タグ別アーカイブ: 口腔ケア

喫煙していてもインプラント治療は受けられる?リスクを詳しく解説!インプラント 喫煙

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

タバコを取り出す

喫煙していてもインプラント治療を受けられる場合はありますが、多くのリスクを伴います。治療が失敗に終わる、治癒過程で問題が発生して追加費用が発生する、治療期間が延長するなどのトラブルにつながることもあるでしょう。

そのため、インプラント治療中は喫煙を控えるよう指示されることが多いです。

今回は、インプラント治療における喫煙のリスクについて詳しく解説します。

喫煙していてもインプラント治療は受けられる?

疑問がある男性

喫煙している方がインプラント治療を受ける場合、禁煙を勧められることが多いです。喫煙者のインプラント治療を断っている歯科医院もあるでしょう。

インプラント治療を成功させ、長期的な使用を可能にするためには、患者さまの生活習慣が密接に関連します。特に、喫煙は多くのリスクをもたらすといわれているのです。

インプラント治療後の回復過程では、歯肉の修復や細胞の増殖が不可欠です。

しかし、タバコの有害物質は歯肉の修復や細胞の増殖を妨げ、治癒を遅らせます。唾液は口内の清潔を保つだけでなく有害物質の中和にも貢献しますが、喫煙すると唾液の分泌量が減少します。

口内の細菌が増加するなど、インプラント周囲炎の原因となることも多いです。基本的に、インプラント治療中は禁煙する必要があることを理解しましょう。

インプラント治療中に喫煙するとどのようなリスクがある?

ビックリマークを指差す

喫煙は、血流阻害や白血球の機能低下を招きます。そのため、侵襲の大きいインプラント治療において、喫煙は大きなリスク要因となるのです。

喫煙はインプラント治療において多くのリスクをもたらします。治療の成功を望むならば、喫煙習慣の見直しを検討したほうがよいでしょう。

インプラント治療中に喫煙することによるリスクは、以下のとおりです。

骨との結合が弱くなる

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる効果があります。血流が悪化し、インプラントを支える歯肉への酸素・栄養の供給が不十分となるでしょう。

治癒が遅れる可能性や、インプラントと骨との結合が弱くなる可能性が高まるのです。一酸化炭素もニコチンと同様に血流を悪化させ、酸素を運ぶヘモグロビンの機能を阻害します。

炎症が起きやすくなる

白血球は体を守るための主要な細胞の一つですが、ニコチンの影響で機能が低下することがわかっています。そのため、喫煙している方は、歯肉に細菌が侵入した際、炎症が進行しやすくなるのです。

喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周辺での炎症やトラブルが多いというデータも存在します。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントを固定している周りの組織が炎症を起こし、進行すると骨が溶ける病気です。

初期段階では目立った症状が少なく、気づかないまま悪化することが少なくありません。症状が重度になると、インプラントが安定せず抜け落ちる可能性があるのです。

喫煙者は、ニコチンの影響で免疫力が低下する傾向にあります。免疫力が低下している状態でインプラント治療を受けると、細菌による感染リスクが高まります。インプラント周囲炎のリスクも増加するでしょう。

インプラントを長期的に使用するためには、日常の口腔ケアが非常に重要です。歯ブラシやデンタルフロスを用いたクリーニングはもちろん、歯科医院での定期検診も不可欠です。定期的な検診により、初期の段階での炎症を早期に発見し、適切な対応が可能となります。

喫煙者の方は、非喫煙者に比べてインプラント周囲炎のリスクが高いことをしっかりと理解しましょう。また、症状も悪化しやすいです。

治療を成功させ、インプラントを長く維持するためには、喫煙習慣を見直しましょう。定期的な歯科健診も怠らないことが大切です。

治療期間が長引く

喫煙者がインプラント治療を受ける場合、非喫煙者は治療の流れや必要な期間が変わることが多いです。インプラント手術の基本的な方法としては、1回法と2回法が挙げられます。

1回法は、手術が1回で完了する方法です。全身状態や骨・粘膜の状態が良好な方に向いています。喫煙者の場合、1回法を選択できることは非常に稀です。喫煙によって傷の治癒が遅れ、細菌感染のリスクが高まるからです。

1回法では、インプラント体と人工歯根をつなげるアバットメントが歯茎の上に露出します。傷口の閉鎖が困難なので、細菌が侵入しやすいです。健康な方の場合は問題ないですが、喫煙者の場合はインプラント治療が失敗するリスクが高まります。

そのため、喫煙者には2回法が推奨されることが多いです。2回法では、初回の手術でインプラントを埋入し、歯茎をしっかりと縫合します。骨とインプラントがしっかりと結合したことを確認してから、2回目の手術でインプラントの一部を露出させてアバットメントを取り付けるのです。

2回法は、非喫煙者であれば通常4〜6か月の期間が必要となります。

しかし、喫煙者の場合、傷口の治癒が遅くなります。治療が完了するまでの期間が長くなることが多いです。具体的には、1年近くかかるケースも少なくありません。

インプラント治療後も喫煙は控えるべき?

タバコを折る女性

インプラント治療後も、喫煙は控えるべきです。治療を無事に終えて安心する方も多いでしょう。「ずっと我慢してきた喫煙を再開できる」と考える患者さまも多いです。

しかし、治療が終わったからと喫煙によるリスクがなくなるわけではありません。インプラント治療後も喫煙を控えることが、インプラントを長く維持するためには重要です。

喫煙による体への影響は多岐にわたりますが特に口内に限れば、喫煙によって口腔内が乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液は口内を潤すだけでなく、細菌の繁殖を抑える役割も持っています。唾液の量が少なくなることで、細菌感染のリスクが高まるのです。

ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、血流が悪化し、酸素や栄養素が組織に届きにくくなることが知られています。インプラント周辺の組織が酸素不足の状態となり、免疫力が低下するでしょう。

細菌感染のリスクが高まり、免疫力が低下すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りに炎症が起きる症状です。進行すると、最終的にはインプラントが脱落することもあります。

治療後にインプラントが安定した場合でも、インプラントを長く使い続けるためには、喫煙を避けたほうがよいのです。

インプラント治療を検討する際は、治療後の禁煙の重要性も十分に理解することが求められます。継続的な喫煙は、高額な費用と長い時間をかけて行ったインプラント治療を無駄にする恐れがあるのです。

インプラントの健康を長く維持したいのであれば、喫煙を控えてください。治療の前後に関わらず、ご自身の健康を守るための選択として禁煙を真剣に考えましょう。

まとめ

タバコ
喫煙者でも、インプラント治療を受けることは可能な場合があります。

しかし、喫煙は血流を悪化させるため、治療中や手術後の傷の治癒が遅れるリスクがあります。また、インプラントが骨に結合する過程でも喫煙の影響を受けやすく、成功率が低下するでしょう。

治療中の喫煙は、インプラントの失敗リスクを高めるとともに、感染症のリスクも増加させる可能性があります。タバコに含まれる成分は口腔内の環境を悪化させ、細菌の繁殖を促進するといわれています。インプラント周囲炎が進行して骨が吸収され、最悪の場合、インプラントが抜け落ちる可能性もあるのです。

治療後も喫煙を続けると、インプラントの寿命が短くなるリスクもあるため注意が必要です。治療中だけでなく、長期的に考えても、喫煙はインプラントの健康を損なう大きな要因となり得ます。インプラント治療を受けるのであれば、控えることが強く推奨されています。

喫煙は、インプラント治療の成功率や長期的な健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。治療を検討する方は、喫煙習慣を見直しましょう。

インプラント治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントで歯茎が黒くなるって本当?原因を詳しく解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの3D画像

歯茎は腫れることや出血することがありますが、中には歯茎が黒ずむこともあります。インプラントは歯茎がしっかりとしている状態で埋入する治療法であるため、歯茎の異常はインプラントの問題にも繋がる恐れがあります。

今回は、インプラントで歯茎が黒くなるときはどのようなときなのか、何が原因で黒くなるのかについて解説します。さらに、歯茎が黒くなるのを予防する方法もご紹介しますので、インプラントを長くよい状態で維持したい方はぜひ参考にしてください。

インプラントで歯茎が黒くなるって本当?

クエスチョンマークだらけの女性

インプラント治療そのものが直接歯茎を黒くすることはありませんが、インプラント治療後の不適切な口腔ケアや炎症の発生などが原因で、歯茎が黒く見えることがあります。

具体的には、以下の3つの事例が考えられるでしょう。

歯茎の炎症

1つ目は、歯茎の炎症です。

インプラント周辺の歯茎の炎症が長期間放置されることにより、歯茎の色が変わることがあります。これは、炎症により血流が増大し、その結果、歯茎が赤っぽく見えるのです。

口腔内の衛生状態の悪化

2つ目は、口腔内の衛生状態の悪化です。

インプラントを入れたあとは、特に丁寧なブラッシングが必要です。口腔内の細菌が増えてしまうと、タンパク質や糖と反応して黒い色素を生成する可能性があり、歯や歯茎が黒く見える要因の1つになるでしょう。

インプラントの材質による色移り

3つ目は、インプラントの材質による色移りです。

金属アレルギーがある場合や、金属成分の過剰な溶出が起こると、歯茎が黒く色づくこともあります。インプラント治療を受けた場合でも適切なアフターケアと定期的なチェックアップ(検査)を行うことで、歯茎が黒くなるリスクを大幅に下げることが可能です。

インプラントで歯茎が黒くなる原因

厳しくレクチャーする歯科医

インプラントで歯茎が黒くなる原因は複数あります。ここでは、代表的な例を順番に解説します。

インプラント周囲炎

インプラントにより歯茎が黒くなる原因の1つは、インプラント周囲炎という病気です。

インプラント周囲炎は、インプラントを埋め込んだ部位の口腔内細菌による感染が原因で発生します。インプラントが体に適合せず、組織とインプラントの間にすき間ができると、そこに細菌が侵入しやすくなるのです。その結果、歯茎に炎症が起き、赤みや腫れが生じます。

この状態が放置されると細菌が増え、歯茎が徐々に黒ずんできます。主に、口腔内の清掃が不十分な場合やインプラントの管理が十分でない場合に起こりやすいとされています。

インプラントの埋入後は、日々の口腔ケアを入念に行い、定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠らないことが予防につながるでしょう。

インプラントの金属が透けて見えること

インプラントとは欠損した歯を補うための手段の1つで、インプラント体を顎の骨に埋入し、その上に人工の歯を固定する治療法です。

インプラントに使う素材の色により、歯茎が黒く見える原因になることがあります。特に、歯茎の厚みが薄い場合やインプラント体が歯茎の表面に近い位置に設置された場合、インプラントの金属色が歯茎を透けて見えてしまうことがあるのです。歯茎が黒く見えるのは、歯茎が本来もつピンク色ではなく、インプラント体の色が透けて見えているからです。

この問題を予防するためには、初めから歯茎の厚さを考慮して、インプラントの位置を正確に決定することが重要といえるでしょう。また、歯茎が薄い人では、骨や歯茎を増やす処置などが必要となる場合もあります。

歯茎が黒くなる原因はインプラントだけではない?

色の暗い歯茎

歯茎が黒くなる原因には、インプラント以外のことも考えられます。どのような原因があるのか、順番に掘り下げて解説します。

被せ物から溶け出した金属イオン

虫歯の治療で使用した金属製の被せ物やブリッジが歯に装着されている場合も、歯茎が黒くなる原因の1つです。

これらの金属製の被せ物から溶け出した金属イオンは歯肉に影響を与えることがあり、歯肉の色が黒く変わる可能性があります。

たばこに含まれる有害物質

歯茎が黒くなる原因に、たばこに含まれる有害物質も考えられるでしょう。

特に、ニコチンとタールは歯茎に直接付着するため、長期的な習慣によって黒ずみや歯石の原因となります。また、たばこに含まれる有害物質は口腔内の血流を悪くするため、歯茎の健康を害する可能性もあります。

歯茎の黒ずみが気になる方は、喫煙習慣を見直すことも重要な対策です。

歯周病

歯茎が黒くなるケースにおいてよく見られるのは、歯周病です。

歯周病は、口内の細菌が原因で歯茎が炎症を起こし、進行すると歯茎が黒ずんでしまいます。放置すると、歯肉の退縮、歯のグラつきが生じます。最悪の場合は、歯の抜け落ちといった重大な問題を引き起こす可能性もあるでしょう。

歯周病を防ぐためには、日頃の口腔ケアや定期的な歯科医院でのクリーニングが予防には欠かせません。

インプラントで歯茎が黒くなるのを予防する方法

両手に歯ブラシを持つ男性

歯茎が黒くなる原因がインプラントの場合には、いくつか予防するための方法があります。日頃から予防を心がけることで、歯茎が黒くなることを防げるでしょう。効果的な予防方法を順番に解説します。

歯科医院での定期検診

インプラント治療後の口腔ケアは非常に重要です。特に、歯茎の変色を防ぐためには細心の注意が必要といえるでしょう。

歯周病やインプラント周囲炎等の口腔内疾患の初期段階などの場合、定期検診にきちんと行っていれば、医師が発見し対処してくれますが、定期検診に行かずに放っておくと、インプラント周りの歯茎が黒くなる原因となります。

また、定期検診では、クリーニングでインプラント周囲の歯石を除去することで歯茎の健康を保つこともできるでしょう。歯磨きだけでは難しい部分の清掃も可能なため、歯茎の黒ずみの予防だけでなく、インプラントの長持ちにも寄与するというメリットもあります。

常にきれいな口腔内を保つよう心掛け、定期検診を利用して健康な歯と歯茎を維持していきましょう。

自宅でのセルフケア

インプラント治療後に歯茎が黒くなる原因の1つに、口腔内の適切な衛生管理ができていないことが挙げられます。炎症や感染を防ぐために、以下の自宅でのセルフケアを行いましょう。

1. 歯磨き

インプラント周囲も含めて、毎日しっかりと歯を磨くことが必要です。透明の歯磨き剤を使用して、インプラントの色を確認しながら磨くとよいでしょう。

2. フロスまたはインターデンタルブラシの使用

フロスやインターデンタルブラシは、細かい部分の清掃に役立ちます。インプラントと自然の歯の間を清潔に保つことができるでしょう

3. 食事後の口腔ケア

食事後は、口をすすいだりハミガキを行いましょう。

4. アルコールの摂取を控えること

アルコールは口腔内の細菌増加を引き起こし、炎症のリスクを高めます。できる限り控えましょう。

以上のようなセルフケアを意識的に行うことで、インプラント周囲の歯茎の健康を維持し、黒ずみを防ぐことが可能です。

まとめ

満足そうに歯を見る女性

ご自身の歯のようにしっかり噛めて、見栄えもよいことから人気のインプラントですが、ときにインプラントが原因で歯茎が黒くなることがあります。歯茎の黒ずみを防ぐためには、インプラント治療以降の口腔ケアを丁寧に行うことが大切です。

歯茎が黒くなる原因には、インプラント以外の要因もあるため、インプラント部分を適切にケアしているのにも関わらず歯茎が黒ずむ症状が出る場合は、歯科医へ相談しましょう。

歯茎の黒ずみは、歯周病や喫煙など、生活習慣が大半の原因を占めます。歯茎のトラブルを防ぐためには、ふだんの生活を改善することも効果的といえるでしょう。

ご自身でケアできる部分は、できる範囲で改善していきつつ、定期的に歯科医院での診察を受けることも大切です。健康できれいな歯茎を維持していくために、ふだんから口腔ケアを意識していきましょう。

インプラントによる黒い歯茎でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

老後にインプラント治療を受ける場合のメリット・デメリットを知ろう!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型を持って微笑む女性歯科医師

失った歯の代わりとなるインプラントは、審美性や機能性に優れており、近年幅広い世代から注目されている治療法です。老後に歯を失った場合、インプラント治療を受けることはできるのでしょうか。

今回は、老後にインプラント治療を受けるメリット・デメリットや、治療を受ける際の注意点について解説します。

老後に歯を失った場合の治療法

歯科医院で説明を受ける高齢の女性

失った歯を補う主な治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類が挙げられます。3種類の治療法の違いや特徴を確認しましょう。

入れ歯

入れ歯治療は、失った歯を補う代表的な治療法です。健康な歯を削る必要がないため、身体的な負担が少ないことが特徴です。

入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

総入れ歯

歯が1本も残っていない場合、総入れ歯を選択します。総入れ歯は、歯茎全体を土台として、床(しょう)とよばれる部分を吸着させるようにして装着します。

部分入れ歯

歯が1本でも残っている場合、部分入れ歯が装着可能です。

通常、部分入れ歯は、残っている歯を土台にしてクラスプとよばれる金属バネを装着します。近年では、部分入れ歯の種類が増えており、クラスプがない部分入れ歯もあります。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、人工歯を被せる治療法です。健康な歯を削ることに抵抗がある方もいると思いますが、近年では技術の進歩により、削る量を最小限にしてブリッジ治療を受けられるようになりました。

しっかり削るブリッジと比較すると、固定力が弱いなどのデメリットもあるので、ご自身に合った方法を選択することが大切です。

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着する治療法です。審美性に優れており、噛む力が自分の歯と変わらないなどのメリットがあります。健康な歯を土台にしたり削ったりすることがないため、周囲の歯への負担がありません。

しかし、自費診療のため高額であることや外科的治療が必要なことなど、デメリットもあります。

老後にインプラント治療は受けられるのか

顎に手を当てて考える白髪の女性

老後でもインプラント治療は受けられるのでしょうか。

結論からいうと、インプラント治療は年齢制限なく受けることができる治療法です。

明確な年齢制限はありませんが、顎の骨の成長が終わっていない未成年や、70歳以上の高齢の方は、インプラント治療を受けられない可能性があります。高齢になると体力や、治癒能力が低下する方が多いためです。

しかし、80代でインプラント治療を受け、食事ができるまで回復した方もいます。

インプラント治療が可能かどうかは、年齢よりも口腔内や全身の健康状態に左右されるといえるでしょう。

老後にインプラント治療を受けるメリット

机に置かれたノートと植物とメリット

老後にインプラント治療を受けるメリットは、以下のとおりです。

しっかり噛める

インプラントは、入れ歯やブリッジと比較すると噛む力が強いといわれています。本来の歯の7~9割程度の噛む力を回復することができます。

老後は噛む力が衰えていくことが多いため、できるだけ噛む力を回復させる治療が望ましいでしょう。噛む力が強いと食べ物を制限する必要もないため、食事を楽しむことができます。

認知症を予防できる

噛むという動作は、脳に刺激を与えます。

インプラント治療は、床やクラスプなどがないため味や温度がダイレクトに感じられ、五感が刺激されるでしょう。脳に刺激が伝わるので、インプラントは認知症の予防につながるのです。

コミュニケーションが活発になる

「入れ歯がパカパカして話しにくい……」と感じたことがある方もいるでしょう。歯を失ったことで、口を開けて話すことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

しかし、インプラントは、入れ歯のように外れることがなく審美性にも優れているため、口を開けて笑うことや話すことに積極的になれます。老後は、人とのコミュニケーションが少なくなる方が多いです。コミュニケーションを楽しめるように、失った歯を補うことが重要といえるでしょう。

見た目が若々しくなる

インプラント治療は、ほかの治療と比較しても審美性に優れています。本来の歯と変わらない色や透明感を再現できるため、見た目を若々しく保つことができます。

また、噛む力が衰えないため顎の筋肉が維持され、若々しい印象を保てるでしょう。

管理しやすい

インプラントは、入れ歯のように外して洗浄する必要がなく、残っている歯と一緒にケアすることができます。高齢の方でも管理がしやすいことがメリットです。

老後にインプラント治療を受けるデメリット

demeritと書かれた黒板

老後にインプラント治療を受けるデメリットは、以下のとおりです。

外科的治療によって身体に負担がかかる

インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋入するために外科的治療が必要です。

外科的治療は身体への負担がかかるため、耐えられる体力が必須といえます。また、歯茎を切開して顎の骨に穴をあけるので、治癒能力についても重要視されるでしょう。

治療を受けられない場合がある

インプラント治療は、人工歯根を埋入するので十分な顎の骨量が必要です。高齢の方は骨粗しょう症などによって顎の骨量が足りない場合があります。骨量が足りない場合、治療を受けることができません。

また、老後は糖尿病や高血圧などの持病があるリスクも高まります。持病がある場合も、リスクが高いと判断され治療を受けられないことがあるでしょう。

細菌感染を引き起こす可能性がある

高齢者は、若い人に比べて免疫力が低下しています。そのため、手術後に細菌感染を引き起こすリスクが高くなるでしょう。

インプラント体と骨が結合しづらい

高齢者は、若い人よりも免疫力が低下していることから、傷を治す力が弱まります。若い人と比較すると、インプラント体と骨が結合しづらいのです。

うまく結合できなかった場合は再度手術が必要となり、負担が大きくなるでしょう。

治療費や治療期間がかかる

インプラント治療は、基本的に自費診療なため高額な費用がかかります。

また、治療期間は半年以上といわれていますが、高齢であると結合に時間がかかることがあるでしょう。

メンテナンスが必要である

どの治療法でも同様ですが、治療後の口内を健康に保つには、定期的なメンテナンスやクリーニングが欠かせません。定期的に歯科医院に通えない方は、インプラント治療は適していないでしょう。

老後にインプラント治療を受ける際の注意点

黄色い背景に掲げる!マークの吹き出し

最後に、老後にインプラント治療を受ける際の注意点をご説明します。

インプラントのデメリットを把握する

インプラントのデメリットやリスクをしっかりと理解したうえで、治療を受けることが大切です。何かトラブルがあった際に、デメリットやリスクを知っていれば冷静に対応することができるでしょう。

歯科医院を慎重に選ぶ

インプラント治療は、歯科医師の技術によって成功率などが変動します。インプラント治療に精通している歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。治療実績などをホームページに掲載している歯科医院も多いので、治療を受ける前に確認するとよいでしょう。

持病や治療歴を伝える

インプラント治療を受ける前に、持病や治療歴などを歯科医師にしっかりと伝えましょう。持病や治療歴を把握してもらうことで、さまざまなリスクを軽減することができます。

口腔ケアをしっかりと行う

インプラント治療後にセルフケアを怠ると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎はインプラントの歯周病ともよばれ、悪化すると顎の骨を溶かしインプラントが脱落することがあるのです。

老後にインプラント治療を受けた場合は、免疫力の低下からインプラント周囲炎を引き起こしやすい状態です。日々のお手入れで汚れをしっかりと落としましょう。また、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、自分では取り除くことのできない歯石などの汚れを落としてもらうことも重要です。

セルフケアと定期的な歯科医院でのクリーニングで、口内を清潔に保つ必要があります。

まとめ

歯科医院で鏡を見て歯を確認する男性

今回は、老後にインプラント治療を受ける場合のメリットやデメリットなどを解説しました。

老後にインプラント治療を受ける場合、さまざまなリスクが伴います。

しかし、治療を受けるメリットも多く、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の維持や向上に役立つ治療法といえるでしょう。インプラント治療のメリット・デメリットや注意点をよく把握して、ぜひ検討してください。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療は安全なのか?安全性とリスクを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

机の上に置かれたインプラントの歯の模型

インプラント治療は事前に丁寧に検査を行い、治療後の自己管理を徹底すれば安全に受けられます。インプラントは耐久性が高く、メンテナンスを怠らなければ非常に長持ちする人工歯です。

しかし、治療中または治療後にリスクが伴うのも事実です。

今回は、インプラント治療の安全性とリスクについて解説します。

インプラントとは

インプラント部分の歯を指し示す若い女性

インプラントとは失った歯を補う方法の一つで、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。

通常、インプラント本体は生体親和性の高いチタンやジルコニウムで作られるため、アレルギーや拒絶反応が少なく、耐久性も優れているのです。

インプラント治療は大まかに3段階にわけられます。

まず、失った歯の部分の顎の骨にインプラント本体を埋入する手術を行います。次に、埋入したインプラントが顎の骨と結合するのを待つ期間が必要です。結合を待つ期間は、インプラントが長期間機能するうえで非常に重要です。最後に、インプラントの上部にアバットメントとよばれる部品を取り付け、その上に人工歯を固定します。

インプラントは自然な見た目と機能を取り戻すことができるのはもちろん、隣接する健康な歯を削る必要がありません。また、顎の骨の萎縮を防ぐ効果もあります。

しかし、インプラント治療には一定の条件があり、全ての患者さまに適応するわけではありません。手術が必要なため全身状態が良好でなければならず、適切な口腔ケアの習慣も求められます。また、治療費用が高額なことや治療期間が長いことがデメリットといえるでしょう。

インプラント治療は安全なのか?

safetyと書かれたハートを包み込む手

インプラント治療は、治療の条件を満たし、全身状態・口腔環境が良好であれば、安全性が確保できるといえるでしょう。インプラントは耐久性の高さと見た目の美しさから、入れ歯やブリッジの問題点を解決する画期的な治療法として広く行われています。

しかし、自身の健康状態によっては、ほかの治療を選択したほうがよい場合もあるでしょう。特に、インプラントが適していないケースとして、顎の骨が薄く少ない方、未成年の方、金属アレルギーを持つ方、全身疾患や持病を持つ方、妊娠している方が挙げられます。

インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、十分な骨量が必要です。また、成長途中の未成年者は骨の成長が終わってから治療することが推奨されます。

インプラントには生体親和性が高いチタンが使用されますが、金属アレルギーがある方は受けられません。また、治療後は感染症にかかりやすくなるため、体調が良好でなければ手術は受けられません。

虫歯や歯周病がある方は、まずは完治を目指し、口腔環境を整えてからインプラント治療を受ける必要があります。

インプラント治療のリスクとは?

机の上に置かれたアルファベットのブロックとRISKの文字

インプラント治療は外科手術であるため、高度な技術が必要です。事前のCT検査で、手術部位と神経などの正確な位置関係を把握できない場合、神経を損傷する、インプラントが脱落するなどのリスクがあります。

インプラント治療のリスクは、以下のとおりです。

神経を損傷する

人工歯根を顎の骨に埋め込む際に、顎の神経を損傷するリスクがあります。特に、下顎の骨には下顎神経が通っており、手術中に傷つけられると下顎や唇にしびれや麻痺などが出る可能性があるのです。

神経損傷は、慎重な手術計画と技術によって予防することが可能ですが、完全にリスクをゼロにすることは難しいとされています。万が一大きく神経を損傷した場合、リハビリテーションや薬物療法が必要となることもあるでしょう。軽度であれば、時間の経過とともに自然に回復するケースもあります。

神経損傷のリスクを避けるためには、治療前の検査が非常に重要です。特に歯科用CTでの検査が、治療の精度に大きく影響するでしょう。

インプラントが上顎洞に落ちる

上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、上顎洞とよばれる空洞にインプラントが落ちるおそれがあります。

上顎洞は鼻腔の一部で、ふだんは鼻からの空気を温める役割を担っています。手術前の丁寧な検査で、インプラントが上顎洞に落ちることを防げるでしょう。

具体的には、CTを用いて、上顎洞の位置や形状、骨の厚みなどを詳細に把握することが重要です。インプラントを適切な位置に・深さで設置することが可能となり、上顎洞への落下リスクを大幅に減らすことができるのです。

骨が火傷する

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に固定するために、ドリルを使って骨を削ります。骨を削る際、ドリルによる摩擦熱で骨が過度に熱され、骨細胞が熱傷を受けて死滅することがあります。

作業中に水を注入することで、火傷を防ぐことができるでしょう。注水は、ドリルと骨が接触する部分に直接行います。ドリルと骨の間の熱を適切に冷却し、骨が過度に熱を持つことを防ぎます。

注水が不足すると火傷するため、医師の高度なスキルが求められるでしょう。

インプラントと骨が結合しない

患者さまの顎の骨の厚みが不十分な場合、インプラントと骨が適切に結合しないことがあります。治療前の準備としてCTスキャンを用いて、顎の骨の厚みや構造を詳細に調べることが重要です。

骨量が不足する原因は、歯周病や喫煙習慣の影響が多いです。

歯周病は進行すると顎の骨が溶けるため、骨量が不足しやすくインプラントと骨の結合が困難になる可能性があります。また、タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させ、骨の結合力を弱める原因になるでしょう。

特に、インプラント治療後の骨再生には血流が重要であり、ニコチンによる血流の低下は骨の再生力を大幅に抑制します。インプラント体と顎の骨の結合が十分に行われず、インプラントが安定しない可能性が高まるでしょう。

細菌に感染する

インプラント治療後は、細菌感染に注意が必要です。術後は、特に刺激の強い食べ物やアルコールは避けなければなりません。

アルコールなどは傷口に刺激を与え、炎症や感染を引き起こす可能性があります。また、縫合糸には汚れが溜まりやすく、溜まった汚れに細菌が繁殖することもあるでしょう。

汚れを落とすことは重要ですが、過度な力をかけて磨いてはいけません。強い力でブラッシングを行うと、傷口が広がる可能性があります。傷口が広がると細菌が体内に侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まります。

感染のリスクを抑えるには、傷口にできるだけ触れず、口内を清潔に保つことが重要です。

インプラントが破損・脱落する

インプラントには天然の歯に近い感覚で長期的に使用できるメリットがありますが、破損・脱落するリスクもあります。特に、顎の骨が薄い方や歯茎が細菌感染によって弱くなっている方は、インプラントが破損・脱落するリスクが高まります。

インプラント治療後は適切な口腔ケアが重要で、毎日の歯磨きや定期的な歯科医院でのメンテナンスが必須といえるでしょう。治療後はインプラント周囲炎のリスクもあるため、口腔内を清潔に保つことが重要です。

金属アレルギーを発症する

一般的に使用されるインプラントの材料はチタン合金で、生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが比較的低いとされています。

しかし、すべての患者さまにアレルギー反応が出ないわけではありません。チタン合金にはチタン以外の金属も含まれているため、チタン以外の金属にアレルギー反応を示すこともあります。

金属アレルギー発症のリスクを抑えるためには、インプラント治療を開始する前に金属アレルギーのパッチテストを受けることが重要です。インプラント治療後に金属アレルギーを発症した場合、再手術を行ってインプラント体を取り除く必要があります。

糖尿病が悪化する

インプラント治療で糖尿病が悪化する理由は、治療のストレスや食事制限による血糖値の低下です。

外科手術は侵襲が大きいためストレスを感じる方が多く、血糖値が上昇します。上昇した血糖値は、反動で急激に低下することがあるのです。また、インプラント治療後の食事制限も血糖値を下げる要因となります。

糖尿病の患者さまがインプラント治療を受ける際は、必ず主治医と事前に相談してください。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病です。インプラントとその周辺の歯茎に炎症が起きる状態のことを指します。

過度の力がかかる、細菌に感染するなどで、歯茎の炎症は骨へと進行しインプラントの支持力が低下します。最悪の場合、インプラントの抜去が必要になるでしょう。

特に、糖尿病の方はインプラント周囲炎のリスクが高いです。糖尿病によって身体の免疫機能が低下し、感染症に対する抵抗力が落ちるためです。また、手術を行うインプラント治療では、傷口から細菌が侵入しやすく、感染症につながる可能性があります。そのため、糖尿病の方は特に感染予防に注意しなければなりません。

喫煙習慣がある方もインプラント周囲炎のリスクが高まります。喫煙により血流が悪化し、唾液の分泌量が低下すると、口腔内の自浄作用が弱まり細菌が繁殖しやすくなります。そのため、インプラント周囲炎のリスクが上がるのです。

全身状態が悪化する

心臓疾患、脳血管疾患、高血圧がある方は、インプラント治療によって全身状態が悪化するリスクがあります。

心筋梗塞の治療で抗凝固薬を服用している場合は、手術時の出血リスクが増加します。一時的に服薬をやめることもありますが、心筋梗塞の再発リスクを高めるため、慎重な判断が必要です。また、手術のストレスによる血圧変動は心疾患のリスクを増加させます。

脳血管疾患がある方も、抗凝固薬の影響や手術のストレスで脳梗塞のリスクが上がるでしょう。また、高血圧の方も手術のストレスによって血圧が上昇し、脳梗塞や心疾患のリスクが増加します。

安全にインプラント治療を受けるための歯科医院の選び方

患者の口の中を確認する女性歯科医師

インプラント治療を安全に受けるには歯科医院選びが重要です。通常の虫歯や歯周病治療と異なり、インプラント治療は高度な技術と設備が必要といえます。

歯科医院を選ぶ際に注意するべきポイントは、以下のとおりです。

治療実績があるか

歯科医院を選ぶ際は、インプラント治療の実績が豊富であるかを確認しましょう。

インプラント治療は高度な技術を必要とし、一定のリスクを伴ういます。実績の豊富さを評価する基準として、クリニックのインプラント治療の症例数をチェックしましょう。

歯科用CTがあるか

安心してインプラント治療を受けるには、歯科用CTスキャンが導入されているかも非常に重要です。

CTスキャンを行うことで、骨の厚みや神経の位置、隣接する歯の状態を正確に把握し、適切な治療計画を立てることが可能です。特に、顎の骨がインプラント治療に適しているかどうかを確認することで、治療後のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

衛生管理を徹底しているか

インプラント治療は麻酔を伴う手術が必要で、細菌感染リスクが高まります。治療器具は使い回されていないか、治療器具が適切に滅菌処理されているか、手術が個室で行われているかなど、確認すべきポイントが多数存在します。

どのような衛生管理を行っているかは見落とす方が多いですが、ホームページなどを確認し、適切な衛生管理が行われている歯科医院を選びましょう。

アフターケアが充実しているか

インプラント治療は埋め込み後の経過観察が重要で、噛み合わせの問題、炎症の有無や度合いなどを確認する必要があります。そのため、治療後の通院などのアフターケアに対応しているクリニックを選びましょう。

インプラント治療は保証がついていることが多いです。保証年数以内にインプラントに問題が生じた場合、無償または一部有償で再治療が受けられます。契約前に保証内容も確認するとよいでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って歯を見せて笑う女性

インプラント治療は事前に丁寧な検査を行い、起こりうるリスクをしっかり把握すれば安全に受けられる治療です。リスクを把握するためにはCTでの検査が必要不可欠といえます。CTでは、レントゲンでは把握できない詳細な情報を確認できるでしょう。

実際に外科手術を行うのは医師であるため、医師の技術力も重要です。スキルを直接確認することが難しいため、判断基準として治療実績を確認しましょう。対応してきた症例数が多いほど、トラブルにも慣れていると予測でき、より安全に手術を受けられるでしょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!