タグ別アーカイブ: インプラント治療

インプラントがぐらつくときはどうしたらいい?原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントのレントゲン写真

一度埋入すると安定して使用できるインプラントですが、さまざまな原因によってぐらつく場合があります。インプラントの手術では、顎の骨の厚さやしっかりと結合することなど、さまざまな問題をクリアして初めて手術が成り立つため、どこかが不十分であるとインプラントの効果が失われてしまいます。

今回は、インプラントがぐらつく原因と対処法について解説します。インプラントにトラブルがあった場合に正しい対処ができるよう、ぜひ参考にしてください。

インプラントがぐらつく原因

斜めに浮かんだインプラント

インプラントがぐらつく原因はいくつかあり、どれも起こりうるものです。ぐらつく場合は、いずれかを疑ってみるとよいでしょう。順番に解説します。

インプラント周囲炎が進行している

インプラントがぐらつく主な原因の1つに、インプラント周囲炎があります。インプラント周囲炎は、インプラントに接触する歯茎部分に炎症が起こる状態で、歯周病に似た症状ともいえるでしょう。

インプラント周囲炎が起こると、インプラントを支える歯槽骨が破壊され、これが引き金となり、インプラントがぐらつき始めます。インプラント周囲炎が進行すると、最終的にはインプラントがはずれてしまうことがあります。

インプラント周囲炎は、口腔内の清掃状態・全身の健康状態・喫煙の有無など、さまざまな要因により引き起こされます。特に、口腔環境が悪化すると、細菌の繁殖が原因でインプラント周囲炎を発症しやすくなるため注意が必要です。

骨結合が不十分である

インプラントがぐらつく主な原因の1つに、骨結合が不十分であるということが挙げられます。

インプラント治療は人工の歯根を顎の骨に埋め込むもので、歯根と骨とがしっかりと結合しなければなりません。これにより、自然な歯のように噛む力を分散し、健康な口腔環境を維持することができるのです。

しかし、いくつかの要因から骨とインプラントの結合が不十分な場合、ぐらつきを感じることがあります。例えば、手術後の経過や術者の技術、インプラントの材質や形状、患者さま自身の骨の質や健康状態などが影響を及ぼします。具体的には、骨の吸収が進行することや骨が薄くなるなど、インプラントがしっかりと固定されず、ぐらつくことがあるのです。

また、全身の健康状態や口腔内の衛生状態がよくないと、うまく骨と結合しないこともあります。

骨の厚みが足りていない

インプラントがぐらつく原因の1つに、骨の厚みが足りていないことが考えられます。

インプラントを安定させるためには適切な骨の厚みが必要ですが、骨の厚みが不十分な場合、インプラントは適切に固定されず、ぐらつきを感じることがあるでしょう。具体的には、歯を失うとその部分の骨が徐々に吸収されてしまいます。その結果、骨の量が減少し、骨の厚みが足りなくなることがあります。

インプラントを支えるための基盤が弱くなり、インプラントはその位置を保つことが困難になるのです。

アバットメントが緩んでいる

インプラントがぐらつく原因として考えられる原因の1つは、アバットメントが緩んでいることです。

アバットメントとは、インプラント体と義歯の間につけられるパーツで、インプラント体を安定させ、義歯をしっかりと支える役割を担っています。

しかし、何らかの理由でこのアバットメントが緩んでしまうと、インプラント体の安定性が失われ、ぐらつきを引き起こします。この緩みは、適切なケアがされていない場合や口腔内の炎症などが原因で起こることがあるのです。

また、ものを噛む際の力や角度、アバットメントの装着時の問題など、さまざまな要因が関与することもあります。

インプラントがぐらつくときにしてはいけないこと

NOの文字

インプラントがぐらつくときにしてはいけない対処法があります。状況を悪化させてしまう可能性があるため、以下で解説することは避けましょう。

インプラントを触る

インプラントがぐらつく症状が現れた場合、無理に触ることや押すことは絶対に避けましょう。これらの行為により、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。

ぐらついているインプラントを手でいじると、インプラントがさらに移動してしまう場合があります。また、インプラントにある程度の圧力がかかったために起こる可能性のある、骨や周辺組織への損傷のリスクも増加するでしょう。

口腔内は細菌の多い場所です。手や指から細菌がインプラント周辺に移ると感染症の原因につながることもあるので注意しましょう。

インプラントの部分で噛む

インプラントがぐらつくと感じた時、絶対に避けなければならない行動は、ぐらつくインプラントの部分で噛むことです。

インプラントは自然な歯と同じように機能しますが、一度ズレやぐらつきがあると感じた状態で無理やり噛むと、さらに状態が悪化する可能性があります。インプラント自体の損傷だけでなく、その周りの歯肉や顎骨にも悪影響を及ぼし、炎症や感染症を引き起こす原因になることもあるのです。

また、インプラントが完全に動かないよう固定されていた場合でも、噛むことにより外れてしまうおそれもあります。

外れた部品を自分で取り付ける

インプラントがぐらつくときに、ご自身で問題を解決しようとすることはやめましょう。特に、外れた部品を自分で取り付けることは避けてください。素人が行うと、間違った方法で取り付ける可能性があります。

また、不適切な処置によって、感染症を引き起こしたりインプラントの部品を壊したりすることもあるため注意が必要です。

インプラントがぐらつくときの対処法

歯を治すイメージ

インプラントがぐらつくときの原因や避けたい行動について理解したうえで、ここでは実際の適切な対処法について解説します。ぜひ覚えておきましょう。

ゆるんでいるねじを締める

インプラントがぐらつく原因の1つに、ねじがゆるんでいる場合があります。長期間の使用や噛む力の過度な負荷などで発生するのです。

この問題を解消する基本的な対処法としては、ねじを締める方法があります。ゆるんでいるねじがあったら、ご自身で触る前にまずは担当の歯科医師に相談しましょう。専用の工具を使って正確にねじを締めてもらうことで、ぐらつきが改善されます。無理に自力で締めようとせず、専門的な介入を受けることが大切です。

インプラント周囲炎の治療をする

インプラントがぐらつく原因の1つに、インプラント周囲炎があります。これはインプラントと歯茎の間に細菌が侵入することで起こる炎症です。

対処法としては必ず早めに担当の歯科医師に診察してもらうことが重要です。早期発見・早期治療が進行を抑える鍵となるでしょう。治療方法には、専用の器具を使用した細菌の除去、抗生物質の使用、悪化した場合は手術などが考えられます。

インプラントの再手術をする

インプラントがぐらつく場合の対策の1つが、インプラントの再手術です。

再手術は、まずインプラントを抜き、必要な治療を行います。感染が原因の場合は抗生物質などで治療し、骨が十分に回復したあとに再びインプラントを挿入します。一度インプラントが固定されたあとも、定期的な検診が必要です。

噛み合わせを調整する

インプラントのぐらつきには、不適切な噛み合わせが原因となることも多くあります。インプラントと自然歯が正しく噛み合うように調整することが大切です。

まず、担当の歯科医師に相談し、具体的な原因を確認してもらいましょう。顎の形状や使い方、自然歯との関係性など、さまざまな要素がインプラントのぐらつきを引き起こしている可能性があります。

正確な噛み合わせは、インプラントの寿命を延ばすためにも重要です。問題が発生したら、すぐに歯科医師に相談しましょう。

インプラントを除去する

インプラントがぐらつくときの対処方法として、インプラントの除去という手段もあります。

ぐらつきが見られる場合には、早期に担当の歯科医師に相談することが重要です。ぐらつきがひどい場合や、痛みを伴う場合にはインプラントを除去する治療を選択することもあります。

ただし、これは最終的な選択肢で、通常はほかの治療方法を検討します。この判断は担当の歯科医師と相談のうえで決定しましょう。

インプラントがぐらつくのを予防する方法

レントゲン写真で説明する歯科医

インプラントがぐらつくことにならないよう、日頃から取り組める予防法があります。日々、口内のケアを行う際に心がけておくことで、安定した状態で使い続けられるでしょう。

歯科医院での定期的なメンテナンスを受ける

インプラントのぐらつきを予防する有効な方法の1つは、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることです。

インプラントは定期的なクリーニングとチェックアップが欠かせません。インプラント周囲炎などのトラブルを未然に防ぐため、歯科医師による定期的な検診とメンテナンスがおすすめです。ホームケアも重要ですが、専門的なケアにより問題が早期に発見・対処され、インプラントの寿命の延長が可能です。

自宅でしっかり歯磨きをする

インプラントがぐらつく主な原因は、口腔内の衛生状態が悪くなることによる感染や歯周病により歯槽骨が溶けることです。これらの症状を予防する最適な方法は、自宅でのしっかりとした歯磨きです。

特に、就寝前の歯磨きは大切であるため、食べカスや細菌の除去はしっかり行いましょう。その際は、フロスやインターデンタルブラシを使うことも有効です。

違和感や異変に気付いたらすぐに歯科医院に相談する

インプラントがぐらつくのは、装着後のケアや生活習慣、口腔内の状態などが原因となることが多いでしょう。防止策として、日々の口腔ケアを行うことが必要です。

ブラッシングやフロスは日常的に欠かさず行い、食物の残りや細菌の繁殖を防ぎます。加えて、適切な食事、禁煙、定期的な歯科検診も重要です。食事は硬すぎる食べ物は避け、栄養バランスのよいものを心がけましょう。

さらに違和感や異変があった場合、すぐに歯科医院に相談しましょう。早期発見・早期治療で大きな問題を防げます。

まとめ

歯科医院で笑顔の女性患者

インプラントがぐらついた際には、焦ってしまう患者さまも多いでしょう。

しかし、間違った対処を行うと、さらに状況を悪化させることになる可能性もあります。慌てずに適切な対処を行い、早めに担当の歯科医師に相談することで、ぐらつきを改善できます。

また、日々の生活の中で、口内ケアを行う、定期的にメンテナンスを受けるなど、ぐらつきを予防できる方法もあります。インプラントがぐらついたら、放置しておかずに早めに歯科医院に相談し、見てもらいましょう。

インプラントがぐらつくことでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しいのか?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

上顎のインプラント

インプラント治療において大事なことは「インプラントの土台となる顎の骨がしっかりとあること」です。特に目立つ部位である上顎の骨が少ないと、インプラント治療に問題が生じるとされています。インプラント手術部分に顎骨が少ない場合は、顎骨の再建手術が必要です。

今回は、上顎の骨が少ないとインプラント治療に支障が出る理由や、上顎の骨が少なくなってしまう原因について解説します。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しい?

歯科医に相談する患者

上顎の骨の量が少ないと、インプラント治療は一般的に困難といわれています。

インプラント治療とは、失われた歯を人工の歯に置き換える治療法です。人工歯であるインプラントを代わりに置き換えるためには、それを固定するための土台の骨が必要です。インプラントは直接骨に埋め込むことで安定し、人工の歯根の役割を果たします。

具体的には、骨量が少ないとインプラントを埋入するのに適切な深さと安定性を得られません。もし、骨量が少ない状態でインプラント手術をした場合、インプラントがしっかりと固定できず、術後に埋入したインプラントが動き、最悪の場合は脱落するなどの問題が生じます。また、骨が少ない場合、インプラントの圧力が隣接する歯根や神経に伝わり、痛みや感覚異常の原因となるでしょう。

最近では骨移植やGBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生)といった手法もあり、これにより不足する骨量を補うことが可能です。これらの方法を利用すれば、骨の量が少ない場合でも治療ができる可能性があります。

しかし、手術がより複雑となり、治療時間や費用、そして合併症リスクも増えるため、慎重な判断が必要です。

患者さんの口腔内の状況や全身状態、希望等を考慮し、歯科医師と相談しながら適切な治療方法を選択することが重要といえるでしょう。

上顎の骨が少なくなる原因

チョークで書かれたwhyの文字

上の歯のインプラント手術が必要になる上顎の骨が少なくなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。以下、原因を解説します。

歯周病で顎の骨が溶けた

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、歯周病が挙げられます。

歯周病は、歯周ポケットの炎症が進行し、歯を支える骨が破壊される病状です。歯周病を患うと、歯を支える骨が溶け、歯とともに骨も失ってしまうことにより上顎の骨が少なくなります。

歯周病は、口腔内のプラークが原因で発生します。プラークが取り除かれないと、歯茎から歯が離れて歯周ポケットが形成され、さらに細菌の繁殖へつながるでしょう。歯周病菌は、免疫システムが病原体と認識して炎症を引き起こしますが、長期にわたると骨にも影響を及ぼします。

治療が遅れると、骨破壊は進行し、上顎の骨はさらに消失するでしょう。その結果、歯が動くようになり、最終的には抜け落ちる恐れもあります。抜け落ちてしまったあとは骨の再生は困難となるため、少なくなった上顎の骨は元の状態に戻すのが難しい状況になります。

歯のない状態が長く続いた

上顎の骨が少なくなる原因の一つには、長期間にわたる歯のない状態が挙げられます。この状態が続くと、咬み合わせる対象がないため、骨に適切な刺激が行き渡らなくなるのです。

通常、歯は咀嚼を通じて骨へ刺激を与え、骨の形成を促進します。この動きは、骨密度を保つうえで重要な役割を果たすのです。

しかし、歯が失われると、咀嚼による刺激がなくなり、骨形成のバランスが崩れることがあります。結果として、一部の骨組織が吸収され、次第に骨量の減少につながるのです。

骨の吸収は、古い骨を新しい骨で更新するという自然な生体プロセスの一部ですが、咬む刺激がなければ新しい骨の形成が遅れ、結果的に骨が少なくなる傾向にあります。特に、歯を失ったあとにそのまま放置し、適切な補綴(ほてつ)や補填をしない場合に、この現象は顕著になるといえるでしょう。

歯の抜け落ちた部位に対しては、速やかに適切な治療や補綴をすることが、骨の健康維持に重要とされています。

入れ歯の使用などで顎の骨が痩せた

上顎の骨が少なくなる原因としては、口腔の健康状態などが一般的に影響します。特に顕著な例としては、長期間の入れ歯の使用です。

入れ歯を使用することは、歯牙を失ったあとの生活をより快適にするための選択肢の一つであり、噛むための機能を助ける重要な役割を果たします。

しかし、その一方で、入れ歯の使用には顎骨への影響があり、長期間使用すると顎の骨が痩せる現象が見られるのです。つまり、自然な歯がない場合、顎骨に常に刺激が加わらないため、骨が徐々に吸収され、骨の量が少なくなるというメカニズムです。

入れ歯を使うと、歯が骨に直接力を伝えられないため、骨への刺激が著しく減少します。これが骨吸収を引き起こす一因につながるのです。また、入れ歯は、適切なサイズやフィット感を保つために定期的な調整や交換が必要です。これらの調整が適切に行われない場合、入れ歯と上顎骨との間に不適切な圧力が生じ、さらに骨の吸収を加速させる可能性があります。

腫瘍などの影響で顎の骨の一部を失った

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、腫瘍があります。

腫瘍は、細胞の異常な増殖により生じ、その発生箇所や種類によっては骨組織に影響を及ぼすことがあるのです。特に、口腔内や顎の近くに発生した腫瘍は、その進行に伴い周囲の組織や骨を侵食し、損傷を引き起こす可能性があります。その結果、上顎の骨量が減少するという事態につながるのです。

特に進行した場合や、腫瘍の摘出が必要な場合には、治療の一環として骨の一部を切除しなければならないこともあります。腫瘍の存在は、顎の骨量減少の可能性を高める重要な因子です。また、癌の種類によっては骨の代謝を乱し、骨がもろくなることや骨密度が低下することもあります。これにより、上顎の骨が薄く、脆くなることがあります。

腫瘍は顎の骨量減少の原因となり得ますが、そのほかにも歯周病、加齢、栄養不足などによる影響も無視できません。また、骨量減少の予防や機能の回復、維持のためには適切な治療やリハビリテーションが必要です。

定期的な口腔内の健康診断と早期治療、良好な口腔衛生の維持が重要なポイントといえるでしょう。

上顎の骨が少ない人がインプラント治療を受けたい場合はどうする?

インプラント模型を患者に見せる医師

上顎の骨が少ないためにインプラント治療が難しいとされるケースでも、骨造成治療やそれに含まれるサイナスリフトを行えば、インプラント治療を受けることができます。

骨造成治療は、文字通り、骨を造成する治療であり、自身の骨が不足している部分に人工骨や自己の骨を移植し、インプラントを埋入するのに適した骨の量と質を得る方法です。特に、上顎の奥歯部分にインプラントを埋入したい場合に骨量が不足していると判断されると、歯科医師からサイナスリフトの提案がなされることが多いでしょう。

サイナスリフトは、上顎の奥部分にあたる口腔洞(サイナス)の底部を持ち上げ、その下に新たに骨を形成する治療です。この治療によって、インプラントがしっかりと固定できるようになります。骨が少ない部位へのインプラント治療を可能にするための有効な手段といえるでしょう。

ただし、サイナスリフトを含む骨造成治療は、高度な技術を必要とする外科治療であり、治療期間も長くなります。まずは信頼できる歯科医師と相談し、治療計画をしっかりと立てることが重要です。

まとめ

頼もしそうな男性歯科医

上顎の骨の量が少ない場合、インプラント治療が難しくなることがあります。

インプラント手術には、インプラントを支えてくれるしっかりとした土台が必要です。もし上顎の骨の量が足りない場合は、骨造成治療のひとつである「サイナスリフト」を行うことで、新しい骨を形成できます。

もし顎の骨が薄い場合でも諦めずに、まずはインプラント手術を希望する歯科医院で診察を受け、相談することから始めましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリットとは?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

セカンドオピニオンの歯科医師と患者さまが会話している

インプラント治療は、顎の骨に器具を埋める外科手術を必要とする高度な治療方法です。インプラント治療は、治療期間も長期間にわたるため、心身への影響も少なくないでしょう。だからこそ「本当にこの治療方法で大丈夫なのか」「もっとほかの選択肢はないのか」と不安に感じてしまう患者さまもいらっしゃいます。

そのようなときは「セカンドオピニオン」を受けてみてはいかがでしょうか。セカンドオピニオンを受けることで納得して治療にのぞむことができ、疑問や不安を解決できる可能性が高まります。

今回は、セカンドオピニオンを受けるメリットや、セカンドオピニオンを受ける際の流れなどを解説します。

セカンドオピニオンとは

歯科医師と患者さまが会話している

セカンドオピニオンは「第二の意見」「別の意見」という意味で使われます。治療を受ける方が納得して治療を選び、決断できるように、担当の歯科医師とは別に、ほかの歯科クリニックの歯科医師から意見を求めることを指します。

セカンドオピニオンは、担当の歯科医師を変えることや転院することが目的ではありません。あくまでほかの歯科医師の話を聞くことで担当の歯科医師とは違う角度からの意見を求め、治療の理解を深めることで納得したうえで治療を受けるということが大きな目的です。

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリット

メリットをあらわす積み木

インプラント治療のセカンドオピニオンを受けるメリットは、以下のとおりです。

  • 診断の正確性を判断できる
  • 保証内容などを比較できる
  • 費用の相場がわかる

以下、それぞれ詳しく解説します。

診断の正確性を判断できる

インプラント治療は、専門性が高い治療であり、高度な技術と知識を必要とします。そのため、歯科医師によって技術にばらつきがあることがあります。例えば、Aクリニックでは1つの治療方法しか提示されなかったのに、Bクリニックでは2つの治療方法から選択できるなどのパターンがあり、最初に提示された治療よりも、よい治療方法が見つかる可能性があるのです。

セカンドオピニオンを聞くことで、本当に担当の歯科医師の判断が正しいのかどうかを判断できることがあります。

保証内容や設備を比較できる

インプラントは自由診療となるため、歯科クリニックごとに保証内容が異なります。

インプラント治療には保証期間や保証範囲などが定められています。保証が受けられる条件であれば、インプラントが破損したときに新しいインプラントに交換できることや、手術にかかる費用が無償となることがあるのです。保証をしっかり確認しておくことで、何かトラブルが起こったときにも、損することなく治療を受けることができるでしょう。

また、クリニックの設備も歯科クリニックによって大きく異なります。例えば、歯科用CTを導入しているクリニックであれば、レントゲンでは確認できない詳細な診断ができ、インプラントを安全に埋没するために役立ちます。正確さに関わるため、歯科用CTを導入しているクリニックのほうが安心といえるでしょう。

費用の適正価格が確認できる

インプラント治療は、自由診療のためクリニックによって費用が大きく異なります。実際にカウンセリング行ってみると「思っていたよりも高額だった」と不安に感じることがあるかもしれません。

セカンドオピニオンで複数のクリニックの費用を比較すれば「自分の症状であればこれぐらいの費用なのか」とわかります。安ければ安いほどよいわけではありませんが、保証内容と費用を確認し、比較したうえでご自身が納得いく費用でインプラント治療を受けられる可能性が高まります。

セカンドオピニオンで確認したいこと

確認すべきポイント

次に、セカンドオピニオンで確認したいことについて解説します。セカンドオピニオンを受けるときは、以下を確認しましょう。

  • 担当の歯科医師がすすめるインプラント治療
  • 費用や保証の内容
  • 疑問や不安

以下、それぞれ詳しく解説します。

担当の歯科医師がすすめるインプラント治療はどのようなものか

担当の歯科医師にお口の中の状態を見せて「自分はインプラントができるのか」「どのような治療が合っているのか」を判断してもらいましょう。なかには、Aクリニックではインプラントはできないといわれたのに、Bクリニックでは治療可能だと判断される場合などがあります。治療ができない、または別の治療方法をすすめられたときは「なぜその治療方法でなければならないのか」などを確認しましょう。

どの治療方法にもメリットやデメリット、リスクは存在するものです。それぞれの治療方法のメリットやデメリットを確認し、納得したうえで治療にのぞめるように準備しましょう。

費用や保証の内容

インプラント治療は、自由診療のためクリニックごとに設定されている保証内容や費用が異なります。費用が安いからよいのではなく、提示された費用の中にはどのような項目が含まれているのかを確認しましょう。例えば、クリニックによっては、5年以内のインプラント破損であれば無償で交換・再手術できる保証制度などもあります。

保証内容の確認が不足していると、最初は費用をおさえられていても、長い目で見たら結果的に高額となっている場合もあるため、しっかり確認しておくのがよいでしょう。

疑問や不安

インプラント治療は、ふだん聞き慣れない言葉や専門用語が多く使われ、歯科医師がいっていることをなかなか理解できないこともあるかもしれません。あとになって「こんなはずじゃなかった」とならないように、わからない言葉や理解しにくい説明を受けたときは、どういう意味かしっかり質問しましょう。

セカンドオピニオンの流れ

STEPと書かれた積み木と靴のおもちゃ

セカンドオピニオンの流れは、以下のとおりです。

  • セカンドオピニオンを受けるためのクリニックを探す
  • セカンドオピニオンを受けることを担当の歯科医師に伝える
  • 不安や疑問に思っていることを明確にする

以下、それぞれ詳しく解説します。

①セカンドオピニオンを受けるためのクリニックを探す

セカンドオピニオンを受けるために、まずはクリニックを探しましょう。

インプラント治療の技術やCTの機械があるかどうかなどについては歯科クリニックによって異なります。インプラント治療の実績がある、インプラント治療に力を入れているクリニックを選ぶのがよいでしょう。

②セカンドオピニオンを受けることを担当の歯科医師に伝える

別の歯科医師に診断してもらうことを担当の歯科医師に伝えにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、セカンドオピニオンを受けることを伝えるのがよいでしょう。その理由は、セカンドオピニオンを受けるときは、レントゲン写真などが必要となるからです。

セカンドオピニオンを受けたいと伝えれば、検査結果や診断書、レントゲン写真などを提供してもらえることがあります。それぞれのクリニックで検査やレントゲン撮影をしても問題はありませんが、費用や手間がかかります。スムーズにセカンドオピニオンを受けたい場合は、最初に診断を受けたクリニックでセカンドオピニオンを受けることを伝えたほうがよいでしょう。

③不安や疑問に思っていることを明確にする

セカンドオピニオンを受けるときは、どのようなことに不安を感じているのか、疑問を感じた部分について明確にしておきましょう。

歯科クリニックによっては、ゆっくり話をする時間をとってもらえないこともあるでしょう。知りたいことを効率的に聞くために、事前に準備しておくのがよいでしょう。

セカンドオピニオンを受ける際の注意点

拡声器で注意をうながしている

最後に、セカンドオピニオンを受ける際の注意点をご紹介します。

  • 診断が希望どおりにならないこともある
  • セカンドオピニオンの予約は必須である

以下、それぞれ詳しく解説します。

診断が希望どおりにならないこともある

セカンドオピニオンは、自分の意見や希望に賛同してくれる歯科医師を探すためのものではありません。歯科医師が下した診断に対して、自分の希望とは異なっていて、診断をし直して欲しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、セカンドオピニオンで自分の希望や意見を伝えることは重要です。

しかし、歯科医師は、医学的観点からみてベストな治療方法を提案しています。セカンドオピニオンでは、必ずしも自分の希望に沿うような治療方法とならないこともあります。それよりも、セカンドオピニオンではその治療方法についてのメリットやデメリットをしっかり説明してもらい、自分の納得いく治療方法を見つけることが重要です。

セカンドオピニオンの予約は必須である

セカンドオピニオンを受けるときは、歯科クリニックへの予約が必須です。

なかには「話を聞きに行くだけだから診察や検査は必要ない」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、患者さまのお口の状態やレントゲン写真などを確認して診察をしなければ、治療の提案やアドバイスはできません。「インプラントについてのセカンドオピニオンを聞きたい」という旨をしっかりと伝え、予約をとってください。

予約なしでいきなり訪問しても、時間をとってもらえなかったり予約を取り直したりする可能性があります。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

今回は、セカンドオピニオンを受けるときの流れなどを解説しました。

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けると、診断の正確性を判断できる、保証内容などを比較できる、費用の相場がわかるなどのメリットが期待できます。

顎の骨に器具を埋めるという高度な治療方法だからこそ「この治療方法で大丈夫なのか」「もっとよい方法はあるのではないか」と不安に思う方もいらっしゃると思います。セカンドオピニオンを受けることで、そのような疑問や不安が解決できるかもしれません。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後の歯磨き!最適なケアで長持ちさせる方法

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントが数本転がっている

インプラント治療は、インプラント体とよばれる歯の根っこに相当するものを顎の骨に埋め込むことにより、失った歯をおぎなう治療方法です。義歯やブリッジと異なり、健康な歯を削ることなく、数十年にわたって使用できます。

しかし、インプラントを長持ちさせるには正しいケアが必要です。今回は、インプラント治療後に必要なインプラントの磨き方や歯磨き粉を選ぶポイントをまとめます。

インプラント治療後の歯磨きの重要性

笑顔で歯を磨いている女性

インプラントの人工歯は虫歯になることはありません。

しかし、インプラント周りの歯茎は、プラークや歯石が溜まり細菌が繁殖しやすくなります。

細菌が繁殖した状態が長くなると、インプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、周囲の歯茎の腫れや出血など歯周病に似た症状が生じます。炎症が強くなると、インプラントを支えていた骨が溶け、最悪の場合インプラントが抜け落ちることがあるのです。

日本歯周病学会の調査によると、インプラント治療後に軽度の炎症がある患者は約30%、骨まで溶ける強い炎症が起こる患者は約10%といわれています。つまり、インプラント周囲の炎症は比較的起きやすいと考えられます。

インプラントを長持ちさせるためにも、日常の歯磨きをしっかり行い、インプラントの周りを清潔に保つことが重要です。

インプラント治療後の歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

歯ブラシと歯磨き粉

では、具体的にどのような歯ブラシと歯磨き粉を使えばよいのでしょうか。以下、歯ブラシと歯磨き粉の選び方のポイントについてまとめます。

インプラントの清掃に適した歯ブラシを選ぶポイント

歯ブラシの選び方のポイントは、以下のとおりです。

毛先が細い歯ブラシを選ぶ

インプラントと歯茎の間は汚れが付着しやすい部位なので、きちんと磨くために毛先が細い歯ブラシを使用しましょう。また、インプラントと歯茎の境目を磨くには、毛先がひとつにまとまったタフトブラシも非常に有用です。

歯間ブラシやフロスを使用する

食べ物などの汚れは、歯とインプラントの間に溜まりやすい傾向にあります。そのため、歯ブラシだけではなく、歯と歯の間を磨く歯間ブラシやフロスを使用しましょう。

治療後の期間ごとに歯ブラシの硬さを変える

インプラント治療が終了した直後は、歯茎の傷が完全に治っていません。この状態で硬い歯ブラシを使用すると、歯茎が傷つく原因になります。

歯茎の傷が回復するまでは、柔らかめの歯ブラシを使用しましょう。傷口がよくなったあとは、磨きやすい硬さの歯ブラシを使用しましょう。

インプラントの清掃に適した歯磨き粉を選ぶポイント

歯磨き粉の選び方のポイントは、以下のとおりです。

フッ素入りの歯磨き粉は使用しても問題ない

インプラントにはチタンが使われています。フッ素がチタンに結合すると、チタンの表面がザラザラになり、プラークなどの汚れが付着しやすくなります。

しかし、この現象は高濃度のフッ素を使用した場合であり、薬局やコンビニなどで販売されている歯磨き粉はフッ素の濃度が低いです。そのため、インプラント清掃に市販のフッ素入りの歯磨き粉を用いても問題ありません。

大きな研磨剤が入っている歯磨き粉は使用しない

歯磨きの中には、歯の表面の汚れを取るために研磨剤(けんまざい)とよばれる成分が入っています。

研磨剤が大きいとインプラントと歯茎のすき間に入り込み、歯茎の炎症を引き起こすことがあります。そのため、舌で触って研磨剤のつぶがはっきりわかる歯磨き粉はさけましょう。

また、大きな研磨剤が入っている歯磨き粉の成分には、ケイ素や炭酸カルシウムが含まれているので、ケイ素や炭酸カルシウムを含有した歯磨き粉はさけましょう。

歯科医師に相談する

歯磨き粉には、虫歯を予防するのに特化したものや歯茎の炎症をおさえるのに特化したものなど、さまざまな種類があります。

どの歯磨き粉を購入すべきかわからない場合は、歯科医師に相談しましょう。

インプラントの正しい歯磨き方法

歯を磨いている女性

インプラントを長持ちさせるためには、正しい磨き方が重要です。以下、インプラントの正しい磨き方をまとめます。

毛先をうまく使う

効果的な歯磨きの方法は、歯ブラシの毛先を磨きたい場所にあて、毛先を細かく振動させるように磨きます。

インプラントと歯茎の境目を磨くときは、歯ブラシをインプラントの人工歯に対して45度に傾けて磨きます。45度に傾けることで、毛先がインプラントと歯茎の境目に入り綺麗に磨くことができるのです。

歯ブラシの持ち方に注意する

親指、人差し指、中指の3本の指を使い、ペンを持つように歯ブラシを持ちましょう。

この持ち方により、磨いたときに余計な力がかからないため、インプラントを傷つけることなく磨くことができます。さらに、磨くときの角度をコントロールしやすくなります。

磨く順番を決める

磨き残しを防ぐために、歯磨きのときは磨く順番を決めましょう。磨く順番は、一筆書きのように磨くのがよいでしょう。

例えば、最初に右上奥歯の表から左上奥歯の表まで磨きます。その後、左上奥歯の裏から右上奥歯の裏を磨くといったように、順番を決めることで磨き残しを最小限におさえることができます。

フロスで磨いてから歯ブラシで磨く

歯ブラシとフロスを行う場合、フロスで磨いてから歯ブラシを行いましょう。

フロスで磨いたあとに歯ブラシを行うほうが、歯の汚れを効率よく落とすことができ、虫歯予防に効果のあるフッ素が歯全体に行き渡ります。

定期的なメンテナンスでインプラントの寿命を延ばす

インプラントの模型と女性患者

インプラントを長持ちさせるためには、日常生活の歯磨きに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

以下にメンテナンス内容をまとめます。

噛み合わせの確認

噛み合わせを調べる紙を噛んでもらい、インプラントの噛み合わせの状態を確認します。

インプラントの噛み合わせが悪いと、人工歯が割れる原因になるのです。インプラントが強くあたっている場合は、人工歯を削って調節します。

歯茎の確認

インプラント周りの歯茎が腫れていないか、赤くなっていないか確認します。また、インプラントと歯茎の間にある歯周ポケットとよばれるすき間の深さを確認します。

レントゲン検査

レントゲンを撮影し、インプラントを埋めた部位の骨の状態を確認します。

インプラント周りの歯茎の炎症が強いと、骨が溶けていることがあるのです。また、上の奥歯のインプラントに炎症が起こると、上顎洞とよばれる骨の中の空洞の粘膜に炎症が広がることがあります。

レントゲン写真では、上顎洞の状態も確認します。

ブラッシング指導

お口の中を観察し、磨き残しがある場合はブラッシング指導します。

ブラッシング指導では、歯ブラシのあて方やフロスの使い方などを指導します。

歯のクリーニング

歯のクリーニングでは、歯石など日常の歯磨きで取ることのできない汚れを専用の機械で除去します。また、インプラントのクリーニングでは人工歯の部分を取り外し、歯ブラシが届かないところも磨きます。

まとめ

ポイントを指さす男性医師

今回は、インプラント治療後の歯磨きについて解説しました。

インプラントの人工歯は虫歯になることはありませんが、清掃状態が悪いとインプラント周りの歯茎に炎症が起こります。炎症が悪化すると、骨が溶けインプラントが取れることがあります。

こうした事態を防ぐためにも、日頃からブラッシングをきちんと行いましょう。また、インプラントの状態の確認や細かな汚れを取るためにも、必ず定期的なメンテナンスを受けましょう。

インプラント治療後の歯磨きでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントをしたいけどお金がない方へおすすめの方法!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型

従来の治療に比べて、インプラント治療は機能的にも審美的にも優れています。

しかし、インプラント治療は保険が適用されないため、インプラントにしたいけどお金がないとお悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事は、インプラントをしたいけどお金がない方へおすすめの方法を4つご紹介します。インプラントの費用相場や高額になる理由も解説しますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療のメリット

メリットをあらわすイメージ図

高額になりがちなインプラント治療の5つのメリットは、以下のとおりです。

 

  • ご自身の歯のようにしっかり噛める
  • 見た目が美しい
  • 周りの歯に影響を与えない
  • 丈夫で長持ちする
  • 顎の骨がやせるのを防げる

 

インプラントの最大のメリットは、失った歯の根の代わりとなり、ご自身の歯のようにしっかり噛めることです。顎の骨に直接インプラント体を埋めこみ、インプラント体の上に人工歯を取りつけるので、しっかり噛めるようになります。

取り外すものではないので、硬いものが食べにくいことや話しづらさを感じることはありません。歯を失ったところに1本ずつ独立した歯を作れるため、ブリッジや入れ歯のように周りの歯に負担をかけないのもメリットのひとつです。

インプラントと従来の治療法の平均寿命を比較してみると、入れ歯が4~5年、ブリッジが7~8年のところ、インプラントは10~15年と長持ちします。インプラントが長持ちする理由は、チタンという素材を使用しているからです。

チタンは金属アレルギーがでない安全素材で、顎の骨と結合しやすい特徴があります。そのため、定期的にメンテナンスすれば、10年、15年と長持ちします。また、インプラントによって顎の骨がやせるのを防ぐことができるので、残っている歯の健康寿命をのばすことにつながります。

インプラント治療にかかる費用

電卓で費用を計算している

インプラントの費用相場は、1本あたり30~50万円(税込)です。

費用に差があるのは、歯科医院ごとに料金設定が異なる自費診療であることと、歯科医院ごとに使用するインプラントの種類が異なるためです。また、インプラントの前に骨を増やす治療が必要となるなど、患者様のお口の状況によってはさらに高額となる場合があります。

インプラント費用をできるだけ安くおさえたいなら、治療前のカウンセリングでインプラント治療にかかる費用や注意点を確認しましょう。

インプラント治療にかかる費用が高額な理由

はてなマークの積み木が並んでいる

インプラント治療にかかる費用が高額になる4つの理由は、以下のとおりです。

1.保険が適用されないため

インプラント治療は、保険が適用されません。そのため、費用が高額になります。

歯を失った際の治療には保険が適用されるブリッジや入れ歯という選択肢があります。

しかし、入れ歯やブリッジは、周りの歯に負担がかかる、しっかり噛めないと感じる場合があり、インプラントに比べると長持ちしないというデメリットがあります。

2.高度な技術が必要となるため

インプラント治療は、歯科医師の高度な技術と経験が必要となるため、費用が高額です。インプラント治療には、インプラント治療前の検査の結果を読み解く力、インプラントを安全かつ精密に埋め込む技術力、人工歯装着後の噛み合わせを想定する力が要求されます。

しかし、高度な技術と経験をもった歯科医師が少ないので、人材確保のため費用が高額になるのです。

3.設備費や材料費がかかるため

インプラント治療は、インプラントを埋めこむために歯茎を切開し、骨を露出させます。

本来、骨は肉に覆われているため細菌感染しませんが、インプラント手術時に細菌感染すると、骨が壊死するなど危険な状態になります。そのため、インプラント治療は、感染対策と徹底した衛生管理が必要です。

また、インプラント治療の成功には良質なインプラントとCTなどの検査設備なども必要となるため、費用が高額になります。

4.治療期間が長くかかるため

インプラント治療は、トータルで6か月~1年程度かかるため、ほかの歯科治療に比べると治療期間が長いといえます。治療期間が長くなる理由は、インプラントを埋めこんだあと、インプラントと顎の骨がしっかり結合するのを待つ期間が必要となるからです。

治療期間には個人差がありますが、上顎で3~6か月、下顎で2~3か月程度かかります。顎の骨との結合を確認できたら、アバットメント装着、人工歯の製作、人工歯の装着の順に治療がすすみます。

このように、インプラント治療は、インプラントと顎の骨が結合するのを待つ期間が長くかかるため、費用が高額になるのです。

インプラント治療を受けるためのお金がない場合

両手で頭をかかえる女性

高額になりがちなインプラント治療ですが、インプラントをしたいけどお金がないとお困りの方もいらっしゃると思います。

以下、インプラント治療を受けるためのお金がない場合の対処法を4つご紹介します。

クレジットカードの利用

インプラントの費用を一括でご用意できない場合、クレジットカードで支払う方法があります。クレジットカードの支払方法は、一括払いだけでなく、分割払い、ボーナス払い、リボ払いなどが可能です。

分割払いの2回払いや夏と冬のボーナスの時期に一括払いできるボーナス払いであれば、手数料がかかることなく支払えます。3回以降の分割払いやリボ払いは、手数料がかかるものの、毎月支払う費用をおさえられるでしょう。

ただし、歯科医院によってはクレジットカード払いに対応していない場合や、対応しているクレジットカードの会社に限りがある場合もあります。インプラント治療を受ける前に、クレジットカードの対応状況を確認しましょう。

デンタルローンの利用

デンタルローンとは、インプラント治療を始めとした歯科治療専門のローンのことです。デンタルローンを利用することで、毎月支払う費用をおさえられるでしょう。

クレジットカードの分割払いなどと同じく手数料はかかりますが、クレジットカードの手数料が15%前後かかるのに対し、デンタルローンは5%前後と安いのがメリットです。

ただし、クレジットカードと同じく、デンタルローンに対応していない歯科医院があることやお金を借りるまでに1週間近くかかることもあるため、注意が必要です。

カードローンの利用

カードローンとは、クレジットカードをもっている方が利用できるローンのことです。

パソコンや携帯電話などから手軽に申し込め、最短で即日でお金を借りられます。また、インプラント治療で追加の処置が必要となっても、追加でお金を借りられるのもメリットです。

しかし、手数料が15%前後と高くなることは理解しておきましょう。

医療費控除の利用

医療費控除とは、インプラント治療を受けた1年間(1/1~12/31)の医療費が10万円を超えた場合に受けられる、税金還付の制度のことです。

確定申告で医療費控除を適用することで、所得税の一部が還付金としてもどってきます。ご自身で確定申告する必要はありますが、結果的にインプラント費用をおさえられるのがメリットです。

医療費控除を適用することでインプラント治療の費用が安くなるわけではありませんが、費用をおさえる方法のひとつとして知っておくとよいでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

インプラント治療は、ご自身の歯のようにしっかり噛める、見た目が美しいなどのメリットがあり、従来のブリッジや入れ歯治療よりも優れた治療です。

しかし、保険が適用されないため、治療費が高額になりがちです。また、歯科医師の技術や知識、整った設備や衛生管理などが必要となることも、高額になる理由のひとつです。

インプラントにしたいけどお金がない場合、クレジットカードの分割払い、もしくはボーナス払いで支払う方法があります。また、デンタルローンやカードローン、医療費控除を利用するなどの方法もあります。トータルで治療費がいくらかかるのか知りたい場合は、まずは歯科医院でご相談されてはいかがでしょうか。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療で後遺症が残ることはあるのか?治療の安全性とリスク

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型と治療前の女性

失った歯を補う治療には、入れ歯やブリッジ、インプラントがあります。

インプラントは、ほかの治療と異なり、健全な歯を削ることなく、物を噛んだ時の感覚が自分の歯と変わらないといわれています。

しかし、このような素晴らしいメリットと引き換えに、顎の骨にインプラントを打ち込む外科的な手術が必要です。そのため、インプラント治療にはさまざまなリスクが伴います。

今回は、インプラント治療に伴う後遺症やリスクと安全性について説明します。

インプラント治療で後遺症が残ることはあるのか?

2本のインプラント

インプラント治療で後遺症が出ることはあります。

ここでは、インプラント治療の安全性とリスクについて解説します。

インプラント治療の安全性

インプラント治療の安全性については、以下の2つが挙げられます。

人体への影響が少ない

インプラント治療では、チタンから構成されたインプラント体を埋め込みます。通常、人体に異物を埋め込むと免疫反応が亢進(こうしん)し、アレルギー反応が起こることがあります。

しかし、チタンはこれらの反応が起こりにくく、人体への影響はほとんどありません。

精密検査により事故が防止できる

インプラント治療を行う前の精密検査として、CT検査があります。

CT検査を行うことによって、血管や神経などの解剖学的な走行を把握することができます。この情報をもとに、インプラントをどの方向に埋入(まいにゅう)すると安全なのか、事前に調べることができ、神経損傷などの事故を防止することができるのです。

インプラント治療のリスク

次に、インプラント治療のリスクについて、解説します。

血管や神経の損傷のリスク

インプラント治療では、顎の骨に「インプラント体」とよばれる、歯の根っこに相当する金属を埋入します。

顎の骨には、血管や神経など、さまざまな構造物が存在しているため、インプラント体を埋め込む際に、血管や神経を傷つける場合があります。特に、下顎には下歯槽動脈(かしそうどうみゃく)、舌下動脈(ぜっかどうみゃく)、オトガイ下動脈といった太い動脈が走行しており、これらの動脈を損傷した場合は、顎の下に血が溜まり、窒息することがあるのです。

上顎洞の損傷のリスク

上の前歯から数えて5~7番目までの歯の根っこ近くには、上顎洞(じょうがくどう)とよばれる空洞が存在します。インプラント体を埋入する際に、この上顎洞を貫通し、傷つける場合があります。

感染症のリスク

インプラント治療では、基本的に2回手術を行います。その過程で、治療部位に細菌が入り込み、感染症を引き起こすことがあります。

インプラント治療のリスクが高い方

リスクをあらわすイメージ図

インプラント治療を行う際に、合併症を引き起こしやすいリスクの高い方を、以下にまとめます。

糖尿病の方

糖尿病は、血中のグルコースが細胞内に取り込みにくくなっているため、血中にグルコースが豊富に存在しています。グルコースは細菌の栄養となるため、血液のグルコース濃度が高い糖尿病の方は、感染症を起こしやすく、傷の治りが遅くなる傾向にあります。

糖尿病がある方でインプラント治療を希望される場合は、かかりつけの内科の先生に相談しましょう。

高血圧症の方

インプラント治療は外科手術であるため、精神的なストレスが大きく、手術中に血圧が上昇することがあります。血圧が高くなりすぎると、手術中に血が止まらなくなる場合や気分が悪くなる場合があります。

高血圧症と診断された方は、かかりつけの内科の先生に相談し、血圧をコントロールしたうえでインプラント治療を行いましょう。

骨粗鬆症の方

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密度が低下し、骨が弱くなる病気です。インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋め込むため、骨量が少ないとインプラント体が骨と結合しないことがあります。

また、骨粗鬆症のお薬の中には骨の感染を起こしやすくなるものもあるので、場合によってはインプラント治療が行えないことがあります。

妊娠中の方

レントゲンやCT撮影で使用されるX線は、胎児に影響を及ぼすリスクがあります。

また、インプラント手術は時間がかかることがあり、術中に体調の悪化を引き起こすリスクもあります。そのため、妊娠中はインプラント治療を行うことができません。

喫煙する方

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる働きがあり、禁煙をしていない状態でインプラント治療を行うと、傷の治りや骨とインプラントの結合が遅くなります。

また、インプラント治療を行ったあとも、インプラント周囲炎とよばれる、インプラント周りの歯茎に炎症が起こるリスクが増加します。

血が固まりにくい薬を服用している方

心疾患などが原因で血栓ができやすい方は、血栓予防として血が固まりにくくなるお薬を服用していることがあります。

このようなお薬を服用されている場合、止血が難しくなることがあります。

インプラント治療による後遺症の事例

副鼻腔炎の女性

CTやレントゲン検査などで神経や血管の走行を確認することができるため、後遺症が起こることはほとんどありません。

しかし、ごくまれに後遺症を伴うことがあります。

代表的なインプラント治療による後遺症の事例を、以下にまとめます。

副鼻腔炎

上顎の骨には副鼻腔(ふくびくう)とよばれる以下の4つの空洞があります。

  • 前頭洞(ぜんとうどう)
  • 篩骨洞(しこつどう)
  • 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)
  • 上顎洞(じょうがくどう)

インプラント体を埋め込む際に、副鼻腔の一つである上顎洞を傷つけた場合は、上顎洞に炎症が起き、副鼻腔炎を起こすことがあります。

副鼻腔炎は、鼻づまりや頭痛など、さまざまな症状を引き起こしかねません。

神経損傷

下顎には下歯槽神経(かしそうしんけい)とよばれる、お口の周りの感覚を認識している神経が走っています。

インプラントを埋め込む方向が悪いと、下歯槽神経を傷つけてしまい、お口周りの麻痺を引き起こすことがあります。ビタミン剤などの服用で改善することがありますが、後遺症としてしびれが残ることがあるのです。

安心してインプラント治療を受けるための歯科医院選び

医師と笑顔で会話する患者

ここまで、インプラント治療に伴うリスクや後遺症について説明しました。

インプラント治療を安全に受けるための歯科医院の選び方を、以下にまとめてみました。

症例数や医師の実績を確認する

インプラント治療は高度な専門性を必要とする外科治療であるため、歯科医院の年間症例数や担当医の実績が重要です。

年間の症例数が多く、日本口腔インプラント学会が認定する「インプラント専門医」が在籍している歯科医院かどうかなどを確認しましょう。

カウンセリングについて確認する

インプラント治療には、さまざまなリスクが伴います。

しかし、これらのリスクを説明せず、安易にインプラント治療をすすめる歯科医院には注意が必要です。インプラント治療を始める前のカウンセリングが丁寧に行われているかを確認しましょう。

安価すぎる値段設定には注意する

インプラント治療の相場は約30〜40万円ほどです。

しかし、歯科医院の中には、相場よりかなり安い10万円台で治療を行っている歯科医院も存在します。このような価格帯の場合、CT撮影などの大事な検査や治療後のアフターケアを行っていない可能性があります。

医療設備を確認する

インプラント治療を安全に行うためには、治療を行う前の精密検査が重要といえます。特に、インプラントをどの位置に埋め込むかを確認するCTの存在は、とても重要です。

また、血圧などの変化をきちんと把握するために、必要な機材や手術中の精神的負担をやわらげることができる鎮静法が行われているか、医院のホームページなどで確認しましょう。

アフターケアについて確認する

インプラントは人工歯であるため虫歯になることはありませんが、インプラント歯周炎とよばれるインプラント周囲の歯茎の炎症が起こることがあります。

インプラント歯周炎が悪化すると、インプラントを除去する必要があります。このようなトラブルを防ぐため、歯科医院が行う定期的なメンテナンスが必要となるのです。

インプラント治療後のメンテナンスをしっかりと行なっているか確認しましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、インプラント治療のリスクや安全性などについて説明しました。インプラント手術には、神経損傷などさまざまなリスクが伴います。

しかし、インプラント治療前の精密検査などを行い、事前の治療計画がしっかりしていれば、このようなリスクは比較的低いといえます。そのため、医療設備や治療実績などを参考に、少しでもリスクの少ない歯科医院を選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!