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インプラントと差し歯は何が違う?特徴やメリット、治療の流れを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型

「虫歯で歯を失ってしまったけれど、インプラントと差し歯はどちらの治療法がいいのだろうか」このようなお悩みはございませんか。

虫歯や歯周病が原因で歯を失ってしまった場合の治療法として「インプラント」や「差し歯」を提案されることがあるかもしれませんが、違いがよくわからない方も多いでしょう。

今回は、インプラントと差し歯の違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。どちらの治療を受けるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

3本のインプラント

まず、インプラントについて以下の項目に分けて解説します。

  • インプラントの特徴
  • インプラントのメリット
  • インプラントのデメリット

以下、それぞれ解説します。

インプラントの特徴

インプラントとは、セラミックやジルコニアなどの素材を使用して人工の歯を作製し、失った歯を補う治療法です。

インプラントを行うには、もとの歯が根っこの部分から欠損していることが必須条件です。もし歯の根っこが残っていたとしても、抜歯すれば行うことができます。

インプラントは、噛む力や見た目は天然の歯と非常に似ており、機能性・審美性に優れている特徴があります。

ただし、治療は保険適用外となってしまうため、歯科医院によっては治療費が高くなるかもしれません。

インプラントのメリット

インプラントの主な3つのメリットは、以下のとおりです。

  • 天然の歯に近い噛み心地を得られる
  • 見た目が自然で違和感がない
  • ストレスなく日常生活を送れる

インプラントで作られた歯は、天然の歯と非常に近い見た目や機能性があります。

インプラントで歯を作る際に使用されるセラミックやジルコニアといった素材は、天然の歯のような色や透明感を作りやすいのです。そのため、食べ物が噛みにくい、人と会話をする際に笑顔を作るのが恥ずかしいということを気にしながら生活する必要がありません。

インプラントは、天然の歯と変わらない感覚で過ごせるため、大きなストレスを感じることもないでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントの主な2つのデメリットは、以下のとおりです。

  • 費用が高くなりやすい
  • 歯周病が進行しても気づきにくい

インプラントの最大のデメリットは、費用が高額という点です。インプラントは基本的に自由診療であり保険が適用されないため、治療費の全額を自費で支払わなければいけません。多くの方がふだんは3割負担で支払っているものを、10割負担で支払わなければいけないのです。差し歯や入れ歯よりも費用が高くなり、経済的な負担がかかるでしょう。

また、インプラントは人工の歯を作製するため虫歯になることはありませんが、気づかない間に歯周病が重症化して、かなり悪い状態で発見される可能性があります。ご自身の歯であれば神経が残っているため痛みなどの症状がありますが、人工の歯は痛みを感じることがないため、早期発見が難しいのです。

インプラントで人工の歯を埋め込んだ場合、通常の歯よりもお口の中に雑菌がたまりやすい状態となるため、より歯周病のリスクが高まります。不安定な口内環境で健康な歯を維持するには、毎日のお手入れが非常に重要です。

差し歯とは?

差し歯を入れ込もうとしている

次に、差し歯について以下の項目に分けて解説します。

  • 差し歯の特徴
  • 差し歯のメリット
  • 差し歯のデメリット

以下、それぞれ解説します。

差し歯の特徴

差し歯は、残っている歯の根っこの上に被せ物を装着することで失った歯を補う治療法です。差し歯の治療をするには、歯の根っこが残っていることが条件です。

差し歯といわれると、人工の歯を歯茎に差し込むイメージをおもちの方が多いかもしれませんが、それはインプラントにあたります。

差し歯のメリット

差し歯の主な2つのメリットは、以下のとおりです。

  • 費用をおさえられる
  • 治療期間が短く負担が少ない

差し歯の治療は、インプラントと違って基本的に保険が適用されるため、費用をおさえられることがメリットのひとつです。

また、治療内容も大がかりなものではないため、インプラントよりも数か月~1年ほど治療期間が短くなります。インプラントよりも費用と期間をかけず、手軽に治療できるでしょう。

しかし、差し歯の治療を受けるには、歯根が残っているのが条件です。誰でもできるわけではないため、歯科医師とよく相談して決めましょう。

差し歯のデメリット

差し歯の主な3つのデメリットは、以下のとおりです。

  • 見た目の自然さに欠ける
  • 被せ物が取れないか不安になる
  • まずは歯を治療する必要がある

差し歯は、インプラントよりも見た目の自然さに欠けます。なかには、銀歯になってしまう場合もあるため、食事や会話の際に気になってしまう方もいらっしゃるでしょう。見た目の自然さを求めたいのであれば、セラミックやジルコニアを用いて被せ物を作製することも可能ですが、費用が高くなります。

また、まれに被せ物が取れることがあるため「外れたらどうしよう」という不安を抱えながら生活している方がいらっしゃるのも事実です。

ほかに考えられるデメリットとして、土台の歯の治療が必要となる可能性がある点があげられます。虫歯があれば、虫歯を治療してから被せ物を装着するのです。

治療にかかる時間と苦痛を考えると、抜歯してインプラントを行ったほうがよい場合もあるでしょう。歯科医師とよく相談して、納得のいく治療法を選択しましょう。

インプラントと差し歯の違いを比較

天秤で2つのものを比較する

インプラントと差し歯の違いは、以下のとおりです。

<インプラントと差し歯の違い>

インプラント 差し歯
治療対象者 歯根がない方 歯根がある方
治療期間 3か月〜1年 1〜2か月
見た目 天然の歯のような色や透明感がある 素材によっては見た目が気になる
寿命 10〜15年 7〜10年
治療費用 自費 保険適用(素材によっては自費)

以下、それぞれ解説します。

治療対象者の違い

インプラントと差し歯は似ていますが、治療方法は全く別のものといえるでしょう。

インプラントは歯の根っこがない方向けの治療であり、差し歯は歯の根っこがある方向けの治療です。歯根の有無によって治療方法が選択されるのです。

治療期間の違い

治療期間は、インプラントより差し歯のほうが短いです。歯根があって、できるだけ早くきれいな歯を手に入れたい方は、差し歯が向いています。

インプラントを希望する場合は、治療が完了するまで数か月かかることを理解したうえで、今後の予定に合わせて治療計画を立てていくことが大切です。

見た目の違い

インプラントのほうが天然の歯に近い見た目を手に入れることができます。見た目だけでなく、噛み心地も天然の歯とそれほど変わりません。

見た目と使用感の自然さを重視するのであれば、インプラントがよいでしょう。差し歯の場合は、銀歯になる可能性や、時間がたつと変色する可能性もあります。差し歯は、インプラントと比べると見た目の面では劣るでしょう。

寿命の違い

インプラントのほうが差し歯より寿命が長いです。

インプラントは審美性も維持しながら、長期間使用できます。具体的には、差し歯と比べると3〜5年ほど長持ちします。多少お金をかけてでも長持ちさせたい方は、インプラントがよいでしょう。

治療費用の違い

治療費用は、差し歯のほうがインプラントより安いです。基本的に差し歯は保険適用なので、全額実費のインプラントと比べると費用をおさえることができます。

ただし、見た目の美しさを求めて被せ物の素材にこだわった場合、自由診療となるケースもあるため注意が必要です。

インプラント治療の流れ

フローという文字をあらわす木のブロック

インプラント治療の主な流れは、以下のとおりです。

  1. 問診・精密検査
  2. 人工歯根没入術
  3. インプラント体の定着期間
  4. 人工歯のセット

はじめに、問診や検査を行い、歯の健康状態の確認や治療方針の決定を行います。少しでも不安なことがあれば、この時点で歯科医師に相談しましょう。精密検査の結果、もし何らかの異常があった場合は、インプラント治療を行う前に事前治療が必要となる場合もあります。

準備が整ったら、いよいよ人工歯根没入術に入ります。歯の土台部分にあたるインプラント体を歯茎に埋め込む処置を行います。

歯根没入術が完了したあとは、約2〜3か月時間をおいて、インプラント体が定着するのを待ちます。歯科医院によっては、インプラント体が定着するまでの期間に仮歯を装着できることもあります。

インプラント体が定着したら、型取りして人工歯を作製し、装着する流れです。

差し歯治療の流れ

手順を踏む様子をブロックの階段であらわしている

差し歯治療の主な流れは、以下のとおりです。

  1. 問診・精密検査
  2. 差し歯の土台作製
  3. 型取り
  4. 差し歯の装着

インプラント治療する際と同様に、まずは問診や精密検査を行って口腔内の状態を確認し、治療にあたっての希望をヒアリングします。

ひととおり確認して治療方針が決まったら、差し歯の土台作製です。しっかりした土台を作製するため、虫歯がある場合は先に虫歯の治療を行います。

土台が完成したら型取りです。型が完成したら差し歯を装着し、フィッティングに問題がなければ終了します。

インプラントと差し歯、どちらの治療法がいいの?

両手で疑問の様子をあらわす女性

インプラントと差し歯のどちらの治療法がよいかは人によって異なります。一概にどちらの治療法がよいとはいえません。

ただし、歯の根っこが残っている場合はインプラントが実施できないため、差し歯治療が向いているといえます。また、歯の根っこが残っている場合は、インプラントと差し歯治療の2つの選択肢から決めることも可能です。

お口の中の状態を見てもらったうえで、歯科医師と相談してベストな選択をしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

今回は、インプラントと差し歯の違いについて解説しました。

それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあります。インプラントは歯根がない患者さま向けで、外見が自然で寿命が長めですが、治療期間が長く、自費のため高い治療費がかかります。一方、差し歯は歯根がある患者さま向けで、外見に素材による差があり寿命が短めですが、治療期間が短く、治療費は基本的に保険適用が可能です。

それぞれの特徴を比較し、よく歯科医師と相談したうえで、ご自身にとって最適の治療法を選択することが大切です。

インプラントや差し歯でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントを勧めない歯科医師がいるのはなぜ?その理由とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントは審美性が高く、しっかり固定されることによって天然歯のように噛めるなど、メリットが多い治療法です。

しかし、インプラントを勧めない歯科医師もいます。なぜインプラントを勧める歯科医師と勧めない歯科医師がいるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、インプラントのメリットやデメリット、なぜインプラントを勧めない歯科医師がいるのかを解説します。インプラントを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントのメリット・デメリット

インプラント治療のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

インプラントのメリット

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、しっかりと固定されます。不快な感覚や違和感が少なく、天然歯と同じようにしっかりと咀嚼できます。食事を楽しみに思っている方にとっては、大きなメリットでしょう。

インプラントは審美性が高く、ブリッジなどに比べると非常に見映えがよいです。特に、顔の印象を左右する前歯などに使用する方が多いです。

また、インプラントは虫歯にならないため、虫歯で歯を失うことはありません。定期的に歯医者でのメンテナンスを受けて清潔な口内を保つことで、10年以上長持ちさせることも可能といわれています。

インプラントのデメリット

インプラントでは、人工歯根を顎の骨に埋入するための外科手術が必要です。治療にかかる期間は長期に渡り、治療費も高額になるでしょう。

インプラントの手術が無事に終わっても、口内で細菌が繁殖する場合があります。インプラント周囲炎をはじめとする炎症や合併症が起きることがあるのです。

インプラントを埋入するための顎の骨は、前歯に近づくにつれて薄くなります。埋入したい部分や患者さまの骨の状態によって、インプラントの埋入手術とは別で、顎の骨を増やす手術が必要なケースがあります。外科手術を複数回行うことは、患者さまへの身体的負担が大きく感染のリスクも増加するため、デメリットといえるでしょう。

さらに、歯周病などで歯茎や骨の状態が悪化すると、インプラントの土台部分が不安定になり、脱落することもあります。

インプラント手術は、検査や多くの工程を経て手術が完了したあとも、定期的に歯医者でメンテナンスを受ける必要があります。自宅での丁寧なクリーニングも欠かさず行い、常に清潔な口内を維持する必要があるのです。

インプラントを勧めない歯科医師もいる?

インプラント治療にはリスクもあるため、なかには勧めない歯科医師もいます。インプラントを勧めない歯科医師がいる主な理由は、以下の3つです。

インプラント治療に対する十分な知識や技術がない

インプラント治療に対する知識や技術が不十分なケースが挙げられます。

インプラント治療には専門的な知識が必要であり、高度な技術が求められます。十分な知識と手術実績がない医師が行うと、安定性が低くなりすぐに脱落するなど、インプラント治療が失敗する可能性があるのです。

患者さまのリスクが高まるため、歯科医師がインプラント治療を勧めない理由といえるでしょう。

インプラント治療のための設備が整っていない

インプラント治療のための設備が整っていない場合もあります。

インプラントは外科手術を要する治療なので、専門的な設備を必要とします。手術室の衛生管理も徹底しなければなりません。手術を行える設備が整っていない歯医者では、インプラント治療を行うことはできないのです。

起こりうる炎症や合併症を避けたい

インプラント治療は外科手術を行うため、炎症が起きるリスクがあります。

術後の感染や神経損傷などの合併症が起きるリスクもあるため、リスクを避けたいと考える歯科医師もいるでしょう。

歯科医師によって勧める治療法が異なるのはなぜ?

歯科医師によって勧める治療法が異なる場合があります。理由は、以下の3点です。

歯科医師によって考え方が異なる

歯科医師は、自身の信念に基づいて治療方針を決めます。歯科医師それぞれの価値観や思考パターン、専門性の違いが反映されるといえるでしょう。

特に、インプラントは、患者さまの身体的な負担が大きい治療なので、必要性は慎重に検討されます。歯科医師自身の経験や信念、専門知識に基づいて、インプラント治療以外の方法で歯を補うべきだと判断した場合は、ほかの治療法を勧められるでしょう。

歯科医師になるまでの教育内容や経験が異なる

歯科医師がどのような経験や教育を受けてきたのかも、重要なポイントです。

医学は絶えず進化しており、新たな治療法が日々生まれています。古い学説に固執するのではなく、常に新しい知識を吸収し続けることが求められるでしょう。臨床経験やカリキュラムで学んだ病態や治療法は、歯科医師の考え方に大きな影響を与えます。そのため、歯科医師によって治療方針や勧める治療法が異なるのです。

重要視するものが異なる

歯科医師が独立している場合は特に、経営を重視するのか歯科治療を重視するのかによって治療方針が変わります。保険診療を重視している歯医者もあれば、新しい治療をどんどん取り入れた、自由診療が多い歯医者もあるでしょう。

経営者の方針によって大きく異なり、歯医者の特色にもなります。

信頼できる歯医者の選び方

インプラント治療を受ける際に、どのような点に気を付けて歯医者を選ぶとよいのでしょうか。以下の5つのポイントを押さえて歯医者を選べば、自分に合った歯医者を見つけられるでしょう。

丁寧にカウンセリングしてくれる

信頼できる歯医者を選ぶうえで、丁寧にカウンセリングしてくれるかどうかは重要なポイントです。初めて受診した際に、カウンセリングの丁寧さ、口内の状態を詳しく説明してくれるかなどを確認しましょう。

治療方法や治療計画、ほかの選択肢について説明してくれる歯医者や疑問に丁寧に回答してくれる歯医者は、安心して治療を受けられます。特に、治療期間が長いインプラントでは、円滑にコミュニケーションが取れる歯医者がよいでしょう。

同じ歯科医師が診察してくれる

歯科医師が多く在籍している歯医者もありますが、同じ歯科医師が診察してくれると安心できるでしょう。

歯科医師とのコミュニケーションの取りやすさは、治療の質に直結します。同じ歯科医師が診察すれば、患者さまの口腔環境や治療履歴を理解しやすいでしょう。患者さまの特性に合わせた治療を行ってくれます。何度も同じ歯科医師に診てもらうことで信頼関係を築くことができ、安心して治療を受けられるでしょう。

歯科医師やスタッフが丁寧に対応してくれる

歯科医師やスタッフが、患者さまに対して優しく接してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。歯医者が患者さまの不安や痛みに配慮し、安心して治療を受けられる環境を提供していることを確認してください。

歯科治療では麻酔を使用することがありますが、麻酔を使用しても痛みを感じる場合があります。スタッフに優しく接してもらえることで、治療中に過度のストレスや不安を感じることがなくなるでしょう。リラックスした状態で治療を受けられます。

歯医者の雰囲気がよい

インプラント治療は、継続的に歯医者に通院する必要があります。雰囲気のよい歯医者を選ぶことは、非常に重要といえるでしょう。

歯医者の雰囲気は、スタッフのサービス精神やプロ意識の高さ、設備のよさなど、医院の質が反映されます。清潔感があり、最新の設備が整っている歯医者を選びましょう。

衛生管理を徹底している

信頼できる歯医者を選ぶ大切なポイントの一つに、衛生管理を徹底していることが挙げられます。

口腔内は非常に菌が繁殖しやすいです。インプラントで外科手術を受ける場合は、傷口が感染するおそれもあるので、清潔な環境の維持は必須といえるでしょう。歯医者を選ぶ際には、院内が明るく清潔感があり、診療室や器具が常に清掃され、滅菌管理がされているか確認することが大切です。

まとめ

歯科模型を使って説明する歯科医師

多くのメリットがあるインプラントですが、デメリットやリスクもあるため、インプラント治療を勧めない歯科医師もいます。勧めない理由はさまざまですが、患者さまの状況を適切に把握して説明してくれる歯科医師であれば、納得することができるでしょう。

インプラント治療にはリスクもありますが、失った歯を補う治療方法としては非常に優れています。リスクも理解したうえで、しっかりと歯科医師と相談して治療を受けるかどうか決めることが大切です。

患者さま自身が納得のいく治療を受けられる歯科医師を見つけ、最善の方法を選べるように歯医者を選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療で悪い歯並びは治せるの?矯正治療との違いを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

顎に埋め込まれたインプラント

「インプラントで歯並びを治せる?」「インプラントと矯正の違いは?」などの疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、インプラント治療では歯並びを整えることはできません。インプラントは、失った歯の機能を補うための治療なので、歯並びを整える目的では利用されないのです。

今回は、歯並びが悪いことによるリスク、インプラント治療の目的、インプラント治療と矯正治療の違いなどを解説します。この記事を参考に、インプラント治療や矯正治療に関する正しい知識を身につけ、ご自身に適した治療法を選択してください。

歯並びが悪いことによるリスク

RISKと書かれた木のブロックを抜く男性

歯並びが悪いことによって引き起こされるリスクは、以下のとおりです。

  • 虫歯や歯周病になりやすい
  • しっかり噛めない
  • 口臭の原因になる
  • コンプレックスになる
  • 発音が悪くなる

それぞれ解説します。

虫歯や歯周病になりやすい

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯と歯が重なりあって生えている場合は、食べかすが詰まりやすく、歯磨きが不十分になりやすいためです。

歯磨きが不十分で食べかすや歯垢などが口内に残ると、歯垢を栄養源とする歯周病菌が増殖します。歯周病菌が繁殖すると、歯茎の腫れや出血を引き起こし、歯周病になりやすくなるでしょう。

また、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなるため、物を噛んだときに特定の歯に大きな負担がかかります。本来、歯は全体で噛む力を吸収して分散することで、特定の歯に極端な負荷がかかることを防いでいます。

しかし、歯並びが悪いと噛む力を分散できません。特定の歯に大きな力がかかり続けると、歯を支える組織が傷つけられ、歯周病の進行を早めるでしょう。

しっかり噛めない

歯並びが悪いと、食べ物をしっかり噛むことや細かく噛み砕くことが難しくなります。よく噛めないと十分に噛み砕かれていない食物が胃腸に送られます。胃腸に負担がかかり、消化不良につながるでしょう。

また、噛む力が弱まることで柔らかいものを好むようになり、繊維質の肉や野菜を避けることで栄養バランスが崩れる可能性もあります。栄養バランスが乱れた食事を長期的に摂取すると、生活習慣病や認知症などのリスクが高まるでしょう。

歯並びが悪いと、口腔内だけでなく全身の健康に影響を与えるのです。

口臭の原因になる

歯並びや噛み合わせが悪いと、口が閉じにくいことから口呼吸になる場合があります。口呼吸になると、唾液が不足して口の中が乾燥します。

唾液には自浄作用や殺菌作用があるため、乾燥した口内では雑菌の繁殖が進むでしょう。雑菌の繁殖が進むと、口臭が強くなります。

上述しましたが、歯並びが悪いと歯磨きが難しいため、歯垢が蓄積しやすいです。蓄積した歯垢も、口臭の原因になるでしょう。

コンプレックスになる

歯並びや噛み合わせが悪いと、見た目を気にして人前で笑えなくなる、マスクをつけなければ人前に出られなくなるなど、精神にも影響も及ぼす可能性があるでしょう。「ガタガタした歯並びを見られたくない」「出っ歯を見られるのが恥ずかしい」など、人とコミュニケーションを取ることを控えるようになるかもしれません。

また、歯並びや噛み合わせが悪いと、顔が歪むことがあります。顔が歪んでいることも、コンプレックスになり得るでしょう。

発音が悪くなる

歯並びが悪いと、滑舌や発音に悪影響を及ぼします。上下の歯が噛み合わないと、歯と歯のすき間から空気が漏れる場合や舌をスムーズに動かせない場合があるでしょう。唇に歯が引っかかり、唇の動きが制限されることもあります。

発音が悪いと人と話すことに不安を感じ、コミュニケーションを取るのを避ける可能性があります。

インプラント治療で悪い歯並びは治せるの?

家で顎に手を当てて考える男性

インプラント治療では、歯並びを整えることはできません。

インプラントは、失った歯を補う治療です。一般的に、健康な歯を抜いてまでインプラント治療で歯並びを整えることはしません。

インプラントは、事故や加齢などによって歯を失った方や歯に大きなダメージを受けた方が、歯を補うために行う治療法なのです。

インプラント治療の目的とは?

椅子に座って考える女性

インプラント治療の目的は、失った歯の機能を補うことです。歯を失った部分に人工歯(インプラント)を埋め込むことで、噛む力や見た目の回復をはかります。また、歯はスペースがある方向に動く習性があるため、歯が動かないように保定する役割も果たすでしょう。

インプラントは、審美目的で利用されるのではなく、あくまで歯の機能回復のために利用されます。インプラントとして用いられる人工歯は、機能性と審美性の高さを兼ね備えているため、インプラント治療で歯並びを整えたいと考える方もいるでしょう。

しかし、不必要に健康な歯を抜くのは、噛む力が低下するなどのデメリットがあります。歯並びを整えたいと思っている方は、まずは矯正治療を検討してください。

歯並びを治すためには矯正治療が必要

歯科医院で鏡を見て歯を確認する女性

歯並びを整えるには、矯正治療が必要です。

矯正治療とは、歯並びや噛み合わせを整える治療です。矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの種類があり、個々の希望や症状に合わせて矯正方法を選択します。

ワイヤー矯正は、出っ歯や受け口、重度の叢生(ガタガタした歯並び)など、幅広い症例に適応可能です。歯並びの問題が重度の場合は抜歯が必要になりますが、抜歯せずに矯正できる場合もあります。

ワイヤー矯正もマウスピース矯正も、歯や顎の骨にゆっくりと力をかけ、時間をかけて歯を動かして歯並びを整える治療法です。歯並びを整えたい場合は、インプラント治療ではなく矯正治療を検討しましょう。

インプラント治療と矯正治療の違い

赤と緑のチェックマークを比較する男性

インプラント治療と矯正治療は、目的が異なります。インプラント治療は失った歯の機能を補う治療で、矯正治療は歯並びと噛み合わせを改善する治療です。

メディアなどで芸能人が「歯並びをきれいにするためにインプラント治療を受けた」と話しているのを目にしたことがある方もいるかもしれません。これは、芸能関係などの特殊な仕事をしており急速に歯並びを整えなければならず、インプラント治療を行っただけで、一般的に適応される方法ではないことを覚えておきましょう。

また、インプラント治療で用いる人工歯は、見た目が美しく高い機能を兼ね備えているため、手軽に高い審美性を獲得できると考えている方もいます。

しかし、歯並びを整えるのは矯正治療の役割です。インプラントの役割は、歯を失った部分に人工歯を埋め込んで噛む機能を取り戻すことです。それぞれの治療の目的を理解し、ご自身の症状に合った方法で治療しましょう。

まとめ

顎に手を当てて笑う女性

今回は、インプラント治療で歯並びを整えることができるのか、矯正治療との違いなどを解説しました。

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びを整えることは全身の健康を維持するために効果的ですが、インプラント治療は歯並びを整える目的では選択されません。

インプラント治療の目的は、失った歯の機能を補って噛む機能を回復することです。歯並びを整えるには、歯や顎の骨に力を加えて歯を移動させる矯正治療を受けましょう。

自分の歯の歯並びを整えたいと思っている方は、矯正治療を選択するとよいでしょう。歯科医院でのカウンセリングなどを利用し、インプラントや歯列矯正について相談してください。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

20代でインプラント治療はできる?メリット・デメリットと注意点とは

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

模型を見せてインプラントの説明をす男性歯科医師

インプラントは、天然歯のような仕上がりになり食事も問題なくできるので、失った歯を補う治療法として希望する20代の方が増えています。

しかし「20代でインプラント治療は本当にできるの?」「20代でのインプラントはデメリットがあるのでは?」と考える方も少なくありません。

今回は、20代のインプラント治療について、メリットやデメリットをご説明します。20代でインプラント治療を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

20代で歯を失う原因

歯の痛みに耐える女性

高齢者に比べると少ないですが、20代で歯を失うこともあります。20代で歯を失う主な原因は、以下の3つです。

  • 事故やスポーツの衝撃
  • 重度の虫歯
  • 重度の歯周病

20代で歯を失う原因の多くは、事故やスポーツの衝撃です。スポーツ中に前歯を強く打つ、人と接触するなどして歯を失う可能性があります。

重度の虫歯の場合、歯の根を除去して根管を洗浄する「根管治療」を行う場合も多いです。根管治療を行った歯はもろくなり、寿命が短くなります。

根管治療を行わなくても、根が無事な歯に比べて、弱い衝撃でも割れる可能性があります。装着した人工歯が脱落し、抜歯が必要になることも珍しくありません。重度の歯周病で歯が抜けることもあります。

20代だからこそ、歯を失ったときにショックを受ける方や、これからどうしたらよいのだろうと悩む方も少なくありません。

20代でインプラント治療はできる?

顎に手を当てて考える若い男女

20代でインプラント治療は可能です。顎の状態や治療後の経過を考えると、高齢者に比べて20代の方のほうがインプラントに向いているといっても過言ではありません。

ただし、20代でインプラントをする場合、施術をスタートする前に顎の成長が終了している必要があります。

インプラントの平均寿命は10〜15年といわれています。インプラント治療後もきちんとケアをし、定期的にメンテナンスに通っている場合、もっと長く使用できることもあるでしょう。

日本口腔インプラント学会の「20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査」によると、インプラントの治療後20年以上経過した77%以上の方が「問題ない」と答えています。20代の方がインプラント治療をする場合、40代になっても問題なくインプラントを使用できる可能性が高いのです。

失った歯を補う方法としてブリッジや入れ歯がありますが、ブリッジの平均寿命は7〜8年、入れ歯の平均寿命は3〜5年とされています。治療後長く使うことを考えると、20代の方こそ、インプラント治療が適しているといえるでしょう。

参照元:「日本口腔インプラント学会 20年以上経過したインプラント患者に対するアンケート調査

20代でインプラント治療をする人も多い

20代で歯を失う人は少ないため、全体的な症例数は多くありませんが、20代でインプラント治療を受ける方も少なくありません。以下の理由でインプラント治療を選択する方が多いです。

  • 20代で入れ歯になるのは抵抗がある
  • 歯を失ったことを知られたくない
  • 好きなものを気兼ねなく食べたい
  • まだ20代なので見た目が気になる

20代という若い時期だからこそ、見た目や機能性、インプラントの寿命を考慮し、治療に臨んでいるといえるでしょう。

20代でインプラント治療をするメリット

MERITと書かれた木のブロックが机の上に置かれている

20代でインプラント治療を受けるメリットは少なくありません。インプラント治療をするメリットとともに、ほかの治療法を選んだ際のメリット・デメリットを考慮して、ご自身に適した治療法を選択しましょう。

20代でインプラント治療をするメリットは、以下のとおりです。

周囲の歯や歯周組織に対する影響が少ない

インプラント治療は、隣の歯や歯周組織に対する影響が少ないです。インプラントとほかの治療において、周囲の歯や歯周組織に与える影響を表にまとめました。

<治療方法と影響>

治療の種類 治療方法 影響
インプラント 歯槽骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する ・残った歯を削らない
・ケアすれば周辺の骨が痩せない
ブリッジ 失った歯の周辺の歯を削って土台にし、欠損した歯を補う ・両隣の歯を削る
・健康な歯の神経を抜く場合がある
・歯を失った部分の骨が痩せる
・食べかすやプラークが溜まり、歯周病になりやすい
入れ歯 人工歯を金属の留め金で両隣の歯に引っ掛けて装着する ・両隣の歯を削る必要がない
・歯を失った部分の骨が痩せる

 

ブリッジや入れ歯を選択すると、刺激が伝わらないため歯槽骨が痩せます。汚れが溜まりやすいため、歯周病になるリスクも高まるでしょう。

インプラントは歯周組織への影響が少なく、健康なほかの歯や歯槽骨を守れるのです。

歯槽骨が健康な場合が多い

20代の歯槽骨は健康で、骨造成が必要ないケースが多いです。

インプラント体を埋め込むためには、歯槽骨の厚みや骨密度が基準を満たしている必要があります。高年齢になると、歯槽骨が薄くなる方や骨密度が低下する方も珍しくありません。厚みや骨密度が基準に満たない場合、インプラント手術の前に骨造成という歯槽骨を増やす手術が必要になります。

20代の方は歯槽骨が健康で、厚みや骨密度が十分な場合が多く、スムーズにインプラント手術を開始できるのです。

体力・免疫力がある

20代は、一般的に体力と免疫力があります。感染症のリスクが低く、術後の傷の回復が早いこともメリットでしょう。

また、糖尿病や高血圧などの疾患がない可能性が高いです。糖尿病や高血圧などの疾患がある場合、インプラント手術をする場合リスクが伴います。免疫力が下がっていると、術後の傷が化膿する危険もあります。

20代で体力も免疫力もある方は、傷の治りが早く、術後の経過も順調なケースが多いのです。

20代でインプラント治療をするデメリット

demeritと書かれたメモを破る手元

20代でインプラント治療をするメリットは多いですが、もちろんデメリットもあります。納得してインプラント治療をスタートするために、デメリットも把握しましょう。

20代でインプラント治療をするデメリットは、以下のとおりです。

保険適用外なので高額になる

インプラントは、ブリッジや入れ歯とは違い、保険適用外の治療です。費用の詳細は歯科医院によって異なりますが、1本につき150,000〜400,000円かかります。

多くの費用が必要なため、治療を受けられないと感じる方も珍しくありません。

治療が長期にわたる

インプラントの治療期間の目安は、3か月〜1年と長期にわたります。

1年間も歯がない状態が続くのは嫌だと感じる方も少なくありません。学校や仕事などで忙しく、長期的な治療計画を立てることが難しい方もいるでしょう。

しかし、実際に通院する回数は2〜3回だけです。手術のあとに傷が治るのを待つ必要があるため治療期間が長いですが、何回も通院する必要はありません。

20代でインプラント治療をする際の注意点

!マークが書かれた黒板を掲げる女性

20代でインプラント治療をする際は、高齢者がインプラントの手術を受ける際とは異なる注意点があります。

20代でインプラント治療をする際の注意点は、以下のとおりです。

顎の成長が止まっている必要がある

まず、顎の成長が止まっていることを確認して治療を受ける必要があります。

インプラントは、歯槽骨にインプラント体を埋め込むため、成長中に手術することは推奨されていません。インプラント体を埋め込んだあとに歯槽骨が成長することで、埋め込みたい位置からずれる可能性があるのです。

特に20代前半の場合、顎が少しずつ成長している可能性もあるため、先に調べたほうがよいでしょう。

治療後メンテナンスに通い続ける必要がある

インプラント治療は、インプラントを装着したら終了ではありません。治療後もメンテナンスに通う必要があります。

メンテナンスが必要なのは20代も高齢者も変わりませんが、20代の場合、仕事の転勤や結婚をきっかけに引っ越す可能性があるでしょう。治療した歯科医院に通い続けられるのか考えることも大切です。

インプラント治療では10年や15年などの長期にわたる保証を設けている歯科医院も多いです。他院で治療を受けると保証の対象外になることがあるので、注意してください。

まとめ

歯科医院で治療を受ける美しい女性

20代でインプラント治療を受けることは可能です。見た目がよいだけでなく、インプラントの寿命が長く、周囲の歯や歯周組織に負担をかけずに治療できることを考えると、歯を失った20代の方がインプラント治療をするメリットは大きいといえるでしょう。

しかし、費用やメンテナンス、顎の成長も考慮する必要があります。歯科医院に相談し、メリットとデメリットを把握して、自身にあった治療法を選択してください。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯の模型に埋め込まれたインプラントを指して説明する人

インプラント治療後に噛み合わせが悪いと、どのようなリスクがあるのか、インプラント治療後の食事は違和感なく可能なのかなど、疑問に思う方は少なくありません。歯を長持ちさせ安心して食事をするために、インプラント治療後の噛み合わせは非常に重要です。

今回は、インプラント治療後の噛み合わせの重要性や、噛み合わせが悪くなる原因を解説します。インプラント治療を検討している方やインプラント治療を終えた方は、ぜひ参考にしてください。

噛み合わせの重要性

青色のプラスマークを手にとる人

噛み合わせがよい状態とは「顎を上下に動かして歯が噛み合ったときの接触状態」と「顎を左右に動かしたときの歯の接触状態」の均衡が取れており、上下に噛んだときや左右に動かしたときに違和感なくスムーズに動くことです。

部分的に強く当たる場合や引っかかる部分がある場合、噛み合わせに問題があると考えられるでしょう。また、食事中に物を噛んだときに痛み・引っかかりを感じる場合や、食事中や会話中に舌の動かしにくさを感じる場合も、噛み合わせに問題がある場合が多いです。

歯並びや噛み合わせの悪さは、身体全体の健康に大きな影響を与えます。噛み合わせが悪いと、顎関節症や頭痛、肩こり、腰痛を引き起こす可能性があるのです。

インプラント治療を受ける際も、噛み合わせを考慮することが重要です。インプラント治療後の噛み合わせを整えるには、口腔外科のスキルはもちろん、補綴や歯周病の知識・経験を豊富にもつ歯科医院を選びましょう。

歯科医師はインプラント治療を行う際、患者さまの顎の骨の厚みが十分にあるか、虫歯や歯周病はないかなど、口腔内の状況を丁寧に確認します。インプラント治療後に日常生活を問題なく送るには、念入りに治療プランを立てることが大切です。

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる原因

頭にたくさんの?を浮かべて考える赤い服の女性

「インプラントの治療直後は問題なかったのに、少しずつ噛み合わせが悪くなってきた」と感じる方も少なくありません。

インプラント治療後に噛み合わせが悪くなる主な原因は、以下のとおりです。

日常生活の癖

日常生活で何気なくしている癖が原因で、インプラント治療後の噛み合わせが悪くなることがあります。

噛み合わせが悪くなる癖は、以下のとおりです。

  • 頬杖
  • 食いしばり
  • 舌の癖

考えごとをしているときや作業中など、頬杖をつくことが癖になっている方も少なくありません。1回の動作では大きな影響はなくても、頬杖をつくことによる負荷が長期的にかかることで、噛み合わせが悪くなります。

また、力仕事をしているときやストレスを感じたときに歯を食いしばる癖がある場合、噛み合わせに影響します。舌を前に出す、歯を舌で押すなどの癖も、噛み合わせがずれる原因になるでしょう。

もともとの噛み合わせ

もともと噛み合わせが悪い状態でインプラント治療を受けた場合、治療後の噛み合わせに影響が出る可能性が高いです。歯並びが乱れた状態のままインプラントを埋め込むと、治療後に違和感をおぼえることがあるでしょう。

上述しましたが、噛み合わせは口腔内だけでなく全身の健康に影響を及ぼします。インプラント治療が問題なく終了しても、本来の噛み合わせが悪いと健康に悪影響を与えるケースが少なくありません。

インプラントの噛み合わせが悪いことによるリスク

RISKの木の文字を机の上に並べる手元

「噛み合わせに少し違和感があるけれど歯科医院に行くのは面倒」と感じる方も珍しくありません。

しかし、インプラント治療後の噛み合わせの悪さを放置すると、さまざまなリスクが伴います。インプラントの噛み合わせが悪いことによるリスクは、以下のとおりです。

虫歯や歯周病になる

噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。噛み合わせが悪いときは歯並びも悪い場合が多く、磨き残しが多くなるからです。

高額な費用と長い時間をかけてインプラントを入れても、歯周病になって歯を失うと治療した意味がありません。

顎関節症になる

噛み合わせが悪い状態を放置すると、顎関節症のリスク高まります。噛んだときの負荷が片方の顎に偏るためです。

顎関節症になると起きる問題は、以下のとおりです。

  • 噛むと顎が痛む
  • 口を開きにくい
  • 顎を開け閉めしたときに音が鳴る

痛みや口の開きにくさがあると、食事や会話に影響が出ます。「インプラント治療を受けたら、好きなものを食べられる」と楽しみにしていても、顎関節症になると食べられるものが制限されるでしょう。

歯の寿命が短くなる

噛み合わせが悪く一部の歯に負荷がかかると、歯の寿命が短くなります。歯がすり減ったり、歯を支えている歯槽骨が吸収されて歯がグラグラしたりする場合があるからです。

インプラントも同様に、過度な負荷がかかるとインプラント周囲炎を発症し、インプラントが脱落することもあります。

顔がゆがむ可能性がある

噛み合わせが悪いと無意識に噛みやすい場所で噛む癖がつくため、顔がゆがむリスクがあります。噛む場所が偏ると、噛む回数が多い部分の筋肉が発達するのです。

顔がゆがむと、顔が左右対称でなくなる、片方の口角が上がるなど、見た目に大きな影響を与えるでしょう。目の大きさが左右で変わったり、片側のほうれい線が深くなったりすることもあり、コンプレックスに感じる可能性も否定できません。

頭痛・肩こり・胃腸の不調などを生じる

噛み合わせの悪さが引き起こす全身の不調は、以下のとおりです。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 胃腸への負担

顔がゆがんだことで全身の筋肉のバランスが悪くなり、肩こりや頭痛を引き起こす場合があります。また、噛みにくさや顎の痛みが原因で、しっかり噛めない場合もあるでしょう。

しっかり噛めないと、食べ物が適切に噛み砕かれません。胃腸に負担がかかり、胃痛や便秘を引き起こす可能性もあるでしょう。

インプラント治療後の噛み合わせを保つために

指を立てて笑う白い服を着た女性

健康に食事を楽しむために、インプラント治療後の噛み合わせを良好な状態に保つことが重要です。治療直後の噛み合わせがよくても、徐々に悪くなる可能性があります。

よい噛み合わせを保つために意識するべきことは、以下のとおりです。

噛み合わせに違和感がある場合は歯科医院へ行く

食事中や会話中に「どこかが強く当たっている」「舌を動かしにくい」など、違和感がある場合はすぐに歯科医院へ行きましょう。上下の歯の中心がずれていないか、口角の上がり方が左右対称かなどを確認し、噛み合わせに問題がないか調べてもらえます。

日常生活を送るなかで違和感に気づくこともありますが、実際に目で歯の中心や口角の上がり方を確認することが大切です。ふだんから確認していると、小さな異変に気づくことができるでしょう。

噛み合わせに影響する癖を治す

噛み合わせが悪くなる原因として、日常生活の癖があげられることを上述しました。頬杖や食いしばり、舌で歯を押すなどの癖は噛み合わせに影響を与えるので、改善できるよう努めましょう。

定期検診を受ける

セルフチェックだけでは、正しい診断はできません。定期検診を受けて、歯科医師に口腔内の状態をチェックしてもらうことが大切です。

定期検診では噛み合わせだけでなく、インプラントや口腔内全体の状態も確認してもらえます。問題があった場合も早期に対応することができるので、インプラントを長く使用できるでしょう。

まとめ

口を開ける女性患者をカウンセリングする女性医師

インプラントの治療後のよい噛み合わせを保つことができれば、天然歯と同じように好きなものをおいしく食べられます。見た目を気にせず笑う、発音を気にせずに会話を楽しむことも可能です。

噛み合わせが悪い状態を放置すると、口腔内だけでなく全身の健康に悪影響を与えます。全身の健康のためにも、インプラント後のケアは欠かせません。違和感に気づいた場合は、我慢せずに歯科医院を受診しましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントとセラミックの違いとは?特徴や費用、治療期間で比較

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

左右の腕を曲げて横に広げている笑顔の女性

インプラントとセラミックの違いは「歯根を残すか残さないか」です。インプラントは歯根を人工物で作り、その上に義歯を取り付けます。セラミックは歯根が残った状態で、歯を部分的に補う治療法です。

今回は、インプラントとセラミックの特徴や費用などを比較して解説します。

インプラントとは

頬っぺたを横に引っ張ってインプラントを見せている女性

インプラントとは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に義歯を装着する治療法です。入れ歯やブリッジと同様に、歯を失ったときに行われます。

特徴

インプラントは独立しているので、固定の際にほかの歯は利用しません。また、入れ歯やブリッジと違い、歯根があるのでしっかりとした噛み心地を実現することができます。

構造

インプラントは、以下の3つから成り立っています。

  • インプラント体(人工歯根)
  • アバットメント(結合部)
  • 義歯(歯冠)

インプラント体と呼ばれる金属の土台を歯茎の中に埋め込みます。インプラント体の上にアバットメントという金属の部品を取り付け、その上に義歯を装着します。

メリット

インプラント治療は、見た目がいいだけでなく、全体が人工歯なので虫歯になることがありません。

ほかにもさまざまなメリットがあります。

見た目が自然

義歯の部分はセラミックやジルコニアを使用するため、天然の歯と区別がつかないほど自然な見た目になります。人工歯だと気づかれにくいのが特徴です。

虫歯にならない

インプラントは、人工歯なので虫歯になりません。

ただし、インプラントの歯周病である「インプラント周囲炎」になるリスクがあります。インプラント周囲炎は予後が悪く、抜歯が必要になる可能性もあるので注意が必要です。

寿命が長い

インプラントは、平均寿命が約10〜15年と、ほかの人工歯の治療に比べて長持ちします。丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスを続ければ、半永久的に使用できます。

噛み心地がいい

インプラント体が歯茎の中でしっかりと固定されているため、噛み心地が損なわれにくいです。

一方、入れ歯は、インプラントより安定性が劣るので、噛む力が弱くなってしまい、食感がわかりづらくなるデメリットがあります。

健康な歯を傷つけない

歯を失ったときの治療法としては、インプラントのほかに、ブリッジがあります。ブリッジは固定のために、失った歯の両隣の歯を削る必要があります。

一方、インプラントは埋め込む際にほかの歯を傷つけることはありません。

ケアが簡単

入れ歯は取り外しが可能なので、毎晩洗浄する必要があります。

しかし、インプラントの場合は装着したままなので、いつもどおりの歯磨きだけでケアが完了します。洗浄液の費用がかからず、ケアの手間も省けるのがインプラントのメリットです。

デメリット

インプラントは、審美性が高く長持ちしますが、デメリットもいくつかあります。

インプラント治療のデメリットは、主に以下の3つがあげられます。

費用が高い

インプラントの一番のデメリットは、費用が高額であることです。インプラント治療は保険適用にならないため、全額自己負担で費用が高くなります。

ただし、インプラント治療は「医療費控除」の対象です。医療費控除とは、1年間に医療費が100,000円以上かかった場合に、治療費の一部が返還される制度です。申告することで治療費が抑えられるので、積極的に利用しましょう。

手術の侵襲が大きい

入れ歯やブリッジに比べて、インプラントを埋め込むときに歯茎を切開しなければならず、手術による侵襲が大きいのが特徴です。

手術による負担が大きいので、糖尿病や腎臓病などの感染しやすい病気をもっている方は、治療が受けられない場合があります。

定期的なメンテナンスが必要

ほかの治療でも定期的なメンテナンスは必要ですが、インプラントを埋め込んだ場合は特に重要です。

インプラント治療では、インプラントの周囲に炎症が起きる「インプラント周囲炎」のリスクがあります。インプラント周囲炎を発症すると予後が悪く、抜歯が必要になる場合もあるでしょう。

インプラント治療には保証が用意されていることが多いです。

ただし、保証の適用条件に「決められた期間内での通院」を設けている場合がほとんどなので、治療後も定期的な通院が必要です。

素材

インプラント体は、生体親和性の高い「チタン」を用いています。チタンはアレルギーを起こしにくい金属ですが、完全にアレルギーを発症しないわけではありません。もちろん、金属アレルギーの方は治療が受けられず、アレルギーがない方でも埋め込み後に発症する場合があります。

インプラント体とアバットメントもセラミック素材を使用している歯科医院もあるので、検討してみてもいいでしょう。

義歯の部分は、セラミックやジルコニアなどの素材を用います。天然の歯とほぼ同様の色やツヤをもつので、見た目が自然です。色は個人に合わせて調節ができるのもメリットです。特徴に合わせて選択しましょう。

寿命

厚生労働省によると、インプラントの平均寿命は約10〜15年という結果が出ています。

入れ歯は約4〜5年、ブリッジは約7〜8年です。インプラントの寿命は、ほかの人工歯に比べて2〜3倍長いことがわかります。

インプラントは日頃のケアと定期的なメンテナンスを怠らなければ、さらに寿命を伸ばすことができるでしょう。

参照:厚生労働省「歯科インプラント治療のための Q&A」

セラミックとは

さまざまな種類や形の歯の被せ物

セラミックとは、主に虫歯治療で使用され、詰め物と被せ物の2種類があります。虫歯や外傷などで歯を部分的に失った場合に、欠けたところを補う目的で行われます。

特徴

虫歯治療には、セラミック以外に、保険適用内で使用する歯科用プラスチック「レジン」という素材があります。

セラミックは、レジンに比べて透明感があり、歯の色を調節しやすいので、より自然な見た目を追求できます。また、耐久性に優れているため、劣化や変色しにくいのがセラミックの特徴です。

種類

セラミック治療には、詰め物と被せ物の2種類があります。

詰め物の治療を「セラミックインレー」、被せ物の治療を「セラミッククラウン」といいます。セラミッククラウンはさらに、使用する素材や治療法から3種類に分けられます。

<セラミッククラウンの種類>

種類 特徴
ラミネートべニア ラミネートべニアは、歯の表面を0.5mmほど削り、薄いセラミックを貼り付ける治療法です。
神経が死んだ歯やテトラサイクリン系の抗生物質により変色した歯は、ホワイトニング剤が効きません。
ラミネートべニアは、ホワイトニングを目的とする場合や歯と歯のわずかなすき間を埋める場合に用いられます。
健康な歯を削るため、ケアを怠ると虫歯や知覚過敏になるリスクがあります。
メタルボンド メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物です。
金属のためオールセラミックより衝撃に強く、噛みしめによる負担の大きい奥歯に多く用いられます。オールセラミックより費用が抑えられますが、歯茎が痩せてしまうと金属部分が見える可能性があります。
金属とセラミックの両方のメリットを活かした治療法です。
オールセラミック オールセラミックは、金属を使用していないので金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられます。
審美性が高く、レジンに比べて変色しにくいので、歯の色が長持ちします。

メリット

セラミックは、金属を使用しないことから、アレルギーや歯茎が黒ずむリスクがありません。

以下に、セラミックのメリットについてご紹介します。

白さが長持ちする

保険適用で使用するレジンは変色しやすいため、着色作用の強い食べ物や飲み物を摂取すると黄ばみやすいです。

一方、セラミックは変色しにくいため、白さが長持ちします。

金属アレルギーの心配がない

メタルボンドを除く金属を使用しないセラミック治療なら、金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられます。

また、金属は徐々に溶けていくため、金属イオンが体内に吸収されると金属アレルギーを発症する場合があります。金属アレルギーがない方でも、銀歯などの治療によりアレルギーを発症する可能性があるのです。

歯茎が黒ずまない

銀歯など金属素材は、溶けだして歯茎が黒ずむ場合があります。セラミック治療なら、金属が溶けだす心配がないので、歯茎が黒ずむこともありません。

デメリット

インプラント同様、セラミックも自費診療なので、費用が高額です。

以下に、セラミックのデメリットについてご紹介します。

費用が高い

セラミック治療は自費診療なので、費用が高額です。

ただし、インプラント治療と同様に医療費控除の対象になるので、申告すれば一部返金される場合があります。

割れることがある

セラミックは、劣化や変色しにくい素材ですが、衝撃には弱いです。硬いものを食べるなど、強い衝撃が加わった場合に欠ける可能性があります。

二次虫歯のリスクがある

セラミックはレジンに比べて変形するリスクが低いので、すき間などができにくく虫歯になる可能性が低いです。

しかし、絶対に虫歯にならないわけではなく、ほかの歯と同じで、歯磨きを怠れば細菌が繁殖し、再び虫歯になる場合があります(二次虫歯)。セラミックを詰めた、または被せたからといって虫歯にならないわけではありません。

寿命

セラミックの寿命は、一般的に10〜20年ほどといわれています。

しかし、ケアを怠れば劣化するスピードも早まってしまうので、注意が必要です。

インプラントとセラミックの費用・治療期間を比較

歯科で女性歯科医師から治療について説明を受ける女性

インプラントとセラミックの費用・治療期間は、以下のとおりです。

<インプラントとセラミックの費用・治療期間>

種類 費用 治療期間
インプラント 300,000~600,000円 4か月~1年
セラミック セラミックインレー:約40,000~80,000円
ラミネートべニア:約100,000円
メタルボンド:約70,000〜150,000円
セラミッククラウン:約300,000~400,000円
2~3週間

インプラント治療は、インプラント体の埋め込みや義歯の装着自体は1〜2日で完了しますが、インプラント体を埋め込んだあとに顎の骨との結合を待つ必要があるので、治療期間が長いです。結合には3〜6か月ほどかかります。

ただし、個人差があるので、結合が遅い場合は全体の治療期間が1年ほどになる方もいるでしょう。

セラミック治療は、詰め物や被せ物の製作に1〜2週間ほどかかります。製作前の型取りが必要なので、通院回数は2回、治療期間は2〜3週間ほどです。

インプラントとセラミックの選び方

指を1本立てながら笑っている女性

インプラントは歯根からすべて人工歯にする方法で、セラミックは歯の一部分を補う治療法です。

治療内容が大きく違うので、どちらを選べばいいか悩む方は、以下の項目を基準にして考えてください。

歯根があるか

歯根がない場合は、セラミック治療は受けられません。セラミックインレーは歯の欠けた部分に詰め、セラミッククラウンは歯の上に被せる治療法です。

歯根部まで歯を失っているなら、抜歯をしてインプラント治療を行います。歯根部が残っている状態でも抜歯が必要な症例は、インプラントが適用されます。

前歯を治療するか

前歯を治療する場合は、インプラントとセラミックを合わせた治療も行えます。

義歯の部分をセラミッククラウンで被せることにより、より自然な歯にできます。セラミックは、色味や形を調整しやすい特徴があるからです。

金属アレルギーがあるか

金属アレルギーがある場合は、セラミック治療が適用されます。インプラント治療は、歯茎に埋め込む土台部分や結合部に金属を使用するので、金属アレルギーがある方は治療を受けられません。

インプラントの金属部分をすべてセラミック素材にする「ジルコニアインプラント」もありますが、実施している歯科医院はそれほど多くありません。検討する場合は、しっかりと情報を集めましょう。

まとめ

歯科で口を大きく開けて治療を受けている女性

インプラントとセラミックは自費診療の治療法であり、どちらの目的も歯を再生することなので、混同する方も多いでしょう。治療選択の大きなポイントは「歯根を残すか残さないか」です。口内の状態によっては最適な治療法が異なる場合もあるので、医師に相談しながら決めていきましょう。

インプラントやセラミック治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

前歯のインプラント治療が難しい理由!インプラントを選択するメリットについて解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

白い背景の前にインプラントと歯の模型が並んでいる

歯を失ったあとの治療として、インプラント治療があります。インプラント治療は、奥歯から前歯まですべての部位に適応することができます。

しかし、前歯のインプラント治療に関しては、一般的に難しいといわれています。

そこで今回は、前歯のインプラント治療が難しいといわれる理由やインプラントを選ぶメリットなどについて説明したいと思います。

前歯のインプラント治療が難しいといわれる理由

レントゲン写真を指差しながら説明している女性歯科医師と説明を聞く女性患者

前歯のインプラント治療が難しい理由は、主に2つあります。

1つ目は、前歯の部分の骨が薄いためです。顎の骨の厚さは、部位によって大きく異なります。噛み合わせたときの力の負荷が大きい奥歯では、顎の骨が比較的厚いです。

一方で、前歯は噛み合わせたときの負荷があまり大きくないため、顎の骨が比較的薄くなっています。インプラント治療では顎の骨にインプラントを埋め込む必要があり、骨が薄いとインプラントが安定しないため治療が難しくなります。

2つ目は、審美的な問題です。前歯のインプラント治療では、インプラントをどの角度で埋め込むのかによって見た目が大きく変化します。骨が比較的薄い前歯の部分では、埋入方向が制限されるため治療が難しくなるのです。

以上の理由から、前歯のインプラントは難しいといわれています。

前歯を失った!インプラントとほかの治療法を比較

ブリッジ治療の3Dの模型

失った前歯を補う治療法には、インプラントのほかに、入れ歯やブリッジなどの治療があります。

以下では、これらの治療法とインプラント治療を比較します。

見た目

入れ歯の場合、歯に金属のワイヤーをかける必要があり、お口を開けたときに金属が見えてしまいます。また、ブリッジの場合は、セラミックのように歯の色を再現できないため、インプラントほど見た目はよくありません。

しかし、インプラントは、土台となるインプラント体を顎の骨に埋め込みます。そのため、インプラント体は外から見えません。また、インプラントの人工歯の部分は、セラミックを使用できるため、天然の歯に近い色で作成することができます。

健康な歯への負担

入れ歯の場合、両隣の歯にワイヤーをかけるため、健康な歯に対して負荷がかかります。場合によっては、金属のワイヤーを安定させるために、健康な歯を削ることがあります。また、ブリッジでは、両隣の健康な歯を大幅に削らなければいけません。

このように、入れ歯やブリッジでは、健康な歯に負担がかかってしまいます。

しかし、インプラントは、土台となるインプラント体を直接顎の骨に埋め込むため、周りの歯に負担がかかることはありません。

噛む感覚

入れ歯やブリッジは両隣の歯を支えにしているため、噛んだときに違和感があります。

しかし、インプラントは噛んだときの感覚が顎の骨に直接伝わるため、しっかりと噛むことができます。

治療期間

入れ歯やブリッジは、1か月程度で治療可能です。

しかし、インプラントは埋入手術や骨とインプラント体が結合するまでの待機期間があるため、治療期間が6〜12か月程度と長くなります。

治療費

入れ歯やブリッジは、保険診療であるため治療費を抑えることができます。

しかし、インプラントは自費診療であるため、治療費用が高額です。

インプラントにするメリット・デメリット

白い背景の前で右手でグッドサインを出している女性

前項の内容を踏まえて、インプラント治療のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット

インプラントにするメリットは、以下の3つです。

しっかりと噛める

インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、自分の歯と同じような感覚で噛むことができます。

健康な歯を傷付けない

インプラント治療では、ブリッジや入れ歯のように健康な歯を削る必要はありません。

見た目がよい

インプラントの人工歯は、自然な歯の色を再現できるため、ほかの治療と比べて見た目がよいです。

デメリット

インプラントのデメリットは、以下の3つです。

定期的なメンテナンスが必要

インプラントの治療後、清掃状態が悪いとインプラント周囲の歯肉に炎症が起きる「インプラント周囲炎」になることがあります。インプラント周囲炎が悪化すると、インプラントを取り除く場合があります。

インプラントは特殊な構造をしています。きちんと清掃を行うためには、ご自身での歯磨きに加えて、歯科医院での専門的なメンテナンスが定期的に必要になります。

治療期間が長い

インプラント治療は手術が必要になるため、治療期間が長くなります。

費用が高い

インプラント1本につき、300,000〜500,000円ほどかかります。

前歯の骨が足りない場合は

歯科の椅子に座っている患者の前に歯の治療器具が置かれている

インプラントを埋入する部位に十分な骨がないと、インプラントを支えることができません。特に前歯のインプラントの場合、インプラントを埋入する方向によって見栄えが変化するため、十分な骨量が必要です。

前歯の顎の骨が足りない場合は、骨量を増やす手術を行います。骨量を増やす代表的な治療に「GBR法」と呼ばれる治療法があります。GBR法は、骨を増やしたい部分を「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜で覆い、そこに専用の材料を注入することで、骨の再生を促す治療です。

このように、顎の骨が足りない場合でも、骨量を増やすことでインプラント治療を行うことができます。

前歯のインプラント治療にかかる費用

黒い机の上に聴診器と電卓が置かれており、男性医師が電卓で計算している

前歯のインプラントの治療費は、300,000〜500,000円が相場です。GBR法などの骨の再生を促す治療を追加すると、さらに150,000〜300,000円ほど必要です。

前歯のインプラント治療にかかる期間と治療の流れ

水色の木目のテーブルの上にカレンダーと画鋲が置かれている

インプラント治療期間

インプラント治療のみ、もしくはインプラント治療とGBR法を同時に行う場合は、平均で6〜12か月ほどかかります。GBR法を行なってからインプラント治療を行う場合は、10か月〜1年半かかります。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れは、以下のとおりです。

1.カウンセリング

お口の中のお悩みやインプラント治療の流れ、メリット・デメリットなどについて説明します。インプラント治療に関する疑問などがあれば相談しましょう。

2.精密検査

虫歯や歯周病の検査、歯の型取りなどを行います。また、顎の骨量を精査するためCT検査を行います。そのあと、検査結果をもとに治療計画やインプラント治療の流れ、費用などを説明します。

3.術前処置

歯周病や虫歯などがある場合は、インプラント治療前に優先して治療を行うことがあります。また、インプラントの埋入とGBR法を同時に行わない場合は、この時点でGBR法を行います。

4.一次手術

一次手術では、歯の根っこに相当するインプラント体を顎の骨に埋入します。

まず、局所麻酔を行い、歯茎を切開します。そのあとに専用の器具で顎の骨に穴を空け、インプラント体を埋入し、歯茎を縫合して終了です。

一次手術とGBR法を同時行う場合は、インプラント体を埋入後、続けてGBR法を行います。

5.二次手術

一次手術が終了して3〜6か月ほど経過したあとに二次手術を行います。二次手術では、人工歯を結合するための土台であるアバットメントを装着します。

一次手術の終了後、インプラント体が歯茎に埋もれてしまうため、歯茎を切開してインプラント体を露出させます。そのあとにインプラント体にアバットメントを装着し、二次手術は終了です。

6.人工歯の装着

二次手術で切開した歯茎の治癒後、人工歯を作るための歯型を取ります。人工歯の作成後に噛み合わせなどを調節し、人工歯を装着します。

前歯のインプラント治療中、歯がない期間がある?

水色の背景の前で右手を口に当てている女性

結論から申し上げると、仮歯を入れるため、歯がない期間は基本的にありません。

しかし、顎の骨の状態により、仮歯の入れ方が異なります。

顎の骨が十分にある場合

一次手術が終了してしばらくの間は、インプラント体と骨がまだ結合していません。そのため、インプラント体に余計な刺激を加えないようにする必要があり、基本的には仮歯を装着しません。

しかし、顎の骨が十分にある場合は、噛む力がインプラントに加わっても支えることができるため、一次手術の直後から仮歯を入れることができます。

顎の骨が十分にない場合

骨が十分にない場合は、一次手術が終了したあとに仮歯を入れることができません。そのため、隣の歯に仮歯を貼ることで見た目の改善を図ります。

まとめ

黄色い背景の前で両手人差し指を頬にあてている女性

今回は、前歯のインプラントについて説明しました。前歯のインプラントは、入れ歯やブリッジなどの保険診療と比較し、見た目がよく、噛んだときの感覚が自分の歯で噛むときに近いというメリットがあります。また、骨の量が少なくインプラント治療が難しい場合は、GBR法を併用することで前歯のインプラント治療を行うことができます。

当院ではインプラント治療のご相談を受け付けております。インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントは虫歯になるの?気を付けたいお口トラブルや長持ちさせるためのコツも解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの歯の模型でフィギュアの作業員が作業している

インプラント治療を受けたあとに虫歯になるのか気になる方が多いのではないしょうか。せっかくインプラント治療を受けたのであれば、虫歯などのトラブルを起こさず長持ちさせたいものです。

この記事では、インプラントは虫歯になるのか、そのほかにどのようなお口トラブルがあるのか、お口トラブルを回避する方法やインプラントを長持ちさせるためのコツなどを解説しています。インプラント治療で後悔しないためにも、正しい知識を身につけておきましょう。

インプラントは虫歯になるの?

青い背景の前に置かれた虫歯

「高額な治療費を払ってインプラントにしても、また虫歯になることはあるのか?」と心配される方も多いですが、インプラントは虫歯にはなりません。

そもそも虫歯というのは、歯の表面についた歯垢にミュータンス菌と呼ばれる虫歯菌が棲みついて、糖分を栄養にして酸を作り出し、この酸が歯の表面のエナメル質を溶かすことです。象牙質まで虫歯が到達すると、しみたり痛みが出るようになり、さらに神経まで虫歯が到達すると激しい痛みが出ます。この状態を放置すると神経は死んでしまい、根っこの先に膿が溜まるようになり、保存が難しくなると抜歯が必要になることもあるのです。

虫歯はこのような流れで進行しますが、インプラントは人工歯根を骨の中に埋め込み、被せ物は丈夫な素材の人工物であるため、酸で溶かすことはできません。そのため、インプラントは虫歯にならないのです。

虫歯以外に気を付けたいお口トラブル

歯茎を見せている女性

「インプラントは虫歯にならないからトラブルなく過ごせる」というわけではありません。虫歯にはなりませんが、気を付けたいお口トラブルがあります。

虫歯以外に気を付けたいお口トラブルは、以下の4つです。

  • インプラント周囲炎
  • インプラントの脱落
  • インプラント周囲の歯の虫歯
  • 歯茎の腫れや出血

インプラント治療後のそれぞれのお口トラブルについて、以下に詳しく解説していきます。

①インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯周組織が炎症を起こす状態で、わかりやすくいうと「インプラントの歯周病」ということです。インプラントと歯茎の境目に細菌が侵入してくることで炎症を起こします。初期段階で出血などの症状がみられますが、進行すると歯茎の腫れを引き起こしたり膿が溜まったりして、インプラントを支えている骨が溶けてしまうのです。インプラントを支えるのが難しくなるほど骨が溶けてしまうと、インプラントを抜くことになってしまいます。インプラント周囲炎は通常の歯周病よりも進行が早く、治療が難しい病気です。正しいブラッシングケアができていない場合や喫煙、歯ぎしり、食いしばりなどによる歯への負担がインプラント周囲炎の原因といわれています。

インプラント周囲炎を起こさないための予防策は、定期的なメンテナンスでインプラントの状態を確認してもらうこと、インプラントを長持ちさせるためにも禁煙すること、お口のケアを怠らないことです。インプラント治療を受ける前に、喫煙習慣の有無など歯科医師による確認があると思いますが、不安なことは事前に相談しておきましょう。

②インプラントの脱落

インプラント治療は、骨の中にインプラント体を埋め込み、骨とインプラント体がしっかりくっつくのを待ってから、最終的な被せ物を装着します。骨とインプラント体がしっかりとくっつくまで3か月ほどかかりますが、治療部位や症例によってこの期間が延びることもあります。骨とインプラント体がしっかりくっつくのを待たずに最終的な被せ物を装着してしまうと、せっかく埋め込んだインプラントが脱落してしまう可能性もあるのです。

インプラントの脱落はこれだけが原因ではありません。インプラント周囲炎を放置しておくことで自然と脱落してしまう可能性もあります。インプラントの脱落を防ぐためには、丁寧で精密な治療と治療後の管理が大切なのです。

③インプラント周囲の歯の虫歯

インプラントは虫歯になりませんが、その周囲の歯が虫歯になってしまうことは十分にあり得ます。「インプラントは虫歯にならないから」と間食を増やしたり、ブラッシングを怠ると、インプラント以外の歯が虫歯だらけになってしまう可能性もあるのです。インプラント治療を受けたあとは、インプラント部位だけでなく、お口全体の健康を維持するよう努めましょう。

④歯茎の腫れや出血

インプラント治療とは、歯茎を切開し、骨の中にインプラント体を埋め込む外科手術です。そのため、手術後も出血が続いたり、腫れたりする可能性があります。手術後は歯科医師の指示通りに安静に過ごしていれば、出血や腫れは次第に治まってくるはずです。それでも出血が止まらなかったり腫れなどの症状が続いたりする場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。

また、インプラント手術後の喫煙・飲酒は厳禁です。喫煙・飲酒の習慣がある方は、インプラント治療には不向きかもしれません。喫煙・飲酒の習慣がある方は、以下で解説するリスクをよく理解し、インプラントを長持ちさせるために禁煙・禁酒を心がけましょう。

インプラント治療における喫煙のリスク

インプラント治療における喫煙リスクは、以下のとおりです。

  • 免疫力が低下し、感染リスクが上がる
  • インプラントと骨がしっかりくっつかない可能性がある
  • 歯茎細胞の活性化を抑制するため、炎症を起こした際に回復しにくい
  • 非喫煙者に比べてインプラント周囲炎になるリスクが2〜6倍になる
  • インプラント手術後の治りが悪くなる

このように、喫煙習慣があるとインプラントを長持ちさせるのが難しくなることがわかります。インプラント手術後、一時的に禁煙するのではなく、インプラント治療前から禁煙することを検討しましょう。

インプラント治療における飲酒のリスク

インプラントは、手術後3日間が痛みや腫れのピークです。この間に飲酒をしてしまうと血流がよくなり、さらに痛みや腫れが酷くなったり、出血しやすくなります。

インプラント手術から3日間は禁酒するようにしましょう。手術前やインプラント手術から数日経過すれば、特に禁酒する必要はありません。また、インプラント手術後は痛み止めと抗生剤を服用します。服薬時の飲酒は控えましょう。

インプラントを長持ちさせるために必要なこととは?

歯の模型と歯ブラシ4本が置かれている

インプラントを長持ちさせるために最も重要なことは、定期的なメンテナンスを受けることです。

メンテナンスでは、以下の4つのことが行われます。

  • インプラントのチェック
  • 専門的なクリーニング
  • 歯茎の状態確認
  • お口全体のチェック

いくら自宅でのセルフケアを頑張り、しっかり歯を磨いているつもりでも、実際はしっかりと磨けていないこともあります。それに気付かず放置し、インプラント周囲炎を引き起こしてしまうと、インプラントを長持ちさせることが難しくなってしまうのです。

インプラントのメンテナンスでは専門的なクリーニングに加えて、インプラントの状態を確認してもらえます。万が一インプラント周囲炎を引き起こしていても、早い段階で発見できれば処置ができるのです。発見が遅くなり手遅れになると、インプラントを抜くことになってしまうでしょう。また、メンテナンスではインプラント部位だけでなく、お口全体の状態もチェックもしてもらえるので安心です。せっかく治療したインプラントを長持ちさせるためにも、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。

まとめ

歯医者の治療器具とインプラントのマスコットが置かれている

ここまで解説してきたとおり、インプラントの虫歯を心配する必要はないです。

しかし、歯茎の腫れや出血からインプラント周囲炎になることがあります。インプラント周囲炎は通常の歯周病よりも進行が早く、治療が難しい病気です。最悪の場合、インプラントを抜くことになってしまいます。インプラント治療が成功したかどうかは、インプラント手術時だけでなく、その後の管理がきちんとできているかによって変わってきます。インプラントをより長持ちさせるために、日頃からブラッシングケアをしっかり行い、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

奥歯をインプラントにするメリット!奥歯の役割や気をつけることもわかりやすく解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯医者で治療を受けている女性

奥歯を失った際、よく噛めるようになるインプラント治療を検討されている方も多いと思います。インプラント以外の治療法には入れ歯やブリッジがありますが、奥歯こそインプラントにしたほうがいいのです。

この記事では、奥歯をインプラントにするメリットとデメリット、インプラント治療で気をつけるべき点を詳しく説明しています。インプラント治療を受ける前に正しい知識を身につけておきましょう。

奥歯はどこから?

歯の模型を使って説明している

奥歯とは臼歯のことを指し、前から4番目以降の小臼歯2本と大臼歯2本のことです。加えて親知らずが生えている場合は親知らずも奥歯に含まれます。

しかし、親知らずは生えてこない人もいれば、歯茎に埋まった状態の人もおり、必ずしも全員に生えるわけではありません。親知らずを含まなければお口全体で奥歯は16本で、親知らずが上下左右すべて生えている場合の奥歯は20本です。

奥歯の役割とは?

ピンクの背景の前に歯のモデルが並べられている

奥歯は、噛み合わせの高さが決まる重要な役割があり、欠かせない歯です。食べ物をすりつぶしたり、噛み砕くのも奥歯なので、奥歯がない状態で食事を楽しむことは難しいでしょう。また、しっかり噛めないことは健康問題にも直結したり、奥歯がないと空気が漏れて発音にも影響を及ぼすかもしれません。そのため、インプラント・ブリッジ・入れ歯のいずれかの治療法で噛める状態にする必要があります。

奥歯をインプラントにするメリット

MERITの文字の積み木が並べられている

前述のとおり、奥歯を失った際はインプラント・ブリッジ・入れ歯の3つの治療法があります。

今回はそのなかでも奥歯をインプラントにするメリットをご紹介するので、インプラント治療を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

①前歯に比べて難易度が低い

前歯部は奥歯に比べると骨が薄いことが多く、インプラントを埋入する角度が難しくなります。骨が薄くて少ないと「骨造成」という骨を増やすための追加処置が必要になり、費用も高くなったり痛みや腫れが出やすくなったりと手術が大変になります。

それに比べて、奥歯は比較的骨がしっかりあるケースが多いため、前歯に比べて難易度が低いのです。

②違和感を少なくできる

奥歯を失った際の治療法には、インプラント以外に入れ歯やブリッジがあります。入れ歯は取り外しができ、清掃がしやすいですが、どうしても違和感が出やすいです。また、痛みが出てしっかり噛めないこともあります。ブリッジは入れ歯より違和感が少なく、しっかり噛み合わせることができますが、両サイドの歯と連なった被せ物です。

入れ歯やブリッジに比べて、インプラントは元の天然歯と同じように修復が可能なため、違和感が少なく、見た目も天然歯と同じように自然で美しい状態にできます。

③再度虫歯にならない

奥歯は歯磨きが難しく虫歯になりやすい場所でもあります。奥歯を失った際にブリッジで治療すると前後の歯と連なった被せ物が入るので、ブラッシングはより難しくなります。歯間ブラシなどを用いて丁寧にケアができなければ再度虫歯になってしまうこともあるのです。

それに比べて、インプラントは虫歯になることはありません。ブラッシングなどのケアを怠ると歯周病になる可能性はありますが、虫歯にはならないので、再度虫歯になることを懸念されている方におすすめです。

④他の歯に負担をかけずに済む

奥歯を失った際にブリッジで治療すると、連なった被せ物にするために隣の歯を削る必要があります。一度削った歯は戻りませんので、あとで後悔をしても元通りにはできません。削った歯は土台となり負担がかかるので、弱くなってしまいます。部分入れ歯にした場合は、残っている歯に銀でできたバネを引っ掛けます。入れ歯を取り外しする度にバネがかかった歯に負担がかかることになるのです。

インプラントは、歯がないところにインプラント体を埋め、被せ物を装着するだけで天然歯のように修復できるので、他の歯に負担をかけることはありません。

⑤バランスのとれた噛み合わせにできる

奥歯を失うと、左右でバランスよく噛めなくなります。噛み合わせは非常に重要で、バランスが悪い状態を放置しておくと、頭痛や肩こりを引き起こす原因になることもあります。また、歯がない場所では噛めないので、反対側で食事をするようになり、次は反対側の歯に負担がかかって結果的に左右とも歯を失ってしまうことにもなるのです。

⑥顎の骨が痩せるのを防げる

顎の骨は歯根があることで刺激が加わり、骨が弱くなるのを防げます。入れ歯やブリッジは歯がないところでも噛めるようにはなりますが、歯根がなく顎の骨に刺激が伝わらないので、次第に骨自体が痩せてしまうのです。

入れ歯の場合、骨が痩せると入れ歯が合わなくなり、痛みが出たり、再度入れ歯の作り直しが必要になったりします。ブリッジの場合だと、骨が痩せることで、連なった被せ物のダミー部分に食べ物が詰まりやすくなってしまいます。

インプラントは、骨にインプラント体を埋めるので噛む力が顎の骨にも伝わり、骨が痩せるのを防げます。

奥歯をインプラントにするデメリット

DEMERITの文字の積み木が並べられている

奥歯のインプラント治療にはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。メリットとデメリットの両方を把握して、納得したうえでインプラント治療を受けるようにしましょう。

①治療費が高額になる

インプラント治療は保険適応外で自由診療です。そのため、高額な治療費がかかります。

とはいっても、セラミック素材のブリッジで治療したり、保険適応外の入れ歯を作製したりすると同程度の治療費がかかることもあります。どの治療法が最もご自身に最適か、よく検討しましょう。

②治療期間が長くなる

インプラントは、埋入した後に骨とインプラント体がしっかりくっつくのを3か月ほど待ちます。症例によってはもっと長い期間待つこともあります。その後に上部構造と呼ばれる被せ物の型取り・装着を行いますので、トータルすると半年ほどかかることが多いです。

③メンテナンスが必要

奥歯に関わらず前歯部でも同じですが、インプラントを埋めた後は定期的なメンテナンスが必須です。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなる可能性があります。定期的な検診で状態の確認と専門的なクリーニングを行っていないと、インプラントが脱落してしまうかもしれません。せっかくインプラント治療を受けたのであれば、より長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。

奥歯のインプラント治療で気をつけること

歯医者でカウンセリングを受けている女性

インプラント治療を行う際には、まず十分なカウンセリングが必要です。全身疾患の有無や服用しているお薬の確認などを行い、インプラント治療が最適かどうか検討します。問題がなければ精密検査・診断に進み、歯科用CTで骨の状態や噛み合わせを調べます。

インプラントを上の歯に埋める場合は「上顎洞」と呼ばれる空洞の位置を確認しながら、インプラントの埋入角度や深さを検討します。インプラントを下の歯に埋める場合は、下歯槽神経・下歯槽動脈・下歯槽静脈をドリルで傷つけないよう位置関係を確認しながらインプラント治療を進めます。

このように、事前準備を十分に行うことで安心なインプラント治療を行えるのです。なお、喫煙はインプラント周囲炎の原因にもなります。手術後だけでなく、インプラントを長持ちさせるためにも禁煙されることをおすすめします。

インプラント手術当日は体調が万全な状態で臨めるよう、自己管理も必要です。ゆっくり安静に過ごせる日に手術の予約を取るようにしましょう。

まとめ

歯の治療を受けている女性の前にインプラントの模型が置かれている

奥歯を失った際の治療法にはインプラント・ブリッジ・入れ歯がありますが、その中でもインプラント治療はたくさんのメリットがあります。インプラント治療は残っている歯にとって最もやさしい治療法です。もちろんデメリットもありますので、インプラント治療をしっかり理解したうえで納得のいく治療法を選択しましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

歯科医で治療している

インプラント手術の流れ!痛みや手術後の注意点についても解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

歯科医で治療している

インプラント手術について、手術というイメージから恐怖心や不安を抱いてしまう人が多いです。インプラント手術はどのような流れで何を行うのかを理解すれば、不安を解消できます。

この記事では、インプラント手術の種類から治療の流れ、術後の注意点、痛みの有無までを詳しく説明しています。

インプラント手術の種類

医者が手術をしている

インプラントは、歯を失った際の治療法の1つです。顎の骨の中にインプラント体を埋める手術を行うので、ブリッジや入れ歯に比べて大がかりな治療のイメージがあり、不安に思ってしまう人も少なくありません。

しかし、インプラントはメリットも多い治療で、残っている歯にとっては一番優しい治療でもあります。

インプラント治療は以下の5つのメリットがあります。

  • 他の歯を削る必要がない
  • 自分の歯と同じようにしっかり噛めるようになる
  • 見た目も自分の歯と同じように自然で美しい
  • インプラントは虫歯にはならない
  • しっかり噛めるようになるので健康面が向上する

残っている歯に負担をかけないので、お口全体のことを考えるととても優れた治療法です。

インプラント手術には一回法と二回法の術式があるので、それぞれを詳しくご説明します。

手術が一度で済む一回法

インプラント手術の一回法とは、手術が1回だけで済む方法です。局所麻酔した後に歯茎を切開し、骨が見えるようにします。骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。

一回法の場合は、歯茎を縫合する時にインプラント体の上部が少し歯茎から出る状態にしておくのです。骨とインプラントがしっかりくっつく期間を待ってから、被せ物の土台となる「アバットメント」を装着する術式となります。インプラントの埋入と同時にアバットメントをつける場合もあります。

一回法は、十分な骨量がある場合に適応可能です。

手術を二度行う二回法

インプラント手術の二回法とは、日にちを分けて手術を2回行う方法です。一回法と同じく、局所麻酔後に歯茎を切開し、骨が見えるようにします。骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。

二回法は、一回法とは異なり、1回目の手術で埋入したインプラント体を完全に歯茎で覆って縫合してしまうのです。インプラントを歯茎の中に埋めてしまうことで、外部からの細菌感染のリスクも少なくなります。骨とインプラントがしっかりくっつく期間を待ってから、2回目の手術の時に歯茎を切開してインプラント体を露出させ、アバットメントを装着します。2回目の手術は1回目の時よりも短時間で終わるので、手術回数は増えますが、それほど大変ではありません。

二回法は、骨量が足りず骨移植などの処置が必要な症例にも適応可能です。

それぞれの違い

一回法と二回法の違いについて詳しくまとめてみました。

〈一回法と二回法の違い〉

一回法 二回法
手術の回数 1回 2回
適応症例 骨が十分にある場合のみ 骨量が足りず骨移植などの追加処置を行う場合にも適応 / 骨が十分にある場合も可能
治療期間 比較的短い 2回目の術後の治癒期間分、長くなる
費用 比較的抑えられる 一回法に比べると費用が高くなるケースが多い
細菌感染のリスク 骨とインプラントがくっつくのを待つ間に細菌感染を起こす可能性がある 1回目の手術でインプラントを歯茎で完全に覆ってしまうため、細菌感染のリスクは少ない
患者様への負担 二回法に比べて手術・通院回数が少ないため、負担も少ない 手術・通院回数が増えるので負担が大きくなる

 

インプラント手術は痛いの?

歯科医で治療の説明を受けている

インプラント手術を受ける際に多くの方が気にされているのが「どれくらいの痛みがあるのか?」ということだと思います。歯茎を切開して骨に穴をあけるので「相当な痛みがあるのでは?」と心配される方も多いです。

しかし、実際は「それほど痛みを感じなかった」という方が大半です。局所麻酔をしてからインプラント手術を行うので、手術時に痛みを感じることはほぼありません。手術後の麻酔が切れた後は多少の痛みが出ますが、処方される痛み止めで対応できるケースがほとんどです。ただ、インプラント手術をするのに十分な骨の量がなく、骨移植や骨造成などの追加処置を行う場合は、通常より痛みが強く出たり腫れたりする可能性もあります。

「インプラント手術を受けたいけどどうしても怖い」「緊張してパニックになりそう」という方は、半分眠っている状態でリラックスしたままインプラント手術を受けられる「静脈内鎮静法」や全身麻酔に対応している歯科医院もあります。過度な緊張や不安はパニックを引き起こしたり、血圧が急上昇したりするリスクもあるので、事前に歯科医師に相談してみましょう。

インプラント手術の流れ

レントゲン写真を見て話しあっている

インプラント手術の流れは、以下のとおりです。

①カウンセリング

患者様がどのような治療を望まれているかお話をうかがいます。

インプラント治療を希望される場合、費用や治療期間などを詳しくご説明します。

②精密検査、診断

患者様にインプラント手術の同意を得たら、レントゲン撮影や歯科用CT撮影などの精密検査を行います。

精密検査で骨の量やインプラントを埋める位置などを確認します。結果をもとに治療計画を立て、再度患者様に治療の流れについてご説明します。

③インプラント手術

局所麻酔をしてから歯茎を切開し、骨が見えるようにします。歯科用ドリルで骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。

一回法と二回法のどちらを行うかはお口の中の状態によって異なります。

④結合期間

インプラント体を埋めた後、インプラントが骨としっかりくっつく期間を待ちます。

状態や部位によって異なりますが約3か月ほどかかります。

⑤アバットメントの装着

二回法の場合は、再度手術を行う必要があります。

局所麻酔をしてから歯茎を切開し、インプラント体を露出させ、アバットメントを装着します。2回目の手術後は切開した歯茎の傷が治るまで、1〜3週間ほどの治癒期間が発生します。

⑥被せ物の型取り・装着

インプラントの上に被せ物を装着する準備を行います。

型取りをして被せ物を作製します。適合具合や噛み合わせのチェックを行い、問題がなければ被せ物を装着します。

⑦定期的なメンテナンス

インプラント手術は、術後の管理がとても重要です。

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病になることはあります。歯磨きなどのケアを怠ると歯周病になり、せっかく埋めたインプラントが抜け落ちてしまうこともあるのです。インプラントを長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスで状態の確認や歯のクリーニングを受けましょう。

インプラント手術後に注意すること

歯科医で治療している

インプラント手術を受けた際の注意点は、以下のとおりです。

  • 術後、1週間ほど痛みや腫れが出ることがあります。痛み止めや抗生剤、うがい薬が処方されるので歯科医師の指示通りに服用しましょう。
  • 麻酔が切れるまでは飲食は控えましょう。麻酔が効いていると感覚がないので、唇を噛んでしまったり火傷をしてしまったりする恐れがあります。そのため、飲食は感覚が戻ってからにしてください。
  • 手術後に止血確認を歯科医院でも行いますが、もし帰宅後に出血してきたら、ガーゼを噛み止血してください。10分ほどで止血できると思いますが、万が一出血が止まらない場合は、速やかに連絡しましょう。
  • しばらくはインプラント手術を受けた反対側の歯で食事をするようにしてください。また、術後1週間ほどは柔らかいものを食べるようにし、硬いものや刺激物は避けてください。
  • 飲酒は血行を良くし、出血や痛みの原因にもなるので術後1週間は厳禁です。
  • 喫煙も治癒に悪影響をもたらすので厳禁です。また、喫煙は歯周病の原因にもなります。インプラントを長持ちさせるためにも禁煙することをおすすめします。
  • 入浴や運動も血行を促し、出血や痛みの原因になってしまいます。術後1週間は安静に過ごし、入浴もシャワー程度に済ませましょう。
  • 歯磨きは歯科医師の指示が出るまで、インプラント部分は触らないようにしましょう。術後に無理なブラッシングを行うことで、歯茎が傷ついたり出血の原因になったりしてしまいます。

まとめ

笑顔の女性

インプラント手術には一回法と二回法があり、術式や治療期間などが異なります。局所麻酔をしてから行うので、手術中に痛みを感じることはほぼありません。一般的なインプラント手術の場合は、手術後の痛みも痛み止めの薬を服用することで対応できるケースがほとんどです。インプラント手術を受けた後の1週間は安静に過ごし、インプラント部分を触らないようにしましょう。治療完了後は、インプラントを長持ちさせるために定期的なメンテナンスを受ける必要があります。

インプラントについて正しい知識があれば、不安に思うことはありません。心配なことがあれば歯科医師に相談し、納得してからインプラント手術を受けましょう。

インプラントでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!