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インプラント治療における歯科医院選びの重要性と選び方!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

優秀な歯医者

インプラント治療において、歯科医院選びは非常に重要です。インプラント治療は虫歯や歯周病治療などの一般歯科とは異なり、外科手術が伴うため、より高度な知識と技術が求められます。

今回は、インプラント治療における歯科医院選びの重要性と、選び方について詳しく解説します。

インプラント治療における歯科医院選びの重要性

歯の治療

インプラントは外科手術を伴う治療です。そのため、一般的な歯科治療よりも高度な技術が要求されます。

安全にインプラント治療を進めるには、歯科医院選びが非常に重要です。インプラント治療における歯科医院選びの重要性は、以下のとおりです。

インプラントが脱落する可能性がある

インプラント治療においては、顎の骨とインプラントが適切に結合しないと、最悪の場合インプラントが抜け落ちるリスクがあります。ドリルによるオーバーヒートが、失敗の一因です。

骨に穴をあける際にドリルが過度に加熱されると、骨組織にダメージを与えるのです。インプラントと顎の骨の安定した結合が妨げられる可能性があります。

インプラントの固定が不完全になり、抜け落ちる原因となります。適切な速度でのドリリング、冷却システムの使用、医師の経験と技術が、インプラントが脱落するリスクを最小限に抑えるために重要です。

また、インプラント体を埋め込む際の位置決めも極めて重要です。角度や深度が正確でない場合、インプラントと顎の骨が適切に結合できず、インプラントが不安定な状態になる恐れがあります。

不安定なインプラントは通常よりも負荷を受けやすくなり、ぐらつきや脱落につながるのです。正しい位置にインプラントを埋め込むことは、インプラントの成功と長期的な安定にとって不可欠です。

神経損傷のリスクがある

インプラント治療を受ける際、下顎の重要な神経である下歯槽神経を傷つける可能性があります。主に、歯科用CTを使用して歯・神経・血管の位置を事前に正確に把握していない場合に発生します。

しかし、先進的な医療機器を完備し、適切な事前検査を実施する歯科医院を選べば、神経損傷のリスクを大幅に減らすことが可能です。

上顎洞へ迷入するリスクがある

上顎は下顎骨に比べて骨壁が薄く、特に臼歯部では歯槽骨の高さが不足していることが多いです。構造的な特徴を考慮せずにインプラントを強引に埋め込むと、インプラント体が上顎洞へ侵入するリスクが高まります。

上顎洞内へのインプラント体の迷入は、上顎洞内での炎症を招く可能性があるでしょう。再手術を行って摘出する必要があります。

インプラント治療を行う前に上顎洞の構造を十分に評価し、適切な計画を立てることが重要です。

被せ物が外れる

インプラント体は、骨に埋め込むインプラント体と被せ物から構成されています。インプラント体と被せ物の連結部にあたるのが、アバットメントです。アバットメントの適切な締め付けによって、しっかりと物を噛むことが可能になります。

アバットメントの締め付けが不適切だと、被せ物が外れるリスクが高まります。さらに、噛み合わせの適切な調整がなされていない場合、インプラントに過度な負荷がかかり、被せ物が外れる原因になるでしょう。

インプラント治療を行う歯科医院では、適切な締め付け技術と噛み合わせの調整技術が必須です。

インプラント治療を受ける歯科医院の選び方

歯医者選び

では、安心してインプラント治療を受けられる歯科医院の特徴はあるのでしょうか。インプラント治療を受ける際の歯科医院の選び方について解説します。

説明が丁寧に行われる

初診時のカウンセリングや問診は、医師の対応を見極める大切な機会です。医師が患者様の話を丁寧に聞き、直接目を見て話してくれるか、専門用語を使わずにわかりやすく状況を説明してくれるかを注意深く確認しましょう。

医師が患者様の不安を理解し、信頼できる関係を築こうとする姿勢があるかを見極めましょう。

高品質なインプラントを採用している

インプラント治療の費用は、歯科医院によって異なります。1本あたり100,000~150,000円の低額から、高い場合は600,000円以上と幅広いです。

治療の品質を保証する判断基準として、インプラント体の実績や信頼性が挙げられます。国内外の多くのメーカーのなかでも、特にシェアが高いとされる3大インプラントメーカーの「ストローマン社(スイス)」「ノーベルバイオケア社(スイス)」「デンツプライシロナ社(スウェーデン)」の製品は、高い評価を受けています。

異常に低価格を打ち出している歯科医院では、品質が劣るインプラントを使用している可能性があるでしょう。将来的に追加の手術や治療が必要となることがあるため、費用だけでなく治療品質も考慮して歯科医院を選ぶことが重要です。

設備が充実しており衛生管理を徹底している

清潔な環境は、医療において非常に基本的な要素です。特に、感染予防は外科手術を含むインプラント治療において不可欠でしょう。

手術中に行う医療行為や出血などにおける感染リスクを最小限に抑えるために、衛生管理が徹底された歯科医院を選ぶ必要があります。

インプラント治療を成功させるには、最新の検査機器が重要です。CTスキャナーや口腔内スキャナーなどの設備が整っているかを確認しましょう。

CTスキャナーや口腔内スキャナーなどの機器を使用して、骨の厚さや神経、血管の位置、噛み合わせの状態などを詳細に把握することで、より安全で精度の高い治療計画を立てることができます。

歯科医院の設備に関する情報は、ホームページやパンフレットに詳細に掲載されていることが多いです。治療を受ける前に、必ず確認しましょう。

保証制度が充実している

インプラント治療に関する保証制度は、多くのメーカーや歯科医院によって提供されています。一般的には、約5~10年とされています。

保証制度がしっかりと設けられていることは、歯科医院の患者様に対する誠実な取り組みや思いやりを示す要素の一つです。治療の品質や技術に自信が持てない場合、長期の保証を提供することはリスクになるでしょう。

そのため、保証制度の有無や内容を確認することで、歯科医院の信頼性や治療の質をある程度見極めることができます。保証では、インプラント体の素材の欠陥や施術の不具合をカバーすることが多いですが、定期的なメンテナンスが条件となる場合もあります。

保証の範囲や条件、必要なメンテナンスの頻度などを理解しておくことが重要です。

料金体系が明確に示されている

インプラント治療は自費診療に該当するため、治療内容や期間、費用は歯科医院によって異なります。また、統一された制限が存在しません。歯科医院によって提供する治療内容や価格設定に大きな差が生じることがあります。

費用の不透明さはトラブルを招く原因になりやすいため、治療前には費用の明細、支払い条件、追加費用が発生する可能性について十分な説明を受けることが重要です。費用に関する透明性は、歯科医院を選ぶ際の重要な判断材料の一つとなります。

すべての情報を把握し、予想外の出費に直面することのないように注意しましょう。

通いやすい立地にある

インプラント治療を受ける際は、治療内容や歯科医師の技術のほか、通院のしやすさも大切な要素です。インプラント治療は複数回の通院が必要になることが多く、遠方の歯科医院だと負担に感じる可能性があります。

ご自宅の近くや、交通の便がよい場所にある歯科医院を選ぶことで、治療期間中のストレスを減らせるでしょう。通院しやすい歯科医院であれば、インプラント治療後のフォローアップや定期検診もスムーズに受けられます。

治療経験が豊富である

インプラント治療においては、歯科医師の経験が治療成果に直結します。特に、患者様の骨の状態がインプラント治療に適していない場合、骨造成といった高度な技術が求められるでしょう。

複雑な手術を成功させるには、理論的な知識に加えて実践的な経験が不可欠です。経験が豊富な医師による治療は、成功率が高くなると考えられます。

そのため、インプラント治療を検討している方は、歯科医師の扱った症例数を確認し、どの程度の実践経験を有しているかを把握することが重要です。経験豊かな医師であればあるほど、複雑で困難なケースにも対応できる可能性が高まります。

インプラント治療以外の知識も豊富である

インプラント治療は、単に失った歯を補うだけのものではありません。口腔内全体の健康を考慮した総合的なアプローチが求められます。

インプラントを長持ちさせるためには、歯周病の予防や治療、正しい噛み合わせの確保など、さまざまな歯科治療の知識と経験が必要です。また、セラミック治療などの高度な技術を必要とされることもあるでしょう。

歯科医院選びの際は、歯科医師の総合的なスキルや経験を確認することが大切です。歯科医院のホームページなどで、歯科医師の経験年数や経歴、得意とする分野、取り組んできた症例などの情報をしっかりと確認しましょう。

医師が定期的に研修会などに参加している

医療は日進月歩で進化しています。3年前や5年前の技術や知識で、現代の治療を提供し続けるのは困難といえます。

歯科医師が常に最新の治療法や技術を学ぶためには、研修会や勉強会への参加は不可欠です。職務に真摯に取り組む歯科医師たちは、研修会などを活用して自らのスキルをアップデートしています。

治療を受ける際は、最新の知識と技術を持つ医師から治療を受けたいと望むでしょう。定期的に研修や勉強会に参加し、自らの知識を更新している歯科医師を選ぶことが、よりよい治療結果につながります。

スタッフの対応が丁寧である

インプラント治療は長期間にわたることが多いため、選ぶ歯科医院の環境やスタッフの対応が治療体験に大きな影響を与えます。通院がストレスの原因となる場合、治療の継続が困難になる可能性があるでしょう。

治療を受ける際、歯科医院のスタッフがチームとして円滑に業務を遂行しているか、患者様とのコミュニケーションが適切にとれているかなどを確認しましょう。スタッフ間の関係が良好で焦りや混乱が見られない歯科医院は、安心して治療を任せられるでしょう。

まとめ

歯科医院のスタッフ

インプラント治療において歯科医院を選ぶ際は、多くの要因を考慮する必要があります。治療の技術や知識は日々進化しているため、歯科医師が定期的に研修会などに参加しているか確認しましょう。最新の知識を持っているかを確認することが大切です。

また、信頼されているメーカーのインプラント体を使用しているかどうかも重要なポイントです。あまりに安すぎる治療費は、品質に問題がある可能性があるので注意しましょう。

インプラント治療は手術して終わりではなく、その後のフォローアップや継続的なケアが必要となります。通いやすさなど、長期的な視点で歯科医院を選ぶことが大切です。

インプラント治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントは何年もつのか?インプラントの寿命を伸ばすための方法

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの寿命イメージ

インプラントは見た目が自然で、自分の歯のようにしっかり噛めるなどメリットの多い治療法です。

しかし、ほかの治療と同様に、インプラントにも寿命があります。インプラントは寿命が長いこともメリットの一つですが、日々のメンテナンスを怠ると寿命が短くなる可能性があるのです。

今回は、インプラントは何年もつのかを解説します。インプラントの寿命を短くする要因や、寿命を延ばすために心がけること、寿命がきたときの対処法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラントは何年もつのか?

インプラントのスケジュールイメージ

インプラントの寿命とは、インプラントが破損せずに機能し続ける期間のことです。一般的に、インプラントの寿命は約10~15年といわれています。10~15年後のインプラントの生存率は上顎で約90%、下顎で約94%と報告されています。

ただし、この数字はあくまでも平均的な寿命です。日々の口腔ケアや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、寿命より早い段階で使用できなくなる可能性があります。

反対に、丁寧にケアすると寿命より長く使い続けられるケースもあるため、日々のメンテナンスが非常に重要です。

入れ歯・ブリッジの寿命と比較

比較する女性

インプラントは、見た目の美しさや機能性の高さから人気の治療法ですが、ほかの治療法と迷っている方もいるのではないでしょうか。

インプラントと入れ歯・ブリッジの寿命を比較しましょう。

入れ歯の寿命

入れ歯の寿命は、約4~5年といわれています。入れ歯は取り外し可能な義歯で、一部、もしくはすべての歯が欠損した場合に選択される治療法です。

広範囲に欠損した歯を補うことができますが、噛む力が弱まる、使用中に痛みを感じるなどのデメリットがあります。また、使用を続けると入れ歯が変形・破損することがあるでしょう。老化によって顎の骨量が減少したことなどで入れ歯が合わなくなると、修理や調整、作り直しが必要になります。

ブリッジの寿命

ブリッジの寿命は、約7~8年といわれています。ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を支えにして、人工歯を被せる治療法です。

質が高い素材を選べば見た目の美しさを追求できますが、土台となる健康な歯を削る必要があります。また、ブリッジの咀嚼力は、インプラントほど回復しません。支えにする歯の強度が弱まり、寿命が短くなるなどのデメリットがあります。

インプラントとの比較

インプラントは、入れ歯やブリッジより寿命が長く、長期間使用できます。インプラントは基本的に保険適用外になるため費用は高額ですが、寿命が長いため長期的にみると大きなデメリットにはなりません。

また、見た目や機能性も優れているため、インプラントを選択するメリットは多いでしょう。

インプラントの寿命を短くする要因

NGのサインを作る若い女性

インプラントの寿命は約10~15年と長いですが、お口の状態やメンテナンスによって寿命が短くなる可能性があります。インプラントの寿命を短くする要因を、詳しく確認しましょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織が細菌に感染し、炎症を起こしている状態です。

炎症が進行すると歯槽骨にも影響を及ぼし、インプラントが脱落するリスクが高まります。インプラント周囲炎の主な原因は、口腔ケア不足です。

インプラント周囲炎を予防するために、インプラント治療後は歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。日々の歯磨きはもちろん、歯科医院でクリーニングを受けて、歯磨きでは取り除けない汚れを落とすことも非常に重要です。

メンテナンス不足

インプラント施術後は、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けなければなりません。メンテナンスでは、ふだんの歯磨きでは落とせない汚れをクリーニングで除去し、インプラント周囲炎などのトラブルを予防します。

また、メンテナンスでは、人工歯根と人工歯をつなぐアバットメントの締め直しなども行います。

歯ぎしりや食いしばりなどの癖

歯ぎしりや食いしばりなどの癖は、インプラントの寿命を縮める要因です。インプラントに過度な負荷がかり、人工歯が欠ける、人工歯根と顎の骨の結合部が破壊されるなどのトラブルにつながるからです。

特に、歯ぎしりや食いしばりは睡眠中に無意識に行うことが多いでしょう。

インプラントの寿命を延ばすために心がけること

インプラント治療のイメージ

インプラントの寿命を延ばすために心がけることは、以下のとおりです。

毎日のセルフケアを徹底する

毎日のセルフケアを徹底することで、インプラントの寿命を縮めるインプラント周囲炎を予防できます。インプラントだけでなく、残っている健康な歯を守るためにも毎日の口腔ケアは非常に重要です。

効果的なブラッシングを行うために、インプラント治療後は歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

インプラントを維持するためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。歯科医院のメンテナンスの主な内容は、以下のとおりです。

  • 口腔内のチェック
  • 噛み合わせの調整
  • クリーニング
  • 生活指導
  • ブラッシング指導

お口の状態によってメンテナンスの内容や頻度は異なります。歯科医師の指示に従って受診しましょう。

メンテナンスでは、毎日の歯磨きでは取れない汚れを落とし、お口の状態をチェックします。異常の早期発見につながるでしょう。

喫煙を控える

タバコには、歯周組織の血流を悪くするニコチンが含まれています。喫煙習慣がある人は歯茎の血流が悪いため、歯周病菌による感染を起こしやすく、インプラントの寿命が短くなる可能性が高いです。

インプラント治療を選択するのであれば、喫煙本数を減らすか、禁煙したほうがよいでしょう。

ナイトガードを使用する

歯ぎしり・食いしばりの癖があると、インプラントの人工歯が欠ける、インプラント周囲炎を引き起する可能性があります。ナイトガードを装着することで、歯ぎしり・食いしばりによる歯への負担を軽減しましょう。

インプラントの寿命がきたらどうしたらいい?

疑問がある女性

インプラントの寿命がきたときは、インプラント治療をもう一度行うか、入れ歯やブリッジなどほかの治療法を選択します。お口や顎の骨の状態によって適切な治療が異なるので、歯科医師と相談しながら決定してください。

インプラントの寿命がきたときの対処法は、以下のとおりです。

保証期間を確認する

インプラント治療は、5〜10年の保証がついていることが多いです。保証期間内にトラブルが発生して治療が必要になった場合、無償、もしくは費用を一部負担するだけで治療を受けることができます。

ただし、インプラントの上部構造である人工歯と、インプラント体の保証期間や保証内容が異なる場合があるため注意してください。また、定期的なメンテナンスを受けていることを、保証を受けるための条件として設定している歯科医院もあります。

治療を受ける前に、保証内容や期間についてしっかり確認しましょう。

歯科医院に相談する

「インプラントの歯が折れた」「インプラントがグラグラしている」など、インプラントの寿命がきたと感じたら、すぐに歯科医師に相談してください。

寿命がきたインプラントの歯を使い続けると、以下のリスクがあります。

  • 痛む
  • インプラントが脱落する
  • 再治療できなくなる
  • ほかの歯に悪影響を及ぼす

寿命を迎えたインプラントは、歯茎や顎の骨、隣接した歯に大きな負担をかけます。再治療が難しくなるほど歯周組織が破壊されることもあるため、寿命に気づいたら早期に対処してください。

治療を受ける

インプラントが寿命を迎えた場合の治療方法は、以下のとおりです。

  • インプラント治療を再度行う
  • 入れ歯を作る
  • ブリッジを装着する

どの選択肢が最適であるかは、インプラントや口内・顎の骨の状態によって異なります。口内や顎の骨に大きな問題がない場合は、インプラント治療を再度受けられるでしょう。

インプラントは、すべての症例で再手術が必要になるわけではありません。人工歯のみ作り替えるケースや、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメントを交換するケース、インプラント体の交換(再手術)が必要になるケースもあります。

インプラントの寿命がきたら、どのような治療が必要になるか歯科医師に相談しましょう。

まとめ

歯の説明をする歯科医師

インプラントの寿命は約10~15年と長く、入れ歯やブリッジと比べて長期間使用できます。ただし、口腔ケアやメンテナンスを怠ると、寿命が短くなります。インプラントを長持ちさせるには、日々のブラッシングを徹底し、歯科医院でのメンテナンスをしっかり受け、お口の健康を保つことが重要です。

インプラントの寿命がきたときは、インプラント治療を再度行うか、ほかの治療法を選択することになります。お口や顎の骨の状態によって適切な治療法が異なるため、どの治療法が最適か歯科医師に相談しましょう。

インプラント治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

喫煙していてもインプラント治療は受けられる?リスクを詳しく解説!インプラント 喫煙

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

タバコを取り出す

喫煙していてもインプラント治療を受けられる場合はありますが、多くのリスクを伴います。治療が失敗に終わる、治癒過程で問題が発生して追加費用が発生する、治療期間が延長するなどのトラブルにつながることもあるでしょう。

そのため、インプラント治療中は喫煙を控えるよう指示されることが多いです。

今回は、インプラント治療における喫煙のリスクについて詳しく解説します。

喫煙していてもインプラント治療は受けられる?

疑問がある男性

喫煙している方がインプラント治療を受ける場合、禁煙を勧められることが多いです。喫煙者のインプラント治療を断っている歯科医院もあるでしょう。

インプラント治療を成功させ、長期的な使用を可能にするためには、患者さまの生活習慣が密接に関連します。特に、喫煙は多くのリスクをもたらすといわれているのです。

インプラント治療後の回復過程では、歯肉の修復や細胞の増殖が不可欠です。

しかし、タバコの有害物質は歯肉の修復や細胞の増殖を妨げ、治癒を遅らせます。唾液は口内の清潔を保つだけでなく有害物質の中和にも貢献しますが、喫煙すると唾液の分泌量が減少します。

口内の細菌が増加するなど、インプラント周囲炎の原因となることも多いです。基本的に、インプラント治療中は禁煙する必要があることを理解しましょう。

インプラント治療中に喫煙するとどのようなリスクがある?

ビックリマークを指差す

喫煙は、血流阻害や白血球の機能低下を招きます。そのため、侵襲の大きいインプラント治療において、喫煙は大きなリスク要因となるのです。

喫煙はインプラント治療において多くのリスクをもたらします。治療の成功を望むならば、喫煙習慣の見直しを検討したほうがよいでしょう。

インプラント治療中に喫煙することによるリスクは、以下のとおりです。

骨との結合が弱くなる

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる効果があります。血流が悪化し、インプラントを支える歯肉への酸素・栄養の供給が不十分となるでしょう。

治癒が遅れる可能性や、インプラントと骨との結合が弱くなる可能性が高まるのです。一酸化炭素もニコチンと同様に血流を悪化させ、酸素を運ぶヘモグロビンの機能を阻害します。

炎症が起きやすくなる

白血球は体を守るための主要な細胞の一つですが、ニコチンの影響で機能が低下することがわかっています。そのため、喫煙している方は、歯肉に細菌が侵入した際、炎症が進行しやすくなるのです。

喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周辺での炎症やトラブルが多いというデータも存在します。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント周囲炎とは、インプラントを固定している周りの組織が炎症を起こし、進行すると骨が溶ける病気です。

初期段階では目立った症状が少なく、気づかないまま悪化することが少なくありません。症状が重度になると、インプラントが安定せず抜け落ちる可能性があるのです。

喫煙者は、ニコチンの影響で免疫力が低下する傾向にあります。免疫力が低下している状態でインプラント治療を受けると、細菌による感染リスクが高まります。インプラント周囲炎のリスクも増加するでしょう。

インプラントを長期的に使用するためには、日常の口腔ケアが非常に重要です。歯ブラシやデンタルフロスを用いたクリーニングはもちろん、歯科医院での定期検診も不可欠です。定期的な検診により、初期の段階での炎症を早期に発見し、適切な対応が可能となります。

喫煙者の方は、非喫煙者に比べてインプラント周囲炎のリスクが高いことをしっかりと理解しましょう。また、症状も悪化しやすいです。

治療を成功させ、インプラントを長く維持するためには、喫煙習慣を見直しましょう。定期的な歯科健診も怠らないことが大切です。

治療期間が長引く

喫煙者がインプラント治療を受ける場合、非喫煙者は治療の流れや必要な期間が変わることが多いです。インプラント手術の基本的な方法としては、1回法と2回法が挙げられます。

1回法は、手術が1回で完了する方法です。全身状態や骨・粘膜の状態が良好な方に向いています。喫煙者の場合、1回法を選択できることは非常に稀です。喫煙によって傷の治癒が遅れ、細菌感染のリスクが高まるからです。

1回法では、インプラント体と人工歯根をつなげるアバットメントが歯茎の上に露出します。傷口の閉鎖が困難なので、細菌が侵入しやすいです。健康な方の場合は問題ないですが、喫煙者の場合はインプラント治療が失敗するリスクが高まります。

そのため、喫煙者には2回法が推奨されることが多いです。2回法では、初回の手術でインプラントを埋入し、歯茎をしっかりと縫合します。骨とインプラントがしっかりと結合したことを確認してから、2回目の手術でインプラントの一部を露出させてアバットメントを取り付けるのです。

2回法は、非喫煙者であれば通常4〜6か月の期間が必要となります。

しかし、喫煙者の場合、傷口の治癒が遅くなります。治療が完了するまでの期間が長くなることが多いです。具体的には、1年近くかかるケースも少なくありません。

インプラント治療後も喫煙は控えるべき?

タバコを折る女性

インプラント治療後も、喫煙は控えるべきです。治療を無事に終えて安心する方も多いでしょう。「ずっと我慢してきた喫煙を再開できる」と考える患者さまも多いです。

しかし、治療が終わったからと喫煙によるリスクがなくなるわけではありません。インプラント治療後も喫煙を控えることが、インプラントを長く維持するためには重要です。

喫煙による体への影響は多岐にわたりますが特に口内に限れば、喫煙によって口腔内が乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液は口内を潤すだけでなく、細菌の繁殖を抑える役割も持っています。唾液の量が少なくなることで、細菌感染のリスクが高まるのです。

ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、血流が悪化し、酸素や栄養素が組織に届きにくくなることが知られています。インプラント周辺の組織が酸素不足の状態となり、免疫力が低下するでしょう。

細菌感染のリスクが高まり、免疫力が低下すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りに炎症が起きる症状です。進行すると、最終的にはインプラントが脱落することもあります。

治療後にインプラントが安定した場合でも、インプラントを長く使い続けるためには、喫煙を避けたほうがよいのです。

インプラント治療を検討する際は、治療後の禁煙の重要性も十分に理解することが求められます。継続的な喫煙は、高額な費用と長い時間をかけて行ったインプラント治療を無駄にする恐れがあるのです。

インプラントの健康を長く維持したいのであれば、喫煙を控えてください。治療の前後に関わらず、ご自身の健康を守るための選択として禁煙を真剣に考えましょう。

まとめ

タバコ
喫煙者でも、インプラント治療を受けることは可能な場合があります。

しかし、喫煙は血流を悪化させるため、治療中や手術後の傷の治癒が遅れるリスクがあります。また、インプラントが骨に結合する過程でも喫煙の影響を受けやすく、成功率が低下するでしょう。

治療中の喫煙は、インプラントの失敗リスクを高めるとともに、感染症のリスクも増加させる可能性があります。タバコに含まれる成分は口腔内の環境を悪化させ、細菌の繁殖を促進するといわれています。インプラント周囲炎が進行して骨が吸収され、最悪の場合、インプラントが抜け落ちる可能性もあるのです。

治療後も喫煙を続けると、インプラントの寿命が短くなるリスクもあるため注意が必要です。治療中だけでなく、長期的に考えても、喫煙はインプラントの健康を損なう大きな要因となり得ます。インプラント治療を受けるのであれば、控えることが強く推奨されています。

喫煙は、インプラント治療の成功率や長期的な健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。治療を検討する方は、喫煙習慣を見直しましょう。

インプラント治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

オールオン4の治療にかかる費用はどれくらい?保険は適用になる?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

オールオン4の説明をする歯科医師

「オールオン4ってどんな治療?」「インプラントとの違いは?」など、疑問に思う方もいるでしょう。オールオン4は、最小4本のインプラントで人工歯を支える治療法です。

今回は、オールオン4について詳しく解説します。オールオン4の費用や、注意すべきことなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

オールオン4とは?

歯の模型と歯科医師

オールオン4とは、最少4本のインプラントで人工歯を支える治療法です。前歯から奥歯まで一体になった人工歯を装着するため、4本のインプラントで全体の歯を支えられます。

インプラントを1本ずつ埋入するのではなく、複数本のまとまった義歯を最小本数のインプラントで支えるため、患者様への負担や費用を抑えられることが特徴でしょう。

抜歯・インプラントの埋め込み・仮歯の装着まで1日で行えるので、治療当日からインプラントで支えられた仮歯で食事できます。手術当日までは入れ歯を使えるため、スムーズに移行できるでしょう。

オールオン4は、3つの工程を経て進みます。治療の流れは、以下のとおりです。

  1. カウンセリング・術前検査
  2. 手術・仮歯装着
  3. 最終的な義歯の装着

治療工程が少なく、手術当日に仮歯を装着できることは、オールオン4の大きな特徴でしょう。

身体への負担を最小限にしたい方や、費用を抑えたい方は、オールオン4が適しています。口元の審美性を損ないたくない方や、複数本のインプラントを検討している方にも、オールオン4が適しているでしょう。

オールオン4の機能的なメリット

オールオン4には、さまざまなメリットがあります。機能的なメリットは、以下のとおりです。

  • 食べ物が挟まって痛むことがない
  • 顎の骨が変形しにくいので若々しいイメージを保てる
  • 天然歯に近い感覚を得られる
  • 固定式なので外れる心配がない
  • 顎の骨に固定されているため食事の制限がない

天然歯と変わらず食事を楽しめる、外れないので不安なく旅行できるなど、治療後の生活を充実させられるでしょう。

オールオン4の治療におけるメリット

治療におけるメリットは、以下のとおりです。

  • 1日で治療が完結するため治療期間が短い
  • インプラントの埋入本数が少ないので費用を抑えられる
  • 埋入するのは最小4本なので身体への負担が少ない
  • 骨のある部分に埋入できるので顎の骨が薄い方でも治療ができる

インプラント治療は、仮歯の装着までに時間がかかることがデメリットでした。半年程度かかることも珍しくありません。

しかし、オールオン4は治療当日に仮歯を装着できます。歯がないストレスを感じることはないでしょう。

費用が高いことや、顎の骨が薄いことでインプラントを諦めていた方でも、オールオン4は受けられる可能性があります。

オールオン4の費用

電卓とコストのブロック

オールオン4の費用は、片顎2,000,000〜4,000,000円程度が相場です。オールオン4は自由診療なので、歯科医院によって費用が異なります。

歯科医院によって、使用する素材や設備なども異なるでしょう。事前によく確認し、ご自身に最適な治療を最適な費用で行ってくれる歯科医院を探してください。

歯科医院によって費用が異なる理由

オールオン4について疑問がある女性

オールオン4を含むインプラント治療の費用は、歯科医院によって異なります。インプラント治療は自由診療のため、歯科医院ごとに費用を設定しています。

歯科医院によって費用が異なる理由は、以下のとおりです。

メーカーや材質が異なる

インプラントの費用は、使用するインプラントのメーカーや材質によって大きく変動します。

インプラントを製造しているメーカーは世界に100社以上存在し、メーカーによって費用が異なります。歯科医院が使用するメーカーの価格帯や材質が、費用に影響するのです。

一般的に、知名度の高いメーカーのインプラントは高額な傾向にあります。インプラント体が骨と結合しやすい、材質が丈夫で長持ちしやすいなどのメリットがあるため、高額でも人気があります。

マイナーなメーカーが製造している極端に安価なインプラントは、品質が粗悪な場合が多いです。

歯科医院の立地が異なる

費用は、歯科医院の立地によっても変動します。都心に近く利便性の高い歯科医院ほど、高額な家賃がかかるため費用が高くなるでしょう。

インプラントの費用の全国平均は200,000〜400,000円ほどですが、都心では300,000〜500,000円となっています。費用を抑えるために、自宅から離れた地方の歯科医院で治療を受けようと考える方もいるかもしれません。

しかし、オールオン4は治療後の定期メンテナンスが欠かせないため、自宅から通いやすい歯科医院を選択したほうがよいでしょう。

治療設備が異なる

メーカーや歯科医院の立地のほか、歯科医院の設備がどれだけ充実しているかによっても費用が変動します。費用に影響を与える代表的な設備として、歯科用CTやオペレーションルームなどが挙げられるでしょう。

歯科用CTとは、患者様の歯や顎の状態を把握できる医療機器です。精度の高い検査を行えれば、より患者様に適合した治療が可能になるでしょう。

歯科用CTは1台数千万円と、非常に高額な医療機器です。そのため、導入している歯科医院で治療を受けると費用が高くなります。

オペレーションルームとは、外科手術専用の部屋のことです。診察室とは別に、オールオン4を含む外科手術のために用意されます。オペレーションルームで患者様が快適に過ごせるよう、診察台のクオリティやインテリアにこだわっている歯科医院もあります。

治療の安全性や快適性に真摯に向き合っている歯科医院は、費用が高額になるでしょう。

保証が異なる

インプラントの保証制度の期間や内容は、費用に影響します。

インプラントの保証制度とは、再治療にかかる費用の負担を減らしてもらえる制度です。治療後にインプラントの脱落・破損などのトラブルが起きた際に、無料、もしくは本来の費用より安く再治療を受けられます。保証の対象期間は、一般的に5〜10年ほどです。

インプラントの保証制度が充実していると、費用が高額になる傾向があります。保証がついていない場合、治療にかかる費用は安くなりますが、トラブルが起きた場合は別途高額な費用がかかるでしょう。

オールオン4含むインプラントは、長期にわたって使用します。インプラントの平均寿命は10〜15年なので、一度もトラブルが起きない可能性は低いといえます。

保証制度のない歯科医院で治療を受けることは、避けたほうがよいでしょう。

インプラントの保証期間や対応しているトラブルの内容は、歯科医院によって異なります。事前に歯科医師に確認しましょう。

ほかのインプラント治療とオールオン4の費用を比較

二つのものを比較する女性

オールオン4の費用は、片顎2,000,000〜3,000,000円が相場です。

一般的なインプラントの費用相場は、1本あたり200,000〜400,000円程度でしょう。片顎12本すべての歯をインプラントする場合、2,400,000〜4,800,000円になります。オールオン4と比べると、1,900,000円ほど高額になるのです。

オールオン4は高額な治療ですが、同じ本数のインプラント治療をする場合と比べると大幅に費用を抑えられます。複数の歯をインプラントにしたい方には、非常に適した治療といえるでしょう。

オールオン4は保険が適用される?

保険治療の説明

オールオン4は、残念ながら保険が適用されません。保険が適用される治療と比較すると、高額に感じる方も多いでしょう。

ただし、オールオン4は一般的なインプラント治療に比べて大幅に費用を抑えられる治療方法です。インプラント治療を費用面から諦めていた方は、オールオン4を検討してはいかがでしょうか。

安すぎるオールオン4には注意!

ビックリマークが書かれたブロック

オールオン4の費用は、歯科医院によって大きく異なります。なかには、格安を謳う歯科医院もあるでしょう。

格安を謳う歯科医院のインプラント治療は、人体への安全性に配慮していない可能性が高いです。インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際は、費用だけではなく、費用の内訳や設備なども確認しましょう。

オールオン4が安すぎる理由は、以下のとおりです。

安全性を考慮していない

オールオン4が安すぎる場合、設備が不十分である可能性が高いでしょう。

例えば、インプラントが顎の骨を貫通するトラブルが起きることがあります。歯科用CTの設備がなく、治療前に十分な検査を行わなかったことが原因です。

生体適合性の低い、粗悪なインプラントを使用している場合もあるでしょう。

安全に治療を行えることや、長く使用し続けることを考えていない歯科医院の場合、オールオン4を相場よりも非常に安く提供していることがあります。

一部の費用しか提示していない

一部の費用しか提示していない場合も、安すぎると感じるでしょう。本来、オールオン4の費用や手術にかかる費用、検査にかかる費用など、トータルの費用を提示する必要があります。

しかし、インプラント体のみの金額をオールオン4の費用と偽り、治療後にトータルの費用を請求する場合があるのです。

インプラント治療は、1本あたり200,000〜400,000円が相場です。インプラント1本につき100,000円以下など、極端に安価な費用を提示している歯科医院は避けたほうがよいでしょう。

まとめ

オールオン4は、手術当日に仮歯を入れられるインプラント治療です。機能性・審美性に優れており、治療期間も短いので患者様への負担が少ないでしょう。

複数本のインプラント治療を受ける場合は、オールオン4のほうが安くなることも多いです。失った歯の本数が多くインプラントを検討している方に適しているといえるでしょう。

ただし、安いという理由だけで治療を受ける歯科医院を選ぶことは避けてください。十分な設備が整っていない場合や、粗悪なインプラントを使用している可能性があります。

オールオン4 の治療にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラント治療後に頭痛がする原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

ソファに座って頭を抑える女性
「インプラント治療後に頭痛がする」「インプラント治療後に頭痛がする場合はどうしたらいい?」など、インプラント治療後の頭痛に悩まされる方もいるでしょう。インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で、頭痛がすることがあります。

今回は、インプラント治療後の頭痛の原因や対処法などを解説します。ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後に頭痛がする原因

顎に手を当てて考える男女

インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で頭痛が起きる場合があります。インプラント治療後に頭痛がする原因は、以下のとおりです。

噛み合わせに問題がある

インプラント治療では骨格などを考慮して噛み合わせを調整しますが、インプラント治療後に噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと顎の周りの筋肉が緊張し、頭痛を引き起こすでしょう。

顎の関節にも負担がかかるため、顎の痛みや開口障害などの症状が現れる顎関節症を発症する可能性もあります。噛み合わせが悪くなる原因は、以下のとおりです。

インプラントのぐらつき

インプラント体(人工歯根)と上部構造(人工歯)をつなぐアバットメントのネジが緩むと、人工歯がぐらつきます。インプラントにぐらつきがあると、歯並びや噛み合わせが悪くなって頭痛を引き起こすのです。

アバットメントのネジが緩む原因は、強い力がかかったことによる金属疲労や、上部構造(人工歯)に不具合があること、歯がすり減ったことなどが挙げられます。顎関節がずれたことや、インプラント周囲炎の影響で骨吸収が進んだことも、アバットメントのネジが緩む原因になるでしょう。

人工歯のすり減り

インプラントを長期間使用すると、人工歯がすり減ることがあります。人工歯がすり減ると、噛み合わせが悪くなるでしょう。特に食いしばりや歯ぎしりの癖がある方はインプラントに強い力がかかるため、人工歯がすり減りやすいです。

上顎洞炎になっている

インプラント治療では、上顎洞という部位に炎症が起きることがあります。上顎洞とは、鼻の周りにある副鼻腔という空洞のうち、頬の内側にある空洞です。

上顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込む際に、上顎洞内にインプラント体が迷入したことや、インプラント体が上顎洞を穿通したことなどが原因となります。

上顎洞では頭痛のほかに、鼻づまりや発熱などの症状が現れるのが一般的です。鼻から膿が出る、鼻の奥に違和感を覚える、目がだるい・重いなどの症状を訴える方もいます。

インプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が細菌感染による炎症を起こしている状態です。重度のインプラント周囲炎では、顎の骨が溶けてインプラント体が不安定になり、噛み合わせに悪影響を及ぼします。

インプラント周囲炎は、口内のケア不足、歯科医院でのメンテナンス不足などが原因になることが多いです。進行すると歯がグラグラと動揺し、最悪の場合抜け落ちるため早期治療が大切です。

初期の段階では自覚症状がありませんが、進行すると歯茎の赤み、腫れの症状が現れ、歯茎から出血する場合もあります。歯茎から膿が出る、歯茎が痩せる、噛み合わせが合わなくなるなどの症状が現れる方も多いです。

インプラントを入れたところが痛む、インプラントが動揺しているなどの症状がある場合は、インプラント周囲炎が進行している可能性があるので、歯科医院を受診してください。

インプラント治療後に頭痛がする場合の対処法

歯科医院で治療をする男性歯科医師

インプラント治療後に頭痛がする場合は、原因に合わせて対処する必要があります。頭痛がする場合の対処法は、以下のとおりです。

噛み合わせを調整する

インプラント体(人工歯根)と上部構造(人工歯)をつなぐアバットメントのネジに緩みがある場合は、上部構造を外してネジを締め直し、噛み合わせを改善します。ネジの緩みは、レントゲンで容易に診断可能です。

人工歯のすり減りが噛み合わせに影響している場合インプラント体の調整は必要ありませんが、上部構造のみ交換します。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯や顎への負担を軽減するためにマウスピースの装着が必要になる場合もあるでしょう。

上顎洞炎を治療する

上顎洞炎を放置すると炎症が広がり、中耳炎や気管支炎などの合併症を引き起こす可能性があります。上顎洞炎が疑われる場合は、すぐに歯科医院を受診し早期治療を行うことが大切です。

インプラント治療後に上顎洞炎になった場合は、以下の治療を行います。

薬物療法

抗菌薬・鎮痛薬を服用して炎症や痛みを抑える治療です。上顎洞炎が慢性化すると、長期にわたる服用が必要になるでしょう。

歯科治療

薬物療法と併せて、感染源を除去する治療を行います。上顎洞内にインプラント体が入り込んでいる場合は、インプラント体の摘出が必要です。

上顎洞洗浄療法

内服治療で炎症が改善しない場合は、耳鼻科で上顎洞洗浄療法という治療を行います。上顎洞内に針を刺し、生理食塩水と抗生剤で上顎洞を洗浄する治療法です。

外科的治療

内服治療や上顎洞洗浄で炎症が改善しない場合、外科手術を行います。行われる外科手術の方法は、以下のとおりです。

  • 上顎洞根治手術

歯肉を切開して骨に穴をあけ、炎症が起きている上顎洞の粘膜を除去する「Caldwell-Luc法(コールドウェル-ラック法)」と、骨を広範囲に削る「Denker法(デンカー法)」があります。

  • 内視鏡下鼻内手術

副鼻腔の開口部を広げて炎症による閉塞を解除し、換気・排泄を促して炎症を改善する治療です。内視鏡鼻内手術では、上顎洞に迷入したインプラント体を摘出することもできます。

インプラント周囲炎を治療する

インプラントの脱落を防ぐためには、インプラント周囲炎の早期治療が大切です。インプラント周囲炎の治療は、非外科的療法と外科的療法の2つに分けられます。

非外科的療法

非外科的治療では、インプラント周囲の炎症を抑えるために行われる治療です。主に行われる内容は、以下のとおりです。

  • 周囲の歯石除去
  • 歯周ポケット内の洗浄と薬剤の注入
  • 抗生物質の投与
  • ブラッシング指導
  • 生活指導

喫煙やストレスの蓄積は、インプラント周囲炎のリスクを高めます。生活習慣を改善するために、指導を行うことがあるでしょう。

インプラント周囲炎の予防・改善には、毎日の口腔ケアが非常に重要です。正しいブラッシング方法を身に付け、口腔ケアの質を高めましょう。定期的に歯科医院を受診して、歯をクリーニングしてもらうことも重要です。

外科的治療

インプラント周囲炎が進行して歯槽骨の吸収が進んでいる場合は、外科的治療を行います。

歯茎を切開してインプラント体の表面を清掃・殺菌するのが一般的です。感染した組織を取り除く場合や、インプラントを除去する場合もあります。

骨の再生が必要なケースでは、自分の骨や人工骨を用いて骨移植を行うでしょう。骨形成を妨げる繊維芽細胞が入り込まないよう、メンブレンという人工膜で覆って歯槽骨の再生を待ちます。

まとめ

インプラントの模型を持って説明する歯科医師

インプラント治療後は、噛み合わせのトラブルや術後の細菌感染などが原因で頭痛がすることがあります。

原因の一つであるインプラント周囲炎は予防できるため、毎日の口腔ケアを徹底しましょう。歯科医院で定期的にメンテナンス・クリーニングを受けることも重要です。

頭痛の原因によっては、インプラントの除去や外科手術が必要になる可能性もあります。早期に原因を把握し、治療を行うことが大切です。インプラント治療後に頭痛などの症状がある方は、歯科医院を受診して原因を把握し対処法を相談しましょう。

インプラント治療後の頭痛にお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントがぐらつくときはどうしたらいい?原因と対処法を解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントのレントゲン写真

一度埋入すると安定して使用できるインプラントですが、さまざまな原因によってぐらつく場合があります。インプラントの手術では、顎の骨の厚さやしっかりと結合することなど、さまざまな問題をクリアして初めて手術が成り立つため、どこかが不十分であるとインプラントの効果が失われてしまいます。

今回は、インプラントがぐらつく原因と対処法について解説します。インプラントにトラブルがあった場合に正しい対処ができるよう、ぜひ参考にしてください。

インプラントがぐらつく原因

斜めに浮かんだインプラント

インプラントがぐらつく原因はいくつかあり、どれも起こりうるものです。ぐらつく場合は、いずれかを疑ってみるとよいでしょう。順番に解説します。

インプラント周囲炎が進行している

インプラントがぐらつく主な原因の1つに、インプラント周囲炎があります。インプラント周囲炎は、インプラントに接触する歯茎部分に炎症が起こる状態で、歯周病に似た症状ともいえるでしょう。

インプラント周囲炎が起こると、インプラントを支える歯槽骨が破壊され、これが引き金となり、インプラントがぐらつき始めます。インプラント周囲炎が進行すると、最終的にはインプラントがはずれてしまうことがあります。

インプラント周囲炎は、口腔内の清掃状態・全身の健康状態・喫煙の有無など、さまざまな要因により引き起こされます。特に、口腔環境が悪化すると、細菌の繁殖が原因でインプラント周囲炎を発症しやすくなるため注意が必要です。

骨結合が不十分である

インプラントがぐらつく主な原因の1つに、骨結合が不十分であるということが挙げられます。

インプラント治療は人工の歯根を顎の骨に埋め込むもので、歯根と骨とがしっかりと結合しなければなりません。これにより、自然な歯のように噛む力を分散し、健康な口腔環境を維持することができるのです。

しかし、いくつかの要因から骨とインプラントの結合が不十分な場合、ぐらつきを感じることがあります。例えば、手術後の経過や術者の技術、インプラントの材質や形状、患者さま自身の骨の質や健康状態などが影響を及ぼします。具体的には、骨の吸収が進行することや骨が薄くなるなど、インプラントがしっかりと固定されず、ぐらつくことがあるのです。

また、全身の健康状態や口腔内の衛生状態がよくないと、うまく骨と結合しないこともあります。

骨の厚みが足りていない

インプラントがぐらつく原因の1つに、骨の厚みが足りていないことが考えられます。

インプラントを安定させるためには適切な骨の厚みが必要ですが、骨の厚みが不十分な場合、インプラントは適切に固定されず、ぐらつきを感じることがあるでしょう。具体的には、歯を失うとその部分の骨が徐々に吸収されてしまいます。その結果、骨の量が減少し、骨の厚みが足りなくなることがあります。

インプラントを支えるための基盤が弱くなり、インプラントはその位置を保つことが困難になるのです。

アバットメントが緩んでいる

インプラントがぐらつく原因として考えられる原因の1つは、アバットメントが緩んでいることです。

アバットメントとは、インプラント体と義歯の間につけられるパーツで、インプラント体を安定させ、義歯をしっかりと支える役割を担っています。

しかし、何らかの理由でこのアバットメントが緩んでしまうと、インプラント体の安定性が失われ、ぐらつきを引き起こします。この緩みは、適切なケアがされていない場合や口腔内の炎症などが原因で起こることがあるのです。

また、ものを噛む際の力や角度、アバットメントの装着時の問題など、さまざまな要因が関与することもあります。

インプラントがぐらつくときにしてはいけないこと

NOの文字

インプラントがぐらつくときにしてはいけない対処法があります。状況を悪化させてしまう可能性があるため、以下で解説することは避けましょう。

インプラントを触る

インプラントがぐらつく症状が現れた場合、無理に触ることや押すことは絶対に避けましょう。これらの行為により、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。

ぐらついているインプラントを手でいじると、インプラントがさらに移動してしまう場合があります。また、インプラントにある程度の圧力がかかったために起こる可能性のある、骨や周辺組織への損傷のリスクも増加するでしょう。

口腔内は細菌の多い場所です。手や指から細菌がインプラント周辺に移ると感染症の原因につながることもあるので注意しましょう。

インプラントの部分で噛む

インプラントがぐらつくと感じた時、絶対に避けなければならない行動は、ぐらつくインプラントの部分で噛むことです。

インプラントは自然な歯と同じように機能しますが、一度ズレやぐらつきがあると感じた状態で無理やり噛むと、さらに状態が悪化する可能性があります。インプラント自体の損傷だけでなく、その周りの歯肉や顎骨にも悪影響を及ぼし、炎症や感染症を引き起こす原因になることもあるのです。

また、インプラントが完全に動かないよう固定されていた場合でも、噛むことにより外れてしまうおそれもあります。

外れた部品を自分で取り付ける

インプラントがぐらつくときに、ご自身で問題を解決しようとすることはやめましょう。特に、外れた部品を自分で取り付けることは避けてください。素人が行うと、間違った方法で取り付ける可能性があります。

また、不適切な処置によって、感染症を引き起こしたりインプラントの部品を壊したりすることもあるため注意が必要です。

インプラントがぐらつくときの対処法

歯を治すイメージ

インプラントがぐらつくときの原因や避けたい行動について理解したうえで、ここでは実際の適切な対処法について解説します。ぜひ覚えておきましょう。

ゆるんでいるねじを締める

インプラントがぐらつく原因の1つに、ねじがゆるんでいる場合があります。長期間の使用や噛む力の過度な負荷などで発生するのです。

この問題を解消する基本的な対処法としては、ねじを締める方法があります。ゆるんでいるねじがあったら、ご自身で触る前にまずは担当の歯科医師に相談しましょう。専用の工具を使って正確にねじを締めてもらうことで、ぐらつきが改善されます。無理に自力で締めようとせず、専門的な介入を受けることが大切です。

インプラント周囲炎の治療をする

インプラントがぐらつく原因の1つに、インプラント周囲炎があります。これはインプラントと歯茎の間に細菌が侵入することで起こる炎症です。

対処法としては必ず早めに担当の歯科医師に診察してもらうことが重要です。早期発見・早期治療が進行を抑える鍵となるでしょう。治療方法には、専用の器具を使用した細菌の除去、抗生物質の使用、悪化した場合は手術などが考えられます。

インプラントの再手術をする

インプラントがぐらつく場合の対策の1つが、インプラントの再手術です。

再手術は、まずインプラントを抜き、必要な治療を行います。感染が原因の場合は抗生物質などで治療し、骨が十分に回復したあとに再びインプラントを挿入します。一度インプラントが固定されたあとも、定期的な検診が必要です。

噛み合わせを調整する

インプラントのぐらつきには、不適切な噛み合わせが原因となることも多くあります。インプラントと自然歯が正しく噛み合うように調整することが大切です。

まず、担当の歯科医師に相談し、具体的な原因を確認してもらいましょう。顎の形状や使い方、自然歯との関係性など、さまざまな要素がインプラントのぐらつきを引き起こしている可能性があります。

正確な噛み合わせは、インプラントの寿命を延ばすためにも重要です。問題が発生したら、すぐに歯科医師に相談しましょう。

インプラントを除去する

インプラントがぐらつくときの対処方法として、インプラントの除去という手段もあります。

ぐらつきが見られる場合には、早期に担当の歯科医師に相談することが重要です。ぐらつきがひどい場合や、痛みを伴う場合にはインプラントを除去する治療を選択することもあります。

ただし、これは最終的な選択肢で、通常はほかの治療方法を検討します。この判断は担当の歯科医師と相談のうえで決定しましょう。

インプラントがぐらつくのを予防する方法

レントゲン写真で説明する歯科医

インプラントがぐらつくことにならないよう、日頃から取り組める予防法があります。日々、口内のケアを行う際に心がけておくことで、安定した状態で使い続けられるでしょう。

歯科医院での定期的なメンテナンスを受ける

インプラントのぐらつきを予防する有効な方法の1つは、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることです。

インプラントは定期的なクリーニングとチェックアップが欠かせません。インプラント周囲炎などのトラブルを未然に防ぐため、歯科医師による定期的な検診とメンテナンスがおすすめです。ホームケアも重要ですが、専門的なケアにより問題が早期に発見・対処され、インプラントの寿命の延長が可能です。

自宅でしっかり歯磨きをする

インプラントがぐらつく主な原因は、口腔内の衛生状態が悪くなることによる感染や歯周病により歯槽骨が溶けることです。これらの症状を予防する最適な方法は、自宅でのしっかりとした歯磨きです。

特に、就寝前の歯磨きは大切であるため、食べカスや細菌の除去はしっかり行いましょう。その際は、フロスやインターデンタルブラシを使うことも有効です。

違和感や異変に気付いたらすぐに歯科医院に相談する

インプラントがぐらつくのは、装着後のケアや生活習慣、口腔内の状態などが原因となることが多いでしょう。防止策として、日々の口腔ケアを行うことが必要です。

ブラッシングやフロスは日常的に欠かさず行い、食物の残りや細菌の繁殖を防ぎます。加えて、適切な食事、禁煙、定期的な歯科検診も重要です。食事は硬すぎる食べ物は避け、栄養バランスのよいものを心がけましょう。

さらに違和感や異変があった場合、すぐに歯科医院に相談しましょう。早期発見・早期治療で大きな問題を防げます。

まとめ

歯科医院で笑顔の女性患者

インプラントがぐらついた際には、焦ってしまう患者さまも多いでしょう。

しかし、間違った対処を行うと、さらに状況を悪化させることになる可能性もあります。慌てずに適切な対処を行い、早めに担当の歯科医師に相談することで、ぐらつきを改善できます。

また、日々の生活の中で、口内ケアを行う、定期的にメンテナンスを受けるなど、ぐらつきを予防できる方法もあります。インプラントがぐらついたら、放置しておかずに早めに歯科医院に相談し、見てもらいましょう。

インプラントがぐらつくことでお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントで歯茎が黒くなるって本当?原因を詳しく解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの3D画像

歯茎は腫れることや出血することがありますが、中には歯茎が黒ずむこともあります。インプラントは歯茎がしっかりとしている状態で埋入する治療法であるため、歯茎の異常はインプラントの問題にも繋がる恐れがあります。

今回は、インプラントで歯茎が黒くなるときはどのようなときなのか、何が原因で黒くなるのかについて解説します。さらに、歯茎が黒くなるのを予防する方法もご紹介しますので、インプラントを長くよい状態で維持したい方はぜひ参考にしてください。

インプラントで歯茎が黒くなるって本当?

クエスチョンマークだらけの女性

インプラント治療そのものが直接歯茎を黒くすることはありませんが、インプラント治療後の不適切な口腔ケアや炎症の発生などが原因で、歯茎が黒く見えることがあります。

具体的には、以下の3つの事例が考えられるでしょう。

歯茎の炎症

1つ目は、歯茎の炎症です。

インプラント周辺の歯茎の炎症が長期間放置されることにより、歯茎の色が変わることがあります。これは、炎症により血流が増大し、その結果、歯茎が赤っぽく見えるのです。

口腔内の衛生状態の悪化

2つ目は、口腔内の衛生状態の悪化です。

インプラントを入れたあとは、特に丁寧なブラッシングが必要です。口腔内の細菌が増えてしまうと、タンパク質や糖と反応して黒い色素を生成する可能性があり、歯や歯茎が黒く見える要因の1つになるでしょう。

インプラントの材質による色移り

3つ目は、インプラントの材質による色移りです。

金属アレルギーがある場合や、金属成分の過剰な溶出が起こると、歯茎が黒く色づくこともあります。インプラント治療を受けた場合でも適切なアフターケアと定期的なチェックアップ(検査)を行うことで、歯茎が黒くなるリスクを大幅に下げることが可能です。

インプラントで歯茎が黒くなる原因

厳しくレクチャーする歯科医

インプラントで歯茎が黒くなる原因は複数あります。ここでは、代表的な例を順番に解説します。

インプラント周囲炎

インプラントにより歯茎が黒くなる原因の1つは、インプラント周囲炎という病気です。

インプラント周囲炎は、インプラントを埋め込んだ部位の口腔内細菌による感染が原因で発生します。インプラントが体に適合せず、組織とインプラントの間にすき間ができると、そこに細菌が侵入しやすくなるのです。その結果、歯茎に炎症が起き、赤みや腫れが生じます。

この状態が放置されると細菌が増え、歯茎が徐々に黒ずんできます。主に、口腔内の清掃が不十分な場合やインプラントの管理が十分でない場合に起こりやすいとされています。

インプラントの埋入後は、日々の口腔ケアを入念に行い、定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠らないことが予防につながるでしょう。

インプラントの金属が透けて見えること

インプラントとは欠損した歯を補うための手段の1つで、インプラント体を顎の骨に埋入し、その上に人工の歯を固定する治療法です。

インプラントに使う素材の色により、歯茎が黒く見える原因になることがあります。特に、歯茎の厚みが薄い場合やインプラント体が歯茎の表面に近い位置に設置された場合、インプラントの金属色が歯茎を透けて見えてしまうことがあるのです。歯茎が黒く見えるのは、歯茎が本来もつピンク色ではなく、インプラント体の色が透けて見えているからです。

この問題を予防するためには、初めから歯茎の厚さを考慮して、インプラントの位置を正確に決定することが重要といえるでしょう。また、歯茎が薄い人では、骨や歯茎を増やす処置などが必要となる場合もあります。

歯茎が黒くなる原因はインプラントだけではない?

色の暗い歯茎

歯茎が黒くなる原因には、インプラント以外のことも考えられます。どのような原因があるのか、順番に掘り下げて解説します。

被せ物から溶け出した金属イオン

虫歯の治療で使用した金属製の被せ物やブリッジが歯に装着されている場合も、歯茎が黒くなる原因の1つです。

これらの金属製の被せ物から溶け出した金属イオンは歯肉に影響を与えることがあり、歯肉の色が黒く変わる可能性があります。

たばこに含まれる有害物質

歯茎が黒くなる原因に、たばこに含まれる有害物質も考えられるでしょう。

特に、ニコチンとタールは歯茎に直接付着するため、長期的な習慣によって黒ずみや歯石の原因となります。また、たばこに含まれる有害物質は口腔内の血流を悪くするため、歯茎の健康を害する可能性もあります。

歯茎の黒ずみが気になる方は、喫煙習慣を見直すことも重要な対策です。

歯周病

歯茎が黒くなるケースにおいてよく見られるのは、歯周病です。

歯周病は、口内の細菌が原因で歯茎が炎症を起こし、進行すると歯茎が黒ずんでしまいます。放置すると、歯肉の退縮、歯のグラつきが生じます。最悪の場合は、歯の抜け落ちといった重大な問題を引き起こす可能性もあるでしょう。

歯周病を防ぐためには、日頃の口腔ケアや定期的な歯科医院でのクリーニングが予防には欠かせません。

インプラントで歯茎が黒くなるのを予防する方法

両手に歯ブラシを持つ男性

歯茎が黒くなる原因がインプラントの場合には、いくつか予防するための方法があります。日頃から予防を心がけることで、歯茎が黒くなることを防げるでしょう。効果的な予防方法を順番に解説します。

歯科医院での定期検診

インプラント治療後の口腔ケアは非常に重要です。特に、歯茎の変色を防ぐためには細心の注意が必要といえるでしょう。

歯周病やインプラント周囲炎等の口腔内疾患の初期段階などの場合、定期検診にきちんと行っていれば、医師が発見し対処してくれますが、定期検診に行かずに放っておくと、インプラント周りの歯茎が黒くなる原因となります。

また、定期検診では、クリーニングでインプラント周囲の歯石を除去することで歯茎の健康を保つこともできるでしょう。歯磨きだけでは難しい部分の清掃も可能なため、歯茎の黒ずみの予防だけでなく、インプラントの長持ちにも寄与するというメリットもあります。

常にきれいな口腔内を保つよう心掛け、定期検診を利用して健康な歯と歯茎を維持していきましょう。

自宅でのセルフケア

インプラント治療後に歯茎が黒くなる原因の1つに、口腔内の適切な衛生管理ができていないことが挙げられます。炎症や感染を防ぐために、以下の自宅でのセルフケアを行いましょう。

1. 歯磨き

インプラント周囲も含めて、毎日しっかりと歯を磨くことが必要です。透明の歯磨き剤を使用して、インプラントの色を確認しながら磨くとよいでしょう。

2. フロスまたはインターデンタルブラシの使用

フロスやインターデンタルブラシは、細かい部分の清掃に役立ちます。インプラントと自然の歯の間を清潔に保つことができるでしょう

3. 食事後の口腔ケア

食事後は、口をすすいだりハミガキを行いましょう。

4. アルコールの摂取を控えること

アルコールは口腔内の細菌増加を引き起こし、炎症のリスクを高めます。できる限り控えましょう。

以上のようなセルフケアを意識的に行うことで、インプラント周囲の歯茎の健康を維持し、黒ずみを防ぐことが可能です。

まとめ

満足そうに歯を見る女性

ご自身の歯のようにしっかり噛めて、見栄えもよいことから人気のインプラントですが、ときにインプラントが原因で歯茎が黒くなることがあります。歯茎の黒ずみを防ぐためには、インプラント治療以降の口腔ケアを丁寧に行うことが大切です。

歯茎が黒くなる原因には、インプラント以外の要因もあるため、インプラント部分を適切にケアしているのにも関わらず歯茎が黒ずむ症状が出る場合は、歯科医へ相談しましょう。

歯茎の黒ずみは、歯周病や喫煙など、生活習慣が大半の原因を占めます。歯茎のトラブルを防ぐためには、ふだんの生活を改善することも効果的といえるでしょう。

ご自身でケアできる部分は、できる範囲で改善していきつつ、定期的に歯科医院での診察を受けることも大切です。健康できれいな歯茎を維持していくために、ふだんから口腔ケアを意識していきましょう。

インプラントによる黒い歯茎でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントと差し歯は何が違う?特徴やメリット、治療の流れを解説

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型

「虫歯で歯を失ってしまったけれど、インプラントと差し歯はどちらの治療法がいいのだろうか」このようなお悩みはございませんか。

虫歯や歯周病が原因で歯を失ってしまった場合の治療法として「インプラント」や「差し歯」を提案されることがあるかもしれませんが、違いがよくわからない方も多いでしょう。

今回は、インプラントと差し歯の違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。どちらの治療を受けるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

3本のインプラント

まず、インプラントについて以下の項目に分けて解説します。

  • インプラントの特徴
  • インプラントのメリット
  • インプラントのデメリット

以下、それぞれ解説します。

インプラントの特徴

インプラントとは、セラミックやジルコニアなどの素材を使用して人工の歯を作製し、失った歯を補う治療法です。

インプラントを行うには、もとの歯が根っこの部分から欠損していることが必須条件です。もし歯の根っこが残っていたとしても、抜歯すれば行うことができます。

インプラントは、噛む力や見た目は天然の歯と非常に似ており、機能性・審美性に優れている特徴があります。

ただし、治療は保険適用外となってしまうため、歯科医院によっては治療費が高くなるかもしれません。

インプラントのメリット

インプラントの主な3つのメリットは、以下のとおりです。

  • 天然の歯に近い噛み心地を得られる
  • 見た目が自然で違和感がない
  • ストレスなく日常生活を送れる

インプラントで作られた歯は、天然の歯と非常に近い見た目や機能性があります。

インプラントで歯を作る際に使用されるセラミックやジルコニアといった素材は、天然の歯のような色や透明感を作りやすいのです。そのため、食べ物が噛みにくい、人と会話をする際に笑顔を作るのが恥ずかしいということを気にしながら生活する必要がありません。

インプラントは、天然の歯と変わらない感覚で過ごせるため、大きなストレスを感じることもないでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントの主な2つのデメリットは、以下のとおりです。

  • 費用が高くなりやすい
  • 歯周病が進行しても気づきにくい

インプラントの最大のデメリットは、費用が高額という点です。インプラントは基本的に自由診療であり保険が適用されないため、治療費の全額を自費で支払わなければいけません。多くの方がふだんは3割負担で支払っているものを、10割負担で支払わなければいけないのです。差し歯や入れ歯よりも費用が高くなり、経済的な負担がかかるでしょう。

また、インプラントは人工の歯を作製するため虫歯になることはありませんが、気づかない間に歯周病が重症化して、かなり悪い状態で発見される可能性があります。ご自身の歯であれば神経が残っているため痛みなどの症状がありますが、人工の歯は痛みを感じることがないため、早期発見が難しいのです。

インプラントで人工の歯を埋め込んだ場合、通常の歯よりもお口の中に雑菌がたまりやすい状態となるため、より歯周病のリスクが高まります。不安定な口内環境で健康な歯を維持するには、毎日のお手入れが非常に重要です。

差し歯とは?

差し歯を入れ込もうとしている

次に、差し歯について以下の項目に分けて解説します。

  • 差し歯の特徴
  • 差し歯のメリット
  • 差し歯のデメリット

以下、それぞれ解説します。

差し歯の特徴

差し歯は、残っている歯の根っこの上に被せ物を装着することで失った歯を補う治療法です。差し歯の治療をするには、歯の根っこが残っていることが条件です。

差し歯といわれると、人工の歯を歯茎に差し込むイメージをおもちの方が多いかもしれませんが、それはインプラントにあたります。

差し歯のメリット

差し歯の主な2つのメリットは、以下のとおりです。

  • 費用をおさえられる
  • 治療期間が短く負担が少ない

差し歯の治療は、インプラントと違って基本的に保険が適用されるため、費用をおさえられることがメリットのひとつです。

また、治療内容も大がかりなものではないため、インプラントよりも数か月~1年ほど治療期間が短くなります。インプラントよりも費用と期間をかけず、手軽に治療できるでしょう。

しかし、差し歯の治療を受けるには、歯根が残っているのが条件です。誰でもできるわけではないため、歯科医師とよく相談して決めましょう。

差し歯のデメリット

差し歯の主な3つのデメリットは、以下のとおりです。

  • 見た目の自然さに欠ける
  • 被せ物が取れないか不安になる
  • まずは歯を治療する必要がある

差し歯は、インプラントよりも見た目の自然さに欠けます。なかには、銀歯になってしまう場合もあるため、食事や会話の際に気になってしまう方もいらっしゃるでしょう。見た目の自然さを求めたいのであれば、セラミックやジルコニアを用いて被せ物を作製することも可能ですが、費用が高くなります。

また、まれに被せ物が取れることがあるため「外れたらどうしよう」という不安を抱えながら生活している方がいらっしゃるのも事実です。

ほかに考えられるデメリットとして、土台の歯の治療が必要となる可能性がある点があげられます。虫歯があれば、虫歯を治療してから被せ物を装着するのです。

治療にかかる時間と苦痛を考えると、抜歯してインプラントを行ったほうがよい場合もあるでしょう。歯科医師とよく相談して、納得のいく治療法を選択しましょう。

インプラントと差し歯の違いを比較

天秤で2つのものを比較する

インプラントと差し歯の違いは、以下のとおりです。

<インプラントと差し歯の違い>

インプラント 差し歯
治療対象者 歯根がない方 歯根がある方
治療期間 3か月〜1年 1〜2か月
見た目 天然の歯のような色や透明感がある 素材によっては見た目が気になる
寿命 10〜15年 7〜10年
治療費用 自費 保険適用(素材によっては自費)

以下、それぞれ解説します。

治療対象者の違い

インプラントと差し歯は似ていますが、治療方法は全く別のものといえるでしょう。

インプラントは歯の根っこがない方向けの治療であり、差し歯は歯の根っこがある方向けの治療です。歯根の有無によって治療方法が選択されるのです。

治療期間の違い

治療期間は、インプラントより差し歯のほうが短いです。歯根があって、できるだけ早くきれいな歯を手に入れたい方は、差し歯が向いています。

インプラントを希望する場合は、治療が完了するまで数か月かかることを理解したうえで、今後の予定に合わせて治療計画を立てていくことが大切です。

見た目の違い

インプラントのほうが天然の歯に近い見た目を手に入れることができます。見た目だけでなく、噛み心地も天然の歯とそれほど変わりません。

見た目と使用感の自然さを重視するのであれば、インプラントがよいでしょう。差し歯の場合は、銀歯になる可能性や、時間がたつと変色する可能性もあります。差し歯は、インプラントと比べると見た目の面では劣るでしょう。

寿命の違い

インプラントのほうが差し歯より寿命が長いです。

インプラントは審美性も維持しながら、長期間使用できます。具体的には、差し歯と比べると3〜5年ほど長持ちします。多少お金をかけてでも長持ちさせたい方は、インプラントがよいでしょう。

治療費用の違い

治療費用は、差し歯のほうがインプラントより安いです。基本的に差し歯は保険適用なので、全額実費のインプラントと比べると費用をおさえることができます。

ただし、見た目の美しさを求めて被せ物の素材にこだわった場合、自由診療となるケースもあるため注意が必要です。

インプラント治療の流れ

フローという文字をあらわす木のブロック

インプラント治療の主な流れは、以下のとおりです。

  1. 問診・精密検査
  2. 人工歯根没入術
  3. インプラント体の定着期間
  4. 人工歯のセット

はじめに、問診や検査を行い、歯の健康状態の確認や治療方針の決定を行います。少しでも不安なことがあれば、この時点で歯科医師に相談しましょう。精密検査の結果、もし何らかの異常があった場合は、インプラント治療を行う前に事前治療が必要となる場合もあります。

準備が整ったら、いよいよ人工歯根没入術に入ります。歯の土台部分にあたるインプラント体を歯茎に埋め込む処置を行います。

歯根没入術が完了したあとは、約2〜3か月時間をおいて、インプラント体が定着するのを待ちます。歯科医院によっては、インプラント体が定着するまでの期間に仮歯を装着できることもあります。

インプラント体が定着したら、型取りして人工歯を作製し、装着する流れです。

差し歯治療の流れ

手順を踏む様子をブロックの階段であらわしている

差し歯治療の主な流れは、以下のとおりです。

  1. 問診・精密検査
  2. 差し歯の土台作製
  3. 型取り
  4. 差し歯の装着

インプラント治療する際と同様に、まずは問診や精密検査を行って口腔内の状態を確認し、治療にあたっての希望をヒアリングします。

ひととおり確認して治療方針が決まったら、差し歯の土台作製です。しっかりした土台を作製するため、虫歯がある場合は先に虫歯の治療を行います。

土台が完成したら型取りです。型が完成したら差し歯を装着し、フィッティングに問題がなければ終了します。

インプラントと差し歯、どちらの治療法がいいの?

両手で疑問の様子をあらわす女性

インプラントと差し歯のどちらの治療法がよいかは人によって異なります。一概にどちらの治療法がよいとはいえません。

ただし、歯の根っこが残っている場合はインプラントが実施できないため、差し歯治療が向いているといえます。また、歯の根っこが残っている場合は、インプラントと差し歯治療の2つの選択肢から決めることも可能です。

お口の中の状態を見てもらったうえで、歯科医師と相談してベストな選択をしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

今回は、インプラントと差し歯の違いについて解説しました。

それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあります。インプラントは歯根がない患者さま向けで、外見が自然で寿命が長めですが、治療期間が長く、自費のため高い治療費がかかります。一方、差し歯は歯根がある患者さま向けで、外見に素材による差があり寿命が短めですが、治療期間が短く、治療費は基本的に保険適用が可能です。

それぞれの特徴を比較し、よく歯科医師と相談したうえで、ご自身にとって最適の治療法を選択することが大切です。

インプラントや差し歯でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

インプラントの被せ物の種類と選ぶときの3つのポイントを解説!

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

インプラントの模型を持って説明する人

インプラントの土台部分が定着したら、被せ物を選びます。被せ物の種類や、選ぶときに考慮するべきポイントなどをご存じでしょうか。
今回は、インプラントの被せ物の種類や特徴、選び方について解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントの被せ物とは?

顎に手を当てて考える男性

インプラントの被せ物とは、上部構造(人工歯)のことです。歯茎から出ており、口を開けると見えるパーツです。

インプラントは、下記の3つのパーツから成り立ちます。

  • インプラント体(歯槽骨に埋め込むネジのような土台)
  • アバットメント(土台と上部構造を連結する歯台)
  • 上部構造(人工歯)

インプラント手術では、インプラント体を歯槽骨に埋め込みます。インプラント体が歯槽骨に定着したら、アバットメントと上部構造を取り付けてインプラント治療は完了です。
一般的に、手術代を含むインプラント体の費用と被せ物の費用は別料金です。インプラント体のことをインプラント、上部構造を被せ物と呼んで区別することもあるでしょう。

インプラントの被せ物の種類

歯科医院で治療を受ける女性
インプラントの被せ物には、多くの選択肢があります。それぞれ特徴や費用が異なるので、自分に適したものを選びましょう。
以下、インプラントの被せ物の種類を解説します。

オールジルコニア

オールジルコニアとは、すべてジルコニアで作られた被せ物です。ジルコニアは、セラミックの一種です。人工ダイヤモンドともよばれ、強度も見た目も優れています。

ジルコニアの特徴や費用をまとめました。
<オールジルコニアの特徴と費用>

特徴 ・強度があり奥歯にも使用できる
・天然歯に近い白さや光沢を再現できる
・身体になじみやすい
・変色しない
・金属アレルギーの心配がない
・費用が高い
費用 100,000〜200,000円

費用は高額ですが、人工関節にも使用されるほど生体適合性が高いです。見た目がよく変色しないので、人工歯と気づかれることはほとんどないでしょう。

オールセラミック

オールセラミックとは、被せ物の外側・内側をすべてセラミックで作った被せ物です。セラミックは陶器の素材で、天然歯に近い透明感やツヤがあります。

オールセラミックの特徴や費用は、以下のとおりです。

<オールセラミックの特徴と費用>

特徴 ・天然歯に近い透明感とツヤがある
・変色しない
・衝撃に弱く割れることがある
・金属アレルギーの心配がない
費用 70,000〜170,000円

ジルコニアに比べて透明度が高く、天然歯に近い仕上がりになることがメリットです。
しかし、外側も内側も陶器素材でできているため、衝撃に弱いデメリットがあります。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、被せ物の内側にジルコニア、外側にセラミックを使った被せ物です。強度が強いジルコニアのメリットと、審美性に優れたセラミックのメリットを得られます。
ジルコニアセラミックの特徴と費用は、以下のとおりです。
<ジルコニアセラミックの特徴と費用>

特徴 ・強度が高く天然歯よりも硬い
・審美性が高い
・金属アレルギーの心配がない
・変色しない
・費用が高い
費用 90,000〜200,000円

ジルコニアに比べて天然歯に近い仕上がりになるので、被せ物だと気づかれにくいでしょう。
天然歯よりも硬いため、天然歯がすり減る可能性があること、費用が高額なことがデメリットといえます。

ハイブリットセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン(歯科用のプラスチック)を混ぜて作った被せ物です。

ハイブリッドセラミックの特徴と費用をまとめました。
<ハイブリッドセラミックの特徴と費用>

特徴 ・比較的安い値段で白い歯を入れられる
・天然歯に近い色を再現しやすい
・強度が高すぎない
・変色する
・ほかの白い被せ物に比べると審美性が劣る
・金属アレルギーの心配がない
費用 40,000〜120,000円

オールジルコニアやオールジルコニア、ジルコニアセラミックに比べると審美性は劣りますが、費用を抑えられます。強度が高すぎないので、周囲の天然歯がすり減る心配はありません。
しかし、時間が経過することで変色する、被せ物がすり減るなどのデメリットがあります。

メタルボンド

メタルボンドは、内側は金属、外側はセラミックでできた被せ物です。

メタルボンドの特徴と費用は、以下のとおりです。
<メタルボンドの特徴と費用>

特徴 ・強度が高い
・セラミックが割れても修理しやすい
・外れにくい
・オールセラミックに比べると審美性が劣る
・金属アレルギーのリスクがある
・金属イオンが溶け出すことで歯茎が黒くなる可能性がある
費用 70,000〜100,000円

メタルボンドは内側が金属でできているため、非常に強度があります。セラミックの強度が十分でなかった時代に重宝されていました。
しかし、時間が経過すると金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむ可能性があります。そのため、セラミックの強度が上がるにつれ、セラミックを選択する人が増えています。

金属

全体的に金属で作られた被せ物です。被せ物のなかでは、最も費用が安い素材といえるでしょう。

金属の特徴や費用をまとめました。
<金属の特徴と費用>

特徴 ・強度が高い
・外れにくい
・金属アレルギーの方は使えない
・審美性に劣る
・経年劣化する
費用 70,000〜120,000円

どの種類の金属を選択するかによって費用が異なり、ゴールドを選択した場合は高くなります。できるだけ安く強度の高い被せ物を入れたい方には適しているでしょう。

審美性が低いので前歯には向きません。

おすすめのインプラントの被せ物

被せ物をつけられた歯を見せる人

インプラントの被せ物は、どの場所を治療するかを考慮して決める必要があります。例えば、奥歯と前歯では適した素材が異なるのです。
奥歯と前歯、それぞれにおすすめの被せ物を解説します。

奥歯におすすめの被せ物

奥歯の被せ物には、強い負荷や衝撃に耐えられるものを選ぶとよいでしょう。口を開けたときに目立ちにくいので、色の細かい違いはほとんどわかりません。審美性を気にする場合でも、徹底的に天然歯に近い色・光沢のあるものを選ぶ必要はないでしょう。

奥歯におすすめのインプラントの被せ物は、以下の4つです。

  • オールセラミック
  • オールジルコニア
  • メタルボンド
  • 金属

特に、見た目も強度も重視したい場合は、オールセラミックやオールジルコニアが向いています。

前歯におすすめの被せ物

前歯は、非常に目立つ場所です。口を開くたびに見えるため、見た目を気にする方も多いでしょう。

耐久性や審美性を考慮した前歯におすすめの被せ物は、以下のとおりです。

  • オールセラミック
  • オールジルコニア
  • ハイブリッドセラミック

上記の3つのなかでも、特に審美性を重視したい場合はオールセラミックとオールジルコニアが向いています。

インプラントの被せ物を選ぶときの3つのポイント

メモに書かれたポイントの文字と電球

インプラントの被せ物の種類は多いので、ご自身に適したものがわからない方もいるのではないでしょうか。被せ物を選ぶときのポイントは、以下の3つです。

  • 見た目
  • 強度
  • 費用

インプラントの寿命は、10〜15年といわれています。見た目・強度・費用の3つの観点から、長期的に考えて決定しましょう。
例えば、目立つ場所の被せ物を安さだけを考慮して選ぶと、経年劣化で見た目が損なわれる可能性や、耐久性が低い可能性があります。また、噛む力の強い方が奥歯の被せ物を選ぶときに、見た目だけで選ぶとすぐに壊れるかもしれません。
歯科医師と話し合い、予算も考慮しつつ、ご自身に合った被せ物を選びましょう。

インプラントの被せ物を長持ちさせるための方法

鏡を見ながら歯磨きをする女性

インプラントは非常に高額な治療です。よい状態を長持ちさせるためには、ケアが欠かせません。インプラントの被せ物を長持ちさせるための方法は、以下の2つです。

セルフメンテナンスをしっかり行う

毎日のセルフメンテナンスをしっかりと行いましょう。ケアを怠るとインプラント周囲炎になるなど、インプラントを失うリスクが高まります。
歯ブラシでのブラッシングに加え、歯間ブラシ、フロス、タフトブラシなどを使って歯磨きをしましょう。特に、歯と歯の間、歯と歯茎の境目は、磨き残しが生じやすいので注意してください。

定期検診を受ける

定期検診では、インプラントに不具合がないか、歯茎の状態に問題がないかなどを確認します。インプラントに問題があった場合、早期に対処できるでしょう。
インプラント治療には保証が付いているのが一般的ですが、定期検診に通っていなければ保証が使えないことが多いです。高額なインプラント治療を全額自費でやり直すことは、大きな負担になるでしょう。歯やインプラントの健康を守ると同時に、万が一のトラブルに適切に対応してもらえるように、定期検診は必ず受けてください。
定期検診は、最初は2〜3か月に一度の頻度で受けます。特にインプラントに問題がなく、歯磨きなどのせるメンテナンスを行えていれば、6か月に一度の頻度まで減るでしょう。

まとめ

歯科医院で治療をする男性医師

インプラントの被せ物とは、上部構造の人工歯のことです。被せ物にはさまざまな種類があり、耐久性・見た目・費用がそれぞれ異なります。
適した素材は、インプラントの埋入場所や噛み癖、予算などによって異なります。長期間使用することを考え、歯科医師と相談しながら自分に向いているものを選びましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!

上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しいのか?

皆さん、こんにちは。綾瀬市にある武内歯科医院です。

上顎のインプラント

インプラント治療において大事なことは「インプラントの土台となる顎の骨がしっかりとあること」です。特に目立つ部位である上顎の骨が少ないと、インプラント治療に問題が生じるとされています。インプラント手術部分に顎骨が少ない場合は、顎骨の再建手術が必要です。

今回は、上顎の骨が少ないとインプラント治療に支障が出る理由や、上顎の骨が少なくなってしまう原因について解説します。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

上顎の骨の量が少ないとインプラント治療は難しい?

歯科医に相談する患者

上顎の骨の量が少ないと、インプラント治療は一般的に困難といわれています。

インプラント治療とは、失われた歯を人工の歯に置き換える治療法です。人工歯であるインプラントを代わりに置き換えるためには、それを固定するための土台の骨が必要です。インプラントは直接骨に埋め込むことで安定し、人工の歯根の役割を果たします。

具体的には、骨量が少ないとインプラントを埋入するのに適切な深さと安定性を得られません。もし、骨量が少ない状態でインプラント手術をした場合、インプラントがしっかりと固定できず、術後に埋入したインプラントが動き、最悪の場合は脱落するなどの問題が生じます。また、骨が少ない場合、インプラントの圧力が隣接する歯根や神経に伝わり、痛みや感覚異常の原因となるでしょう。

最近では骨移植やGBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生)といった手法もあり、これにより不足する骨量を補うことが可能です。これらの方法を利用すれば、骨の量が少ない場合でも治療ができる可能性があります。

しかし、手術がより複雑となり、治療時間や費用、そして合併症リスクも増えるため、慎重な判断が必要です。

患者さんの口腔内の状況や全身状態、希望等を考慮し、歯科医師と相談しながら適切な治療方法を選択することが重要といえるでしょう。

上顎の骨が少なくなる原因

チョークで書かれたwhyの文字

上の歯のインプラント手術が必要になる上顎の骨が少なくなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。以下、原因を解説します。

歯周病で顎の骨が溶けた

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、歯周病が挙げられます。

歯周病は、歯周ポケットの炎症が進行し、歯を支える骨が破壊される病状です。歯周病を患うと、歯を支える骨が溶け、歯とともに骨も失ってしまうことにより上顎の骨が少なくなります。

歯周病は、口腔内のプラークが原因で発生します。プラークが取り除かれないと、歯茎から歯が離れて歯周ポケットが形成され、さらに細菌の繁殖へつながるでしょう。歯周病菌は、免疫システムが病原体と認識して炎症を引き起こしますが、長期にわたると骨にも影響を及ぼします。

治療が遅れると、骨破壊は進行し、上顎の骨はさらに消失するでしょう。その結果、歯が動くようになり、最終的には抜け落ちる恐れもあります。抜け落ちてしまったあとは骨の再生は困難となるため、少なくなった上顎の骨は元の状態に戻すのが難しい状況になります。

歯のない状態が長く続いた

上顎の骨が少なくなる原因の一つには、長期間にわたる歯のない状態が挙げられます。この状態が続くと、咬み合わせる対象がないため、骨に適切な刺激が行き渡らなくなるのです。

通常、歯は咀嚼を通じて骨へ刺激を与え、骨の形成を促進します。この動きは、骨密度を保つうえで重要な役割を果たすのです。

しかし、歯が失われると、咀嚼による刺激がなくなり、骨形成のバランスが崩れることがあります。結果として、一部の骨組織が吸収され、次第に骨量の減少につながるのです。

骨の吸収は、古い骨を新しい骨で更新するという自然な生体プロセスの一部ですが、咬む刺激がなければ新しい骨の形成が遅れ、結果的に骨が少なくなる傾向にあります。特に、歯を失ったあとにそのまま放置し、適切な補綴(ほてつ)や補填をしない場合に、この現象は顕著になるといえるでしょう。

歯の抜け落ちた部位に対しては、速やかに適切な治療や補綴をすることが、骨の健康維持に重要とされています。

入れ歯の使用などで顎の骨が痩せた

上顎の骨が少なくなる原因としては、口腔の健康状態などが一般的に影響します。特に顕著な例としては、長期間の入れ歯の使用です。

入れ歯を使用することは、歯牙を失ったあとの生活をより快適にするための選択肢の一つであり、噛むための機能を助ける重要な役割を果たします。

しかし、その一方で、入れ歯の使用には顎骨への影響があり、長期間使用すると顎の骨が痩せる現象が見られるのです。つまり、自然な歯がない場合、顎骨に常に刺激が加わらないため、骨が徐々に吸収され、骨の量が少なくなるというメカニズムです。

入れ歯を使うと、歯が骨に直接力を伝えられないため、骨への刺激が著しく減少します。これが骨吸収を引き起こす一因につながるのです。また、入れ歯は、適切なサイズやフィット感を保つために定期的な調整や交換が必要です。これらの調整が適切に行われない場合、入れ歯と上顎骨との間に不適切な圧力が生じ、さらに骨の吸収を加速させる可能性があります。

腫瘍などの影響で顎の骨の一部を失った

上顎の骨が少なくなる原因の一つとして、腫瘍があります。

腫瘍は、細胞の異常な増殖により生じ、その発生箇所や種類によっては骨組織に影響を及ぼすことがあるのです。特に、口腔内や顎の近くに発生した腫瘍は、その進行に伴い周囲の組織や骨を侵食し、損傷を引き起こす可能性があります。その結果、上顎の骨量が減少するという事態につながるのです。

特に進行した場合や、腫瘍の摘出が必要な場合には、治療の一環として骨の一部を切除しなければならないこともあります。腫瘍の存在は、顎の骨量減少の可能性を高める重要な因子です。また、癌の種類によっては骨の代謝を乱し、骨がもろくなることや骨密度が低下することもあります。これにより、上顎の骨が薄く、脆くなることがあります。

腫瘍は顎の骨量減少の原因となり得ますが、そのほかにも歯周病、加齢、栄養不足などによる影響も無視できません。また、骨量減少の予防や機能の回復、維持のためには適切な治療やリハビリテーションが必要です。

定期的な口腔内の健康診断と早期治療、良好な口腔衛生の維持が重要なポイントといえるでしょう。

上顎の骨が少ない人がインプラント治療を受けたい場合はどうする?

インプラント模型を患者に見せる医師

上顎の骨が少ないためにインプラント治療が難しいとされるケースでも、骨造成治療やそれに含まれるサイナスリフトを行えば、インプラント治療を受けることができます。

骨造成治療は、文字通り、骨を造成する治療であり、自身の骨が不足している部分に人工骨や自己の骨を移植し、インプラントを埋入するのに適した骨の量と質を得る方法です。特に、上顎の奥歯部分にインプラントを埋入したい場合に骨量が不足していると判断されると、歯科医師からサイナスリフトの提案がなされることが多いでしょう。

サイナスリフトは、上顎の奥部分にあたる口腔洞(サイナス)の底部を持ち上げ、その下に新たに骨を形成する治療です。この治療によって、インプラントがしっかりと固定できるようになります。骨が少ない部位へのインプラント治療を可能にするための有効な手段といえるでしょう。

ただし、サイナスリフトを含む骨造成治療は、高度な技術を必要とする外科治療であり、治療期間も長くなります。まずは信頼できる歯科医師と相談し、治療計画をしっかりと立てることが重要です。

まとめ

頼もしそうな男性歯科医

上顎の骨の量が少ない場合、インプラント治療が難しくなることがあります。

インプラント手術には、インプラントを支えてくれるしっかりとした土台が必要です。もし上顎の骨の量が足りない場合は、骨造成治療のひとつである「サイナスリフト」を行うことで、新しい骨を形成できます。

もし顎の骨が薄い場合でも諦めずに、まずはインプラント手術を希望する歯科医院で診察を受け、相談することから始めましょう。

インプラント治療でお悩みの方や不明点がございましたら、神奈川県綾瀬市にある武内歯科医院にお気軽にご相談ください!