けられません。金属が磁力に反応することで、金属部分が発熱する場合や検査画像に不具合が出る場合があるからです。

しかし、一般的なインプラントは磁力に反応しないチタン製なので、MRI検査を受けても問題ありません。一部のオーバーデンチャーや心臓のペースメーカーなどのインプラントは、MRI検査を受けられない可能性があるので注意してください。

コンタクトレンズや入れ墨・タトゥー、化粧品類など、金属の成分があるものにも反応するため、外せるものはMRI検査を受ける前に外しましょう。

MRI検査を受ける前には、ご自身のインプラントがチタン製なのか、MRI検査を受けても問題ないのか、担当の歯科医師に確認するとよいでしょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療は安全なのか?安全性とリスクを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

机の上に置かれたインプラントの歯の模型

インプラント治療は事前に丁寧に検査を行い、治療後の自己管理を徹底すれば安全に受けられます。インプラントは耐久性が高く、メンテナンスを怠らなければ非常に長持ちする人工歯です。

しかし、治療中または治療後にリスクが伴うのも事実です。

今回は、インプラント治療の安全性とリスクについて解説します。

インプラントとは

インプラント部分の歯を指し示す若い女性

インプラントとは失った歯を補う方法の一つで、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。

通常、インプラント本体は生体親和性の高いチタンやジルコニウムで作られるため、アレルギーや拒絶反応が少なく、耐久性も優れているのです。

インプラント治療は大まかに3段階にわけられます。

まず、失った歯の部分の顎の骨にインプラント本体を埋入する手術を行います。次に、埋入したインプラントが顎の骨と結合するのを待つ期間が必要です。結合を待つ期間は、インプラントが長期間機能するうえで非常に重要です。最後に、インプラントの上部にアバットメントとよばれる部品を取り付け、その上に人工歯を固定します。

インプラントは自然な見た目と機能を取り戻すことができるのはもちろん、隣接する健康な歯を削る必要がありません。また、顎の骨の萎縮を防ぐ効果もあります。

しかし、インプラント治療には一定の条件があり、全ての患者さまに適応するわけではありません。手術が必要なため全身状態が良好でなければならず、適切な口腔ケアの習慣も求められます。また、治療費用が高額なことや治療期間が長いことがデメリットといえるでしょう。

インプラント治療は安全なのか?

safetyと書かれたハートを包み込む手

インプラント治療は、治療の条件を満たし、全身状態・口腔環境が良好であれば、安全性が確保できるといえるでしょう。インプラントは耐久性の高さと見た目の美しさから、入れ歯やブリッジの問題点を解決する画期的な治療法として広く行われています。

しかし、自身の健康状態によっては、ほかの治療を選択したほうがよい場合もあるでしょう。特に、インプラントが適していないケースとして、顎の骨が薄く少ない方、未成年の方、金属アレルギーを持つ方、全身疾患や持病を持つ方、妊娠している方が挙げられます。

インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、十分な骨量が必要です。また、成長途中の未成年者は骨の成長が終わってから治療することが推奨されます。

インプラントには生体親和性が高いチタンが使用されますが、金属アレルギーがある方は受けられません。また、治療後は感染症にかかりやすくなるため、体調が良好でなければ手術は受けられません。

虫歯や歯周病がある方は、まずは完治を目指し、口腔環境を整えてからインプラント治療を受ける必要があります。

インプラント治療のリスクとは?

机の上に置かれたアルファベットのブロックとRISKの文字

インプラント治療は外科手術であるため、高度な技術が必要です。事前のCT検査で、手術部位と神経などの正確な位置関係を把握できない場合、神経を損傷する、インプラントが脱落するなどのリスクがあります。

インプラント治療のリスクは、以下のとおりです。

神経を損傷する

人工歯根を顎の骨に埋め込む際に、顎の神経を損傷するリスクがあります。特に、下顎の骨には下顎神経が通っており、手術中に傷つけられると下顎や唇にしびれや麻痺などが出る可能性があるのです。

神経損傷は、慎重な手術計画と技術によって予防することが可能ですが、完全にリスクをゼロにすることは難しいとされています。万が一大きく神経を損傷した場合、リハビリテーションや薬物療法が必要となることもあるでしょう。軽度であれば、時間の経過とともに自然に回復するケースもあります。

神経損傷のリスクを避けるためには、治療前の検査が非常に重要です。特に歯科用CTでの検査が、治療の精度に大きく影響するでしょう。

インプラントが上顎洞に落ちる

上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、上顎洞とよばれる空洞にインプラントが落ちるおそれがあります。

上顎洞は鼻腔の一部で、ふだんは鼻からの空気を温める役割を担っています。手術前の丁寧な検査で、インプラントが上顎洞に落ちることを防げるでしょう。

具体的には、CTを用いて、上顎洞の位置や形状、骨の厚みなどを詳細に把握することが重要です。インプラントを適切な位置に・深さで設置することが可能となり、上顎洞への落下リスクを大幅に減らすことができるのです。

骨が火傷する

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に固定するために、ドリルを使って骨を削ります。骨を削る際、ドリルによる摩擦熱で骨が過度に熱され、骨細胞が熱傷を受けて死滅することがあります。

作業中に水を注入することで、火傷を防ぐことができるでしょう。注水は、ドリルと骨が接触する部分に直接行います。ドリルと骨の間の熱を適切に冷却し、骨が過度に熱を持つことを防ぎます。

注水が不足すると火傷するため、医師の高度なスキルが求められるでしょう。

インプラントと骨が結合しない

患者さまの顎の骨の厚みが不十分な場合、インプラントと骨が適切に結合しないことがあります。治療前の準備としてCTスキャンを用いて、顎の骨の厚みや構造を詳細に調べることが重要です。

骨量が不足する原因は、歯周病や喫煙習慣の影響が多いです。

歯周病は進行すると顎の骨が溶けるため、骨量が不足しやすくインプラントと骨の結合が困難になる可能性があります。また、タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させ、骨の結合力を弱める原因になるでしょう。

特に、インプラント治療後の骨再生には血流が重要であり、ニコチンによる血流の低下は骨の再生力を大幅に抑制します。インプラント体と顎の骨の結合が十分に行われず、インプラントが安定しない可能性が高まるでしょう。

細菌に感染する

インプラント治療後は、細菌感染に注意が必要です。術後は、特に刺激の強い食べ物やアルコールは避けなければなりません。

アルコールなどは傷口に刺激を与え、炎症や感染を引き起こす可能性があります。また、縫合糸には汚れが溜まりやすく、溜まった汚れに細菌が繁殖することもあるでしょう。

汚れを落とすことは重要ですが、過度な力をかけて磨いてはいけません。強い力でブラッシングを行うと、傷口が広がる可能性があります。傷口が広がると細菌が体内に侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まります。

感染のリスクを抑えるには、傷口にできるだけ触れず、口内を清潔に保つことが重要です。

インプラントが破損・脱落する

インプラントには天然の歯に近い感覚で長期的に使用できるメリットがありますが、破損・脱落するリスクもあります。特に、顎の骨が薄い方や歯茎が細菌感染によって弱くなっている方は、インプラントが破損・脱落するリスクが高まります。

インプラント治療後は適切な口腔ケアが重要で、毎日の歯磨きや定期的な歯科医院でのメンテナンスが必須といえるでしょう。治療後はインプラント周囲炎のリスクもあるため、口腔内を清潔に保つことが重要です。

金属アレルギーを発症する

一般的に使用されるインプラントの材料はチタン合金で、生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが比較的低いとされています。

しかし、すべての患者さまにアレルギー反応が出ないわけではありません。チタン合金にはチタン以外の金属も含まれているため、チタン以外の金属にアレルギー反応を示すこともあります。

金属アレルギー発症のリスクを抑えるためには、インプラント治療を開始する前に金属アレルギーのパッチテストを受けることが重要です。インプラント治療後に金属アレルギーを発症した場合、再手術を行ってインプラント体を取り除く必要があります。

糖尿病が悪化する

インプラント治療で糖尿病が悪化する理由は、治療のストレスや食事制限による血糖値の低下です。

外科手術は侵襲が大きいためストレスを感じる方が多く、血糖値が上昇します。上昇した血糖値は、反動で急激に低下することがあるのです。また、インプラント治療後の食事制限も血糖値を下げる要因となります。

糖尿病の患者さまがインプラント治療を受ける際は、必ず主治医と事前に相談してください。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病です。インプラントとその周辺の歯茎に炎症が起きる状態のことを指します。

過度の力がかかる、細菌に感染するなどで、歯茎の炎症は骨へと進行しインプラントの支持力が低下します。最悪の場合、インプラントの抜去が必要になるでしょう。

特に、糖尿病の方はインプラント周囲炎のリスクが高いです。糖尿病によって身体の免疫機能が低下し、感染症に対する抵抗力が落ちるためです。また、手術を行うインプラント治療では、傷口から細菌が侵入しやすく、感染症につながる可能性があります。そのため、糖尿病の方は特に感染予防に注意しなければなりません。

喫煙習慣がある方もインプラント周囲炎のリスクが高まります。喫煙により血流が悪化し、唾液の分泌量が低下すると、口腔内の自浄作用が弱まり細菌が繁殖しやすくなります。そのため、インプラント周囲炎のリスクが上がるのです。

全身状態が悪化する

心臓疾患、脳血管疾患、高血圧がある方は、インプラント治療によって全身状態が悪化するリスクがあります。

心筋梗塞の治療で抗凝固薬を服用している場合は、手術時の出血リスクが増加します。一時的に服薬をやめることもありますが、心筋梗塞の再発リスクを高めるため、慎重な判断が必要です。また、手術のストレスによる血圧変動は心疾患のリスクを増加させます。

脳血管疾患がある方も、抗凝固薬の影響や手術のストレスで脳梗塞のリスクが上がるでしょう。また、高血圧の方も手術のストレスによって血圧が上昇し、脳梗塞や心疾患のリスクが増加します。

安全にインプラント治療を受けるための歯科医院の選び方

患者の口の中を確認する女性歯科医師

インプラント治療を安全に受けるには歯科医院選びが重要です。通常の虫歯や歯周病治療と異なり、インプラント治療は高度な技術と設備が必要といえます。

歯科医院を選ぶ際に注意するべきポイントは、以下のとおりです。

治療実績があるか

歯科医院を選ぶ際は、インプラント治療の実績が豊富であるかを確認しましょう。

インプラント治療は高度な技術を必要とし、一定のリスクを伴ういます。実績の豊富さを評価する基準として、クリニックのインプラント治療の症例数をチェックしましょう。

歯科用CTがあるか

安心してインプラント治療を受けるには、歯科用CTスキャンが導入されているかも非常に重要です。

CTスキャンを行うことで、骨の厚みや神経の位置、隣接する歯の状態を正確に把握し、適切な治療計画を立てることが可能です。特に、顎の骨がインプラント治療に適しているかどうかを確認することで、治療後のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

衛生管理を徹底しているか

インプラント治療は麻酔を伴う手術が必要で、細菌感染リスクが高まります。治療器具は使い回されていないか、治療器具が適切に滅菌処理されているか、手術が個室で行われているかなど、確認すべきポイントが多数存在します。

どのような衛生管理を行っているかは見落とす方が多いですが、ホームページなどを確認し、適切な衛生管理が行われている歯科医院を選びましょう。

アフターケアが充実しているか

インプラント治療は埋め込み後の経過観察が重要で、噛み合わせの問題、炎症の有無や度合いなどを確認する必要があります。そのため、治療後の通院などのアフターケアに対応しているクリニックを選びましょう。

インプラント治療は保証がついていることが多いです。保証年数以内にインプラントに問題が生じた場合、無償または一部有償で再治療が受けられます。契約前に保証内容も確認するとよいでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って歯を見せて笑う女性

インプラント治療は事前に丁寧な検査を行い、起こりうるリスクをしっかり把握すれば安全に受けられる治療です。リスクを把握するためにはCTでの検査が必要不可欠といえます。CTでは、レントゲンでは把握できない詳細な情報を確認できるでしょう。

実際に外科手術を行うのは医師であるため、医師の技術力も重要です。スキルを直接確認することが難しいため、判断基準として治療実績を確認しましょう。対応してきた症例数が多いほど、トラブルにも慣れていると予測でき、より安全に手術を受けられるでしょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後の歯磨き!最適なケアで長持ちさせる方法

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントが数本転がっている

インプラント治療は、インプラント体とよばれる歯の根っこに相当するものを顎の骨に埋め込むことにより、失った歯をおぎなう治療方法です。義歯やブリッジと異なり、健康な歯を削ることなく、数十年にわたって使用できます。

しかし、インプラントを長持ちさせるには正しいケアが必要です。今回は、インプラント治療後に必要なインプラントの磨き方や歯磨き粉を選ぶポイントをまとめます。

インプラント治療後の歯磨きの重要性

笑顔で歯を磨いている女性

インプラントの人工歯は虫歯になることはありません。

しかし、インプラント周りの歯茎は、プラークや歯石が溜まり細菌が繁殖しやすくなります。

細菌が繁殖した状態が長くなると、インプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、周囲の歯茎の腫れや出血など歯周病に似た症状が生じます。炎症が強くなると、インプラントを支えていた骨が溶け、最悪の場合インプラントが抜け落ちることがあるのです。

日本歯周病学会の調査によると、インプラント治療後に軽度の炎症がある患者は約30%、骨まで溶ける強い炎症が起こる患者は約10%といわれています。つまり、インプラント周囲の炎症は比較的起きやすいと考えられます。

インプラントを長持ちさせるためにも、日常の歯磨きをしっかり行い、インプラントの周りを清潔に保つことが重要です。

インプラント治療後の歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

歯ブラシと歯磨き粉

では、具体的にどのような歯ブラシと歯磨き粉を使えばよいのでしょうか。以下、歯ブラシと歯磨き粉の選び方のポイントについてまとめます。

インプラントの清掃に適した歯ブラシを選ぶポイント

歯ブラシの選び方のポイントは、以下のとおりです。

毛先が細い歯ブラシを選ぶ

インプラントと歯茎の間は汚れが付着しやすい部位なので、きちんと磨くために毛先が細い歯ブラシを使用しましょう。また、インプラントと歯茎の境目を磨くには、毛先がひとつにまとまったタフトブラシも非常に有用です。

歯間ブラシやフロスを使用する

食べ物などの汚れは、歯とインプラントの間に溜まりやすい傾向にあります。そのため、歯ブラシだけではなく、歯と歯の間を磨く歯間ブラシやフロスを使用しましょう。

治療後の期間ごとに歯ブラシの硬さを変える

インプラント治療が終了した直後は、歯茎の傷が完全に治っていません。この状態で硬い歯ブラシを使用すると、歯茎が傷つく原因になります。

歯茎の傷が回復するまでは、柔らかめの歯ブラシを使用しましょう。傷口がよくなったあとは、磨きやすい硬さの歯ブラシを使用しましょう。

インプラントの清掃に適した歯磨き粉を選ぶポイント

歯磨き粉の選び方のポイントは、以下のとおりです。

フッ素入りの歯磨き粉は使用しても問題ない

インプラントにはチタンが使われています。フッ素がチタンに結合すると、チタンの表面がザラザラになり、プラークなどの汚れが付着しやすくなります。

しかし、この現象は高濃度のフッ素を使用した場合であり、薬局やコンビニなどで販売されている歯磨き粉はフッ素の濃度が低いです。そのため、インプラント清掃に市販のフッ素入りの歯磨き粉を用いても問題ありません。

大きな研磨剤が入っている歯磨き粉は使用しない

歯磨きの中には、歯の表面の汚れを取るために研磨剤(けんまざい)とよばれる成分が入っています。

研磨剤が大きいとインプラントと歯茎のすき間に入り込み、歯茎の炎症を引き起こすことがあります。そのため、舌で触って研磨剤のつぶがはっきりわかる歯磨き粉はさけましょう。

また、大きな研磨剤が入っている歯磨き粉の成分には、ケイ素や炭酸カルシウムが含まれているので、ケイ素や炭酸カルシウムを含有した歯磨き粉はさけましょう。

歯科医師に相談する

歯磨き粉には、虫歯を予防するのに特化したものや歯茎の炎症をおさえるのに特化したものなど、さまざまな種類があります。

どの歯磨き粉を購入すべきかわからない場合は、歯科医師に相談しましょう。

インプラントの正しい歯磨き方法

歯を磨いている女性

インプラントを長持ちさせるためには、正しい磨き方が重要です。以下、インプラントの正しい磨き方をまとめます。

毛先をうまく使う

効果的な歯磨きの方法は、歯ブラシの毛先を磨きたい場所にあて、毛先を細かく振動させるように磨きます。

インプラントと歯茎の境目を磨くときは、歯ブラシをインプラントの人工歯に対して45度に傾けて磨きます。45度に傾けることで、毛先がインプラントと歯茎の境目に入り綺麗に磨くことができるのです。

歯ブラシの持ち方に注意する

親指、人差し指、中指の3本の指を使い、ペンを持つように歯ブラシを持ちましょう。

この持ち方により、磨いたときに余計な力がかからないため、インプラントを傷つけることなく磨くことができます。さらに、磨くときの角度をコントロールしやすくなります。

磨く順番を決める

磨き残しを防ぐために、歯磨きのときは磨く順番を決めましょう。磨く順番は、一筆書きのように磨くのがよいでしょう。

例えば、最初に右上奥歯の表から左上奥歯の表まで磨きます。その後、左上奥歯の裏から右上奥歯の裏を磨くといったように、順番を決めることで磨き残しを最小限におさえることができます。

フロスで磨いてから歯ブラシで磨く

歯ブラシとフロスを行う場合、フロスで磨いてから歯ブラシを行いましょう。

フロスで磨いたあとに歯ブラシを行うほうが、歯の汚れを効率よく落とすことができ、虫歯予防に効果のあるフッ素が歯全体に行き渡ります。

定期的なメンテナンスでインプラントの寿命を延ばす

インプラントの模型と女性患者

インプラントを長持ちさせるためには、日常生活の歯磨きに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

以下にメンテナンス内容をまとめます。

噛み合わせの確認

噛み合わせを調べる紙を噛んでもらい、インプラントの噛み合わせの状態を確認します。

インプラントの噛み合わせが悪いと、人工歯が割れる原因になるのです。インプラントが強くあたっている場合は、人工歯を削って調節します。

歯茎の確認

インプラント周りの歯茎が腫れていないか、赤くなっていないか確認します。また、インプラントと歯茎の間にある歯周ポケットとよばれるすき間の深さを確認します。

レントゲン検査

レントゲンを撮影し、インプラントを埋めた部位の骨の状態を確認します。

インプラント周りの歯茎の炎症が強いと、骨が溶けていることがあるのです。また、上の奥歯のインプラントに炎症が起こると、上顎洞とよばれる骨の中の空洞の粘膜に炎症が広がることがあります。

レントゲン写真では、上顎洞の状態も確認します。

ブラッシング指導

お口の中を観察し、磨き残しがある場合はブラッシング指導します。

ブラッシング指導では、歯ブラシのあて方やフロスの使い方などを指導します。

歯のクリーニング

歯のクリーニングでは、歯石など日常の歯磨きで取ることのできない汚れを専用の機械で除去します。また、インプラントのクリーニングでは人工歯の部分を取り外し、歯ブラシが届かないところも磨きます。

まとめ

ポイントを指さす男性医師

今回は、インプラント治療後の歯磨きについて解説しました。

インプラントの人工歯は虫歯になることはありませんが、清掃状態が悪いとインプラント周りの歯茎に炎症が起こります。炎症が悪化すると、骨が溶けインプラントが取れることがあります。

こうした事態を防ぐためにも、日頃からブラッシングをきちんと行いましょう。また、インプラントの状態の確認や細かな汚れを取るためにも、必ず定期的なメンテナンスを受けましょう。

インプラント治療後の歯磨きでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントをしたいけどお金がない方へおすすめの方法!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型

従来の治療に比べて、インプラント治療は機能的にも審美的にも優れています。

しかし、インプラント治療は保険が適用されないため、インプラントにしたいけどお金がないとお悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事は、インプラントをしたいけどお金がない方へおすすめの方法を4つご紹介します。インプラントの費用相場や高額になる理由も解説しますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療のメリット

メリットをあらわすイメージ図

高額になりがちなインプラント治療の5つのメリットは、以下のとおりです。

 

  • ご自身の歯のようにしっかり噛める
  • 見た目が美しい
  • 周りの歯に影響を与えない
  • 丈夫で長持ちする
  • 顎の骨がやせるのを防げる

 

インプラントの最大のメリットは、失った歯の根の代わりとなり、ご自身の歯のようにしっかり噛めることです。顎の骨に直接インプラント体を埋めこみ、インプラント体の上に人工歯を取りつけるので、しっかり噛めるようになります。

取り外すものではないので、硬いものが食べにくいことや話しづらさを感じることはありません。歯を失ったところに1本ずつ独立した歯を作れるため、ブリッジや入れ歯のように周りの歯に負担をかけないのもメリットのひとつです。

インプラントと従来の治療法の平均寿命を比較してみると、入れ歯が4~5年、ブリッジが7~8年のところ、インプラントは10~15年と長持ちします。インプラントが長持ちする理由は、チタンという素材を使用しているからです。

チタンは金属アレルギーがでない安全素材で、顎の骨と結合しやすい特徴があります。そのため、定期的にメンテナンスすれば、10年、15年と長持ちします。また、インプラントによって顎の骨がやせるのを防ぐことができるので、残っている歯の健康寿命をのばすことにつながります。

インプラント治療にかかる費用

電卓で費用を計算している

インプラントの費用相場は、1本あたり30~50万円(税込)です。

費用に差があるのは、歯科医院ごとに料金設定が異なる自費診療であることと、歯科医院ごとに使用するインプラントの種類が異なるためです。また、インプラントの前に骨を増やす治療が必要となるなど、患者様のお口の状況によってはさらに高額となる場合があります。

インプラント費用をできるだけ安くおさえたいなら、治療前のカウンセリングでインプラント治療にかかる費用や注意点を確認しましょう。

インプラント治療にかかる費用が高額な理由

はてなマークの積み木が並んでいる

インプラント治療にかかる費用が高額になる4つの理由は、以下のとおりです。

1.保険が適用されないため

インプラント治療は、保険が適用されません。そのため、費用が高額になります。

歯を失った際の治療には保険が適用されるブリッジや入れ歯という選択肢があります。

しかし、入れ歯やブリッジは、周りの歯に負担がかかる、しっかり噛めないと感じる場合があり、インプラントに比べると長持ちしないというデメリットがあります。

2.高度な技術が必要となるため

インプラント治療は、歯科医師の高度な技術と経験が必要となるため、費用が高額です。インプラント治療には、インプラント治療前の検査の結果を読み解く力、インプラントを安全かつ精密に埋め込む技術力、人工歯装着後の噛み合わせを想定する力が要求されます。

しかし、高度な技術と経験をもった歯科医師が少ないので、人材確保のため費用が高額になるのです。

3.設備費や材料費がかかるため

インプラント治療は、インプラントを埋めこむために歯茎を切開し、骨を露出させます。

本来、骨は肉に覆われているため細菌感染しませんが、インプラント手術時に細菌感染すると、骨が壊死するなど危険な状態になります。そのため、インプラント治療は、感染対策と徹底した衛生管理が必要です。

また、インプラント治療の成功には良質なインプラントとCTなどの検査設備なども必要となるため、費用が高額になります。

4.治療期間が長くかかるため

インプラント治療は、トータルで6か月~1年程度かかるため、ほかの歯科治療に比べると治療期間が長いといえます。治療期間が長くなる理由は、インプラントを埋めこんだあと、インプラントと顎の骨がしっかり結合するのを待つ期間が必要となるからです。

治療期間には個人差がありますが、上顎で3~6か月、下顎で2~3か月程度かかります。顎の骨との結合を確認できたら、アバットメント装着、人工歯の製作、人工歯の装着の順に治療がすすみます。

このように、インプラント治療は、インプラントと顎の骨が結合するのを待つ期間が長くかかるため、費用が高額になるのです。

インプラント治療を受けるためのお金がない場合

両手で頭をかかえる女性

高額になりがちなインプラント治療ですが、インプラントをしたいけどお金がないとお困りの方もいらっしゃると思います。

以下、インプラント治療を受けるためのお金がない場合の対処法を4つご紹介します。

クレジットカードの利用

インプラントの費用を一括でご用意できない場合、クレジットカードで支払う方法があります。クレジットカードの支払方法は、一括払いだけでなく、分割払い、ボーナス払い、リボ払いなどが可能です。

分割払いの2回払いや夏と冬のボーナスの時期に一括払いできるボーナス払いであれば、手数料がかかることなく支払えます。3回以降の分割払いやリボ払いは、手数料がかかるものの、毎月支払う費用をおさえられるでしょう。

ただし、歯科医院によってはクレジットカード払いに対応していない場合や、対応しているクレジットカードの会社に限りがある場合もあります。インプラント治療を受ける前に、クレジットカードの対応状況を確認しましょう。

デンタルローンの利用

デンタルローンとは、インプラント治療を始めとした歯科治療専門のローンのことです。デンタルローンを利用することで、毎月支払う費用をおさえられるでしょう。

クレジットカードの分割払いなどと同じく手数料はかかりますが、クレジットカードの手数料が15%前後かかるのに対し、デンタルローンは5%前後と安いのがメリットです。

ただし、クレジットカードと同じく、デンタルローンに対応していない歯科医院があることやお金を借りるまでに1週間近くかかることもあるため、注意が必要です。

カードローンの利用

カードローンとは、クレジットカードをもっている方が利用できるローンのことです。

パソコンや携帯電話などから手軽に申し込め、最短で即日でお金を借りられます。また、インプラント治療で追加の処置が必要となっても、追加でお金を借りられるのもメリットです。

しかし、手数料が15%前後と高くなることは理解しておきましょう。

医療費控除の利用

医療費控除とは、インプラント治療を受けた1年間(1/1~12/31)の医療費が10万円を超えた場合に受けられる、税金還付の制度のことです。

確定申告で医療費控除を適用することで、所得税の一部が還付金としてもどってきます。ご自身で確定申告する必要はありますが、結果的にインプラント費用をおさえられるのがメリットです。

医療費控除を適用することでインプラント治療の費用が安くなるわけではありませんが、費用をおさえる方法のひとつとして知っておくとよいでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

インプラント治療は、ご自身の歯のようにしっかり噛める、見た目が美しいなどのメリットがあり、従来のブリッジや入れ歯治療よりも優れた治療です。

しかし、保険が適用されないため、治療費が高額になりがちです。また、歯科医師の技術や知識、整った設備や衛生管理などが必要となることも、高額になる理由のひとつです。

インプラントにしたいけどお金がない場合、クレジットカードの分割払い、もしくはボーナス払いで支払う方法があります。また、デンタルローンやカードローン、医療費控除を利用するなどの方法もあります。トータルで治療費がいくらかかるのか知りたい場合は、まずは歯科医院でご相談されてはいかがでしょうか。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントを除去しなければいけないケースとは?除去方法と費用も解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

3本のインプラントのイメージ図

歯を失ったところに噛む機能をもたせるためには、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの装着が主な治療方法です。その中でもインプラントは、入れ歯やブリッジと比較して装着感が少なく、見た目の審美性もよく、強く噛むことができるため、機能面で優れた治療です。

ただし、インプラント治療後に、インプラントを除去しなければならないケースがあるため、治療前にこの点も含めてインプラントするかどうか検討する必要があります。

インプラント治療とは

インプラントのイメージ図

インプラント治療とはどのような方法であるか、簡単に説明します。

インプラント治療では、インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、定着したらアバットメント(結合部品)と被せ物(上部構造)を装着します。インプラント体を固定するための顎の骨が足りない場合、骨を作る手術も併用して行われるでしょう。

治療期間は、インプラント体の埋入から上部構造の装着まで、数か月から1年ほどかかります。また、インプラント治療は基本的に保険適用外(自由診療)で行われ、インプラント1本を埋入する費用の相場は、20~40万円です。

インプラントを除去しなければいけない原因とは

顎に手を当て不思議そうにしている女性

高い機能性をもつインプラントですが、場合により、治療後にインプラントを除去しなければいけないケースがあります。主な要因は、インプラント周囲炎、インプラント体の破損、インプラント体の体内への迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどが挙げられます。

以下で詳しく解説します。

インプラント周囲炎

インプラントの除去で多い要因が、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、埋入したインプラント体の周囲組織に発症する炎症性の疾患です。

インプラント周囲炎になる原因

インプラント周囲炎が発症する主な原因は、清掃不良やメンテナンス不足による細菌感染、インプラント体に過度の負担が加わるオーバーロードなどがあげられます。

インプラント治療の際、医師は適切なインプラント体の選定、綿密な治療計画を組む必要があり、治療後のメンテナンスの重要性を患者さまにご理解いただかなければいけません。患者さまは、定期的に歯科医院で診断とメンテナンスを受け、インプラント治療部位を清潔に保つことが重要です。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎が発症すると、インプラント体の周囲組織の炎症に加えて、インプラント体を支える顎の骨が減少する骨吸収も起こります。

骨吸収が進行すると、インプラント体の固定が弱まり、ものを噛んだ際にぐらついてしまうのです。この骨吸収は度合いにより、歯科医院でリカバリーができないことがあり、インプラントの除去となるケースがあります。

なお、骨吸収を伴わない炎症は、インプラント周囲粘膜炎と区別されており、インプラントの固定に影響は少ないとされています。インプラント部分に異常があると感じたら、早めに歯科医師に相談し、早期発見や治療を心がけましょう。

インプラント体の破損

インプラント周囲炎だけでなく、インプラント体が破損した際にもインプラントの除去が行われます。インプラント体はチタン合金などの金属で構成されており、長期間、体内で力がかかっても耐えるよう形状、表面処理などの工夫がされています。

しかし、耐久性に優れたインプラント体であっても、数十年経つと少しずつ劣化し、破損することがあります。インプラント体が破損した状態で放置すると、インプラント周囲炎や咬合不良などのリスクがあるため、インプラントを除去しなければなりません。

インプラント体の体内への迷入

上の奥歯部分の近くには、上顎洞とよばれる鼻腔(空間)が広がっており、顎の骨が薄いため、インプラント治療の際には骨を作る手術も併用されるケースがあります。そこにインプラント体を埋入すると、インプラント体が上顎洞側へ移動して、まれに鼻腔の中に入り込んでしまいます。

この状態は「インプラント体の迷入」とよばれており、迷入したインプラントは一度除去しなければいけません。迷入したら、鼻から膿が出る、違和感があるなどの症状が出るため、少しでも自覚があれば、治療を受けた歯科医院、もしくは耳鼻咽喉科へご相談いただくとよいでしょう。

神経麻痺

顔には多くの神経が走っています。

お口周りも例外ではなく、医師は治療するうえで神経を損傷しないよう気をつけなければいけません。特に、下の顎に伸びている下歯槽神経は歯根の近くにあり、親知らずの抜歯では、治療後に下唇の知覚麻痺を起こす可能性が2%ほどあるといわれています。

インプラント治療においても、下の顎にインプラント体を埋入する際は神経を傷つけないよう、細心の注意を払います。それでも神経を損傷することがあり、知覚麻痺が確認されたら、インプラントを除去して神経の治療を行わなければいけません。

金属アレルギー

金属アレルギーの方にとって、インプラント治療を行うことができるのか気になる方も多いと思いのではないでしょうか。

結果からいえば、金属アレルギーの方でもインプラント治療は可能です。インプラント体はチタンで構成されるため、金属アレルギーの原因とされる金属(ニッケル・コバルト・水銀・パラジウム・クロムなど)は含まれていないからです。

ただし、ごく稀にアレルギーを発症することがあり、チタンが原因と確認された場合は、インプラントの除去を行います。

インプラント除去の方法

患者と患者の歯を見ている歯科医師

インプラント周囲炎などの要因でインプラントを除去するためには、埋入時と同じく、局部麻酔のもと、外科手術が行われます。

骨吸収が進んでいるケースであれば、軽く引っ張って抜くことができますが、通常は専用の器具を使用して除去します。インプラント体はねじのような形状で、埋入時はトルクをかけるため、除去する際は逆回転させることで抜くことができるのです。

なお、患部の状態によっては、多少骨を削ることもあります。

インプラント除去にかかる費用

費用をあらわすイメージ図

インプラント除去の費用は、保険適用のケースと保険適用外(自由診療)のケースがあります。

以下、それぞれ解説します。

保険適用の場合

保険診療でインプラント除去するには、インプラントを埋入した歯科医院以外の施設で治療を受けなければいけません。さらに、摘出前のレントゲン画像をそろえる必要があります。

一般的なインプラント体の除去は、1本あたり保険点数460点(4,600円)です。保険診療の場合、治療費を3割負担と想定すると、1,400円ほどが自己負担額となるでしょう。

保険適用外の場合

保険適用外で治療を受ける場合は、全額自己負担です。

歯科医院によっては保証制度を設けている場合もあるので、インプラント治療を行った歯科医院にご確認ください。

インプラント除去後に再手術はできる?

両手で疑問のポーズをしている女性

インプラント除去について説明しましたが、除去後に再度インプラント手術を行うことはできるのでしょうか。

できる場合とできない場合に分けて、以下それぞれ説明します。

再手術ができる場合

再度インプラント手術ができる条件は「除去した原因を改善できていること」が挙げられます。

インプラント周囲炎であれば、細菌感染部の除去や炎症の改善、インプラント体の破損であればその除去、神経損傷であればインプラント体の除去と知覚改善などです。

再手術ができない場合

続いて、インプラント除去後に再手術ができないケースをご紹介します。

基本的に、除去した原因が改善できていなければ再手術はできません。具体的には、炎症が治まっていない、癖や生活習慣が改善されていないなどがあげられます。

炎症が治まっていない

インプラント除去後は、一日でも早く再手術して噛める状態に戻したいものです。

しかし、炎症や細菌感染源が改善していないにも関わらず、インプラントを埋入すれば、再度インプラント周囲炎を起こすリスクが高いです。再手術は治療後に計画されるでしょう。

歯ぎしりや食いしばり癖がある

インプラント埋入部の骨吸収が起こる要因は、インプラントに過度の負担があり、歯ぎしりや食いしばり癖がある方にみられます。これらの癖が改善されないうちは、再度インプラント手術を行っても、新しいインプラントに過度の負担がかかるため、癖の改善が必要です。

喫煙習慣がある

インプラント治療において、喫煙者は不利になる傾向があります。タバコを吸うことで血流が悪くなり、インプラントと顎の骨の固定を遅らせる、口内環境を悪化させて細菌感染率を高めるなどのリスクがあるからです。

喫煙者=再手術不可というわけではありませんが、インプラント埋入から除去、再手術の過程で喫煙していたのであれば、喫煙習慣を見直してみましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、インプラントの除去について解説しました。

インプラント除去の要因は、インプラント周囲炎、インプラント体の破損、インプラント体の体内への迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどが挙げられます。インプラント除去は保険適用と保険適用外があり、保険適用の場合は3割負担で、インプラント1本あたり1,400円ほどです。インプラントに関するトラブルでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に口臭が!原因と対策を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

口臭がする人と口臭が気になっている人

インプラント治療後に、口臭が気になるとお悩みではありませんか。インプラントは、自分の歯のような見た目ですが、どうしても段差ができて、磨き残しができやすい形状です。

インプラント治療後の口臭の大きな原因は、きちんと歯を磨けていないことによる磨き残しです。磨き残しを放置すると、インプラントの脱落の原因となる「インプラント周囲炎」を発症するかもしれません。

今回は、インプラント治療後の口臭の原因と対策を解説します。口臭のセルフチェック法や正しい歯磨きの仕方もご紹介していますので、インプラント治療後の口臭にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

インプラントとは

インプラントのイメージ画像

歯科におけるインプラントとは、歯を失ったところに人工の歯根(インプラント)を埋めることで、歯を補う治療のことです。従来の治療法であるブリッジや入れ歯と違い、周りの歯を傷つけることなく、しっかり噛めるのが、インプラントの最も大きな利点です。

また、インプラントには金属アレルギーが出にくいチタンを使用しているので、適用できる方が多いこともメリットでしょう。

インプラントによる口臭の原因

口臭が気になっている女性と口臭がする男性

インプラント治療後に口臭が気になる原因には、以下の3つが考えられます。

磨き残し

歯の汚れであるプラークが溜まることによって、口腔内に細菌が繁殖することが口臭の原因です。

インプラントは、自分の歯のような見た目ですが、自然の歯よりも段差が多い形状なので、磨き残しができやすくなっています。特に、自分の歯とインプラントの歯の間やインプラントと歯茎の間に、どうしても汚れが溜まりやすいため注意が必要です。

磨き残しが多いことで、細菌が繁殖し、腐った生ごみのにおいがするガスを発生させます。このガスが、口臭の原因です。

もちろん、インプラント部分だけでなく、ほかの歯に磨き残しが多い場合でも口臭の原因となります。口臭予防には、できるかぎり磨き残しをなくすのがよいでしょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎が赤く腫れる、出血するといった歯周病のような病気のことです。インプラント周囲炎を発症すると、口臭の原因となることがあります。

そもそも、インプラント周囲炎は、磨き残しがあることや歯石が溜まっているなど、口腔内が清潔に保たれていないことが原因です。インプラント周囲炎を放置すると、顎の骨が吸収され、ぐらつきが起こり、最悪の場合、インプラントの脱落の原因となります。

インプラント周囲炎は、歯周病よりも進行が早いといわれています。そのため、インプラント治療後に口臭がきつくなった場合や歯茎の腫れや出血などの症状がみられる場合は、一度歯科医院を受診しましょう。

インプラントのゆるみ

インプラントは、以下の3つに分けられます。

  • 人工歯(被せ部分)
  • アバットメント(人工歯とインプラントの接続部分)
  • インプラント(人工歯根)

アバットメントは接続部分の「ねじ」なので、段々ゆるむことがあります。アバットメントがゆるむことで、すき間に唾液やプラークが入り込み、細菌が繁殖します。これが、口臭の原因になるのです。インプラント治療から時間が経つことでゆるむことがあるかもしれませんが、もう一度締めなおせば問題はありません。

ただし、インプラント部の噛み合わせが高いことが原因でゆるんだ場合には、注意が必要です。噛み合わせが高いことで、人工歯の破折や顎関節症など、さまざまな影響が出る原因になります。この場合は、調整や作り直しが必要となることもありますので、定期的に歯科医院でチェックを受けるのがよいでしょう。

口臭のセルフチェック方法

自分の手を使って口臭チェックをしている

自分の口臭はなかなか気づきにくいものです。ここでは、口臭のセルフチェック方法を、以下5つご紹介します。

コップや袋に息を吹きかけて嗅ぐ

まずは、すぐに試せる簡単な方法です。清潔なコップや小さめのビニール袋に口を当て、息を吹き込みます。吹き込んだらすぐ、においを嗅いでください。

嗅いだときにくさいと感じるなら、口臭がある可能性が高いです。

フロスのにおいを嗅ぐ

フロスは、歯と歯の間の汚れを落とすものです。使用後のフロスを嗅いで、くさいようなら口臭があるかもしれません。特に、インプラントと歯の間はすき間ができやすく、汚れも溜まりやすい部位です。

フロスは毎日使用することで、においのもととなる汚れを除去し、口臭予防に効果を発揮するでしょう。

舌の汚れをチェックする

口臭は、磨き残しのプラークだけでなく、舌の汚れも原因です。健康な方の舌はピンク色ですが、舌の汚れである舌苔(ぜったい)がついていると、舌は白く汚れています。舌苔は細菌の集まりで、その中に歯周病菌も潜んでいます。

歯の汚れだけでなく、舌の汚れをきれいにすることは、口臭予防、歯周病やインプラント周囲炎の予防に効果的です。

口臭測定器を使う

自分でにおいを嗅ぐのではなく、客観的に口臭があるか知りたい方は、口臭測定器を利用するとよいでしょう。口臭測定器とは、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなど、口臭のもととなるガスを測定します。

取り扱いのある歯科医院で測定してもらうか、市販でも売っているのでご自宅でも使用できます。

第三者に嗅いでもらう

自分のにおいに慣れていると、上記の方法を試しても気づかないかもしれません。そのような方は、信頼している方に口臭をチェックしてもらうのも一つの手です。

ご家族やご友人にお願いして、率直な意見をきくのがよいでしょう。

インプラントが原因で口臭がする場合の対策

歯磨きをしている女性

インプラント治療後に口臭がする場合の対策を、2つご紹介します。

正しい歯磨きの徹底

インプラント治療後に口臭が気になる場合、歯磨きが足りず、磨き残しがあるのかもしれません。

インプラント部分も、基本的には自分の歯を磨くのと同じように磨きます。一本ずつ丁寧に細かく動かし、歯と歯茎の境目を意識して磨きましょう。一本あたりの目安は、10~20往復くらい動かすとよいとされています。

特に、インプラント部分は段差ができて、磨き残しができやすくなります。歯とインプラントの間、インプラントと歯茎の境目部分には、フロスや歯間ブラシをプラスして使うのがよいでしょう。狭いすき間にはフロスを、大きいすき間には歯間ブラシを使ってください。また、インプラント部分の細かい部分には、小さなブラシのタフトブラシを使うのも効果的です。

インプラント治療を受けたところは、虫歯や歯周病などが原因で歯を失ったところです。磨き残しがあって虫歯になった、セルフケアができなくて歯周病になったところなので、インプラント部分は重点的にケアしましょう。

定期健診に通う

インプラントの治療後、トラブルなく快適に過ごすには、定期的に歯科医院のメンテナンスを受けることが必須です。

どれだけ毎日の歯磨きを頑張っても、どうしても磨けていない部分や歯ブラシが届かない部分はあるものです。

定期的に歯科医院に通い、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを受けることで、口臭の予防になります。超音波でプラークや歯石を除去することで、口臭だけでなく、虫歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防にも効果的でしょう。

定期健診では、歯科医師によるお口全体のチェックも欠かせません。インプラント部分の経過観察や噛み合わせの確認、インプラント部位のゆるみのチェックなどを行います。また、残っている歯の虫歯や歯周病のチェックによって、これ以上歯を失わないよう、お口の健康を守ることにもつながります。

お口の状態にもよりますが、3~6か月に一度、定期的に歯科医院に通うのが一般的です。

まとめ

ポイントを指さす女性

インプラント治療後に口臭が気になる方は、磨き残しが原因かもしれません。

インプラントは、自分の歯のような見た目でも、どうしても段差ができやすく、磨き残しができやすい形状です。そのため、インプラント部分はフロスや歯間ブラシなどの補助用具を使い、丁寧に歯磨きするとよいでしょう。

また、インプラント周囲炎が原因で口臭となっていることもあります。インプラント周囲炎は進行が早いため、知らずしらずのうちに深刻な状態となっているかもしれません。口臭は、お口の中になんらかのトラブルがあるサインです。インプラント治療後に口臭がきつくなった、歯茎の腫れや出血があるなどの場合は、一度歯科医院を受診しましょう。

インプラント治療後の口臭でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療で後遺症が残ることはあるのか?治療の安全性とリスク

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型と治療前の女性

失った歯を補う治療には、入れ歯やブリッジ、インプラントがあります。

インプラントは、ほかの治療と異なり、健全な歯を削ることなく、物を噛んだ時の感覚が自分の歯と変わらないといわれています。

しかし、このような素晴らしいメリットと引き換えに、顎の骨にインプラントを打ち込む外科的な手術が必要です。そのため、インプラント治療にはさまざまなリスクが伴います。

今回は、インプラント治療に伴う後遺症やリスクと安全性について説明します。

インプラント治療で後遺症が残ることはあるのか?

2本のインプラント

インプラント治療で後遺症が出ることはあります。

ここでは、インプラント治療の安全性とリスクについて解説します。

インプラント治療の安全性

インプラント治療の安全性については、以下の2つが挙げられます。

人体への影響が少ない

インプラント治療では、チタンから構成されたインプラント体を埋め込みます。通常、人体に異物を埋め込むと免疫反応が亢進(こうしん)し、アレルギー反応が起こることがあります。

しかし、チタンはこれらの反応が起こりにくく、人体への影響はほとんどありません。

精密検査により事故が防止できる

インプラント治療を行う前の精密検査として、CT検査があります。

CT検査を行うことによって、血管や神経などの解剖学的な走行を把握することができます。この情報をもとに、インプラントをどの方向に埋入(まいにゅう)すると安全なのか、事前に調べることができ、神経損傷などの事故を防止することができるのです。

インプラント治療のリスク

次に、インプラント治療のリスクについて、解説します。

血管や神経の損傷のリスク

インプラント治療では、顎の骨に「インプラント体」とよばれる、歯の根っこに相当する金属を埋入します。

顎の骨には、血管や神経など、さまざまな構造物が存在しているため、インプラント体を埋め込む際に、血管や神経を傷つける場合があります。特に、下顎には下歯槽動脈(かしそうどうみゃく)、舌下動脈(ぜっかどうみゃく)、オトガイ下動脈といった太い動脈が走行しており、これらの動脈を損傷した場合は、顎の下に血が溜まり、窒息することがあるのです。

上顎洞の損傷のリスク

上の前歯から数えて5~7番目までの歯の根っこ近くには、上顎洞(じょうがくどう)とよばれる空洞が存在します。インプラント体を埋入する際に、この上顎洞を貫通し、傷つける場合があります。

感染症のリスク

インプラント治療では、基本的に2回手術を行います。その過程で、治療部位に細菌が入り込み、感染症を引き起こすことがあります。

インプラント治療のリスクが高い方

リスクをあらわすイメージ図

インプラント治療を行う際に、合併症を引き起こしやすいリスクの高い方を、以下にまとめます。

糖尿病の方

糖尿病は、血中のグルコースが細胞内に取り込みにくくなっているため、血中にグルコースが豊富に存在しています。グルコースは細菌の栄養となるため、血液のグルコース濃度が高い糖尿病の方は、感染症を起こしやすく、傷の治りが遅くなる傾向にあります。

糖尿病がある方でインプラント治療を希望される場合は、かかりつけの内科の先生に相談しましょう。

高血圧症の方

インプラント治療は外科手術であるため、精神的なストレスが大きく、手術中に血圧が上昇することがあります。血圧が高くなりすぎると、手術中に血が止まらなくなる場合や気分が悪くなる場合があります。

高血圧症と診断された方は、かかりつけの内科の先生に相談し、血圧をコントロールしたうえでインプラント治療を行いましょう。

骨粗鬆症の方

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密度が低下し、骨が弱くなる病気です。インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋め込むため、骨量が少ないとインプラント体が骨と結合しないことがあります。

また、骨粗鬆症のお薬の中には骨の感染を起こしやすくなるものもあるので、場合によってはインプラント治療が行えないことがあります。

妊娠中の方

レントゲンやCT撮影で使用されるX線は、胎児に影響を及ぼすリスクがあります。

また、インプラント手術は時間がかかることがあり、術中に体調の悪化を引き起こすリスクもあります。そのため、妊娠中はインプラント治療を行うことができません。

喫煙する方

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる働きがあり、禁煙をしていない状態でインプラント治療を行うと、傷の治りや骨とインプラントの結合が遅くなります。

また、インプラント治療を行ったあとも、インプラント周囲炎とよばれる、インプラント周りの歯茎に炎症が起こるリスクが増加します。

血が固まりにくい薬を服用している方

心疾患などが原因で血栓ができやすい方は、血栓予防として血が固まりにくくなるお薬を服用していることがあります。

このようなお薬を服用されている場合、止血が難しくなることがあります。

インプラント治療による後遺症の事例

副鼻腔炎の女性

CTやレントゲン検査などで神経や血管の走行を確認することができるため、後遺症が起こることはほとんどありません。

しかし、ごくまれに後遺症を伴うことがあります。

代表的なインプラント治療による後遺症の事例を、以下にまとめます。

副鼻腔炎

上顎の骨には副鼻腔(ふくびくう)とよばれる以下の4つの空洞があります。

  • 前頭洞(ぜんとうどう)
  • 篩骨洞(しこつどう)
  • 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)
  • 上顎洞(じょうがくどう)

インプラント体を埋め込む際に、副鼻腔の一つである上顎洞を傷つけた場合は、上顎洞に炎症が起き、副鼻腔炎を起こすことがあります。

副鼻腔炎は、鼻づまりや頭痛など、さまざまな症状を引き起こしかねません。

神経損傷

下顎には下歯槽神経(かしそうしんけい)とよばれる、お口の周りの感覚を認識している神経が走っています。

インプラントを埋め込む方向が悪いと、下歯槽神経を傷つけてしまい、お口周りの麻痺を引き起こすことがあります。ビタミン剤などの服用で改善することがありますが、後遺症としてしびれが残ることがあるのです。

安心してインプラント治療を受けるための歯科医院選び

医師と笑顔で会話する患者

ここまで、インプラント治療に伴うリスクや後遺症について説明しました。

インプラント治療を安全に受けるための歯科医院の選び方を、以下にまとめてみました。

症例数や医師の実績を確認する

インプラント治療は高度な専門性を必要とする外科治療であるため、歯科医院の年間症例数や担当医の実績が重要です。

年間の症例数が多く、日本口腔インプラント学会が認定する「インプラント専門医」が在籍している歯科医院かどうかなどを確認しましょう。

カウンセリングについて確認する

インプラント治療には、さまざまなリスクが伴います。

しかし、これらのリスクを説明せず、安易にインプラント治療をすすめる歯科医院には注意が必要です。インプラント治療を始める前のカウンセリングが丁寧に行われているかを確認しましょう。

安価すぎる値段設定には注意する

インプラント治療の相場は約30〜40万円ほどです。

しかし、歯科医院の中には、相場よりかなり安い10万円台で治療を行っている歯科医院も存在します。このような価格帯の場合、CT撮影などの大事な検査や治療後のアフターケアを行っていない可能性があります。

医療設備を確認する

インプラント治療を安全に行うためには、治療を行う前の精密検査が重要といえます。特に、インプラントをどの位置に埋め込むかを確認するCTの存在は、とても重要です。

また、血圧などの変化をきちんと把握するために、必要な機材や手術中の精神的負担をやわらげることができる鎮静法が行われているか、医院のホームページなどで確認しましょう。

アフターケアについて確認する

インプラントは人工歯であるため虫歯になることはありませんが、インプラント歯周炎とよばれるインプラント周囲の歯茎の炎症が起こることがあります。

インプラント歯周炎が悪化すると、インプラントを除去する必要があります。このようなトラブルを防ぐため、歯科医院が行う定期的なメンテナンスが必要となるのです。

インプラント治療後のメンテナンスをしっかりと行なっているか確認しましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、インプラント治療のリスクや安全性などについて説明しました。インプラント手術には、神経損傷などさまざまなリスクが伴います。

しかし、インプラント治療前の精密検査などを行い、事前の治療計画がしっかりしていれば、このようなリスクは比較的低いといえます。そのため、医療設備や治療実績などを参考に、少しでもリスクの少ない歯科医院を選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

金属アレルギーがあるとインプラントはできない?治療を受けるときに気を付けることも解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

黄色の背景の前にインプラントが2本置かれている

インプラント治療を受けるにあたって、金属アレルギーを気にされている方もいるのではないでしょうか。インプラントは金属のネジを歯茎の中に埋め込みますが、金属アレルギーがあってもインプラント治療を受けることは可能です。

しかし、金属アレルギーの心配をしている方は、インプラント治療を受ける前に気を付けておくべき点があります。

この記事では、インプラントと金属アレルギーの関係性について詳しく解説していますので、金属アレルギーが心配でインプラント治療を躊躇っている方はぜひ参考にしてください。

金属アレルギーがあるとインプラントはできない?

銀の分子・原子が複数個浮いている

インプラントは金属のネジを歯茎の中に埋め込むため、金属アレルギーがある方はインプラント治療を受けられないと思われがちです。

しかし、金属アレルギーがあったとしても、ほとんどのケースでインプラント治療を受けることが可能です。なぜなら、インプラント体は金属でできていますが、金属の種類が「チタン」というもので、人の体と親和性の高い金属だからです。チタンは人工関節などにも使用されており、金属アレルギーを発症する可能性が低いといわれています。

あくまで金属アレルギーになる可能性が低いだけであって、必ずしも金属アレルギーにならないわけではありません。そのため、金属アレルギーが心配な方は、インプラント治療を受ける前に確認しておいたほうがよい点がいくつかあります。

そもそも金属アレルギーとは?

両手で口元を抑える険しい表情の女性

金属アレルギーの方は、金属のアクセサリーなどを着用することで、皮膚が荒れるなどの症状が出ます。お口の中の金属アレルギーも同様ですが、症状はさまざまです。口内炎のようにお口の中の粘膜が荒れてしまうこともあれば、お口の中以外の部位に症状が出ることもあります。お口の中以外に症状が出てきた場合は、お口の中の金属が原因だと気付きにくいでしょう。

「現在、銀歯が入っているけど、何も症状がないから大丈夫」と安心している方もいるかもしれませんが、お口の金属アレルギーは銀歯などが入ってすぐに発症するケースは少ないです。多くの場合、数年〜数十年後にアレルギー症状を発症します。お口の中に金属がある限り、誰でもいつか金属アレルギーになる可能性があるということです。

お口の中にある金属の被せ物や詰め物は、唾液などによって溶けだし、金属イオンとなります。この金属イオンが体の中のタンパク質と結びつき、アレルゲンに変質します。保険診療で使用される銀歯の多くは金銀パラジウム合金でできていますが、この素材は長期間使用することで劣化しやすく、金属アレルギーを起こしやすいといわれます。

入れ歯で使用されるニッケルクロム合金も金属アレルギーを起こしやすいです。そのほかにも、昔の虫歯治療でよく使われていたアマルガムもアレルギーを発症しやすいので、要注意です。チタンやゴールドは金属アレルギーを発症しにくい素材ではありますが、中にはチタンやゴールドで金属アレルギーを発症する方もいます。

金属アレルギーが心配な方は、インプラント治療だけでなく、お口の中に金属を使用したものが入っていないかチェックしてみましょう。銀歯や銀の詰め物が入っている場合は、メタルフリーの素材で治療することで、金属アレルギーを心配することなく過ごせます。

金属アレルギーの方がインプラント治療を受けたいときは

レントゲンと歯の模型を使って説明している歯科医師

金属アレルギーがあってもインプラント治療を受けることは可能です。インプラントで使用する金属は、金属アレルギーが発症しにくい「チタン」と呼ばれる金属を使用するためです。

しかし、必ずしも金属アレルギーにならないとはいい切れないため、金属アレルギーが心配な方は、前もって対策をしておきましょう。金属アレルギーの方がインプラント治療を受けたいときに大切なことは、以下の4つです。

  • インプラント治療を受ける前に歯科医師に相談する
  • パッチテストを受ける
  • 純チタン製のインプラントを使用する
  • 金属を使用しない被せ物を選択する

それぞれを詳しく解説します。

インプラント治療を受ける前に歯科医師に相談する

「インプラントは金属アレルギーになりにくい金属を使用しているから大丈夫」と自己判断してはいけません。金属アレルギーがある方や心配な方は、治療を受ける前に必ず歯科医師に相談しましょう。歯科医師に伝えておくことで、金属アレルギーを配慮した治療を提案してくれますし、皮膚科と連携した治療を行う場合もあります。

パッチテストを受ける

事前にパッチテストをしておくことで、安心してインプラント治療を受けられます。インプラント治療を受ける前に、希望者に対してパッチテストを行っている歯科医院もありますので、気になる方は歯科医師に相談しましょう。

純チタン製のインプラントを使用する

インプラントメーカーによって、インプラントの素材は異なります。

大きく分けると、チタン99.8%以上の純チタン製のインプラントと、ほかの金属を混ぜているチタン合金のインプラントがあります。当然、純チタン製のインプラントのほうが金属アレルギーの発症リスクは低いです。チタン合金のインプラントは、ほかの金属が混ざっている分、強度は高くなりますが、金属アレルギーを発症する可能性は上がってしまいます。金属アレルギーが心配であれば、体との親和性が高い純チタン製のインプラントで治療してくれる歯科医院で治療を受けたほうがいいでしょう。

インプラント治療を受ける際に、どのメーカーのどんなインプラントを使用しているか知らずに治療を受けている方が大半だと思います。

しかし、自分のお口の中でおよそ10年は使用するものだからこそ、素材などをしっかりと把握しておきましょう。インプラントメーカーの説明までしてくれる歯科医院もありますが、不明な場合は一度確認しすることをおすすめします。金属アレルギーがあるのであれば、その旨を歯科医師に伝え「純度の高い純チタン製のインプラントを使用してほしい」と相談してみましょう。

金属を使用しない被せ物を選択する

金属を使用するのは歯茎に埋めるインプラント体だけではありません。被せ物の種類にも注意しましょう。多くのインプラントの症例で使用される被せ物の種類は、以下の5つです。

  • メタルボンド
  • ゴールド
  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • ハイブリッドセラミック

オールセラミック、ジルコニア、ハイブリッドセラミックは一切金属を使用していませんが、メタルボンドやゴールドは金属を使用しています。メタルボンドは内側が金属となっており、外側にセラミックを焼き付けているのです。メタルボンドもセラミックを使用した白い歯なので、金属を使用していることに気付いていない方もいるので要注意です。ゴールドも金属アレルギーを起こしにくい素材ではありますが、可能性がゼロではないので気を付けましょう。

歯科医院によっては上記の被せ物以外のものも使用している場合があります。金属アレルギーについて歯科医師に相談し、金属を使用しない被せ物を選択しましょう。

インプラント治療後に金属アレルギーを発症してしまったら

手で首元を掻いている女性

インプラント治療後にアレルギー症状を発症し、その原因がインプラントだった場合は、残念ですがインプラントを抜かなければいけません。原因物質を取り除かない限り、アレルギー症状を治せないためです。

高額な治療費を出して受けたインプラント治療が無駄になってしまうのは非常に勿体ないことです。最終的にインプラントを抜かないといけなくなってしまう前に、金属アレルギーの方や金属アレルギーに不安がある方は、事前に確認と対策をしておきましょう。

まとめ

レントゲンを見ながら患者に説明をする歯科医師

インプラントは「チタン」を使用しており、金属アレルギーを発症しにくい種類であるため、金属アレルギーがある方でもインプラント治療を受けることができます。

ただし、必ずしも金属アレルギーを発症しないわけではありません。万が一、金属アレルギーを発症してしまった場合は、インプラントを抜く必要があることを理解しておきましょう。

とはいえ、誰もがせっかく埋めたインプラントを抜くことは避けたいはずです。後悔しないためにも、金属アレルギーの心配がある方は、事前にパッチテストを受けてチタンアレルギーの確認を行い、インプラント治療で使用する素材について歯科医師と相談しながら決めていきましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!